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野球部情報 8/18
管理人 / 2012-08-18 06:59:00 No.23421
浦学26年ぶり16強

第94回全国高校野球選手権大会第9日は17日、兵庫県西宮市の甲子園球場で2回戦3試合を行い、1回戦で8年ぶりに夏の甲子園で白星を挙げた浦和学院は、聖光学院に11−4で圧勝。鈴木健(元西武)を擁し、初出場で4強入りした1986年以来、26年ぶりの16強に進出。就任21年目の森士監督にとっては初の2回戦突破。浦和学院は大会第11日の19日、第3試合で準々決勝進出を懸け、天理と対戦する。

18安打で圧勝
天理とあす3回戦

戦前の予想は浦和学院・佐藤、聖光学院・岡野の両右腕の投手戦。だが、1回戦の高崎商戦で完封したエース佐藤が、1回に相手主砲の園部に先制3ランを浴びるまさかの展開で試合はスタートした。

慌ててもおかしくない状況だったが、浦和学院打線はすぐさま反撃を開始した。直後の2回、1死一・二塁から西岡が左中間へ2点二塁打を放つと、さらに2死三塁から竹村の中前タイムリーで同点。竹村が二盗後、林崎が右前適時打を放って、あっというまに逆転に成功した。

押せ押せムードの中、3回には笹川の2試合連続アーチと、緑川の左前打で2点を追加。岡野に9安打を浴びせ6得点。1回戦で日大三打線を1点に抑えた右腕を降板させた。

6回には竹村、佐藤、笹川の3本の二塁打で3点を加え、8回には佐藤が自身甲子園6試合目にして初のアーチを右翼スタンドに描いた。

終わってみれば、毎回の18安打で11得点の圧勝。下位打線から上位につなぎ、上位がさらに強打に点火させる理想的な攻撃を披露した。

投げても佐藤が、2回以降は変化球主体の投球に切り替え、ソロ本塁打による1点にとどめて、4失点完投。

初回の劣勢をすぐさま跳ね返した打線について森監督は「選手が慌てず、積極的に振ってくれたことに勇気付けられた。たくましくなっている」とナインの成長に目を細める。19日の天理戦に向け、「相手は強いのは分かっている。この舞台で試合ができる喜びを前面に出して戦いたい」と意気込んだ。

2012年8月18日 埼玉新聞1面掲載

Re: 野球部情報 8/18
管理人 / 2012-08-18 07:05:00 No.23422
浦学鮮やか逆転
毎回18安打

第9日は2回戦3試合を行い、浦和学院、宇部鴻城(山口)、東海大甲府(山梨)が勝ち、3回戦に進出した。

浦和学院は3点を先制された直後の2回に4安打で4点を奪い逆転。毎回の18安打を放って11−4で聖光学院を破り、初出場で4強入りした1986年以来、26年ぶりの16強進出となった。浦和学院は夏通算10勝目。

浦和学院は毎回の18安打、11得点の猛攻で聖光学院に圧勝した。

浦和学院は0−3の2回に4長短打を集め、4得点し逆転。西岡の2点二塁打、竹村の中前打で同点とし、林崎の右前打で勝ち越した。3回には笹川の本塁打などで2点を追加。その後も小刻みに加点した。

佐藤は序盤は球が高めに浮いたが、中盤以降は立て直し、緩急を効果的に使い4失点完投した。

★逆境で燃えた強力打線

1回に3ランできつい先制パンチを浴びた。しかし浦和学院ナインはうろたえるどころか、逆に闘争心に火が付いた。2、3回に計6点を奪って逆転。終わってみれば毎回18安打、11得点で聖光学院を圧倒した。チームとしては26年ぶり、森監督にとっては自身9度目の夏で初めて甲子園で2勝し16強進出。「(試合前に)壁を越えて欲しいとは言ったが、目の前のやるべきことに集中してくれた選手にお礼を言いたい」と頬を緩ませた。

初戦の高崎商戦で完封したエース佐藤が1回に3失点した。相手エース岡野は1回戦で夏連覇を狙った日大三を1点に抑えた好右腕。「初回に3点取られ、どうなることかと思った」。だが、指揮官の不安は杞憂に終わった。

2回。県大会から不振だった下位打線から鮮やかな逆転劇が幕を開けた。1死から「自分が必ずチャンスをつくる」と初戦の8番から6番に上がった高田が中前打。明石が7球粘って死球でつなぐと、高田と入れ替わりで8番に下がった西岡が左中間を破る2点二塁打を放ち、反撃ののろしを上げた。

2死三塁から「下位がつないでくれて勇気をもらった」と竹村が低めの変化球に食らい付いて同点の中前タイムリー。さらに二盗後、林崎の右前打で一気に逆転した。3回は笹川の2戦連発などで2点を加え、早々に岡野をノックアウトした。

リードされても焦らなかった。しっかりとボールを見極め、甘い球を確実にとらえた。6回にも竹村、佐藤、笹川の二塁打で3点。8回には佐藤に甲子園初アーチが飛び出した。

序盤不調だった佐藤も堅守が支えて中盤以降、立ち直った。攻守がかみ合っての16強入り。だが明石主将は「毎試合持っている力を出すだけ」と浮かれていない。勝負はこれから。まだまだ満足していられない。目標はもっと高いところにある。


★西岡努力実った一振り
反撃の2点二塁打

努力の男がついに、甲子園で花を咲かせた。初戦の6番から8番に下がった西岡が反撃の口火を切る2点二塁打を含む3安打3打点。これまでのうっ憤を晴らす大活躍だ。

初回に3点を先制され嫌なムードが漂う2回、1死一・二塁で打席へ。カウント1−1から甘く入った直球を見逃さなかった。「しっかり上からつぶせた」と、鋭い打球は左中間を破り2者が生還。チーム全体を「いける」という気にさせた。甲子園7打席目での初安打に塁上では笑顔を見せなかったが、試合後は「素直にうれしい」と白い歯がこぼれた。

