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清水崇行 情報
管理人 / 2011-12-07 20:41:00 No.21467
清水崇行 12期 現:読売

セカンドルーキー(1)清水崇行・二軍打撃コーチ

大観衆の声援とカクテル光線を一身に浴び、グラウンドを駆ける選手たちも、いつかはユニフォームを脱ぐ時が来る。華やかな現役生活を終え、新たに踏み出した第二の人生に、巨人軍を支える道を選んだ元選手5人の1年を追った。

「さあ、もうひと踏ん張り。頑張れ!」――夕暮れのジャイアンツ球場に、ティー打撃練習のボールを投げ上げる青年コーチの激励が響く。額から汗を吹き出しながらバットを振り続ける若手選手は、顔を真っ赤にしながらも明るく元気な声につられてほほを緩ませ、また歯を食いしばる。練習が終わると、いっしょにグラウンドに腰を下ろし、他愛のない話に笑い声が上がる。

選手時代より、ユニホームを着ている時間は長くなった。「自分を高めれば、チームの勝ちにつながる。だから、現役時代はただ、自分のことだけを考えていればよかった」。もちろん肉体的な疲労は軽減されたが、打撃コーチとして二軍の選手全体を指導する立場になり、「考えることも増え、1日を終えると、別ものの疲れがありますね」と笑う。

現役時代は巧打の外野手として活躍。特に、1番に定着して日本一に大きく貢献した2002年の年間191安打は、現在でもチーム最高記録。優れた打撃技術と理論を持った清水コーチがいつも気をつけているのは、自分の指導を押しつけないことだ。打撃フォームがみんな違うように、例えば「上からたたけ」と指導しても、バットが出てくる角度はそれぞれ少しずつ異なる。同じ練習をしても、疲れ方も一人ひとりが違う。「結果としてヒットになればいい。バッティングには正解はないですから」。

09年に現役を引退し、グラウンドから少し距離を取った昨年1年間の評論家生活が、人間的な視野を広げるのに役立った。14年間の現役生活で培ったものをマイクやペンを通じてファンに伝えるための表現力を学ぶにつれ、視野も広がった。

「人それぞれ」は、選手たちの心の面でもそうだ。教えるタイミングにも気を使う。調子がいい時にアドバイスしても、なかなか素直には聞き入れてくれない。またその逆の選手もいる。「それを声にして言ってくれると分かりやすいのですが……」。ふだんのコミュニケーションなどで選手たちの性格をつかみ、なにげない言動や仕草で、自分を必要としているタイミングを見つけて、踏み込む。

しかし、そんな優しい兄貴分が、もどかしく思っていることがある。「ファームの選手たちを全体的に見て、“職業野球”の意識をもっと高めてほしい」。ジャイアンツのユニホームを着たことだけで、満足してしまっているように感じる選手もゼロではない。「しかし、プロ野球はここ(ジャイアンツ球場)ではない」と、少し厳しい顔になった。「ファームでクリーンアップに名を連ねて、ホームランを打って、それを自信につなげるのはいい。でも君たちが夢見ていた舞台は、東京ドームだったはず」「確かに、プロの世界で成功するのは一握りだが、可能性はゼロではない。そのチャンスをつかむ手伝いをしたい」。かわいい後輩たちを思うからこそ、厳しい言葉が並んだ。

◆清水崇行(しみず・たかゆき)◆
1973年10月23日生(38歳)
浦和学院高―東洋大―巨人(1996〜2008年)―西武(09年)―巨人(11年〜)
通算成績1485試合、4942打数、1428安打、131本塁打、488打点、2割8分9厘

読売巨人軍 公式サイトより

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