「いやや」選評用スレッド
峯岸@管理者 / 2022-07-02 13:56:33 No.133
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海音寺ジョー◆2819bb / 2022-07-17 09:45:51 No.134
選にあたり、「いやや8」は「いやや7」の被りと見做しました。「いやや14」「いやや15」は空欄になってるので、何らかのバグと見做しました。

○いやや4
いややいやいや

リズムが心地よかったです。一行超短編は潔さが大事!

○いやや 7
強かな酔いに任せて遊郭まで歩いた。

ストーリーにも惹かれましたが、タイトルからの「いろは」の順の名付けという発想に意表を突かれました。『い』と、名が明かされた途端に来る不穏さが秀逸でした。

✕いやや10
「IYAYA, HOTANI?SAN!」

ノーをいややに置き換えるという発想、力技に心を持っていかれました。〇が尽きたので、逆選でお願いいたします。

以上です。よろしくお願いします。

磯村咲◆8fbabe / 2022-07-17 18:58:01 No.135
色々思いつけそうな気がしたのに、方言がネックになり話を広げられず苦しみました。皆さんもそうだったのでは。

◎<いやや2>
> 明けない夜に入り込み、夢から覚めることができない。黄金の光を発する鳥
夜に捕らえられて出られない悪夢のようであり、しかし、タイトルがいややなので、ただただ起きたくなくてまどろみ続けているようでもあり、面白いです。
幻想的な光景の描写が上手く、こんなに綻びの無い夜からは出られる気がしなかったです。

△<いやや1>
> あーちゃんちの子どもは、あーちゃんに似ている。ほとんど、あーちゃんと
ダブル・ミーニングではなくてパラドキシカルなタイトルの味わい!

×<いやや4>
>いややいやいや3いやや。あわせていやいや6いやや。
みいやや、むいやや、だと拍子外れで、つい、さんいやや、ろくいややと読んでしまうけれど、どちらも早口言葉としては言いにくくもないなあ、と何度も読んでいたら、伊東に行くならサンハトヤーの節でしか読めなくなってしまいました。逆選で。

以上です。

脳内亭◆97ae83 / 2022-07-19 00:22:33 No.136
 コンバンハ、脳内亭です。

 どうにかこうにか問題も一応は片づいたとして、改めて行きましょう。なかなか扱いの難しいタイトルだったようです。それでは選評です。よろしく願います。



○いやや3
> かずら橋夢舞台?

 いろいろ検索しながら読みました。このタイトルでこういう話を持ってくるところが面白いです。細部の描写が良いです。


○いやや12
> じばさん、と地元の人が呼んでる観光物産プラザ。

 何かモデルとなる場所があるのかしら。作者の地元とか。
 シンプルながらも軽妙な読み心地でした。今回はリアルに寄った話の方が自分にはハマったようです。


×いやや4
>いややいやいや3いやや。

 これに逆選を贈るのは思う壺のような気もしつつ、微妙なリズムの悪さが気になってしまったので。



 以上でっす。
 管理人がこのまままた何日も音沙汰なかったら、もう参加するのやめようかなと考えてたところでしたよ。では、脳内亭でした。

遠音◆56c847 / 2022-07-22 22:56:40 No.137
こんなバラエティ豊かな「いやや」が並ぶとは。そしてネタかぶりしていないのもすごい。選に入れられなかったけれど印象深い作品も多かったです。
私はまだ500文字の枠が微妙に窮屈でして、500文字よりぐっと少ないのに書き切っている作品は個人的に勉強になります、うーむ。

<選評>

◎ いやや3
> かずら橋夢舞台?
「秘境とは。」に個人的に強く共感してしまった。いや行ったことはないのだが。
「広大な駐車場」「商業施設」「かずら橋の料金所」「大型バスが余裕ですれ違える2車線の山道」、そこはレジャーランドですか?
話は逸れるが、登山はレジャー化する前の“旅”の手段であった頃が断然面白く、生の実感を味わえるのだろうなと思っているので(でも山間を旅する程の能力や体力は無いのだが)、この話はしみじみと読んでしまった。
「彼」が「察しがいい」のは「私」のテンションが上がらない事止まりで、その理由までは察せていないのもすごくリアル。
「祖谷」の読み方を調べて駄洒落なのだと気づいたが、この話の場合はスベってしまわずに効いていると思う。
正選です。このカップルには良い夫婦になってほしい。