この一振りに懸けていた。初戦は3打数無安打と結果を残せず、森監督からは「お前は1打席。つまらない凡打をしたらすぐに交代だ」とハッパを掛けられていたという。ただ、それは指揮官の期待の裏返しだった。

だが初戦が終わった後、森監督が最も熱心に指導していたのが西岡だった。打ちにいく際、左の腰が逃げてしまう癖や前でさばけるようにと付きっ切りでアドバイスした。

その課題を宿舎に持ち帰り、地下の駐車場で誰よりもバットを振り込んだ。「使い続けてくれた森先生に恩返しをしたかった。おかげで打てました」。努力の成果を物語る一打は、恩師の思いに報いる一打でもあった。

★強気のスイング 貴重な同点打
4安打の竹村

浦和学院が誇る安打製造器・1番竹村が4安打の固め打ち。

2回、西岡の2点二塁打で2−3と追い上げ、なおも2死満塁。相手エース岡野は全球、変化球で勝負してきた。それでも動じず6球目。「何とか同点に」という強い気持ちで低めのスプリットを中前にはじき返した。

右、中、左への単打放った後の第4打席には二塁打もかっ飛ばし、長打力を見せ付けた。「自分のスイングをする中で、しっかりとボールを捉えられるようにしている」。2年生とは思えぬ頼もしい心意気だ。

★笹川 2戦連発 流れ呼ぶ

笹川が3回に2戦連発のソロ本塁打を放ち、試合の流れをがっちり呼び込んだ。初戦の3安打3打点に続き、この日は4安打3打点と中軸の仕事を果たした。三塁打が出ればサイクル安打達成だった。

4−3の3回、「強い打球を打って塁に出る」と真ん中に入ったスライダーを左中間スタンドに運んだ。打球を見届けると右腕を突き上げガッツポーズ。3打席目は「大きいのを狙った後だったし、三塁手が下がっていた」とセーフティーバントを決めた。

県大会後から構えを変えたことが好調の秘訣。「いつ打てなくなるか分からないので、たくさんバットを振りたい」。背番号9はおごることなくさらなる活躍を誓った。

★粘りの4失点完投 8回には初アーチ
エース佐藤

1回戦は94球で完封したエース佐藤。この日は1回に3ランを浴びるなど苦しみながらも味方の大量得点に助けられ149球、4失点で完投した。

初回に食らった1発で相手は直球狙いと見抜いた。捕手林崎と相談し、カーブやツーシームなどの変化球主体に切り替えた2回以降は1失点。「悪いなりに投げられた」と胸をなで下ろした。

8回には3番打者として右翼席に甲子園初アーチを放ったが、「次の試合も1人1人の打者に集中したい」。口から出るのは投球に対する課題や意気込みばかりだった。

★決め球浮き3回6失点
聖光学院の岡野

1回戦では日大三を1点に抑えた聖光学院の岡野は、1回に先制した3点を守れなかった。際どい球が見極められると、甘く入った球を痛打され3回6失点。「力んでしまう悪い癖が出てコントロールが甘くなった」と唇をかんだ。

低めで打たせて取るのが信条なのに、決め球のスライダーが不用意に高く入ることが多かった。「まだまだ上がいる。でも、できる限りの努力をしてきた結果だから」と涙は見せなかった。

★体に切れがなかった
聖光学院・斉藤監督
(11失点の大敗)「岡野は体に切れがなかった。スピードがいつもより5、6キロ遅かった」

★負けたら意味がない
聖光学院 安西中堅手
(7回に左翼へ本塁打)
「負けたら意味がないです。みんな、変化球を捕らえきれなかった。

★通算31本塁打で昨年の記録を抜く

17日の第1試合の浦和学院−聖光学院戦で両チームから計4本塁打が飛び出し、今大会の本塁打数が通算31本となり、27本だった昨年を抜いた。16日を終えた時点で並んでおり、大会31試合で更新。この時点でちょうど1試合平均1本の計算だ。

1大会の本塁打数は2006年の第88回大会の60本が最多。記録更新は難しそうだが、派手な一発に観客が沸く場面が目立っている。

2012年8月18日 埼玉新聞掲載

Re: 野球部情報 8/18
管理人 / 2012-08-18 07:06:00 No.23423
石巻からも心強いエール
浦和学院16強
快勝に揺れるスタンド

26年ぶりの16強だ。17日、第94回全国高校野球選手権大会で8年ぶりに1回戦を突破した浦和学院が第1試合に登場。毎回となる18安打11得点の猛攻で聖光学院に11−4で圧勝した。森士監督就任後、夏の甲子園では初の3回戦進出。勝利の瞬間真っ赤なスタンドは前回以上に揺れていた。

2回戦突破を目指す浦和学院ナインに頼もしいエールが加わった。

東日本大震災で被災した宮城県石巻市でボランティア活動した浦和学院野球部。課外活動で頻繁に訪れている事務部長の車谷裕通さんが交流の深い鹿妻・子鹿クラブスポーツ少年団から1枚の布に記した25人分の寄せ書きを預かってきた。1回戦は学校の事務所に飾られていたが、この日は野球部に託されてアルプス席に登場。マントのように羽織って応援する高野凌選手(3年)は「これを書いてくれた人の思いを感じ、できることを全力で」とフィールドの仲間に視線をやる。

