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プチ続編「TigerS2013・開幕編」
城弾 /
2013-04-02 15:56:00
No.2770
>
> 2013年3月29日。
プロ野球セパ両リーグ一斉開幕。
誰よりもこの時を心待ちにしていた男……否。女が大阪。梅田にいた。
「うう。ウチ、やっと男に戻れるんやね」
「なんで負ける前提なんや。みのり」
阪神が勝っての祝勝会帰り、カ○ネル人形に立小便したことで呪いを受け立小便出来ない体へとなった。
つまり阪神が勝つと女になる呪いをかけられた藤村みのり(本名・実)
2012年10月9日の最終戦に勝利してオフに突入したため、五か月と二十日にわたり女性として過ごす羽目に陥っていた。
それだけの長期である。すっかり生活スタイルも女性としてのものに落ち着き、自己代名詞もすんなり「うち」が出る。
メイクも覚えて今もばっちりフルメイク。
何しろ呪いの影響で黒髪の房と金髪の房が入り混じり「トラジマ」になっている。
それだけ派手なら顔のほうも派手目にして釣り合いが取れる。
美容院に抵抗があり髪を伸ばしていたらよけいに女性的な印象になっていた。
現在は仕事も終わり恒例の田淵家での観戦である。
開幕戦は神宮で迎えているのだ。東京まではいけない。
そしてこの日はみのりのガールフレンド。竹之内若菜もいた。
「堪忍して。まさかオープン戦の勝敗が影響しないとは思わなかったんや。あの時のうちの落胆。見てたやろ」
「まぁ影響しても前半は勝ってたからな」
「みのりちゃん。これで見納めなんやね」
すっかりいい女友達の関係になった若菜が名残惜しそうだ。
「ほんまごめん。けど男に戻っても今まで通り」
「今まで通り……」
若菜は赤面した。
実はこの二人。同性になったということで温泉旅行も一緒に湯につかってたりする。
最初は恥ずかしがっていたみのりも、自分の体で慣れてきたからか平気になっていた。
二月くらいには「ガールズトーク」までする間に。
確かにこれは元に戻るとまずできない。
それを察してみのりも赤くなった。
周囲は思った…「爆発しろ!」と
六時になってプレイボール。
ビジターの阪神が先攻だ。
ロッテから海外移籍して阪神の選手として日本に戻ってきた西岡が先頭打者として安打で出塁。
それを足掛かりに二点を先制した。
「やったでぇぇぇぇぇっ」
「ひぃぃぃぃぃぃぃぃっ」
みのりも阪神ファンではあるが、また男に戻れないかと悲鳴を上げた。
五回には追加点。ますます意気上がる応援仲間。
反対にみのりは沈み込む…が、その裏。ヤクルトが一気に同点に追いついた。
「なんやてぇぇぇぇぇ」
「よっしゃあああああっ」
これだけ見ていたらみのりが阪神ファンとはだれも信じまい。
事実応援仲間に睨みつられた。
しかしそれもつかの間、六回に大和の勝ち越し打でリード。
七回に三点。八回に二点でだめ押し。
終わってみれば17安打の猛攻で9対3でヤクルトに快勝した。
みのりはがっくりと肩を落とした。
「まぁそう気ぃ落とすな。一日延びただけやないか」
「うう。この一日がつらいんや…」
「みのりちゃん。もしかして?」
若菜の問いにみのりはこくりとうなずく。
「昨日から始まってもうたんや。うちのは重い方らしいのに……」
3月31日。生理痛に耐えながら観戦した試合で阪神は零封された。
男に戻った喜びを最も効果的に味わった実であった。
「TigerS2012」のプチ続編です。
開幕カードでこんな感じかな? と想像して書きました。
ちょっと更新が滞っているのでこういうネタで。
しかし紙の資料があると楽だぁ。
いちいちサイトにつなげていると面倒で。
Re: プチ続編「TigerS2013・開幕編」
ナナッキン /
2013-04-03 06:43:00
No.2771
阪神の泣き笑いと男と女の泣き笑い・両方を味わえる物語ですねの一言で。
まさになにわの人情ドラマの境地…と言うのはオーバーでしょうか。
紙の資料…情報料はともかく確かに侮れないと言いますかアナログも実はバカにできないのはお約束です。
実際どれだけデジタルが封印された状況でアナログが役に立った…と言う物語があるかと言うと言う事でしょうか。
Re: プチ続編「TigerS2013・開幕編」
城弾 /
