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野球部 情報4/4
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2013-04-05 05:42:00
No.25126
県勢45年ぶりV 夢つかんだ浦学 日本一、地元乱舞
第85回記念選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)第13日の3日、決勝があり、浦和学院が済美(愛媛)を17−1で降し、春夏通じて初の優勝を飾った。県勢のセンバツ優勝は、68年の第40回選抜大会の県立大宮工以来45年ぶり。浦学は五回に一挙7点を挙げて逆転。その後も大量得点を挙げ、済美を突き放した。エースの小島和哉投手(2年)はこの日も好投し、相手打線を1点に抑えた。創部35年目で悲願の「日本一」を勝ち取り、一塁側アルプススタンドの応援団は喜びを爆発させた。
優勝経験のある済美を投打に圧倒し、埼玉の地に45年ぶりに紫紺の大優勝旗をもたらした。
「自分たちのチームは、一人一人がつなげていくのが持ち味」(山根佑太主将)。集中打が魅力の「浦学打線」が、大一番で機能する。
1点を追う五回裏、先頭打者の斎藤良介選手(3年)と西川元気捕手(3年)の連打でチャンスをつくる。「先輩たちがつないでくれたので、今度は自分がつなぐことだけを考えた」。打席に入った小島和哉投手(2年)が変化球にバットを合わせると、打球は三遊間を抜ける。同点の一打に、父浩行さん(52)は「自分が取られた点を責任を持って取り返してくれた」と話す。
さらに、竹村春樹選手(3年)と贄隼斗選手(3年)が続いて2死満塁。「全員がつないでくれたチャンスだったので、絶対に小島を助けたかった」。気合を入れ直して右打席に入った山根主将が初球の外角直球をとらえ、2人の走者を迎え入れる。勝ち越しに成功し、母詠子さん(46)は「一番打たなきゃいけない時にクリーンアップの仕事をしてくれた。打つと信じていた」。
猛攻は続く。2死二、三塁の好機で迎えるのは、今大会3試合連続本塁打を放った高田涼太選手(3年)。思い切りのよいスイングで真ん中高めの直球を振り抜くと、打球は左翼手の頭を越える。父昭人さん(48)は「仲間を信じて、よくつないでくれた」。木暮騎士選手(3年)と斎藤選手の長短打でさらに2点を追加。今大会を象徴するような集中打で一挙7点を挙げ、スタンドの応援団は笑顔で赤いメガホンを互いに打ち合う。
2013年4月4日 毎日新聞埼玉版掲載
Re: 野球部 情報4/4
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2013-04-05 05:43:00
No.25127
県勢45年ぶりV 夢つかんだ浦学 日本一、地元乱舞2
★軽快な演奏で応援
浦和学院の選手たちを後押ししようと、同校吹奏楽部が軽快な演奏でスタンドを盛り上げた。同部は3月28日にバスで現地入りし、三回戦の山形中央戦からスタンドで応援を続けてきた。部員たちは浦学が得点を挙げるたびに、体を左右に揺らしながら演奏。リズミカルな音色で一体感のある応援を演出した。部長の石原亜矢子さん(17)は「選手たちは疲れを見せずにプレーをしていてすごい。私たちも頑張ります」。
★広島の後輩も声援
浦和学院の山根佑太選手(3年)が所属していた広島市内の少年野球チーム「Youngひろしま」の選手22人が声援を送った。山根選手は休みに同チームの練習を訪れ、ノッカーを務めるなど後輩の指導にあたる。スタンドに駆けつけた一行は「ホームランを打って」と気合十分。両手にチームカラーの赤いメガホンを持って応援した石谷哲也君(14)は「チャンスで打って、優勝してほしい」と張り切って応援していた。
★OGら熱いエール
後輩たちを応援しようと、浦和学院のOB・OGが一塁側アルプススタンドに駆けつけ、熱い声援を送った。川島南斗さん(20)と桝内涼平さん(20)はともに野球部OB。2人は3年前に卒業し、現在は国士舘大に在学している。この日の朝、埼玉県を出発し甲子園入りした。川島さんは「終盤で点差が開いても手を緩めないのが浦学らしい」。桝内さんは「ここで終わりじゃない。この勢いを夏につなげてほしい」と後輩たちのさらなる飛躍に期待した。
★知事もニンマリ