林崎龍也捕手の地元・さいたま市桜区からは私設応援団が約30人駆けつけた。

昨年1月に事故で亡くなった父親の和重さん(当時37)の人柄に引かれ、今春の選抜出場決定後に友人・知人らが自然と集まったという。さいたま市立大久保中で和重さんの1つ後輩だった前場貴文さんは「チャンスで回ってきたら打って欲しい」。和重さんと同い年の山谷英明さんは、この日が39歳の誕生日。「優勝してほしい。それだけ」。ともに林崎捕手にパワーを送る。

願いが届いたのか、3−3に追い付いた2回。2死二塁から林崎捕手の右前タイムリーで勝ち越した。その後も笹川晃平右翼手、佐藤拓也投手の本塁打など、自慢の打線が爆発し、毎回となる18安打、11得点の猛攻で快勝した。

林崎捕手の母親の美紀さんは「応援してくれる方には『ありがとうございます』の一言です。点差があったけど、勝った瞬間はうれしさしかなかった」と笑顔。

野球部父母会長の緑川美博さんは「こんな大差がつくとは信じられない。次もスタンドが1つになって応援します」と期待を込めた。

さまざまな思いを背負ってナインは19日、ベスト8進出を懸け、天理に挑む。

2012年8月18日 埼玉新聞社会面掲載

Re: 野球部情報 8/18
管理人 / 2012-08-18 07:08:00 No.23424
浦学 想定外ヒーロー 8番勢い生む

「上位しか打てないから期待するのは上位」。浦和学院・森監督の予想を下位打線が裏切ってみせた。

3点を追う2回。反撃ののろしを上げたのは8番の西岡だ。1死一・二塁、「余計なことは考えずまよわず振り抜いた」。高めの直球をとらえ、左中間2点二塁打。1点差に迫った。

無安打だった1回戦の6番から、8番に下がっていた。「1打席ダメだったら代えるぞ」。前日に監督から、そう告げられていた。背水の陣だった。

この一打が打線を勢いづける。上位の連続適時打につなげ、この回に一気に逆転。3回は5番笹川の本塁打に続き、6〜9番での計3安打で追加点を奪った。

ブレーキとなった初戦とうってかわり、西岡は3安打3打点。同じく1回戦は無安打だった6番高田も「キーマンは下位。つなぐだけ」と2安打。下位が勢いを加速させ、打線は計18安打をたたき出した。

6番以降で計7安打。監督を「予想外」と驚かせた。西岡は「次の試合で(流れを)止めたらダメ」。この良い意味での裏切りが続く限り、浦学打線は簡単には止まらない。

笹川 2試合連続HR

浦和学院・笹川が2試合連続本塁打。3回、スライダーを左中間に運んだ。春の選抜では4番だったが、今大会は5番。「自分が下手なだけ。今日も2回の第1打席で打たないと」とあくまでも謙虚だ。その後も安打を連ね、4安打。三塁打が出ればサイクル安打だった。

2012年8月18日 朝日新聞スポーツ面掲載

Re: 野球部情報 8/18
管理人 / 2012-08-18 07:16:00 No.23425
浦学、逆転から一気
毎回の計18安打 猛攻スキなし

埼玉代表の浦和学院は17日、聖光学院と対戦し、毎回計18安打の猛攻を見せ、11−4で打ち勝った。初回に3点本塁打で先制されたものの、直後の2回には下位打線がつながって逆転に成功。その後も好機を生かして攻め続け、2回以降は主導権を握り続けた。夏では26年ぶりとなる3回戦進出。大会11日目第3試合(午後1時開始予定)で8強をかけ、天理(奈良)と戦う。

切れ目のない浦和学院の打線が火を噴いた。毎回の18安打を記録する猛攻で、聖光学院を圧倒した。本塁打で3点を失った直後の2回、1死一・二塁の好機で西岡が2点適時二塁打を放つと、2死三塁からは竹村と林崎の連続適時打で一挙に逆転した。打線は毎回得点圏まで走者を進め、6回には3本の二塁打で3点を追加。一方、完投したエース佐藤は要所を締める投球で、本塁打以外では失点を許さなかった。

パワー全開!Urawa Gakuin
「エースを楽に」 捕手の一心
逆転打を放った 林崎龍也選手 3年

2回表2死二塁、林崎龍也選手が高めのボール球を強振すると、打球が右前へ転がって逆転打となった。エース佐藤拓也投手を楽にしてやりたい。その一心だった。捕手としても好リードし、攻守で「チームの要」の仕事を果たした。

森士監督も「あの場面で、逆転してくれたことが大きい。同点じゃダメ。逆転できたから相手に影響を与えられた」と勝因を挙げた。

立ち上がりの佐藤投手は制球力を欠いた。2連打を浴びて一・三塁。次の4番打者に中越えの3点本塁打を許した。外すつもりの内角直球が真ん中に入ってしまったのだ。さらに中前安打が続いたが、林崎選手が二盗を阻止、ようやく攻撃の流れをくい止めた。

3回1死一・二塁のピンチにはマウンドへ駆け寄って佐藤投手をなだめた。「かたいよ。同点まで大丈夫だから」。直後、三直の併殺に仕留めた。ベンチ前で佐藤投手の尻をミットでたたき、笑みをこぼした。

不安定だった投球は後半になると持ち直し、サイン通りに力のこもった内角直球が決まりだした。

バッテリーを組んで2年半。佐藤投手は「絶対的に信頼している」という。林崎選手は「昨年までの拓也なら、崩れる展開なのに抑えてくれた。成長している。子どもの頃からの夢だった甲子園で、みんなと日本一になりたい」とこれからの連勝を誓った。

