「小鬼の秘密」選評用スレッド
峯岸@管理者 / 2022-10-10 22:43:36 No.147
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空虹桜◆7a91dc / 2022-10-11 23:08:57 No.148
アレ?みねぎし、なんかあったんかしら?
と、思ってましたが、無事公開されて一安心。
管理人様の秘密はなにやらあるかもですが、
小鬼じゃないから勘ぐっても致し方無しなので、粛々と選評です。
小鬼も秘密も具体的な名詞なので、見せ方が腕の見せ所だなぁ。
というのがファーストインプレッション。

○<小鬼の秘密7>
> 鬼が走っていた。森を抜
凄い読みにくくて、リーダビリティとは?
って気になるのだけど、超大まけにまけての正選。
話のポテンシャルはありそうなので、
もうちょっと、用語の出す順番や視座、
あるいはカメラ位置は気にして欲しいところ。
たとえば冒頭。
走っていた「鬼」と、叫んだ「彼」が同一だと理解するまでに、
しばらく読み進める必要がある。
後段出てくるとおり、鬼の性別に男女がある世界なのだから、
先入観ありきな代名詞使用は考えて欲しいところ。
それはともかく、鬼の人間らしさというか、
優しさや朗らかさと、獰猛さのミックス具合が、
長い映画の印象深いワンシーンのようで心地良いです。

○<小鬼の秘密13>
> えんぴつ書きの「封」シ
わら半紙のひらがな、つい立て読みしてしまったけど、
なにか意味を見つからず。仕掛けあるのかしら?
それはそうと、久々にしっかり恐い超短編読んだなぁという、嬉しい感慨。
ばあちゃんが小鬼となると、横溝正史的な妄想もしたくなるのだけど、
横溝正史は読んでないです(映画はいくつか見た)
にしたって、なにを思い出すのか・・・
ああ。恐い恐い。

空虹桜◆7a91dc / 2022-10-11 23:09:16 No.149
△<小鬼の秘密1>
> 埃をかぶった、納戸の奥の長
いろいろツッコみどころが散らばったキュートな作品。
一番は「蒐集」で「鬼」を使ってるとこだけど、
ぎゅう詰めなのを一行作品で表現されてるのが良いです。素敵です。
しいて言えば、「小鬼」や「わたし」の年齢が読者と作者で一致してないかな?っていう。
アタシは子どもの鬼とJCぐらいの感じで読んだのだけど、
すると、ちょっと一人称の語り口がオッサン臭いというか。

×<小鬼の秘密4>
> 最近奴は融の部屋に籠
高校の同級生にまさしくこの字で「融」って子がいたので、
どうしても、その子の顔で物語が再生されるの、アタシ的には残念でした!
逆選送りたい作品がなかったので、「融」のせいで逆選です。棚からぼた餅的な。
それはともかく、今の子って、
ゲーム作成もMinecraftの中で全部やっちゃうって聞いたんですが、本当ですか?
って、そうじゃなく、
> 昔話の頃から変わらずセキュリティが甘い奴だ。
のワンラインが素敵です。
鬼ヶ島に上陸された時点で、負けは決してたと。

たなか◆535f38 / 2022-10-21 20:21:11 No.150
たなかです。
このお題、書くのは楽しかったんですけど、もしや非常に難しかったのでは。
「小鬼」のイメージや、そこから思いつく物語が、
全体的にかなりかたまってしまっている印象がありました。
そのなかでひとつ頭抜けるには、少々ワザが要りますね……
選評です。よろしくお願いいたします。


×小鬼の秘密1
>  埃をかぶった、納戸の奥の長持からくしゃくしゃの反故紙を掻き出して、小鬼は大事に

面白かったです。小鬼が可愛い。ただ、言葉の選択に違和感があり、物語世界の見せ方が
摑みづらく少々混乱しました。例えば国語の先生だったお爺ちゃん「ロングロングアゴー、
フル」、地の文「紙背文書、懐疑、てんで」等、い抜き「使ってた、してる」等。逆選で。


