ADVENBBSの過去ログを表示しています(閲覧専用)
1995年を境に古臭い曲調じゃなくなるのは?
yako / 2016-05-16 21:56:00 No.4441
以前にMOMAさんがTwitterの方で「1994年までの曲は今聴くと時代を感じ、1995年の曲は現代風に近づいている」と書いていたのに、私も共感したのですが、
1995年を境にJ-POP全体の曲調に古臭さが無くなり、今風の曲調になって来たのはどうしてなのでしょうか?

Re: 1995年を境に古臭い曲調じゃなくなるのは?
メークイン / 2016-05-16 22:48:00 No.4443
私も同じくMOMAさんに聞いてみたい話です。

その世代を20代前半で過ごした実感として、長々と書いてみたいと思います。

80年代中盤〜90年代前半にかけて活躍したアーティストが、セールス的にこの時期にブレイクしたアーティストに追随できなくなったのが、この1995年です。
アイドル系の小泉今日子, 中山美穂, 工藤静香の連続シングルTop10入りが途切れた事。
松任谷由実のオリジナルアルバムセールスも、前年がピーク。
CHAGE and ASKAも95年に入るとセールスをガクンと減らしています。
そもそも、この年を境に音の質感が全く違いますね。そのために旧世代アーティストが淘汰されてしまったのだと思います。
(「TSUNAMI」がヒットするまでのサザンオールスターズは、セールス減になろうとも頑張って追随していたイメージがあります)

94年と95年で大きく違うのは5つかなと思います。
・ヒップホップ(Rap)の定着
 「DA.YO.NE」のヒットが丁度この時期で、95年に入ると普通にヒップホップテイストの作品がヒットしていきます。
・TKサウンド
 小室哲哉と小林武史の2大プロデューサ時代の幕開け(94年もヒットを出していますが、プロデューサという職業が認知されるのは95年以降)
・次世代アーティストのブレイクの多さ
 この時期までくすぶっていたスピッツ, JUDY AND MARY, THE YELLOW MONKEY, L'Arc〜en〜Ciel, GLAYといったところがスマッシュヒットを出し始めます。
 80年代的な歌謡曲バンドの代替として、シャ乱Qのブレイクも捨てがたいです。
・渋谷系サウンドのヒット
 それまではアンダーグラウンド的な部分が多かった渋谷系サウンドがヒットし始めるのも95年以降です。(特に小沢健二)
・アイドルの復活
 安室奈美恵とSMAPのブレイクにより、80年代的な感性が一気に古臭くなります。(光GENJIの解散もこの年です)

音楽的な事を抜きにすれば、阪神大震災とオウム関連の事件によって、世相が一気に暗くなったのは無視できません。
94年までは、バブル崩壊といっても「まだ何とかなる」の雰囲気が少しは残っていましたから。(ジュリアナ東京的な感じ)
この年の後半には、エヴァンゲリオンが始まります。

Re: 1995年を境に古臭い曲調じゃなくなるのは?
HK / 2016-05-17 23:21:00 No.4444
メークインさんが述べている通り、95年の阪神大震災とオウム関連の事件によって、
世相が一気に暗くなったのは、音楽以外のこととは言え、かなり大きかったと思います。

それ以前は、既にバブルが崩壊した後ではありますが、トレンディドラマの主題歌やビーイング系のブームなど、
どちらかと言うと、曲の中身よりも歌詞、メロディーとも、
明るくて誰が聴いても分かりやすく、サウンドとかもキーボードなどの80年代の延長線的なキラキラしたものが多かったように感じます。

しかし、色々と暗い事件の多かった95年を境に、世間もだんだんと余裕がなくなり、
誰が聴いても楽しめるものよりも、ミスチルなど、より自身の内面を表したメッセージ性のある楽曲および
サウンドもバンドの生音の方がより心に響き、この手の楽曲が求められるようになったのではないかと感じます。

実際、小室哲哉もglobeが大ブレイクした後は、一時期オルタナティブ路線に傾いていた時期もありましたし、
GLAYのTAKUROなんかもインタビューで当時、ブレイクしたてのミスチルを聴いて
「こんなに人生について歌ってもいいんだ」と思って「BELOVED」が誕生したと語っている辺りも、その影響が垣間見れるのではないかと感じています。
http://recochoku.jp/special/100050/#02 (TAKUROのインタビュー参考記事)

また、SMAPのブレイクによるアイドルブームの再燃も確かにポイントですね。
これまでのアイドル像は光GENJIのように、キラキラしてて雲の上にいると言うのが一般的だったと聞きますが、
SMAPのブレイク後は、アイドル像も普通の日常に寄り添ったものが求められるようになったと聞いており、
この辺も95年から今風に近づき、それ以前が一気に古臭くなった象徴の一つではないかと思います。