積極的に でも冷静に
4安打の笹川晃平選手 3年

それぞれが、やるべきことを貫徹する。焦らず冷静に戦う

浦和学院の選手たちには共通している姿勢だ。笹川晃平選手は初戦に続き、2回戦でもお手本となるような大活躍を見せた。

3回1死、初回から大きく動いた試合の流れを、一気に引き寄せる本塁打。「狙って打てるような打者じゃない。たまたまです」と、2試合連続の一発を謙虚に振り返った。しかし実際は狙い澄ました一打だった。

6月の練習試合では、エース岡野祐一郎投手を打ちあぐねた。反省を踏まえ、この日、チームとしては「どんどん振ってタイミングを合わせる、得意の変化球を見極めて打つ」(明石飛真主将)という作戦を考えていた。

初打席。笹川選手は遊ゴロに倒れたが、「方針通りに積極的に振れたことが次につながった」。本塁打の第2打席は、読み通りのスライダーを完璧なタイミングで捉えた。5回の第3打席は一転、三塁への見事なセーフティーバントを決めた。

「また大きいのを狙おうとするのは自分の悪い癖。守備が長打を警戒しているのが見えた」。舞い上がることなく、状況を冷静に見極めた。好判断は完全に相手の裏をかいた。

結局、4安打3打点。快音が鳴り響いた打線の中でもひときわ目を引く好調ぶりだった。しかし、浮かれた様子は全くない。「とにかく、チームのためにやれることをするだけです」。チームに貢献していれば、負けることはない。目には自身が宿っていた。

失点、チーム慌てなかった
浦和学院 明石飛真主将

こんなに点が入るとは思っていなかった。いきなり先制されたが、チームは慌てることはなかった。2、3回の攻撃で西岡を中心に下位打線がチームに勢いをつけた。点差がついても最後までみんな集中し続けていた。

すぐに逆転 大きかった
浦和学院 森士監督

初回に3点を取られたあと、すぐに逆転できたことが大きかった。選手も慌てずに、打席では狙い球を絞って強い打球を打つことを意識していた。次の試合も目の前に集中して臨み、甲子園で野球ができる喜びを感じてほしい。

緩急の球 的絞れなかった
聖光学院 氏家颯俊主将

投手の岡野、飯高の2人は全力を出し切ってくれたが、悔しい。相手投手の直球と変化球の緩急に的を絞れなかった。チームは3年間、どんなことがあっても全国制覇を狙う気持ちを忘れなかった。下級生にも続けてもらいたい。

つなぐ野球 相手にされた
聖光学院 斉藤智也監督

つなぐ野球を目指したが、それをやられてしまった。先発の岡野は立ち上がり球威がなく、タイミングを合わせられていたので、飯高に代えた。相手バッテリーは走者が出るとカーブを減らし、走ることもなかなかできなかった。

父の遺影胸に 兄の活躍応援
林崎選手の弟

この日、一塁側応援席には林崎龍也選手の弟で県立高1年の誠也さんが応援に駆けつけていた。胸には、昨年1月に亡くなった父和重さん(当時37)の遺影を抱いていた。浦和学院の攻撃になると、グラウンドに向けて大声を上げていた。

兄弟に野球を教えたのは和重さんだった。幼い頃、近くの小学校の校庭で親子3人でよく練習したという。誠也さんは「兄はセンスが良く、うまかった。ミスをしてふて腐れると、わざと強い打球を飛ばしてきた。厳しかった」と振り返る。

そんな兄の晴れ舞台。「野球好きな父は、兄の活躍をきっと喜んでくれているはずです」

林崎選手は試合後、「今日は良いところを見せられて良かった」とはにかんだ。

2012年8月18日 朝日新聞埼玉版掲載

スタンドから歓喜 来た、見た、勝った
2回戦ドキュメント

起床 午前3時

起床。外はまだ真っ暗だが、選手たちはごみ拾いをしながら散歩に出かけた。少しずつ体を覚ましていった。

気勢 午前5時半

行きのバスで流れる曲は恒例の「ロッキーのテーマ」。森士監督が「人生をこの2時間に尽くし、甲子園を満喫しろ!」と気勢を上げると、選手たちが「ウォー」と大声でこたえた。

到着 午前6時半

バス11台などを使った浦和学院の応援団約700人が甲子園に到着。午前7時の開門と同時に、一塁側アルプスを真っ赤に染めた。

決意 午前7時50分

野球部の高野凌君(3年)はチームがボランティアを通じて交流してきた宮城県石巻市の子どもたちから届いた寄せ書きの布を身にまとった。「支えてくれるみんなの思いを感じて、精いっぱい応援します」

反撃 午前8時20分

先制されたが、すかさず反撃開始。2回表、死球の明石飛真主将が痛みをこらえ、さっそうと一塁へ向かうと応援席から「いいぞ!」「がんばれ!」と声援が飛んだ。

快打 午前8時25分

初戦は無安打だった西岡伸朗選手が2点適時二塁打。母の麻子さんは周囲の保護者らと抱き合い「やっと貢献してくれました」と大喜び。

爆発 午前8時50分

打線爆発の展開。赤い応援ユニホーム姿の杉本優さん(3年)は「たくさん踊って大変ですが、うれしくてたまりません」。

期待 午前9時

山根佑太選手が中学時代に所属していた野球チーム「ヤングひろしま」の後輩たち13人が駆けつけた。主将の水岡拓巳君は「山根さんはとにかくすごい打者だった。活躍を見たいです」と熱いまなざしで試合を見つめた。