一塁側のアルプススタンドに上田清司知事が駆けつけた。5年ぶりの甲子園応援となった上田知事は「投打のバランスが良く、落ち着けば必ず勝てる」と力説。五回、県のマスコット「コバトン」のぬいぐるみを持って声援を送ると、浦学打線が奮起。打者一巡の猛攻を見せ、一挙7点を挙げて逆転した。上田知事は「選手たちの実力が出始めた。『コバトン』にはツキを呼び寄せる力があるかもしれない」とニンマリ。
★浦和駅などで号外
浦和学院のセンバツ初優勝を報じる毎日新聞の号外が3日午後、JR浦和駅などで配布された。帰宅途中の会社員や買い物帰りの主婦らは「浦和学院初V」の見出しが躍る号外を次々と手にとり、地元チームの初快挙を喜んだ。
★夢つかんだ浦学 監督・主将の話
★集中打が勝因 浦和学院・森士監督
もう、本当にうれしいの一言。序盤は硬かったが、大声をかけたら徐々に決勝の舞台に慣れてきた。小島を助けようと、五回に生まれた集中打が勝因。過去の教訓から、高校野球の聖地でプレーできる喜びや感謝を感じられるようになった。だが、まだミスがある。この経験を集大成の夏につなげたい。
★攻撃で先輩の意地 浦和学院・山根佑太主将
去年は緊張していて力を発揮できなかったので冷静にいこうと思っていた。今までお世話になってきた監督に恩返しができてよかった。先制点を取られても守りの雰囲気は悪くなかった。(2年の)小島が抑えてくれて下級生が頑張っていたので、攻撃で先輩の意地を見せたかったし、見せることができた。
★夢つかんだ浦学 ナインの一言
◇投手引っ張れる捕手に 西川元気捕手(3年)
小島に助けられることが多かったので、3年生として投手を引っ張っていける捕手を目指したい。
◇監督や両親に恩返し 木暮騎士一塁手(3年)
うれしい。今まで支えてくれた監督や両親らに恩返しができた。夏も日本一になれるよう頑張りたい。
◇おごらず自信にしたい 贄隼斗二塁手(3年)
優勝できたことに感謝して、夏に向けて頑張りたい。おごらずに、自信にしたい。
◇夏に向け一からスタート 高田涼太三塁手(3年)
優勝は目標だったので本当にうれしい。夏に向けて、また一からスタートするので気持ちを切り替えたい。
◇エラーは忘れ守備に集中 竹村春樹遊撃手(3年)
エラーは忘れて守備に集中した。一人一人がアウトを追い、大きな舞台で試合ができる喜びを得られた。
◇戻ってこられるよう頑張る 服部将光左翼手(3年)
日本一を目指してきたのでうれしいが、もう一度夏に戻ってこられるよう頑張りたい。
◇みなへの感謝あふれた 斎藤良介右翼手(3年)
自分の打撃で小島を助けられ、うれしい。優勝した瞬間、両親や支えてくれた周囲の人たちへの感謝の気持ちがあふれた。
◇夏はエースで帰ってくる 山口瑠偉投手(3年)
日本一になり、監督の教えは間違っていなかったと実感した。夏は自分がエースになってここへ帰ってきたい。
◇夏に投げられるよう練習 涌本亮太投手(3年)
五回に中軸まで回り、安心してベンチから応援した。夏は自分が投げられるよう練習を積み重ねたい。
◇チーム全体が勝利に執念 田畑瑛仁捕手(2年)
素直にうれしい。ブルペンから試合を見ていたが、勝つという執念をチーム全体で感じた試合だった。
◇いつも通りのプレーに安心 伊藤祐貴投手(3年)
山根がよく打ってくれた。序盤は硬かったが、いつも通りのプレーが見えるようになり、大丈夫だと思った。優勝でき本当にうれしい。
◇最後まで集中した結果 川井俊希選手(3年)
一つ一つ焦らず、最後まで気を抜かなかった結果。守備を磨いて夏の甲子園を目指したい。
◇最高の結果出せうれしい 久保和輝選手(3年)
甲子園で結果を出すために頑張ってきた。最高の結果を出せてうれしい。満足しないで夏の甲子園に戻ってきたい。
◇仲間いたから耐えられた 渡辺剛選手(3年)
素直にうれしい。一緒に日本一を目指す仲間がいたから厳しい練習にも耐えられた。夏に向け、初心に帰って練習したい。
◇もっと強くなりたい 前田優作選手(3年)
初戦で出場し、初めて甲子園を経験できたことをこれからに生かしたい。夏に向け、もっと強くなりたい。
◇野球できる喜びぶつけた 酒井恭選手(2年)
応援団に良い報告ができてうれしい。野球が好きで、野球ができる喜びをグラウンドでのエネルギーに変えられた。
◇スコアつけながら興奮 記録員・木藤慧也さん(3年)
大量得点でスコアをつけながら興奮した。最終日まで甲子園にいられてうれしかった。
★夢つかんだ浦学 OBの巨人・石井選手の話
◇マーク厳しくなる OBの巨人・石井義人選手