△小鬼の秘密3
>  人知れず、里帰りをしている。

素敵な小品。三行の分かち書きが効いていると思いました。一行目で物語世界が見え、
二行目で焦点が「彼ら」に絞られ、三行目でその内面にまで触れ、一行目「人知れず」・
二行目「臆病な」の意味が回収される。ただ全体的なパンチ力は大きくないかも。次点で。


△小鬼の秘密6
>  僕は、代々続いている家の蔵にいる。僕の姿が見えるのは、母屋に住んでいる坊だけだ。

全体的には本当によくある話ではと思いました。けれども最後の二文、『丁度落ちて来た
稲妻を駆け昇った。「知られたかー」と、声だけが残った』があまりによすぎたというか、
もうそこだけでぐんと印象が強くなりました。絵的な動きがすごくよかったです。次点で。


○小鬼の秘密9
> えっ? 鬼隠村の様子を教えてくれって?

こちらに聞かせる語りで、テンポも良く、引き込まれ、この話の雰囲気にぴったりだと
思いました。嫌な開陳が来るものと待ち構えていると、おぅ…… 実際に自分が目撃した、
ミミズやらダンゴムシやらと小鬼が重なって、なんとも言えない思いに…… 正選で。


○小鬼の秘密13
>  えんぴつ書きの「封」シールを見た途端、直感する。あ、これは痛いヤツだ。

『えんぴつ書きの「封」シール』の時点で引き込まれました。「変色したわら半紙」だし。
ひらがな三行の言葉も意味ありげでよい。「おもいだしてしまう」のは語り手ではなく、
弟のほうだったのですね。麦茶の氷が鳴ったところで締めなのもよかったです。正選で。

磯村咲◆8fbabe / 2022-10-22 12:38:55 No.151
秋の陽射しに小鬼の秘密が似合いますね。

〇<小鬼の秘密1>
> 埃をかぶった、納戸の奥の長持からくしゃくしゃの反故紙を掻き出して、小
小鬼の秘密が人の理屈で計れないのも魅力的だし、小鬼が高揚を隠せない様子も微笑ましかったです。
紙背文書という言葉を知らなかったので勉強になりました。

〇<小鬼の秘密2>
> 綺麗な町の外れに雑言ひとつ吐かない小鬼が住んでいて、口からぽろぽろと
小鬼の不思議な生態が、宿主を操り複数の宿主を渡り歩く寄生虫に似ていると思いながら読みました。小鬼を生み出すのは深い冬の底で形を得た氷の言葉。地の氷を捕らえ、綺麗な氷の言葉を吐き、綺麗な町を築くのは次の冬の繁殖のため。小鬼の秘密というタイトルからすると壮大な発想が、光景も浮かぶ文章で見事に描かれており、面白かったです。

×<小鬼の秘密8>
> 「あ、また、角が出た」
母の額に角が生え、小鬼が現れるようになった導入部、主人公だけが転校生が小鬼だと気付き、小鬼もそのことに気付いて主人公に近づく展開部、商店街は既に小鬼だらけで、それが見える主人公が食べられる結び、とエピソードの羅列になっていて、文章は簡潔で読み易いけれどどこか切り貼り感が残り、転校生の部分は無くてもよいように感じられました。(えらそうですみません)

磯村咲◆8fbabe / 2022-10-22 12:44:28 No.152
以下選外評です。
<小鬼の秘密6>
たなかさんの選評とは逆(?)に最後の一文が引っ掛かりました。親切で魔力を溜めるには、その行いを知られてはいけなくて、それが「秘密」だったことを読み手に知らせてオチとする最後の一文ですが、ずっと「僕」の語りできていたのに、そこだけ誰目線か分からない語りにならざるを得ず、違和感がありました。
「知られたかー」
声だけが残った。
の方が違和感がマイルドになったかもです。

<小鬼の秘密9>
川に行くと石をひっくり返して虫を探す方なので、そんなに密だったら小躍りしてしまうかもです。作品とは関係ありませんが、昔、鬼の付く名の土地を訪ねている女性と同宿になって、翌日彼女は鬼無里へ、私は戸隠へ向かったのを思い出しました。