△ いやや12
> じばさん、と地元の人が呼んでる
最後は尻切れトンボのようにも見えるが、この幕引きと漂う気配が好もしく感じた。私が作者なら続きを書き込んでしまうと思う。
本嫌いの妹に読み聞かせをしたのちの展開を予感させるから、この先話がふくらんでゆく手ざわりがあって、物足りなさを感じずに済むのだろう。起承転結の、承なかばでたゆたっていて、転へと動き出す気配に浸れる。
「じばさん」「まちやりょうへい」がひらがな表記なのは、この主人公が小学生ということか。
劇的な展開もSF的世界設定もなく、日常を淡々と描いていて、この短さでこの充足感。次点です。


✕ いやや4
> いややいやいや3いやや。
いやいやこういうのはズルいでしょ?と思いつつ、面白く読めてしまった。純粋に楽しい!
愛を込めて逆選で!

(選外評に続く)

遠音◆56c847 / 2022-07-22 22:58:55 No.138
(続き)

<選外評>

いやや1
> あーちゃんちの子どもは、
「まだなの?」は同調圧力だが、それよりも「いーちゃん」が怖れているのは、自分の複製を製造してしまうことではなかろうか。
「やや子たち」が三人とも母親にそっくりなことに当人たちは疑問を抱いていない、この怖さ。
塩気の物が食べたいのに甘い物を食べていることなど、蚊帳の外に置かれてしまっている感触がリアルだ。
ラストの時間が引き伸ばされてゆくような止め方がよい。


いやや2
> 明けない夜に入り込み、
植物人間になってしまって長い長い夢の中をさまよっている状態が浮かんだ。
「いややー」などの囁きは「小さな存在」の声だったのに最後の一声は「私」の意志のようにも見えて、この混濁具合が怖く、面白い。「通りゃんせ」的な、原始的な怖さ。死と生のあわいは意外に広大だった。
小さな生き物は妖精なのだろうが、安易に「妖精」とせずに遠回しに描写しているのが好印象。


いやや6
> 「は?」思わず声が出た。
私なら「んん?なんですか?(はてな顔スタンプ)」とか、めんどいのでさくっと返しちゃうなーと思い、この主人公はきっと若いんだろうなぁと思った。流行を外さない返しをしようとするのが若者だと思うのは偏見だろうか。
ラストの超展開は、返信しなかったことと無関係とも、遠因になっているとも、両方の読みができるのが良いが、ただ個人的には超展開過ぎて入り込みづらかった。
このラストからすると、謎のメッセージは「嫌や」ではなく何かを入力途中で送信してしまい、途絶えてしまったとも取れるか?


いやや7
> 強かな酔いに任せて
怪談風味だが、それ以上に切ない。
親の愛を得られなかったのは貧困のせいなのか、親の頭が弱いからなのか。
「長女のわたしは、長女なので、他の弟妹より先に生まれました。」の文脈のおかしさや、名前が一文字の『い』でしかない異常さも薄ら寒さを生んでいる。
主人公は生還できているように見えるが、果たして。


いやや9
> 「妻帯者に再会、
ラップ? リズムの良さはあるが断片的で、一話として物足りなさを感じた。
このあっけなさが狙いかもしれないが、この二人の関係性や背景がもう少しだけ見えてきたら奥行きが出ると思う。

(続く)

遠音◆56c847 / 2022-07-22 23:00:50 No.139
(続き)

いやや10
> 「IYAYA,
まさか、こういう形で時事ネタに持っていくとは!
実際のWARはシリアスだが、この話は飄々としていてあまり風刺などの刺々しさがないのが良かったと思う。
声高に「戦争反対!」ではなく、さらっと「IYAYA WAR!」と表現しているのが逆に反戦の実感があってよい。
「HOTANI?SAN!」はよくわからないが元ネタがあるのだろうか。気になるが、流して読めてしまうのもまたよい。