おめでとうございます。これからマークが厳しくなる。夏連覇に向けて、けがをしないで頑張ってください。
★夢つかんだ浦学 上田知事、清水・さいたま市長の話
◇歴史に残る勝利 上田清司知事
ピッチングの切れも、バッティングも徐々によくなってきた。実力通りだと思う。5−1とか6*1と考えていたけど、それ以上だった。歴史に残る勝利。ここぞという時の集中力で、「ガッ」と夢をつかんだ。埼玉県民もみんな喜んでいる。大きな壁を越えた。1回越えれば後が楽になる。夏に向けては、投手力にさらに磨きがかかるだろう。臆せず戦える。
◇春夏連覇目指して 清水勇人・さいたま市長
さいたま市民124万人を代表して、心よりお祝い申し上げます。100%完全燃焼し、持てる力の全てを出し切った選手の一つひとつのプレーに魂が震えるようでした。一糸乱れず声援を送り続けた在校生の応援も大変素晴らしいものでした。次は夏の甲子園です。春夏連覇を目指してさらに頑張っていただきたいと思います。
2013年4月4日 毎日新聞埼玉版掲載
Re: 野球部 情報4/4
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2013-04-05 05:45:00
No.25128
あとは少し休んだあと、記事を掲載します
Re: 野球部 情報4/4
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2013-04-05 11:51:00
No.25130
第85回選抜高校野球大会
浦和学院初V 県勢45年ぶり
第85回選抜高校野球大会最終日は3日、兵庫県西宮市の甲子園球場で3万人の観衆を集めて決勝を行い、浦和学院が済美に17−1で大勝し、春夏を通じて初優勝を飾った。県勢の優勝は1968年、第40回大会の大宮工以来、45年ぶり2度目。
3年連続9度目の出場だった浦和学院は、打線が爆発し18安打17得点。投げては左腕エース小島が8安打を許しながらも要所を締め、1失点完投した。
序盤は済美にペースを握られた。2回二死二塁からタイムリーを許し1点を先制され、打線は今大会ナンバー右腕の済美のエース安楽に4回まで無得点に抑えられた。
しかし、5回に自慢の強力打線が目覚めた。先頭の斎藤が右前打、続く西川の中越え二塁打で無死二・三塁とすると、小島が左前タイムリーを放ち3連打で同点に追い付いた。その後2死満塁から、主将の山根が2点中前適時打を放って逆転。ここから高田、木暮の連続二塁打と斎藤、西川の連打など、この回打者12人の猛攻で8安打7得点し、試合を決めた。8回にも3番手の投手から大量得点を挙げた。
5試合連続の先発となった2年生エース小島は立ち上がりからピンチの連続だったが粘りの投球で打線の爆発を呼び込み、2試合連続の完投勝利。尻上がりに本来の制球力が復活した。
県勢は大宮工業が全国制覇を果たした後、1993年に大宮東、2008年には聖望学園が決勝に進出したが、いずれもはね返された。浦和学院は史上初の関東大会3連覇の看板を掲げ、3回戦から4試合連続2桁安打、2桁得点も3試合と、「東の横綱」の名にたがわぬ戦いぶりで紫紺の優勝旗を手にした。
2013年4月4日 埼玉新聞1面掲載
Re: 野球部 情報4/4
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2013-04-05 11:53:00
No.25131
仲間と出した満点の答え
“心”を磨き続けてつかんだ悲願の日本一だった。
自己責任と仲間意識。
指揮官が唱え続け、ナインが答えを求め苦しみ抜いた今チームのテーマが、高校野球の聖地・甲子園という大舞台で結実。森ウラガクの全員野球が、満開の花を咲かせた。
野球はあくまで個人技のスポーツで、それを結集したのがチーム。各自が責任を果たしながらも、仲間に対して思いやりを持たないとチームとしては成り立たない。
昨秋の関東大会で史上初の3連覇を達成した浦和学院ナイン。森監督は、チームのさらなるレベルアップを期待し、「選手に自立を促し、一人一人を強くしたい」と、昨年11月の明治神宮大会後の約2カ月間、現場をコーチと選手に任せ、ほとんど指示を出さなかった。
だが今年1月末。竹村、高田、山根ら昨年の甲子園経験者が数多く残っていながら、春に向けて種をまかなければいけない最も重要な時期にもかかわらず、なかなかチームは一つになれなかった。森監督は「昨年のチームは束になったら頼りになったけど、今のチームは束にもなれていない。『関東チャンピオンのプライドに懸けて甲子園で優勝する』とは、口が裂けても言えない」と漏らしていた。