<小鬼の秘密13>
「ひらいたら おもいだしてしまう」が書かれておらず、「こおにのひみつ」だけだったらどうなのか、
もう開いているわけだけれど、思い出してしまうには「おもいだしてしまう」も必要だったろうかなどと考えています。
メモを書いたのは主人公なのかばあちゃんなのかも気になります。

以上です。

miyuu2◆c997ec / 2022-10-24 00:01:37 No.153
管理人様、皆様、こんばんは。
私、妖怪が大好きなので、とても楽しめました。

管理人様へ
どうしたのかな?と心配していました。

〇 小鬼の秘密9

>えっ? 鬼隠村の様子を教えてくれって?

最初に読み終わった時、「おもしろい! うまい」と口から声が出ました。
謎かけのような。
役場の担当者「この村には、秘めたる場所に小鬼が隠れてます」の秘めたる「秘」と最後の文の「本当に密だったんだ」の「密」。
小鬼が隠れていて、それは秘めたる場所で小鬼が密だった。両方で、「小鬼の秘密」とお題になるなんて。私には、面白過ぎです。ツボです。

〇 小鬼の秘密2

>綺麗な町の外れに雑言ひとつ吐かない小鬼が住んでいて

怖いのに、文章の中の言葉が綺麗で素敵です。
読みながら、頭の中に映像が流れるぐらいの超短編です。
怖いのだけど、この物語の場所には行ってみたいと思いました。
これからの季節にピッタリ!

× 小鬼の秘密4

>最近奴は融の部屋に籠っている。

融くんと遊びたい思いで、小鬼さんはアカウントを持ち自身をキャラ化したゲームを作るなんて、凄い小鬼さんですね。
私には無理なので、小鬼さんの方が先をいっています。
セキュリティの甘さ、笑いました。
×にした理由は、今どき過ぎたからです。
×をつけて、すみません。私的にはゲームをする事は好きなので、小鬼キャラのゲームが出来たら、やりたいなと思いました。

以下、選外評です。

・ 小鬼の秘密7

会話が本当に鬼の家族が話しているようで、良かったです。

・ 小鬼の秘密12

3回読みましたが、どうしても意味が分かりませんでした。
読解力のなさに、少々、落ち込みました。

以上です。

つとむュー / 2022-10-24 00:50:19 No.154
〇<小鬼の秘密6>
>僕は、代々続いている家の蔵にいる。
妖怪が見える少年を描いた某アニメを思い出しました。
成長していく少年との対比で、小鬼感がよく演出されていたと思います。
少年だけが知る小鬼の秘密も素敵でした。

〇<小鬼の秘密14>
>角が一本、目が一つの小鬼は力持ち。
最初に羅列される能力と、小鬼ならではのほのぼの感が良かったです。
そしてラストにおいて、不穏な想像を搔き立てられる。
思わず「小鬼のままでいて欲しい」と願ってしまいました。

△<小鬼の秘密11>
>父の角は立派だった。だから人間に狙われた。
成長しない小鬼の想いを星の巡りと重ねるところが切なかったです。
母の呪いなのか、それとも願いなのか。両親がどうなったのか気になりました。

△<小鬼の秘密12>
>すれ違いざまに「グイズ」言われた北京の14:23。
貴子は中国では「グィズ」と呼ばれ、それは「鬼子」の発音と同じとのこと。
初めて知って、勉強になりました。

✕<小鬼の秘密13>
>えんぴつ書きの「封」シールを見た途端、直感する。
すごく気になった作品なのですが、残念ながら自分には真相を解き明かせませんでした。
おばあちゃんが言ってたことの謎を、教えてもらえると嬉しいです。

以上、よろしくお願いします。

胡乱舎猫支店◆4926c5 / 2022-10-24 15:44:08 No.155
またまた遅くなりました。いつも申し訳ありません。
◯小鬼の秘密3
>人知れず、里帰りをしている。
「鬼」の正体とは実は何なのか?
1.宇宙人
2.外国人
3.地球のネィティブ
答えは3で実は侵略者は我々でした。という感じがいいですね(勝手な)。短いのもいいです。地球外に行ける様な科学力を持っていたのに何故敗れてしまったのか?つまりはその頃我々にもあったのです。とうに失われてしまいましたが。