力投 午前10時10分

聖光学院最後の攻撃。力投を続ける佐藤拓也投手への声援が、1球ごとに高まる。「最後、締めろ!」「ウイニングショットだ!」

快勝 午前10時15分

応援団長の西尾太志君は仲間と抱き合って喜んだが、すぐに表情を引き締めた。「目指すは日本一だけ。選手もスタンドも同じ気持ちです」

帰還 午前11時

激戦を終えた選手たちはバスに乗り込んで兵庫県伊丹市にある宿舎にへ。昼ご飯を食べたあとは昼寝。熱戦の疲れを癒やして。

2012年8月18日 朝日新聞埼玉版掲載

Re: 野球部情報 8/18
管理人 / 2012-08-18 13:25:00 No.23428
浦学猛攻18安打 26年ぶり3回戦進出

夏の全国高校野球大会第9日の17日、浦和学院は2回戦で、聖光学院(福島)と対戦。初回に3点本塁打を許すも、計18安打の猛攻で逆転勝ちし、26年ぶりの3回戦進出を決めた。第11日第3試合で天理(奈良)と対戦する。

浦和学院は3点を先制されて迎えた二回、8番・西岡伸朗が左中間に適時二塁打を放って2点を返し、さらに、1番・竹村春樹、2番・林崎龍也の連続適時打で逆転。三回に5番・笹川晃平の本塁打などで2点を追加、六回には3本の二塁打などで3点を奪い、試合を決めた。守っては、エース佐藤拓也が初回に先制本塁打を許したが、二回以降、ランナーを抱えながらも要所を締め、1失点に抑える好投を見せた。森士監督は「先制されながらも、選手は焦らず積極的に戦ってくれた。26年の壁を越えてくれた選手に感謝したい」と選手をたたえた。

2012年8月18日 読売新聞埼玉版掲載

Re: 野球部情報 8/18
管理人 / 2012-08-18 13:30:00 No.23429
浦和学院猛打 逆転勝ちで26年ぶり3回戦へ

第94回全国高校野球選手権大会9日目の17日、県代表の浦和学院は第1試合で聖光学園(福島)に11−4で快勝し、昭和61年以来、26年ぶりの3回戦進出を果たした。立ち上がりに3点を先制された浦和学院は二回、下位打線がつなぎ4点を奪って逆転。その後も2本塁打が飛び出すなど打線が爆発した。浦和学院は準々決勝進出をかけて、天理(奈良)と対戦する。

反撃の口火を切ったのは下位打線だった。二回、6番・高田の中前打と7番・明石の死球で1死一、二塁とし、8番・西岡の適時二塁打で2点を返す。竹村、林崎の1、2番コンビも連続タイムリーを放ち、逆転に成功した。3年のチアリーダー、杉本優さん(17)は「浦学らしい粘り強いプレー。声がかれるまで応援する」と力いっぱいエールを送った。

波に乗った浦和学院は三回、笹川の本塁打などでさらに2点追加。笹川は六回にも、走者2人を返す適時打を放った。笹川の母、美紀さん(40)は「試合ごとに頼もしくなっていく。安心してみられるようになった」と話した。

エース・佐藤は尻上がりに調子を上げ、二回以降を1失点。八回に佐藤がソロ本塁打を放つなど打線も攻撃の手を緩めず、最後は11−4で快勝した。佐藤の父、勝美さん(48)は「みんなに助けられて、ピンチを切り抜けた。また選手たちの笑顔が見たい」と語り、スタンドに駆け寄るナインを拍手で迎えた。

★亡き父に報告したい「全国制覇」 熱球譜・林崎龍也捕手(3年)

3−3の同点に追いついた二回2死二塁、打席でフルカウントを迎えた。「あと1点取れば佐藤が楽になる」。ここまでチームを引っ張ってきたエースの顔が浮かんだ。見逃せばボール気味の高めの直球を思い切り振り抜いた。地面にたたきつけられた打球は一、二塁間を抜け、二走が勝ち越しのホームを踏んだ。

スタンドでは、母の美紀さんと、昨年亡くなった父、和重さんの遺影を抱える弟の誠也君が見守っていた。「あの子らしい仕事をしてくれた」。美紀さんは思わず、目を細めた。

スポーツが大好きだった和重さんの影響で、小学3年生からボールを握った。「どうせ野球をやるなら、甲子園に行けよ」。和重さんにそう言われたことを、よく覚えている。大黒柱を失った家庭。「弟は自分が守る」と美紀さんを助け、家族を支えてきた。

チームでは扇の要として守備陣をまとめ、この日もエース・佐藤を攻守でもりたてた。目標は、春の選抜大会で惜敗した大阪桐蔭に勝って、優勝することだ。「父親に全国制覇を報告したい」。親子の夢は、まだ先にある。

2012年8月18日 産経新聞埼玉版掲載

Re: 野球部情報 8/18
管理人 / 2012-08-18 13:33:00 No.23430
ピンチにも動じず 浦学のエース佐藤、成長のマウンド

4回2死満塁のピンチでも浦和学院のエース佐藤は動じなかった。「リードしていたし、野手も『打たせてこい』といってくれた。リラックスできた」。力を込めた135キロの外角直球で次打者を右飛に仕留めた。

以前は打たれて気落ちし、大量失点することもあった。強気に変身できたのは「精神力を鍛える練習をしてきたから」と佐藤。朝夕8キロずつのランニングに加え、グラウンドの左翼と右翼のポール間の走り込みなど、厳しい自主練で自分の体を限界まで追い込んだ。