「一生のドラマを2時間に凝縮したのが野球」とよく口にする森監督。技術うんぬんよりも人と人との心の触れ合いを大切にすることが原点にある。だからこそ自覚のない行動をした選手や、仲間の思いに応えられない選手はユニホームを着させてもらえなかった。チーム全体で練習させてもらえない日も多く、身の回りの掃除や話し合いだけで一日が終わったこともあった。
その中でもナインらは「自己責任とは?仲間意識とは?」と自問自答を繰り返しながら毎日毎日、苦しんで苦しんで答えを導き出そうとしていた。竹村は「ボール拾いや道具磨きなど、サポートしてくれる人の身になり、感謝の気持ちを忘れては駄目だと思いました。練習させてもらえずつらかったが、技術以外でなく人間形成を見直すきっかけになりました」とチーム全員の思いを代弁する。
森監督は22年目の監督生活で初めてメンバーの半数以上を選手間の投票で選んだ。全員がチームに対し、人ごとだと思ってほしくない、チームは自分たちでつくり上げていくものだ。そんな熱い思いにナインも徐々に応えていった。
北照(北海道)との準々決勝がチームとしての成長ぶりを最も象徴していた。
1回に走塁ミスした贄をカバーするように高田が2ランを打てば、5回にサインミスした小島を助けようと、今度はその贄が三塁打を放ち、追加点を奪った。小島も7回を無失点に抑えた。試合後、高田は「仲間のミスは自分がカバーしようと思った」と誇らしげだった。
そして、決勝は0−1の5回に積極的にかつ、各自が決めた球を狙い打って8安打7得点で栄冠を手繰り寄せた。
「自分の責任を勇気を持ってチャレンジしながら、思いやりを持って仲間を助けようという部分がプレーの中に凝縮されてきた。今大会で成長し始めましたね」
ナインが甲子園でプレーを通じて示した可能性は、指揮官の言葉以上に雄弁だったのかもしれない。
2013年4月4日 埼玉新聞1面掲載
Re: 野球部 情報4/4
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2013-04-05 11:55:00
No.25132
選手 喜びのコメント
(1)小島和哉投手
「夢みたい。先輩たちが打ってくれて楽に投げられた。」
(2)西川元気捕手
「つなぎたかった。林崎先輩のような捕手になりたい。」
(3)木暮騎士一塁手
「初優勝でき森先生に恩返しができて素直にうれしい。」
(4)贄隼斗二塁手
「優勝という形で終われてうれしい気持ちでいっぱい。」
(5)高田涼太三塁手
「夏、ここに戻ってきたいと一番思う。」
(6)竹村春樹遊撃手
「先制されても焦らなかった。甲子園で力を出せた。」
(7)服部将光左翼手
「いつもと少し雰囲気が違ったが、貢献できたと思う。」
(8)山根佑太中堅手
「初球から振っていこうと思った。夏に戻ってくる。」
(9)斎藤良介右翼手
「ここでできるのは当然じゃない。周りの人に感謝。」
(10)山口瑠偉投手
「少しでも貢献できてよかった。素晴らしい経験だった。」
(11)涌本亮太投手
「投げられなかった気持ちを夏にぶつけたい。」
(12)田畑瑛仁捕手
「球場の雰囲気を忘れずに、経験を生かしたい。」
(13)伊藤祐貴投手
「うれしい気持ちはあるが、夏優勝するのが最終目標。」
(14)川井俊希遊撃手
「うれしい。やってきたことは間違いではなかった。」
(15)久保和輝中堅手
「勝った瞬間、仲間にありがとうという思いだった。」
(16)渡邊剛右翼手
「実感がない。校歌を聞いて優勝したんだなと思った。」
(17)前田優作左翼手
「つらい練習を乗り越えて素晴らしい結果を残せた。」
(18)酒井恭遊撃手
「試合に出ていないけど優勝の一員になれてうれしい。」
2013年4月4日 埼玉新聞1面掲載
Re: 野球部 情報4/4
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2013-04-05 11:58:00
No.25133
センバツ 浦学V
尽きぬ情熱で悲願
森監督 歓喜の胴上げ
「夢のようですね」。初優勝の余韻に浸るように発した第一声には22年分の思いが、たっぷりと詰まっていた。悲願達成の瞬間を「この試合を1分1秒でも長く楽しみたいなと思っていた」と、かみしめていたという。