◯小鬼の秘密4
> 最近奴は融の部屋に籠っている。
もしかして他の「家族」とは血が繋がっていないのでしょうか?そして結婚しても出ていかなかったのでしょうか?色々想像してしまうお話です。現代の小鬼は進化しているのですね。そのうちまた事情が変わりそうで楽しみです。ちょっと抜けているところはそのままで。

×小鬼の秘密
>すれ違いざまに「グイズ」言われた
確かコロナ前に中国に留学か仕事に行っているこの名前のお嬢さんがちょっと困っているみたいな話を聞いた事があります。
お話自体は納得することだらけなのですがちょっとお題からは一番遠い気がしました(その分斬新なのですが)申し訳ありません、逆選で。

遠音◆56c847 / 2022-10-24 23:18:40 No.156
遅くなりました、すみません。
管理人様:遅刻した立場でおこがましいのですが、サイトの運営が難しい状況ならばサイト休止・共同管理人を募るという方法もありかと思います。

「小鬼」は節分や昔話の鬼の手垢にまみれている点がやりづらかったです。その手垢からの脱却は選の基準のひとつにもなりました。

<選評>

◯ 小鬼の秘密4
> 最近奴は融の部屋に籠っている。
小鬼が暴走し始めるのかと思いきや、「私」が密かに全てを掌握しているという着地が意外で面白かった。
私にしか見えない「小鬼」の話はホラーやミステリーの方面に向かいそうに感じるが、日常生活の範疇で平和に(?)話が終わる辺りが個人的にポイント高し。正選です。

◯ 小鬼の秘密14
> 角が一本、目が一つの小鬼は力持ち。
小鬼四人の特徴は類型的ではあるけれど、「小鬼」そのものの既存のイメージから離れて四人の『個』の物語になっている点が好感度高し。
彼らの人間臭さ、臆病さがなぜ「大鬼たちの行く末」のように変わり果ててしまうのだろうか。ラストの無邪気さがせつない。正選です。

△ 小鬼の秘密3
> 人知れず、里帰りをしている。
この小鬼たちのやわらかな気配が伝わってくる。
小鬼が宇宙人だという定義は面白い。「小鬼」の一般的な連想からうまく外している。
この短さが一発ネタ的なものにはなってしまっていないところも好感度高し。次点です。

△ 小鬼の秘密12
> すれ違いざまに「グイズ」言われた
独りよがりな独白形式が面白い。意味がわからなくても読み流せてしまう雰囲気作りが効果的なのだと思う。
「グイズ」の意味はおそらく罵倒なのだろうが、「話したことすらない誰かの怒りをキープする体力の無いわたし」の辺りは通りすがりの侮蔑、罵倒として済ませられない何か根深いものを感じた。「わたし」個人への罵倒ではなく日本人への罵倒だろうか。
「記憶の声を自分の声帯と舌で再生する。」の辺りの表現の丹念さも好み。次点です。

✕ 小鬼の秘密10
> よく見たら、見知った鉱夫の少年じゃった。
まさかラピュタネタでくるとは!少年少女が「小鬼」なのはユーモラスな比喩なのか、あるいはポムじいさんが彼らとは別の種族だからなのか。
面白かったが、ラピュタの場面に少々寄りかかり過ぎな感じもする。オリジナルというよりは二次創作では。というわけで逆選です。

(続く)

遠音◆56c847 / 2022-10-24 23:20:38 No.157
<選外評>
小鬼の秘密1
> 埃をかぶった、納戸の奥の長持から
小鬼が異質な存在ではなく人間の家族の中に馴染んでいるらしいことに面食らったが、謎のままに終わっている小鬼の蒐集癖に惹かれる。「反故紙」を拾う行為の裏側にはかつて異物であった鬼が人間社会に馴染んでいく中で起こった様々の摩擦や悲劇を決して忘れまいとする遺伝子レベルの相伝がうんたらかんたらしたくなってしまう。

小鬼の秘密2
> 綺麗な町の外れに雑言ひとつ
冒頭の段落でわくわくしたのだが、その後の変転の凄さに戸惑った。
「小鬼」という架空の存在に加えて「氷の言葉」の暗喩の如き変化、ダイジェスト版のような増殖した小鬼たちの増殖や生活等々、実感やリアリティなどがなかなか感じられなかったせいだと思う。
「綺麗な氷の言葉」が「数え切れぬほどの悪口雑言」になってしまったのはなぜだろう??

