大竹　岩隈との投げ合い「気にしません」

３１日の先発が有力の広島・大竹は、岩隈との投げ合いが予想される中で「（相手）投手が誰かは気にしません。投げる相手はバッターなので」と自然体を強調した。リーグトップの防御率０・６７に対し、岩隈はＷＢＣ連覇の立役者にもなったパを代表する右腕。投手戦になれば、現在３８イニング連続無失点の記録をさらに伸ばすチャンスにもなるが「記録よりもまずはチームの勝利に貢献することが大事」と無欲でぶつかる。

2009年5月31日　スポニチ掲載

大竹、岩隈倒す！任せろエース対決

広島は３０日、楽天戦が雨天中止となり、仙台市内のＫスタ宮城の室内練習場で練習を行った。３１日に先発予定の広島・大竹寛投手はスライド登板が濃厚な楽天・岩隈との“エース対決”に無心で挑む。岩隈とは０５年に２度直接対決して２勝。３８回まで伸びた連続無失点を伸ばすとともに、チームをブラウン監督就任後、初の５連勝に導く。

意地がある。直接、口には出さなくても、投手としてのプライドがある。大竹は闘志を内に秘めて楽天・岩隈との“エース対決”に臨む。

「（岩隈が相手でも）何も考えないというか、気にしていないです。投げる相手は打者だし、気にしません」。表情を変えずにはっきりと言った。岩隈が「（大竹が相手だと）厳しいですね。頑張らないと。いい投手と投げられるのは楽しみです」と警戒したのに対して、こちらは悠然と構えた。

言い切れるだけの結果は残してきた。４月２８日の巨人戦で今季初勝利を初完封で飾ると、２５日の西武戦まで自身４連勝。その間はスコアボードに３８回連続で「０」を刻み続けた。防御率は両リーグ１位の０・６７。今、日本球界で最も安定している投手と言っても過言ではない。

岩隈とは０５年交流戦で２度、先発として投げ合って２勝。当時は楽天が新球団として発足したばかりだったが、岩隈はＷＢＣでダルビッシュとともにエース格を担うまでに躍進。大竹も０８年に自身初の開幕投手を務めるなど成長してきた。４年ぶりの直接対戦は白熱した投手戦となりそうだ。

自身５連勝がかかる３１日には記録もかかっている。継続中の３８回連続無失点はセ・リーグ歴代１０位タイ。もし完封すれば６２年の阪神・小山正明（デイリースポーツ評論家）に並び歴代４位となり、阪神・藤川が０６年に記録した、現役最長で歴代３位の４７回２／３も射程圏内となる。

また、５月は４試合に先発して３勝。完封もしくは無失点で５月４勝目を挙げれば、５戦５勝の巨人・ゴンザレスとの月間ＭＶＰ争いに大きなアピールとなる。

しかし、大竹はそれも意に介さない。考えは一貫している。チームが勝つために粘り強く投げるだけだ。「記録はうれしいけど、自分では“だから”っていう感じです。今まで変な意識はせずにやってきた結果なので、今まで通り投げたいですね」。これまでのスタイルを踏襲して、チームとしてはブラウン監督が就任して以来初、０５年８月以来の５連勝に導く決意だ。

雨天中止決定後はＫスタ宮城の室内練習場でダッシュや体幹トレなど軽めの調整を行った。軽快に動き、何度も笑顔を見せる姿に精神的な落ち着きを感じさせた。大竹の快進撃はまだまだ止まりそうにない。

2009年5月31日　デイリースポーツ掲載