旧浦和市出身。上尾高−東洋大では投手を務めていたが、背番号は付けられず。「プレーヤーとしては失敗作。その失敗した経験を生かして野球に恩返しができれば」。指導者を志した原点だ。
情に厚い性格で「野球というスポーツが大好きで、野球に携わる人も大好き。周りに人がいて野球ができる。仲間の喜ぶ顔を見るのが幸せ」と屈託のない笑顔を見せる。
27歳で初出場してから21年。甲子園でなかなか勝てない時期もあった。それでも「負けてきた数も財産。過去は変えられない。未来は変えるよ」。昨年、こんなことを言っていたのを思い出す。
上尾高で学んだ恩師・故野本喜一郎監督の、技術よりも人と人との心の触れ合いを大切にする野球が、現在でも深く胸に刻まれている。「選手たちの気持ちに負けたくないって、今でも思う」。衰えない野球への情熱が新たな道を切り開いた。
大の風呂好きで、サウナと水風呂を3セットは繰り返す。長男、次男とも浦和学院でともに甲子園に出場した野球一家。その中でも「陰ながら支えてくれた家内には感謝してます」。長年苦労を分かち合った志奈子夫人(52)に言葉を贈った。
2013年4月4日 埼玉新聞スポーツ面掲載
Re: 野球部 情報4/4
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2013-04-05 12:01:00
No.25134
大会総評
浦学 投打で安定感
浦和学院は計59安打47点の打撃力を軸に初優勝をつかんだ。3試合連続本塁打を放った高田や山根らの勝負強さが光った。さらに、左腕小島の安定した投球、5試合で1失策の堅守とバランスが取れていた。
済美(愛媛)は決勝こそ大差になったが、競り合いに強かった。2年生エース安楽は試合終盤でも150キロを超える球速をマークし、逸材ぶりを示した。
べスト4の敦賀気比(福井)は1試合2本塁打の山田や喜多を中心にした強力打線が印象的。高知は酒井−坂本優の継投で38年ぶりの4強入りを果たした。
昨秋の明治神宮大会を制した仙台育英(宮城)は随所に力を見せたが、ベスト8で敗れた。史上初の3季連続制覇を狙った大阪桐蔭は主力にけがが相次ぎ、力を出し切れず3回戦で敗退した。
投手は昨年に比べて小粒ながら、8強に入った県岐阜商の藤田と聖光学院(福島)の石井や済々黌(熊本)の大竹ら左腕に好投手が多かった。
東北勢は「東北絆枠」の山形中央など史上最多の5校が出場し、4校が初戦を突破。東日本大震災で被災した21世紀枠のいわき海星(福島)は、同じ21世紀枠の遠軽(北海道)に初戦で敗れたが、はつらつとしたプレーだった。20年ぶりの土佐(高知)は伝統の「全力疾走」できびきびと動き、観客を沸かせた。
走者が相手選手に激しく接触するプレーで、監督が厳重注意を受けた試合があった。本塁打が20本に達した一方で、延長戦は1試合、サヨナラ試合は2試合だけだった。
2013年4月4日 埼玉新聞スポーツ面掲載
Re: 野球部 情報4/4
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2013-04-05 12:09:00
No.25135
第85回センバツ
強打浦学 真骨頂 18安打17得点
最終日は決勝を行い、浦和学院が済美に17−1で大勝し、初優勝を飾った。初優勝した第76回大会以来2度目の出場の済美は春は初の敗戦。
春夏通じて初めて決勝に進んだ浦和学院は2回に1点を先制されたが、5回に3連投の安楽を一気に攻略。無死からの3連打で追い付き、相手の失策の絡んだ2死満塁から長短5連打で6点を挙げ、この回7点を奪った。8回にも打者12人の猛攻で8点を加え、大差をつけた。
2年生左腕の小島は8安打されたが、2回の1失点で完投した。
2013年4月4日 埼玉新聞スポーツ面掲載
Re: 野球部 情報4/4
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2013-04-05 12:11:00
No.25136
豪腕攻略し初の頂点
こんなにも、格好良すぎる初優勝の仕方があるだろうか。
浦和学院が済美を18安打17得点で圧倒し、エース小島も1失点で完投。まさに全国の頂点に立つにふさわしい堂々たる戦いぶりで悲願の日本一を手にした。インタビュー台に立った森監督は「本当にうれしいのひと言。選手がよくやってくれました。夢のよう」と、聖地に降り注ぐ歓声を心地良さそうに浴びていた。
