センバツ出場校を探る４
大震災被災の石巻工
２１世紀枠候補に９校

▼２１世紀枠
全国９地区から、３校を選出する。２００１年の第７３回大会から導入された。東（東海、北信越以東）と西（近畿以西）から１校ずつ選び、残り７校から３校目を決める。秋季都道府県大会で好成績を収め、困難な条件を克服するなど地域や他校に好影響を与えた学校が対象となる。

石巻工（宮城）は東日本大震災で被災。津波で学校の敷地が１メートル以上浸水、野球用具も流された。昨秋の台風１５号で再びグラウンドが水没したが、逆境を乗り越え、秋季県大会では準優勝した。

高崎（群馬）と宮崎西は県内屈指の進学校。高崎は福田赳夫、中曽根康弘の両首相の出身校で、文武両道を実践する。秋季関東大会では４強入りした。宮崎西は平日の練習時間は１時間４０分程度だが、初出場の秋季九州大会では８強に進んだ。

洲本（兵庫）は全部員が淡路島出身。阪神大震災を経験した選手もおり、昨春の震災後には、ボランティアを行った。女満別（北海道）は部員わずか１９人。気候も厳しい中、着実に力を付けた。単位制高校の金沢西（石川）は練習時間の少なさをユニークな発想で補う。

大垣西（岐阜）は清掃活動やあいさつ運動に積極的に取り組む。広島観音は練習環境に恵まれないが、メニューを工夫して克服。小松（愛媛）は男子生徒が約３分の１と少ない中、秋季県大会で優勝した。

◆選抜出場候補校
【２１世紀枠】
女満別（北海道）
石巻工（宮城）
高崎（群馬）
金沢西（石川）
大垣西（岐阜）
洲本（兵庫）
広島観音（広島）
小松（愛媛）
宮崎西（宮崎）

2012年1月21日　埼玉新聞掲載