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野球部情報
管理人 / 2012-02-01 10:27:00 No.21659
“一戦必勝”森ウラガク
鍛え抜かれた才能開花
4.1年生投手陣が成長

総力を結集させ、つかみ取った関東2連覇。4試合のチーム打率3割6分6厘、29得点と勝因は強力打線にいきがちだが、最大の原動力は1年生投手陣の成長にある。

チームには昨年からのエース佐藤が健在。しかし本来の球威ある投球が戻らない。「佐藤だけでは、上まで行くのは厳しい」と森監督は決断した。関東大会では3人の1年生がマウンドに上がった。

初戦の東海大相模(神奈川)戦で完投するなど、先発2試合を含む全4試合に登板した右腕山口、3試合でリリーフし何度もピンチを切り抜けた左横手投げの渡邊、決勝で先発を託された185センチの本格派伊藤。背番号1の右腕涌本は出番こそなかったが、常にブルペンで準備万端だった。

3投手で計29回を投げ自責点1、防御率は0.31は驚きの数字。関東の強豪を相手に抜群の安定感を誇った。

秋の躍進は春から夏にかけて施した森監督の投手育成法にある。素質を秘める1年生投手陣に、しっかりと段階を踏ませ、トレーニングした。

春先は肩づくりに専念させた。練習試合では山口、伊藤、涌本、渡邊ら5・6投手で1試合を小刻みに継投。決して無理はさせず1・2回ずつ投げさせた。森監督は当時から「試合を崩すことはほとんどなかった」と可能性を感じていた。

新チームが始動した8月からは次のステップ。可能な限り完投させるスタミナ強化に着手した。「投手の実力は元からあると感じていたが、むやみに投げているだけだった」と捕手の林崎。試合経験を重ねることで、完投するための術も学んでいった。

速球を狙われ痛打されることが多かった山口と涌本は変化球でカウントを稼げるように。渡邊は左打者の内角に食い込む直球を投げ込める制球力がついたことで、それぞれの投球幅は格段に広がった。

ピンチでの登板が多い渡邊は、「目の前の1人を打ち取る意識は変わらないけど、(関東大会からは)どんどん自信がついてきた」と頼もしい。山口は「甲子園に絶対行くという気持ちで投げた」と精神的なスタミナも付いて、関東では抜群のマウンド度胸を見せた。

ルーキーズの活躍は、周到な準備に裏打ちされた必然だった。

2012年2月1日 埼玉新聞掲載

Re:野球部情報
管理人 / 2012-02-01 14:38:00 No.21661
はばたけ浦学 センバツへの軌跡2012 中
「絶対に自分が投げる」

◇競い合う6投手

昨年11月の関東大会決勝。マウンド上で、ともに1年生の渡辺剛と山口瑠偉の両投手がミットを合わせた。「頼んだぞ」「任せとけ」。佐藤拓也投手(2年)が主要大会を1人で投げ抜いた昨シーズンと違い、新チームになった昨秋以降は、佐藤投手を含む6人の投手が継投でチームを支えてきた。

◇   ◇

「おい大丈夫か」。昨年10月の県大会準決勝戦。一回表に先制点を奪われたピンチで、マウンド上の涌本亮太投手(1年)は林崎龍也捕手(2年)から胸をばんばんとたたかれた。涌本投手は「何を言われているか分からなかった」と振り返る。試合には勝ったが、二回途中で降板すると、決勝戦とその後の関東大会で出番は回ってこなかった。

その関東大会は、他の投手の活躍もありチームは優勝した。涌本投手は関東大会の覇者として臨んだ神宮大会で好投したものの「仲間が活躍するのを見ると、自分も『もっとやらなければ』と厳しくなれる。あいつよりもいい球を投げたいと思う」と話す。

涌本投手が「あいつよりも」と意識するのが同じ右腕の山口投手だ。山口投手は関東大会の東海大相模戦を1人で投げ抜いたが、神宮大会では愛工大名電のスクイズバントに対応できず打者5人に投げ終えたところで降板した。山口投手は言う。「浦学を背負いながらバントに対応できないようでは恥。涌本や佐藤さんはライバル。はい上がらないといけない」

佐藤選手も「投げたい気持ちは変わらない」と打ち明ける。スイング1日2000本の野手としての練習のほか投手としても1日200球を投げる。野球部の小崎達也顧問は「野手投手双方の練習ノルマをこなすため一番遅くまでバットを振っている」と舌を巻く。

競い合う投手陣だが、森士監督は「まだ足りないものがある」とさらなる期待を口にする。「『投げたい』ではなく『絶対に自分が投げる』との強い意識で競争しエースに成長してほしい」

左サイドスローの渡辺投手は関東大会で3試合に中継ぎ登板し、相手打線に傾きかけた嫌な流れを断ち切った。「本当は最後まで投げきりたいが、後ろを信頼して役目を果たしたい」

関東大会決勝で公式戦初先発した伊藤祐貴投手(1年)は、「他の1年生がどんどん出場し焦りがあった」と振り返る。林崎捕手から「おれのミットだけ見て投げろ」とアドバイスされたが、三回途中で降板。「1人で投げきれる投手になる」との思いを新たにした。神宮大会で4番目に登板し3分の2回を投げた池山颯人投手(2年)も「悔しさを胸に精神力を磨きたい」と意気込む。

6人の投手全員が浦学の背番号「1」を背中に感じている。

2012年2月1日 毎日新聞埼玉版掲載

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