いやや11
> 道中、猿を拾った。
伏線バリバリにみえた猿、あっさりいなくなるんかい!とツッコんでしまうのは作者の狙いどおり?
猿の仲間というくだりで桃太郎のお供三匹を思い出したが、そういう話でもなく、本当に何気なく話は展開し、皆散ってゆき、また独りの旅は続いてゆく。現在形で終わり、話がこのまま川の流れのようにとうとう続いていく気配がある。
これはひょっとして、また冒頭に戻ってループするパターン? そして即席の豪勢な鍋の再来!


以上です。

胡乱舎猫支店◆4926c5 / 2022-07-24 21:48:44 No.140
遅くなりまして申し訳ありません。
関西人なので「いやや」はどうしても「嫌や」なのでそれに引っ張られない様にしようと思ったのですがやはり…。

◯いやや1
>あーちゃんちの子どもは
最初「いやや」さんのお話かと思ったら必ずしもそう言うことでは無くて真っ当な「いやや」のお話でした。凄くわかります。情景がはっきり浮かびました。まあ呼ぶ方からしたら呼ばないわけにもいかないしその辺り難しいですよね。

◯いやや5
> スライドショーが終わった。
こちらも真っ当な「いやや」ですね。いややの種は既に始まる前からあったのでしょう。それが発芽してじわじわと土を持ち上げて行く。ステーキ食べるくらいいいじゃないですか?何がいけないのでしょう?そのくらいしないとどんどん伸びていきますよ。

×いやや10
> 「IYAYA, HOTANI?SAN!」
実際にありそうだしオチが好みなのですが、◯を既に使ってしまったので申し訳ありません限りなく◯に近い逆選でお願いします。

つとむュー / 2022-07-24 23:16:35 No.141
お題案を提出した者です。
何も考えずに提出したお題案だったので、よい物語が思い浮かばず自爆しました。
みなさん、すごいです。さすがは「500文字の心臓」参加者のみなさんです。
ちなみに第188回だから「いやや」というのは内緒です(えっ、みなさん知ってたって?)

〇<いやや3>
>かずら橋夢舞台?
まさかの祖谷で「いや」とは!?
この地名、初見では読めませんよね。面白かったです。
二人のその後もとても気になりました。

〇<いやや5>
>スライドショーが終わった。拍手の波が穏やかに抜けてゆく。
この微妙な雰囲気が何とも言えず素敵です。
「いやよ」では弱く「いやだ」ではちょっと強く、
その中間の言葉で叫びたい気持ちがひしひしと伝わってきました。

△<いやや2>
>明けない夜に入り込み、夢から覚めることができない。
「いややー」の囁き声が、謎の生き物の魅力を引き立てています。
正選と迷いましたが、次点でよろしくお願いします。

△<いやや11>
>道中、猿を拾った。
「IYAYA」の鳴き声が、妙に記憶に残りました。
小刀が出てきた時は、ちょっとドキドキしてしまいました。

×<いやや1>
>あーちゃんちの子どもは、あーちゃんに似ている。
いーちゃんのやや子と、いーちゃんの気持ちを兼ねたアイディアが素晴らしかったです。
いーちゃんは「自分は他の三人とは違う」という感じでラストを迎えますが、
「他の三人と違うなら、自分の子供は三人の子よりも可愛い」となるような気もしました。
ということで、逆選にさせていただきました。

以上、よろしくお願いします。

空虹桜◆7a91dc / 2022-07-24 23:21:35 No.142
人徳というか、人たらしというかは、
なんだかんだで許されてしまうのが問題で、
ヒールな人生を過ごしてきた身空としては、ちゃんと罰されよと思うわけですが、
そういう発想では徳が積めないので、己の矮小な心持ちにうんざりするこの頃。
いややいややも好きの内。ああ、これこれ。
なにを書いてるのか良くわかりませんが、
初めてさんの作品が掲載されないような事態は由々しいので、
管理人様におかれましては、
指さし確認でもして注意義務を果たしていただきたいですね。まったく。
たまには酒ぐらい奢るからさ。