「あの練習を続けられたという自信からどんなピンチにも動じなくなった」と佐藤。女房役の林崎によると、佐藤の自主連には思わぬ波及効果もあった。

へとへとの体で強豪・横浜との練習試合に先発。「そこで開き直った投球を見せ、1失点で完投した。何かをつかんだみたいです」と林崎。

8強入りのかかる3回戦の相手は天理だ。「1点を争う試合になる。これからもピンチに動じず、1つずつアウトを取っていく」と右腕は誓う。

2012年8月18日 産経新聞掲載

Re: 野球部情報 8/18
管理人 / 2012-08-18 13:44:00 No.23432
浦学、猛打で逆転 毎回の計18安打 26年ぶり3回戦へ

夏の甲子園大会第9日の17日、県代表の浦和学院は2回戦第1試合で、聖光学院(福島)を11−4で降し、初出場した86年以来26年ぶりに3回戦に進出した。浦学は3点を追う二回に林崎龍也捕手(3年)の適時打で逆転。その後も、笹川晃平右翼手(3年)の2試合連続本塁打など毎回の計18安打と打線が爆発し、一塁側アルプス席から大きな拍手が送られた。浦和学院は大会第11日の第3試合で、天理(奈良)とベスト8をかけて対戦する。

初回、聖光学院の主砲、園部聡選手(2年)の放った打球がバックスクリーンに飛び込んだ。いきなり3点本塁打。いやなムードが漂う。

しかし、浦学ナインの勝利にかける思いは、2回表の攻撃に凝縮されていた。初戦は無安打だった6番、高田涼太三塁手(2年)が1死から中前打で出塁。明石飛真主将(3年)の死球で一、二塁とすると、やはり初戦は無安打の8番、西岡伸朗中堅手(3年)が左中間に適時二塁打を放って2点を返し、反撃ののろしを上げる。

浦学打線は初戦、1〜5番の上位打線が8安打6打点と好調だったのに対し、下位は2安打。「下位打線がカギという思いをチームで共有していた」と西岡選手は言う。

応援カラー「浦学ファイヤーレッド」で真っ赤に染まった一塁側アルプス席の約700人がメガホンを打ち鳴らし、勢いづく打線を後押しする。内野ゴロで三進した西岡選手を竹村春樹遊撃手(2年)が中前打で還し、同点。「ウーラーガーク!」の掛け声は、より大きくなった。

竹村選手はすかさず二盗し、チャンスを広げる。持病の胃炎をおして出場した林崎選手が、フルカウントから高めの直球をたたいて右前に運び、竹村選手の好走塁で1点を勝ち越した。林崎選手の母美紀さんは「努力した成果が出て良かった」。下位打線が上位につなぐという、初戦の課題を見事に克服した。

3回以降も浦学打線の勢いは止まらない。笹川選手が2試合連続本塁打を含む4安打3打点、佐藤拓也投手(3年)も本塁打を含む2安打2打点と躍動。2試合連続2ケタ安打となる18安打を放ち、聖光学院を突き放した。

先発の佐藤投手は初回に3点本塁打を浴びたものの、「野手が助けてくれ、打たれても開き直った」。緩い変化球を効果的に使って要所を締め、完投した。投打がかみ合った全員野球で勝利をつかんだチームに、応援団は「よくやった」と大歓声を送った。

★被災地も旗で応援

一塁側アルプス席で、「心友」「めざせ頂点」などと寄せ書きされた旗が人目をひいた。旗は、宮城県石巻市鹿妻(かづま)地区の「鹿妻・子鹿クラブスポーツ少年団」から送られた。浦学が昨年末と今年1月、東日本大震災で被災した同市でボランティア活動をした際、合同練習するなど交流を深めていた。旗をマントのように両肩にかけて応援した野球部の高野凌さん(3年)は「被災地で応援してくれる人の思いも背負い、勝利に導く応援をしたい」。

★後輩13人も声援

浦学の応援団が陣取る一塁側アルプス席には、山根佑太左翼手(2年)が中学時代に所属した広島市の硬式野球チーム「ヤングひろしま」の後輩13人が駆け付けた。このチームの水岡拓巳さん(15)は「勝負強い打者で、あこがれの先輩。いつか僕も甲子園でプレーしたい」と目を輝かせた。8強入りしたセンバツも声援を送った。「夏は優勝してほしい。山根さんの打席では特に大きな声を出したい」と、メガホンを打ち鳴らした。

★進化する一番打者 浦和学院2年・竹村春樹遊撃手
 
2回表2死一塁。視線は相手投手の左足に集中していた。左かかとが動きだした瞬間、二塁に向け足を踏み出した。盗塁成功。次打者の適時打で勝ち越しのホームを踏んだ。

栃木市出身。2年前、中学時代のチームメートだった笹川晃平選手(3年)の後を追い、浦和学院に野球留学した。昨秋、抜群の野球センスを買われ、一番バッターに抜てきされた。

そして今春のセンバツ。「打たなきゃ、走らなきゃ」。はやる気持ちが焦りにつながり、調子は一向に上がらない。勝ち進むチームをよそに悔しさだけが残った。「練習するしかない。積極的にいけば結果はついてくる」。夏の大会に照準を合わせ、走塁や打撃技術の強化に取り組んだ。

迎えた今大会。初戦の高崎商戦に続き、この日も試合の流れを引き寄せる盗塁を決めた。いずれも自分の判断で決めた走塁だった。4安打も放ち「思い切って打ち、足でももぎとることができた」。春から一回り成長したリードオフマンが、チームの快進撃をけん引するつもりだ。

浦学、猛打で逆転 監督・主将の話
慌てずよく打った 浦和学院・森士監督

初回に3点本塁打を浴びた時はどうなることかと不安だったが、選手は慌てずによく打った。すぐに逆転したことは大きかった。先発の佐藤は点を取られても気持ちの切り替えができていた。

次戦も気緩めず 浦和学院・明石飛真主将

先制されても慌てなかった。下位から上位に打線をつなげられた。先発の佐藤が点を取られても野手が打って取り返すという気持ちで試合に臨んでいた。次戦も気が緩まないようにしたい。

