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野球部情報
管理人 / 2011-02-01 08:14:00 No.19574
森ウラガク20年目の挑戦
?エースの好投が刺激
仲間でありライバル

昨秋のチームの快進撃はこの右腕を抜きにして語れない。佐藤拓也。県大会から明治神宮大会まで公式戦11試合で先発し、ほぼ1人で投げ抜いた1年生エースだ。

入学当初の昨春の関東大会で公式戦を経験したが、投手としては秋の県大会が初先発だった。背番号「7」を付けた右腕は、全6試合に登板し、自責点2で防御率0.47。準々決勝では聖望学園を5回参考ながら無安打無得点、決勝は春日部共栄をわずか96球で2安打完封した。関東大会でも防御率1.33の好成績を残し、「秋は自分でも出来過ぎ。びっくりするぐらいうまくいった」と正直だ。

とはいえ、まだルーキー。周囲の支えがなければどう転んでもおかしくなかった。森監督は「夏ごろから投手は佐藤を中心に回ると思っていた。でも、打線が打ってくれたから、彼も投球スタイルが確立できた」と野手陣の後押しを評価する。

特に2年生はマウンドで、孤軍奮闘する後輩を黙って見ているはずがなかった。関東大会準決勝の横浜戦、5番日高は試合前に約束していた。「俺が打ってやるから何点取られてもいいよ」

その言葉通り2回に同点2ランを放ち、試合の流れを取り戻すと、佐藤も復調して快勝。試合後、「助かりました」と感謝する1年生に、日高は「いつでも打ってやるよ」と笑顔で答えた。

佐藤の活躍を見て、控えの2年生投手も奮起した。関東大会で初めて背番号をもらった左腕・浅田と、1年春の関東大会以来、公式戦登板がなかった左腕・中山は練習中から「絶対に負けないぞ」と言い続けた。

浅田は「そう言ったからにはやらないと。だからあえて言う」。中山は「2年生同士で佐藤に勝つんだ、と言い合っている」と対抗心を燃やす。

佐藤は「先輩は、みんないい人で恨んだりしない。言ってくれるから自分も思いきってやれる」と健全な競争が出来ている。

関東大会で背番号「1」譲った左腕・松浦は「佐藤は引かずに攻める。見習う部分がある」と認め、「自分は挑戦者」と再浮上を狙う。上下関係のない仲間意識、ライバル意識がエースを育て、チームの連帯を生んでいる。

2011年2月1日 埼玉新聞掲載

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