結成やデビュー5年目前後でベストアルバムを出す歌手はキャリアの年数から考えると、収録しすぎな曲数の重量級の2枚組ベストなどが近年のJ-POPでは多いような気がしませんか？

本人かレコード会社の意向かは分かりませんが、ベストアルバムの価値としてはどうなのか（全体の曲数から収録される割合が多くないか）と思う点が否めないですが。

00年代半ば以降に増えましたね。
ソニーなんかはポルノグラフィティの頃から
2枚分割とかやってましたけど。

以前のベストの続編が出にくくなったようにも感じています。
大概がやり直しの「オールタイムベスト」。
Singles 4として続編にこだわった中島みゆきや、
今度10年前の続編ベストを出す山崎まさよしはレアなケースになってきました。

そして「オールタイムベスト」を煽ることで、
ユーミン辺りなんかは大成功しました。
以前のベストとの被りやレアな楽曲の収録などを考えると、
タイミング次第ではコケていたかもしれませんが、
春夏と秋冬でシーズンベスト出した時とは雲泥の差です。

それほど「オールタイムベスト」は現状破壊力があるようです。
ただこれはベテランに限った話で、
キャリア5年程度がそんな重量級を出しても、

・そもそも知ってる曲がほぼ無いのに30曲も聞く気がしない
・いつもよりちょい売れるかどうか
・旧作まで遡る気も失せる
・お腹いっぱいになり完結してしまう
・下手したら聞き込めずに次回作すらスルー

俺としてはこんな風な印象があります。

少なくともかつてのGLAYの『REVIEW』の時みたいに
それをきっかけにステップアップっていう感じになったものは無かったかと。

価格の割のお得感、ボリュームたっぷりであればあるほどいい、
というのはDVD付以降の特典重視の流れもありますかね。

重量級ベストの多さは、CD不況が大きく影響しているからなのではと思います。
近年の新人アーティストって、90年代見たいに大々的に売れておらず、
実際5年後、10年後も生き残っているのかが微妙な方が多い気がします。

その結果、ベスト盤も入門編と言うよりは、売れるうちに売っておこうと考えた結果、
少しでも価値を増やそうと沢山曲を入れて、デビューから5年も経たないうちに、
重量級ベストを出す流れになっているのだと思います。
(コストパフォーマンス的にも、長い目で見るとこっちの方が安い)

ポルノやコブクロ、いきものがかりが2枚組ベストを出して、
結果的にミリオンヒットを記録したことが、この風潮を決定付けてしまったのかなと言う気がします。

でも、前のベストスレでも話題になりましたが、やっぱり早い段階の重量級ベストは手が伸びにくいですよね･･･。

単純に今の若手って、曲を作っても聴いてもらえる機会が、良くてラジオくらいしかないから、
何かにかこつけて初心者向けのベストを出すって大事なんでしょうね。
セカオワやゲスの極み乙女なんて、ほんのひと握りの成功例と思います。

ボリューミーなのは、配信向けの手段と言いますか、数でクオリティをごまかす一手でしょう。宣伝部や制作側の手抜きとも形容できます。確かなのは、CDというメディアでどう聴かせるか、という意識は軽薄になって来ている、ということです。

私は、一概に悪いことじゃないと思います。
ビートルズ以前、大昔は、アルバムなんてシングル曲の寄せ集めが普通だったんですから。
時代は回ると言いますが、もうアルバムを一つの作品としてどうのこうのと言う時代ではなくなったんでしょうね。