○<いやや5>
>スライドショーが終
アタシのエンパワーメント趣味としては、
ウェディングドレスでも平然と殴りつける方が好みなので、
ちょっと薄味の感があるけれど、
馬刺しすら生で食べられないご時世になりつつあるから、
軽く火を通しているのは妥協する必要があるんですよね(なんの話だ)
食中毒恐い。食中毒。

○<いやや11>
> 道中、猿を拾
なんだこれ?
なんともよくわからない話なのだけど、
いやいや、だからこそ超短編っぽいとも言える。
タイトルを消化するのに、ここまでの物語を用いるのは、
なんだか片道5分の距離に飛行機乗ってくみたいな強引さで、
極めてエコじゃないから良いなぁと(わかりにくい褒め言葉)
猿ならニンニク食べてもOKか。
この話だと、「ニンニク」だけカタカナなのが引っかかるかな。やはり。

空虹桜◆7a91dc / 2022-07-24 23:21:47 No.143
△<いやや3>
> かずら橋夢
気持ち長いかな?って気がするけど、
このそこはかとない文化系感は好ましい。
なにより、「ただの移動好きな私」が最高。
この二つ名(?)は、積極的に使っていきたい所存。

△<いやや12>
これはタイトル「じばさん」だなぁ〜
文字数的に、半分以上が説明文になってしまったことが悔やまれるので、
じばさんの話か、妹の話か、どちらかに集中すべきだったのではないかと。
ただ、どちらも日常系としての空気感が好ましい。
あと何気に一行作品。

 じばさん、と地元の人が呼んでる観光物産プラザ。市民会館に土産物屋と食堂を足した総合施設で、二階にちっちゃな図書室もある。本が目当てで、父母の用事に付いて行く。妹は本が嫌いで、だいたい「いやや」って家に引きこもる。まちやりょうへいの新作があったので、借りて帰る。妹にも読み聞かせてやる。

×<いやや9>
>「妻帯者に再会、大
まさかのトランジスタ・ラジオ!?
と、反応するのは負けな気がするけど、
もしかすると、
アタシしか反応する人いなさそうだから仕方ないか・・・
とはいえ、パッと曲名出てこなかったからググったんですけどね!

<いやや1>
>あーちゃんちの子
そうなんですよ。アタシも「あやや」書きたくて仕方がなかったんですよ。
恐るべし、松浦亜弥の刷り込み。あの全盛期。
書いたら書いたでそう話が盛り上がらなかったから、
その件は捨てちゃったんですけど、最後まで書き上げて出してるので優勝です。
印なんてオマケです。おめでとうございます!

<いやや4>
>いややいや
計算あわないし。

まつじ / 2022-07-26 13:58:42 No.144
こんにちは、まつじです。遅ればせながらの選評です。とりいそぎですみません。

○<いやや10>「IYAYA,
ああ、これはまだ分かります。10年前に読んでも分からなかったでしょうけど、それでもオチは理解できますね。悔しいかな、ちょっと笑ってしまいました。

○<いやや12>じばさん、と地元の人が
 読み聞かせてあげるなんてやさしい、姉だか、兄だか。そこを明記しないところが好みであったりします。今日も、じばさん行きましょう。行きたいです。

△<いやや2>明けない夜に入り込み、夢から覚め
 幻想的な情景を描写する言葉選びと「いややー。いややー。」の軽妙さとの取り合わせがクセになります。夜の中にはいたい。眠るわけでもないのが意味深。

△<いやや3>かずら橋夢舞
 意外なタイトル消化にちょっとびっくり、知るって面白いですね。前半の叫びにだまされました。「ただの移動好きな私」というのが好みです。

×<いやや9>「妻帯者に再会、大枚はたいたに
 あ。これは私にはわからないやつだ。と諦めてしまうのは悪いクセでしょうか。知識の多い方というのは楽しめることが多くて羨ましいです。