2回に小島が2戦連続で1点を先制される嫌な展開。頼みの打線は今大会ナンバーワン右腕・安楽の前に4回まで2安打と攻めあぐねていた。
それでも5回。小島が2死二塁から4番安楽をこの日最速の135キロの直球でバットを空を切らせ今大会唯一のガッツポーズを決めたその裏、決勝の舞台で硬さの見られたナインを森監督が「いい投手だからこそ見てたら打てないぞ。積極的に振っていこう」と激励した。その直後だった。6番斎藤の右前打を合図に、浦和学院の強力打線が剛腕に襲い掛かった。
続く西川は森監督の打てのサインに応え、中越え二塁打で無死二、三塁。ここで小島が粘ってスライダーを左前打で1―1と追い付いた。なおも無死一、三塁から三塁走者西川が飛び出しタッチアウトとなり、チャンスはつぶれたかと思われた。
しかしここで終わらないのが、今大会の浦和学院だ。敵失、死球で2死満塁を築くと、3番山根は初球の139キロの真っすぐを中前にはじき返し2点を勝ち越し。さらに高田、木暮の連続二塁打と斎藤、西川の連続中前打で4点を追加。この回、打者12人で8安打7得点と、圧巻の攻撃力で一気に試合を決着させた。
山根から西川までの5連打のほとんどが、ファーストストライクをはじき返したもの。各自で狙い球を絞り、確実に仕留めるしたたかさが好調な打線を支えた。決勝打の山根は「前の打席で詰まっていたので必ず直球がくると思った」と力を込めれば、指揮官も「勇気を持ってスイングしたことが好結果につながった」とうれしそうだ。
その後も8点を加えるなど4試合連続の2桁安打に3度目の2桁得点。全5試合に先発の小島も2失点以上した試合はなかった。背番号1は「夢みたい」と優勝に半信半疑の様子だが、昨秋に時折顔を出したもろさを解消し、聖地で見せたたくましさ。浦和学院ナインが最高の形で“春”の集大成を飾った。
2013年4月4日 埼玉新聞スポーツ面掲載
Re: 野球部 情報4/4
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2013-04-05 12:13:00
No.25137
流れを呼ぶ主将の一打
主将・山根のバットが、浦和学院を優勝へとかじを切らせた。済美の安楽から値千金の逆転打。「うまく打てた」と納得の一打が生まれると、チームメートはせきを切ったように猛攻劇を演じた。
同点に追い付いた5回、2死満塁と絶好のチャンスで打席が巡ってきた。前の2人は敵失と死球の幸運な形で出塁。「ピンチで力んでいるようだった」とマウンドの安楽の姿を冷静に観察していた。初球139キロの直球を振り抜いた。快音を残し、地をはうかのような鋭い打球は中前で跳ね、2人が生還した。
試合の局面とも言える場面ながら1球で仕留めた。度胸が据わり頼れる男だ。注目された本格派右腕との対戦も「連投の疲れか球がきていなかった。終盤勝負だと思っていた」。無得点に終わった序盤の攻撃にも浮足立つことはなかった。
周囲の目は大会3本塁打の高田にいったが、山根は5試合全てでヒットを記録。大会最多安打にあと1本に迫る通算12安打。初戦の土佐戦では終盤に試合を決める2点適時打を放っている。全てはここから始まった。
決勝では2度のビッグイニングを築いた。「どんなに点差があっても足りないと思っていた」と山根。明治神宮大会の春江工戦で5点のリードを逆転され敗戦。このことを引き合いに出し、攻撃の手を緩めなかった。自身も8回に2安打を放っている。
春、夏、春と3度目の甲子園出場でつかんだ優勝旗。新しい歴史を刻んだ仲間たちを前に「みんながキャプテンです」と言った。だが、春夏連覇の偉業へ挑戦権を手にしたチームを引っ張っていくのは、紛れもなく主将の山根だ。
2013年4月4日 埼玉新聞スポーツ面掲載
Re: 野球部 情報4/4
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2013-04-05 12:19:00
No.25138
エース小島「夢みたい」
左腕が投じた128球目。大きな飛球が左翼手・服部のグラブに収まると、背番号1は一塁側に向かって両手を突き上げた。浦和学院の2年生エース小島が2試合連続完投で優勝投手の称号を得た。「夢みたい」。バックを守る先輩たち、ベンチの仲間たちとマウンド付近で抱き合い、全国制覇の瞬間をかみしめた。