Re: 1995年を境に古臭い曲調じゃなくなるのは?
MOMA / 2016-05-18 21:48:00 No.4445
90年前後のミリオン時代到来期はB'zドリカムの新世代組とユーミンチャゲアスのベテラン組が競ってアルバム200万枚を突破していく構図だったみたいですけど95年は確かにベテランが追いつけなくなっていった時期になると思います。

20代の若手アーティストが時代をリードしていく存在として取って代わって、ベテランは大御所化していくっていう今にしてみると本当に鮮やかな構図ですね。

98年までで大体入れ替わりが完了して、99年以降でまた流行りの音そのものがガラッと変わっていったかなと思います。

Re: 1995年を境に古臭い曲調じゃなくなるのは?
感激Rock / 2016-05-24 16:15:00 No.4446
確かに言われてみると95年ごろから一気に「J-POP」って感じがしますね。
小田和正や浜田省吾、中島みゆき、ユーミン、今井美樹、亡くなった尾崎豊などベテラン大御所歌手が
シングルヒットを飛ばしてたのは90年代中期までですね。

あと私が気になるのは、MOMAさんが最後にちょっと書かれているように、99年以降に音楽がガラッと変わったことです。
98年末登場の宇多田ヒカル以前・以後と言ってもいいくらい、彼女の影響だと思うのですが、
MISIAなど歌姫系、Dragon Ashなどヒップホップ系、ケミストリーなどコーラス系(?)と、新しい風が
吹き込んできましたね。(モー娘は一足早くコーラス系に走ってたのに捨てちゃってもったいない・・・)

その一方で、90年代後半ブレイクのJ-POPアーティストの楽曲が99年から00年ごろにかけて一気にパワーダウンしたと
言う印象です。「2000年の壁」と自分で勝手に呼んでいるのですが、Being系をはじめ、ELT、SPEED、安室、相川、KinKi、
GLAY、B'z、L'Arc、スピッツなど多くのアーティストの楽曲がこの時期に「落ち着いちゃったなぁ」と思うのです。
そんな印象はありませんか?

もちろんそれ以降も彼らの好きな曲はありますが、彼らが90年代のようにヒットし続けられなくなった、
勢いを保てなかった(ように私は思っているので)理由ってあるのでしょうか?
単純に音楽の流行やアーティストのブームが去っただけなら、曲の勢いまで落ちないと思うのですが・・・。

Re: 1995年を境に古臭い曲調じゃなくなるのは?
MOMA / 2016-05-24 21:43:00 No.4447
97〜98年は小田和正(伝えたいことが〜)、サザン(PARADISE)、ユーミン(Sunny〜)などドラマタイアップで大ヒット間違いなしみたいなメディアの煽り付きでドンと出したシングルが伸びなかったというのも決定的でしたね。

なんか今では宇多田ヒカルが時代を変えたみたいになってその前に下地を作っていたMISIAの大ヒットがすっかり忘れられている風潮ありますけど、宇多田のヒット以降でヒット曲が完全に変わったのは確かです。

当時は全部まとめて「R&B」、そしてもう1つ「HIP HOP」と言われるものが一大ブームになりましたが…。

まあとにかくみんなリズムがチッチキタカタカとクールになって、少し前みたいに煌びやかにキーボード鳴らしたり、オケヒバンバン鳴らしたりみたいなのは一気に時代遅れになったというか。

世紀末っていう混沌もあったと思うんですけど、99年〜00年頃でこぞってそれまでの音楽性を変えてしまったので、何かこのままではいけない、変えなきゃいけないみたいな危機感が共通認識としてあったのかもしれません。
(そう考えると00年代半ば以降は本当に安定志向で、当時を知るリスナーが最近つまらないと思ってしまうのは仕方ないところではあるかも…)

直球で1人王道サザンみたいなことをやった桑田佳祐と、
ポップフィールドに回帰したミスチルがトップクラスに返り咲いたのも今思うと納得できるところがあります。

Re: 1995年を境に古臭い曲調じゃなくなるのは?
メークイン / 2016-05-25 21:13:00 No.4448
1998〜99年の変わり目は、宇多田ヒカルが変えてしまったと言っても間違いはないと思います。
しかし、MOMAさんが言う通りにMISIAのヒット「つつみ込むように…」が下地にあるのは間違いないです。
さらにMAXI(12cm)シングル化を推し進めるきっかけになったのもMISIAのこの曲ですね。
なのに、今は綺麗さっぱり忘れ去られていますね。

感激Rockさんが書かれた「2000年の壁」は、単純にアーティストの疲弊だと思います。
ブレイクまたはデビューから3年も過ぎれば、アーティストが疲弊するのは当たり前。
特にこの時期は歌番組が復活していた上に、CDはバカ売れだった時期(特にアルバム)。
シングルをリリースすればプロモーションとしてTV出演はざらで(リリース数もかなり多い)、その上バラエティ番組的なトーク力まで問われるような酷な時代です。

ただしSPEEDを初めとした沖縄アクターズスクール系だけは違う感じがあります。
宇多田ヒカルの"帰国子女, 若いのに本物のR&B"といったイメージと直接競合してしまって衰退した感じがあります。