小鬼の秘密5
> 畑の作物を盗む者がある。
空白行の後の段落で視点がカラスに切り替わっているのは工夫の跡だとは思うのだが、個人的には戸惑い、少々消化不良に感じてしまった。最初の段落はコンパクトにまとまっていると思う。
カラスの代わりに、小鬼かもしくは作物のその後をホラー風味で読んでみたい。

小鬼の秘密6
> 僕は、代々続いている家の蔵にいる。
「僕」と「坊」の関係が存外あっさりしていて、あまりしがらみもないのが妙にリアルでよい。
最後の別れも、悲哀の気配もなくさっぱりしていて、それでいて余韻が感じられる。「坊」は後悔したのだろうか。

小鬼の秘密7
> 鬼が走っていた。森を抜けて
会話がぬくくて心地よい。
ただ、「角をつけて小鬼になった」にちょっと戸惑った。
本当は人間だが鬼に擬態している子供なのか、鬼は角が取り外しできる設定でこの子供が付けるのを忘れただけのか?
「大丈夫かねぇあン人」、「伏し目がちに微笑んだ」等の伏線も引っかかりつつ読み解けず。

小鬼の秘密8
> 「あ、また、角が出た」
逢魔が時の場面の、じわりと冷や汗が滲み出しそうな気配がよい。
ただ、その後のオチが個人的にはちょっと置いてけぼりだった。冒頭の母の角は「私」も鬼の眷属である伏線かと思ったが、憑依されただけ??

(続く)

遠音◆56c847 / 2022-10-24 23:21:15 No.158
(続き)
小鬼の秘密9
> えっ? 鬼隠村の様子を教えてくれって?
ラストの「密だったんだ」は、ぎゅうぎゅう詰めという意味の「密」?
「『秘』めたる場所」+「『密』だった」で『秘密』ということか。
岩の下に、で連想するのはダンゴムシやムカデの類(浅瀬の石の下ならばザザムシ)がうじゃうじゃいる光景。ゾワゾワするのだが、この話の場合はかわいらしい小鬼ではなくファンタジーの悪鬼・ゴブリンのようなものが蠢いているのだろう。想像したくない!
話し手が「ひどい目にあった」けれども無事なので、単にたまげただけの話らしいのが個人的には救い。

以上です。

海音寺ジョー◆2819bb / 2022-10-27 09:16:17 No.159
〇<小鬼の秘密2>
> 綺麗な町の外れに雑言ひとつ吐かない小鬼が住んでいて

ことばが、小鬼世界の循環の元になってるという想像力に打たれました。目に見えない、言葉の潜在力を物語として可視化する膂力が良かったです。ひっそりと巡りくる冬の景色はおっかなくて、美しい気がします。

〇<小鬼の秘密6>
>僕は、代々続いている家の蔵にいる。

ユーモアがあって良かったです。「知られたかー」と一声残すラストは、昔ばなし的なおもむきがあって、とてもほっこりしました。個人的見解ですが、超短編でユーモアや楽しさを描くのは、悲劇を描くよりずっと難しいように思います。

✕小鬼の秘密14
> 角が一本、目が一つの小鬼は力持ち。

数え歌的な魅力が素敵な作品でした。それぞれの個性、長所が、大鬼になったらどうなってしまうのだろう?最後の人ごっこという切り返しに、不穏な気持ちにさせられました。第三の正選というニュアンスで、逆選に推します。

遅くなってすみません、以上です。よろしくお願いします。

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