2013-04-03 10:29:00
No.2772
>
> 阪神の泣き笑いと男と女の泣き笑い・両方を味わえる物語ですねの一言で。
「2012」の場合は結末がわかった状態で書いてますが、もしこの形式でリアルタイムで追いかけた場合、まさに泣くか笑うかどうなるかわからないのですが(笑)
> まさになにわの人情ドラマの境地…と言うのはオーバーでしょうか。
東京人の僕にかけているならいいのですが。
> 紙の資料…情報料はともかく確かに侮れないと言いますかアナログも実はバカにできないのはお約束です。
実際『2012』書いてて痛切に欲してました。
今回は新聞のスポーツ欄参考にしたので、二画面切り替えるより楽でしたね。
感想に感謝です。
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> 2013年3月29日。
プロ野球セパ両リーグ一斉開幕。
誰よりもこの時を心待ちにしていた男……否。女が大阪。梅田にいた。
「うう。ウチ、やっと男に戻れるんやね」
「なんで負ける前提なんや。みのり」
阪神が勝っての祝勝会帰り、カ○ネル人形に立小便したことで呪いを受け立小便出来ない体へとなった。
つまり阪神が勝つと女になる呪いをかけられた藤村みのり(本名・実)
2012年10月9日の最終戦に勝利してオフに突入したため、五か月と二十日にわたり女性として過ごす羽目に陥っていた。
それだけの長期である。すっかり生活スタイルも女性としてのものに落ち着き、自己代名詞もすんなり「うち」が出る。
メイクも覚えて今もばっちりフルメイク。
何しろ呪いの影響で黒髪の房と金髪の房が入り混じり「トラジマ」になっている。
それだけ派手なら顔のほうも派手目にして釣り合いが取れる。
美容院に抵抗があり髪を伸ばしていたらよけいに女性的な印象になっていた。
現在は仕事も終わり恒例の田淵家での観戦である。
開幕戦は神宮で迎えているのだ。東京まではいけない。
そしてこの日はみのりのガールフレンド。竹之内若菜もいた。
「堪忍して。まさかオープン戦の勝敗が影響しないとは思わなかったんや。あの時のうちの落胆。見てたやろ」
「まぁ影響しても前半は勝ってたからな」
「みのりちゃん。これで見納めなんやね」
すっかりいい女友達の関係になった若菜が名残惜しそうだ。
「ほんまごめん。けど男に戻っても今まで通り」
「今まで通り……」
若菜は赤面した。
実はこの二人。同性になったということで温泉旅行も一緒に湯につかってたりする。
最初は恥ずかしがっていたみのりも、自分の体で慣れてきたからか平気になっていた。
二月くらいには「ガールズトーク」までする間に。
確かにこれは元に戻るとまずできない。
それを察してみのりも赤くなった。
周囲は思った…「爆発しろ!」と
六時になってプレイボール。
ビジターの阪神が先攻だ。
ロッテから海外移籍して阪神の選手として日本に戻ってきた西岡が先頭打者として安打で出塁。
それを足掛かりに二点を先制した。
「やったでぇぇぇぇぇっ」
「ひぃぃぃぃぃぃぃぃっ」
みのりも阪神ファンではあるが、また男に戻れないかと悲鳴を上げた。
五回には追加点。ますます意気上がる応援仲間。
反対にみのりは沈み込む…が、その裏。ヤクルトが一気に同点に追いついた。
「なんやてぇぇぇぇぇ」
「よっしゃあああああっ」
これだけ見ていたらみのりが阪神ファンとはだれも信じまい。
事実応援仲間に睨みつられた。
しかしそれもつかの間、六回に大和の勝ち越し打でリード。
七回に三点。八回に二点でだめ押し。
終わってみれば17安打の猛攻で9対3でヤクルトに快勝した。
みのりはがっくりと肩を落とした。
「まぁそう気ぃ落とすな。一日延びただけやないか」
「うう。この一日がつらいんや…」
「みのりちゃん。もしかして?」
若菜の問いにみのりはこくりとうなずく。
「昨日から始まってもうたんや。うちのは重い方らしいのに……」
3月31日。生理痛に耐えながら観戦した試合で阪神は零封された。
男に戻った喜びを最も効果的に味わった実であった。
「TigerS2012」のプチ続編です。
開幕カードでこんな感じかな? と想像して書きました。
ちょっと更新が滞っているのでこういうネタで。
しかし紙の資料があると楽だぁ。
いちいちサイトにつなげていると面倒で。