「決勝の雰囲気にのまれた」と、立ち上がりは球が高めに浮きピンチの連続。2回2死二塁で先制適時打を浴び、さらに連打で一、三塁。序盤は直球が主体だったが、ここで変化球を織り交ぜ、済美の1番山下を二ゴロに打ち取った。四回無死二塁のピンチも連続三振で走者を進めさせない。
一番の見どころは5回だ。1死からこの日最初の四球で走者を背負い、2死二塁となって打席には、同学年で4番でエースの安楽。初球で内角をえぐり、2ボール2ストライクから内角高めに135キロの直球を投げ込んで空振り三振に仕留めた。見たことのないガッツポーズも飛び出し「うれしかった」とはにかんだ。
直後に味方が無死二、三塁の好機をつくると自ら打席へ。安楽の変化球を捉え、三遊間を抜く同点打を放った。「何とか取り返したかった。安楽君も戦っているし、自分もしっかり戦おうと思った」。エース対決で勝ち、打席でも勝った。
5試合連続先発で初の2連投。通算580球を投じ、42回で3失点と抜群の安定感を見せた。それでもまだ「連投で内に投げ切れなかった。気持ちの面でまだ弱いところがある」と話す。その姿勢がある限りまだまだ伸びる。「優勝の自覚がない」と照れる16歳左腕は日本一の高校生投手だ。
2013年4月4日 埼玉新聞スポーツ面掲載
Re: 野球部 情報4/4
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2013-04-05 12:20:00
No.25139
優勝を決めた 5回猛攻7得点
大舞台で成長の証し 木暮
「優勝の実感はないけど、森先生や仲間に感謝の気持ちでいっぱい。支えてくれた人たちに恩返しができました」。浦和学院の5番木暮はベンチ前で人目もはばからず号泣した。初優勝に大きく貢献する2安打3打点。強力打線の中軸として申し分ない働きを見せた。
5回、山根、高田の連打で5点目を挙げ、なおも2死二塁。「2人は直球を打ったので変化球を狙った」と2球目に来た待ち球を左中間に運んだ。6回にも2死満塁で今度は直球を中前にはじき返し、2者を迎え入れた。
昨春は2年生レギュラ−として選抜ベスト8に貢献。昨秋からは中軸を担った。元から直球には強かった半面、変化球打ちを課題としていた。冬季にはマシンを相手に変化球を右方向に打ち返す反復練習。ティー打撃から浮いた球を投げてもらい「今大会で変化球を長打にできたのは成長」と弱点の克服を果たした。
「あくまで目標は夏の日本一。夏またここに帰ってきて日本一になれるように頑張りたい」。背番号3は涙を拭いた晴れやかな顔で、最後により一層の恩返しを誓った。
★逆転劇お膳立て 前日の汚名返上 斎藤
5回、浦和学院の猛攻の口火を切ったのは6番斎藤だ。先頭で初球のカーブを右前へ。「1打席目はカーブに泳いで打てなかった。2打席目は切り替えて仕留められた」。小島の適時打で同点の本塁を踏むと、この回再び回ってきた打席で中前適時打を放ち、一挙7得点の逆転劇を完成させた。
前日の準決勝。三塁でけん制に刺されて好機をつぶし、挽回を期していた。「負けるんじゃないかと思ったが、チームは勝てた。決勝は気持ちを切り替えてしっかりできてよかった」と喜んだ。
★4連発逃すもあわやの一打 高田
「入学した時から目標だった日本一を実現できた」。今大会で3本塁打を放ち、強打者として一躍名をはせた高田は感慨深げ。本塁打のことよりチームの勝利にまい進し続けた。初優勝の中心には4番がいた。
済美バッテリーの警戒が強まる中、高田の打撃はとどまることを知らない。5回2死二、三塁で、「しっかりと引き付けることができた」と左越えに2点適時二塁打。安楽に対しても「同じ高校生。意識し過ぎず戦いたい」。誰が来ようと持ち味のフルスイングを貫いた。
タイムリーを放つとベンチに向かって控えめなガッツポーズ。プレーを通じ「感動を与えたい」との思いは見ている人に伝わったはず。だが、「もっと力を付ける必要がある」とおごらず、向上心を抱く。どこまで進化するのか楽しみだ。
★エース小島を攻守で支える 西川
西川が決勝4安打の固め打ち。1点を追う5回無死一塁で「バントだと思った」が、サインは打て。準決勝では2安打と当たっていた。3球目をたたいた打球は中堅の頭上を越える二塁打を放って無死二、三塁。強攻策がはまり、大量点の足掛かりを築いた。打者一巡し再び巡ってきた打席でも中前打を放った。
「打撃と守備では切り替えている」としながらも、エース小島を辛抱強くリード。「球威は悪くなかったが、抜けていたり、甘くなったところもあった」と出来を考慮しながらミットを構え、優勝投手へと導いた。