2012年8月18日 毎日新聞掲載

Re: 野球部情報 8/18
管理人 / 2012-08-18 13:54:00 No.23433
逆転劇 スタンド熱狂 浦学打線爆発 聖光学院に11−4

第94回全国高校野球選手権大会9日目の17日、浦和学院は聖光学院(福島)と2回戦を戦い、11−4で逆転勝利を収めた。浦和学院が夏の甲子園で3回戦に進出するのは、初出場の1986年以来26年ぶり。打線が2本塁打を含む18安打と奮起し、佐藤拓也投手が粘り強く完投した。次戦は11日目(19日)第3試合で天理(奈良)と対戦する。

投手戦が予想された試合は、初回から波乱を迎えた。好調を維持して試合に臨んだ先発の佐藤投手が、1死一、三塁のピンチでまさかの被弾。「入っちゃった…」。いきなりの3失点に、一塁側アルプス席に陣取った約七百人の応援団は一瞬、静まった。

しかし、2回に早くも反撃ののろしを上げた。まず西岡伸朗選手の左中間二塁打で2点を返し、さらに竹村春樹選手、林崎龍也捕手の連打で逆転。スタンドは得点歌で盛り上がり、応援団長を務める野球部員の西尾太志君は「やってくれると信じていた」と笑顔を見せた。

3回は、笹川晃平選手の2試合連続となる本塁打と、緑川皐太朗選手の左前適時打で2点を追加。緑川選手の父美博さんは「初回に一発打たれてナインの目が覚めた」とうれしそうにメガホンをたたいた。

佐藤投手は尻上がりに調子を上げ、5回以降は3安打1失点に抑えた。攻撃面でも、6回に右翼線適時二塁打、8回には本塁打と大当たり。投打にわたる活躍に、母馨さんは「久しぶりのホームランでうれしい」とほかの父母らと抱き合って喜んだ。

試合後、佐藤投手の父勝美さんは「先制されても安心して見ていられる。浦学は本当の強さを手に入れたと思う」とナインに拍手を送った。

「イメージ通り」春の雪辱 浦和学院2年・竹村春樹遊撃手

「中前にはじき返す」。1点を追う二回2死三塁、6球目の外角の変化球を、イメージ通りに捉えた。初回に3点本塁打を浴びて先制を許した直後の同点打で、攻撃の流れを味方に大きく引き寄せた。

昨秋、1番・遊撃の定位置を獲得したが、試合では、好機で凡退する場面が目立ち、森士監督からは「大事な場面で萎縮してしまう」と指摘された。

それ以来、思い切ったプレーを心掛け、今春のセンバツも「フルスイングからしか結果は生まれない」と強い気持ちを持って試合に臨んだ。しかし、結果は3試合のうち2試合で無安打。「当てにいってしまった」と悔やみ「夏は絶対にリベンジする」と誓った。

「イメージがなければ、フルスイングはできない」と考え、日課としていた1日2000本の素振りの際、一振りごとに球種と打球方向を意識するなど、工夫を凝らした。試合前夜の就寝時には、中前に打球を運ぶ自分の姿を頭に思い浮かべるようにした。

この打席でも、「ツーストライクに追い込んだ後、外角に落ちる変化球を使う」という相手投手の特徴を冷静に分析し、快打につなげた。

試合が終わってみれば、公式戦で自身初となる4安打の活躍。「ずっと求めていた結果が、ようやく出せた」。春の雪辱をひとまず果たした球児の表情は、さわやかだった。 

2012年8月18日 東京新聞掲載

Re: 野球部情報 8/18
管理人 / 2012-08-18 14:02:00 No.23434
浦学の元4番・笹川 2戦連続弾「恩返しは全国制覇」

浦和学院に86年夏以来26年ぶりの3回戦への扉が開いた。「一つの壁だと思っていましたから。選手に感謝したい」。森士監督は感慨深げだった。

毎回の18安打で11点。ヒーローは元4番の笹川だ。1点リードの3回、1回戦に続く2戦連続アーチを左中間へ打ち込む。あと三塁打が出ればサイクル安打の8回は左前打で、4安打3打点。2試合で10打数7安打6打点の活躍に「いろんな人に支えられたからここで打てた」と言った。

6月に左手薬指付け根を骨折し、今年センバツの4番から5番に。リハビリ中も加圧トレーニングで筋力を落とさなかった成果が表れた。女手一つで育て、自宅のある茨城から送り出した母・美加さんは「わが子じゃないみたい」と喜んだ。でも、笹川は満足していない。「恩返しは全国制覇です」。進撃は止まりそうにない。

▼浦和学院・佐藤(8回に右越えソロ。投げては4失点で完投)ホームランは、2ボールからカウントを直球で取りに来ると思った。投げる方もピンチで負けない精神力をつけようとやってきて、その成果が出せている。

2012年8月18日 スポーツニッポン掲載

Re: 野球部情報 8/18
管理人 / 2012-08-18 14:05:00 No.23435
浦学、毎回18安打11点!夏26年ぶり16強…夏の甲子園

過去7度、阻まれていた“2回戦の壁”を打ち破った。浦和学院が毎回安打となる18安打で11点を奪い、夏は26年ぶりとなる16強進出を決めた。森士監督は「(2回戦を)乗り越えてほしかったので選手には感謝してます」とほおを緩ませた。

エース・岡野祐一郎の攻略法として、指揮官はこう選手に伝えた。「直球と変化球にあまり緩急はない。どちらかに狙い球を絞って積極的にいけ」。5番・笹川晃平は2打席ともスライダーを狙い、第1打席は遊ゴロだったが、第2打席の3回に2戦連発となる左中間ソロ。「どんどん振っていこうと意識した」と4安打3打点をたたき出した。

今春センバツは大阪桐蔭に敗れ、8強止まり。頂点を目指し、打力と機動力に磨きをかけた。2戦連続の2ケタ安打と大舞台で成果が花開いた。3回戦は古豪・天理との対戦。「今までと変わらずに、一戦一戦全力で戦うだけ」と森監督。強打を武器に、86年大会の初出場で果たした4強超えに挑む。

2012年8月18日 スポーツ報知掲載

Re: 野球部情報 8/18
管理人 / 2012-08-18 14:08:00 No.23436
浦和学院、26年ぶりのベスト16進出!

