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花粉シミに関するお話
チョッパーオーナー◇vbg / 2014-03-27 15:34:00 No.305
 毎年のことながら、年明けごろから徐々に花粉が飛びはじめ、マスクをしても
辛いという方が多いかと思います。チョッパー洗車でも最近ご相談頂く事が
多いのが花粉に関する事でしょうか。ということで私見ですが、花粉について
少々お話しいたします。

 ? 花粉によるシミとスケール痕(イオンデポジット)の違いとは?

 花粉がボディーに降り注いでから時間が経っていない内は、特にシミになる事もなく
中性洗剤であらかた落ちるとは思います。ところが一度雨などで濡れた後に乾燥した花粉は
性格が激変します。要は洗車せずに放置した場合に問題が生じます。なぜでしょう?

 花粉は小さな胞子状で、そのまま飛散して塗装にくっついても実はさほど大きな影響はありません。
しかし、雨などでこれらの胞子がいったん濡れ、天日と共に加熱・乾燥した時に問題が生じます。
乾燥する際に殻が破れ、ペクチンという物質が出てきます。ガラクツロン酸と呼ばれ、
要は酸性の物質で、塗装に浸食して縮む性質があります。

 花粉の胞子が濡れる
     ↓
 胞子の殻が破れ、ペクチン登場
     ↓
 塗装のデコボコに浸食
     ↓
 ペクチンが塗装と共に縮む
     ↓
 花粉シミ完成

 スケールシミ(ボディーの輪ジミ)と似ていますが別物です。
スケール痕のシミはイオンデポジットというある種の固着汚れなのに対し、
花粉シミはある種の陥没です。なので花粉によるシミは水垢除去では落ちません。
また、コンパウンドなどで軽く研磨しても取れないと思います。

 ?対策は?
 まず花粉が飛散する時期はこまめに洗車をして、影響を最小限にとどめます。
それでも完全に防ぐことは出来ないでしょうし、出来てしまったどうするのか?と言いますと、
答えは「熱」にあります。上述のペクチンは縮む性質がありますが、
熱によって取り除く事が出来ます。ボンネットについていたシミが知らぬ間に無くなっていたと
いうのは、太陽光によって加熱された結果としてシミが取り除かれた為です。
逆に言えばケミカル類ではこの花粉シミは簡単には取れないわけです。

?―太陽光による加熱・放置
?―ドライヤー・ヒートガンで加熱する
?―お湯をかけて流す(70〜80℃)(ヤケドの危険あり)

 磨き時の熱を利用するなどの専門ショップもありますが、どれも熱を利用して落とすのが
共通点でしょうか。ちなみにヒートガンはかなりの高温になるので塗装への事故率が高く、
お湯に関しても温度が高すぎる(80℃以上)と樹脂やゴム類など悪影響が出ますし、
なによりやけどの危険があります。結局、?以外はどの方法も手軽とは言えません。
 実際これらの花粉ジミは、夏の季節に掛けて自然と消えてしまうのが大半です。
花粉によるシミの対策としては、結局のところ、花粉が車についてきたら面倒でも
早めの洗車による除去をするのが必要かと思います。

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