今になって振り返って見ると、1998年メジャーデビュー組の主要な人達は見事に方向性もバラバラでかなり豪華ですね。
宇多田ヒカル, 椎名林檎, MISIA, aiko, ゆず, 浜崎あゆみ(AYUMI名義除く), モーニング娘。, 19, 鈴木あみ

Re: 1995年を境に古臭い曲調じゃなくなるのは?
AI / 2016-05-25 23:13:00 No.4449
 96年前半を境にCDが売れなくなってきています。
 初週売上はそうでもないですが、ロングヒットしなくなっています。

 オリコンでは95年はミリオンが28作 96年は19作ミリオンがありますが、そのうち96年後半にリリースされた作品は6月の安室奈美恵「You're my sunshine」10月のPUFFY「これが私の生きる道」の2作のみで残りは、95年終盤〜96年前半にリリースされたもののみ。
(97年は16作・98年は14作・99年は11作・00年は14作・01年は4作・02年は1作・03年は1作・04年はゼロ)

 95年後半はちょうど小室さんが、安室さん、華原さんglobeをデビューさせて、音楽の対象年齢を大学生〜社会人から、中高生へと下げた時期かもしれません。
 その後、デビューの低年齢化が進み、10代が多くなります。
 対象年齢が10代なら、使えるお金も少なく、さらに飽きやすいわけでロングヒットになりにくいので売上も伸びません。

 「聴きやすさ」ばかりが先行されてしまい、それは「配信」がメジャーになった現代につながるのかもしれません。

Re: 1995年を境に古臭い曲調じゃなくなるのは?
gnome / 2016-05-27 14:30:00 No.4451
皆さん、色々と意見をお持ちで凄いですね。
でも単純な「プロデューサー4年周期説」が出てないので、参加させて頂きます。

「プロデューサー4年周期説」は、大体4年ごとに
時代の寵児となるプロデューサーは代わるという説です。
長戸大幸、小室哲哉、松尾潔、亀田誠治、秋元康…が、
90年代から00年代終盤にかけて、活躍しました。

2000年前後のR&Bブームは、消費者目線では宇多田ヒカル、MISIA、Tinaの存在が際立っていましたが、
裏でブレーンとして活躍していたのは松尾潔と考えていいでしょう。

問題は後半の亀田誠治、秋元康です。
ここらでサウンドや作風が90年代的なものに回顧してしまったのが、大きいと思います。
亀田誠治は、間違いなく90年代のヒット曲大好き派ですし、
秋元康に至っては、そもそも曲やアレンジを作りはしませんからね(笑)。

その間にネットの普及もあって、若い人が「新曲」を聞かないなんて慣習も根付いてしまったので、
多分、一度戻ってしまった時計の針は、そう簡単に前に進まないかと…

Re: 1995年を境に古臭い曲調じゃなくなるのは?
感激Rock / 2016-05-31 23:20:00 No.4454
少し話が戻りますが、90年代前半は音楽ソフトがレコードからCDに移り変わり、レコード時代に活躍したアーティストのヒット作品が
一気にCD化されました。それを再購入・再燃したファンの熱が、90年代前半の大御所の活躍を後押ししていた説もあるようです。
それと関連して80年代後半のアイドルたちはCDでまた買い直す需要(とファンの小遣い)がなく、短命だったとか…。
信憑性はありそうな話です。

プロデューサー4年周期説おもしろいですね。
確かに90年代半ば以降はプロデューサーブームで、Being長戸や小室哲哉(安室、華原、globe)、小林武史(ミスチル、マイラバ)、
織田哲郎(相川七瀬)、伊秩弘将(SPEED)、奥田民生(PUFFY)、五十嵐充(ELT)、佐久間正英(GLAY、ジュディマリ)、つんくなどの
「プロデュース」が一気にブランド化した時代で、彼らが一気に疲弊したというのは、ありえそうです。

退屈なヒットチャートにドロップキックのミスチルやサザン(桑田)に、多くのアーティストのような疲弊した印象があまりないのは、
彼らの活動がこの時代に珍しくゆっくり(まぁミスチルは病気もありましたが)だったのもありそうです。

加えてポップスブームの多角化で、作風が変わって、99〜00年ごろに全体的に勢いがなくなったように思えるのかもしれません。
90年代後半のJ-POPは最高に好きだったので、いつまでもこんな時代が続いてほしかったのですが、自分がその世代だからそう思うだけ
なのでしょうか(笑)。
00年代前半はいろんな音楽ブームがありましたが、ここ10年は変化が少ないですね。でも語り出すと長くなるのでやめておきます(笑)。

音楽の対象年齢の低年齢化や新曲を聞かない慣習なども、なるほどと思いました。いろいろ有意義な意見交換でした。

ADVENBBSの過去ログを表示しています。削除は管理者のみが可能です。