灼熱の甲子園。何度も聞いたフレーズが、佐藤の脳裏をよぎったかもしれない。「♪思いこんだら 試練の道を−」。堪え忍んでの勝利だった。

1回、4番・園部に先制3ランを被弾。「序盤はボール球が先行してしまった。でも、味方が点を取ってくれたから」。7回にもソロを浴びたが、打線の援護もあり4失点完投。149球の熱投が実り、初出場した1986年以来26年ぶりの3回戦進出だ。

Jリーグ・鹿島アントラーズが本拠地を置く茨城・鹿嶋市生まれ。サッカーが盛んな街だが、県立高の野球部で活躍した元球児の父・勝美さんの育成方針で、幼少期から野球の英才教育を施された。教材は日本人なら誰でも知っている『巨人の星』だった。

バットを買い与えられた3歳から、まるで反復練習のように録画されたアニメを見る毎日を送った。「あれで野球のルールを覚えた」と勝美さん。星飛雄馬ばりに指導を受けた拓也少年が家族で出掛けたカラオケで、いつも真っ先に歌うのは、もちろん『巨人の星』だった。

さすがに魔球“大リーグボール”は投げられないが、130キロ台中盤の直球と90キロ台のカーブで緩急をつける投球を身につけ、浦和学院のエースへと成長。打っても3番打者として、8回の右越えソロを含む2安打2打点と勝利に貢献した。

素直な性格でナインからの信頼が厚い18歳の思いは「優勝したい」。『巨人の星』ならぬ、深紅の優勝旗をつかむまで、試練の道を進む。

浦和学院・佐藤の父「甘やかさなかった」

浦和学院のエース佐藤の父・勝美さんは一塁側アルプス席で応援。息子が鹿島リトル在籍時に監督を務めており、「監督の息子だから試合に出られるという思いを持たせないように、甘やかすことはなかったです」と懐かしそうに振り返った。星一徹ばりに「人一倍厳しく接してきた」という父は、3回戦進出を決めた自慢の息子に大きな拍手を送っていた。

浦和学院・笹川2戦連発

恐怖の5番打者だ。笹川は初戦の3安打に続き、この日も2試合連続の本塁打を放つなど4安打と大当たり。三回の第2打席でスライダーを左中間スタンドに運ぶと、3打席目は意表を突くセーフティーバントを決めた。6月に左手甲を骨折し、約3週間練習ができなかった。けがを乗り越えての活躍に「支えてくれた人のおかげ」と感謝の表情だった。

2012年8月18日 サンケイスポーツ掲載

Re: 野球部情報 8/18
管理人 / 2012-08-18 14:17:00 No.23437
浦和学院11-4聖光学院

浦和学院が18安打11点の猛攻を見せた。0-3の二回に4長短打を集め、4点を挙げて逆転すると、3回には笹川の本塁打などで2点を追加。その後も小刻みに加点した。佐藤は中盤以降、緩い変化球を効果的に使って4失点完投。

聖光学院は岡野の乱調が響いた。攻撃でも1回に園部の3ランで先制したが、好機であと一本が出なかった。

浦和学院・笹川、母に捧げる2戦連発

2回戦3試合を行い、浦和学院は笹川晃平外野手の2試合連続本塁打などで聖光学院に快勝。4強入りした1986年以来、26年ぶりの夏2勝を挙げた。

さまざまな思いが詰まった打球が左中間席で弾んだ。3回一死から、浦和学院の5番・笹川が1回戦の高崎商戦に続いて2戦連発となるソロ。着弾を確認すると、右こぶしを突き出した。「失投を見逃さずに打てました」。この一発を含め、6回の2点二塁打など4安打3打点。11得点した打線をけん引し、晴れやかな笑みを浮かべた。

苦しんだ日々を乗り越えた。昨夏埼玉大会準決勝の花咲徳栄戦では最後の打者になった。悔しさを忘れないため、映像を繰り返し見てはバットを振り込んだ。2試合連続弾は、その時と同じスライダー。聖地で成長を証明した。今年も6月中旬の練習試合で味方と激突して左手薬指を骨折した。3週間はバットもダンベルも握れなかったが、加圧トレで筋力を維持。努力と折れない心で、結果につなげている。

何より大事な人のために打ちたかった。お立ち台では「ここに送り出してもらった母にお礼を言いたい」と、女手ひとつで育ててくれた母・美加さんへの感謝が口をついた。寮の部屋には送られてきた激励の手紙がすべて張ってある。甲子園出場を決めた埼玉大会決勝後、優勝メダルを美加さんの首にかけて「ありがとう」と初めて言葉にした。逆境に耐えられたのは、家族の支えがあったからこそだ。

18安打の猛攻で、浦和学院は区切りの夏10勝に到達。母に捧げるアーチで3回戦進出に貢献した笹川は「まだまだです」と口元を引き締めた。目指すものはただ一つ。「恩返しは全国制覇でしたい」。不屈の主砲は力強く宣言した。

2012年8月18日 デイリースポーツ掲載

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