以下、選外評。

まつじ / 2022-07-26 13:59:09 No.145
<いやや1>あーちゃんちの子どもは、あー
 ありがちといえばありがちな状況のようでもあるけど、こういう形でタイトルを消化するとは。「やや」の合いそうな名前を探すのに一苦労ですね。

<いやや4>いややいやいや3いやや。あわせて
 「い」と「や」に目が翻弄されて読み間違えそうになってしまいました。なるほ…ど……?理屈は後だと思わせるキレのよさがよいですね。

<いやや5>スライドショーが終わった。拍手の波が穏やか
 最後はもっと盛り上げるかなというところで意外とあっさり食べた印象ですが、語り手の心情の変化が描かれいるのがいいなと思いました。

<いやや6>「は?」
 そんなに返事に悩んでしまう語り手の生真面目さに賛辞を。と思ったら案外ラストが淡々としていて、そのギャップが面白かったです。

<いやや7>強かな酔いに任せて遊郭まで歩いた。
 おとうとおかあの消息をどう知ったのだろうと思いつつ、「長女のわたしは、長女なので、他の弟妹より先に生まれました」がとても好きです。

<いやや8>(都合により削除しました)
 いややー。

<いやや11>道中、猿を拾った。
 ローマ字表記の作品が続く不思議。タイトルを考えると平仮名表記でもよかったのではとも思えますが、思わせぶりな猿に淡々としたラストは嫌いじゃありません。

ではでは。

たなか◆535f38 / 2022-08-01 00:31:53 No.146
たなかです。
仕事と体調不良でなかなか余裕ができず、たいへん遅れました。
選評が揃うのを待っておられた方がたには、伏してお詫び申しあげます。
取り急ぎ、選評です。
手癖で書くのは閉じすぎてしまい、かえって見晴らしが悪くなるなぁと、自身反省しつつ。



○いやや1
>  あーちゃんちの子どもは、あーちゃんに似ている。ほとんど、あーちゃんといって

巧みさと物語性の高さが秀逸。初読時は単なる言葉遊びかと読み飛ばしそうになったが、
語り手の心根がそのまま表れる最後の段落に辿り着いた瞬間、全体的な景色が一挙に見え、
タイトルまで大きな道が通った。隅々まで力を有する言葉の威力を感じさせられた。


△いやや5
> スライドショーが終わった。拍手の波が穏やかに抜けてゆく。

丁寧な話。幸せそうな景色と反比例して冷めていく語りがよい。各エピソードは頷けるし、
最後の展開も動きが大きくてよかった。ただ、最後の一文まですべてが教科書どおりで、
予定調和過ぎるように感じた。段落構成の練り込みもあわせて、もう一歩先が欲しかった。


△いやや7
>  強かな酔いに任せて遊郭まで歩いた。

雰囲気づくりが見事な話。各語り手とその語り、語られる背景世界との合わせ方がよい。
娼妓の「いや」な感じが、「父も母も……」、「ウチ」のカタカナ表記、「ハハハ。」
の文字通り浮いた描写等で鮮明でよい。ただこの作品もやはりもう一歩先が欲しいと感じた。


×いやや9
> 「妻帯者に再会、大枚はたいたに間に愛足りない笑いない涙に堪えないそんな気持

言葉遊びだけでは「物語」として楽しみづらくてとりづらいというのは自分の持論だが、
そのうえに、韻や固有名詞との絡みだけで興を与えるのが主眼なら、本作では足りない、
と感じた。むしろ、足しすぎた剰余分、足りないと感じさせられたように思う。


○いやや11
>  道中、猿を拾った。

猿の鳴き声が実際にはどういう意味なのか不明なまま、人語に寄せて解釈してしまう辺り、
人と獣との、触れ合いと齟齬を感じさせてよい。ローマ字でその感覚が記せるというのは、
新しい発見。三者の短い触れ合いと別れが人生と旅との相似を感じさせる素敵な話だった。

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