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高校野球情報
管理人 / 2011-07-10 11:26:00 No.20401
「がんばろう」胸に全力
19日間の熱戦スタート

第93回全国高校野球選手権埼玉大会は9日、県営大宮球場で159チームが参加して開会式と開幕試合が行われ、19日間にわたる熱戦の火ぶたが切って落とされた。

開幕戦は小川が山村学園に2ー1でサヨナラ勝ち。東日本大震災からの復興を目指し、「がんばろう!日本」を合言葉に始まった大会は、劇的なドラマで幕を開けた。

関東甲信地方の梅雨が明け、夏本番を迎えたこの日、昨年優勝の本庄一を先頭に、2971人の球児たちは堂々とした入場行進で、グラウンドの芝と土を踏みしめた。

観衆1万5千人と出場チーム全員が見守る中、「がんばろう日本、がんばろう埼玉球児」と北本の小川弘輝主将が高らかに選手宣誓した。宣誓文に込めた思いは「野球ができる感謝」だった。同校の斎藤秀夫監督は「被災地の人たちが頑張る姿で自分たちも勇気をもらった。それに感謝して頑張るということ」と話す。

阪神大震災が起きた1995年、斎藤監督は鷲宮を率いて選抜大会に出場。開会式で教え子の長谷川大主将が選手宣誓を行った。現地入りした時、宿泊先の近くにあった駅はつぶれ、電車も動いていなかったという。それでも大会に入ると、地元の人に応援してもらった。斎藤監督は「被災地が必死に頑張っている姿が自分たちの励みになった」と当時を振り返る。

今回の宣誓文に盛り込んだ「がんばろう埼玉球児」のフレーズは斎藤監督のアイデア。感謝や希望を伝える言葉を考えた小川主将との合作だった。「埼玉のみんなで盛り上げていこう」(斎藤監督)との思いが名文を生んだ。

一方、被災地の福島県立双葉高校から埼玉に転校してきた2選手も特別な思いを持って開会式に参加した。川越西3年の鎌田尚幸選手は「福島のみんなのためにもいろんな思いを持って、一球一球に集中して一生懸命に取り組みたい」。浦和東2年の猪狩優樹選手は「一つでも多く勝って福島にいい報告をしたい」。頑張る姿を見せることがお世話になった人への恩返しになるとの思いからだ。

「開会式の主役じゃない。大会の主役になる」。開幕前日に斎藤監督が話した言葉は、出場する全選手に当てはまる。一人一人の球児が主役となる真夏のドラマ。ことしも熱戦が見られそうだ。

2011年7月10日 埼玉新聞掲載

Re:高校野球情報
管理人 / 2011-07-10 11:41:00 No.20403
「がんばろう」感謝胸に 埼玉大会開幕

梅雨が明けた9日、第93回全国高校野球選手権埼玉大会が県営大宮球場で開幕した。開会式では、約3千人の選手が約1万5千人の観衆の前で力強く行進。北本の小川弘輝主将(3年)が選手宣誓した。開幕試合では、小川が山村学園にサヨナラ勝ちした。10日からは11球場で熱戦が繰り広げられる。


選手堂々、スタンドも熱気
午前11時、開会式が始まった。「がんばろう! 日本」と書かれた青い横断幕を先頭に、選手たちはバックスクリーン側から登場した。はじめに昨夏の覇者・本庄一が登場し、続く各チームは「イチ、イチ、イッチニッ」と声を張り上げ、手足をそろえながら、堂々と行進した。

優勝旗を返還した本庄一の岡野将悟主将(3年)は「名残惜しいけど、今年も必ず持って帰る」と意気込んだ。

スタンドは、浦和学院の吹奏楽部の演奏で盛り上がった。大会歌「栄冠は君に輝く」を歌ったのは、大宮の音楽部。部長の及木萌さん(2年)は「合唱で選手を励ますつもりが、行進するひた向きな姿で、逆に元気づけられた」と笑顔を見せた。

大会会長の青木勇藤・県高野連会長は「野球ができることに感謝の念をもって、魂を込めてプレーしてほしい」とあいさつ。朝日新聞さいたま総局の佐藤泰総局長は「『がんばろう日本』。合言葉を胸に戦い抜いてください」と力強く激励した。

会場では被災地を支援するため、県高野連が義援金を寄付した人々にうちわを配った。涼しげな水色のうちわが観客席を埋め尽くした。県高野連によると、約23万円が集まったという。

「被災地の姿に勇気もらった」 北本・小川弘輝主将が宣誓

会場が静まりかえり、観衆の注目が集まるなか、北本の小川弘輝主将(3年)の選手宣誓が始まった。

「3月11日、グラウンドが大きく揺れた。多くの人の悲しみは、今も続いている」

冒頭、東日本大震災について触れた。現地の惨状に衝撃を受け、避難所などで支え合いながら生活する人々の姿に胸を打たれたという。「被災地の人々のどんな時でも頑張る姿に、勇気をいただいた4カ月だった」と思いを込めた。

言葉を選ぶ時、いつも浮かんだのは、野球ができることへの感謝の気持ちだったという。

最後は「感謝と希望を胸に、がんばろう日本、がんばろう埼玉球児」という激励の言葉で締めくくった。

本番を控え、保護者が集った激励会などで練習を重ねた。立派に宣誓し、「悔いはない。やりきった」と満足そうに語った。

「甲子園という最高の舞台を目指して一球一球、一瞬一瞬を大切に全力でプレーします」。宣誓通り、11日の初戦に挑む。


小6利根川君の速球に会場沸く 始球式

始球式を務めたのは、さいたま市立川通小6年の利根川稜侑君(11)。ゆったりしたフォームから投げたボールは高めに浮いたが、速球に会場がどよめいた。「真ん中を狙っていたけど、良い球だった」と満足そうだった。

三つ年上の兄の影響で、幼稚園から野球を始めた。少年野球チーム「ヤングタイガース」では二塁手。中学進学後は、本格的に投手に挑戦したいという。

晴れ舞台を前に、父親の孝義さん(39)や兄と家の前の道路や近くの公園で投球練習を重ねた。2人からのアドバイスは「真ん中に投げろ」だった。

「高校生になったら、もう一度このマウンドに立ちたい」。大観衆の前で見事な投球を披露した利根川君。再び戻る日を夢見て、これからも一生懸命に練習すると意気込んでいた。

2011年7月10日 朝日新聞埼玉版掲載

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