2013年4月4日 埼玉新聞スポーツ面掲載
Re: 野球部 情報4/4
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2013-04-05 12:29:00
No.25140
OB喜びの声
★刺激を受けた 埼玉西武・坂元弥太郎投手
とにかく(選手が)楽しそうにやっていた。僕らは出るだけで緊張した。優勝はなかなかできるものじゃない。あらためて刺激を受けた。OBの僕も頑張らなくちゃいけない気持ちになった。
★偉大なこと 広島・大竹寛投手
悲願の優勝で本当に良かったです。おめでとうございます。大変難しいこと、偉大なことだと思う。OBとしてもうれしいです。
2013年4月4日 埼玉新聞スポーツ面掲載
Re: 野球部 情報4/4
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2013-04-05 12:32:00
No.25141
悲願のうれし泣き 感謝 師に仲間に
浦和学院初V
選手に「おめでとう」
歓喜のスタンドに、笑顔と喜びの涙があふれた―。第85回選抜高校野球大会最終日は3日、甲子園球場で決勝を行い、浦和学院は済美(愛媛)に17−1で大勝し、初優勝を飾った。チームカラーの赤色に染まったスタンドは、悲願達成にお祭り騒ぎ。偉業を成し遂げた選手たちに「おめでとう」の声が飛んだ。
★スタンド・ドキュメント
【午前9時半】闘志を秘めた選手たちが球場入り。決戦を前に、引き締まった表情を見せる。
【同10時】スタンドが開聞。バス計19台、生徒、OBら約1200人が続々とアルプススタンドに現れた。浦和学院の卒業生で和光市の大学生大室勇人さん(28)は「全力を出し切ってくれれば」。野球部OBで、息子も浦和学院野球部員の本多勝さん(38)は「日々やっていることを出して、悔いのないように」とエールを送る。
【午後0時半】試合開始のサイレンが鳴り響きプレーボール。
1回の守備に散る選手たちにスタンドからは「頑張れ」の声。
【2回表】済美に先制を許す。「あー」とため息が漏れるが、すぐに「ドンマイ」「切り替えて」と後押し。
【2回裏】二死一、三塁と同点の好機をつくるが、点を奪えず重苦しいムード。それでも、安打を放った西川元気捕手の父親孝さん(41)は「(安打を)1本打つと、リードにもいい影響が出る。投手の小島和哉君が要求通り投げてくれるし、守備もしっかり助けてくれる」と期待する。
【4回表】無死二塁のピンチも、連続三振と遊ゴロで追加点を許さず。遊ゴロをさばいた竹村春樹遊撃手のプレーに、浦和学院ナインが東日本大震災後に交流を続ける宮城県石巻市の中学1年阿部鳳稀君(12)は「かっこいい」と目を輝かせる。
【5回裏】今大会屈指の右腕、済美のエース安楽智大投手に抑えられていた打線が大爆発。3番山根佑太中堅手の中前2点適時打や4番高田涼太三塁手の左越え2点二塁打など、打者一巡の猛攻で一挙7得点し逆転した。点が入るたびにスタンドはお祭り騒ぎ。「これは勝てるぞ」の声も飛び出す。
【6回表】自らのバットで同点打を放ち、マウンドに上がる小島投手。先頭打者に二塁打を許すも、スコアボードにはしっかりゼロを刻む。「守りに入ったら駄目。攻めていけば大丈夫」と父浩行さん(52)も力が入る。
【8回裏】この試合2度目となる打者一巡の猛攻で8点を追加。勝利を確信する。「よーし」と拳を突き上げる人も。スタンドのボルテージは最高潮に達した。
【9回表】二死走者なし。優勝まであと一人に迫ると、感極まり、泣き出す人の姿も。小島投手が最後の打者を左飛に打ち取りゲームセット。スタンドの中の笑顔がはじけ、隣の人と抱き合って喜びを爆発させた。
【同3時5分】閉会式で、主将の山根中堅手が紫紺の優勝旗を受け取る。「僕たちが成し得なかったことをやってくれた。おめでとうと、ありがとうと言いたい」。森監督就任1年目で初出場した1992年の選抜大会で4強入りしたメンバーの林友之さん(38)はナインをたたえる。当時エースだった染谷慶太さん(38)は「今日は優勝の喜びに浸ってほしい。そして夏また戻ってきて、一回りも二回りも成長した姿を見せてほしい」と後輩たちの活躍に、目を細めた。
2013年4月4日 埼玉新聞社会面掲載
Re: 野球部 情報4/4
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2013-04-05 12:35:00
No.25142
誇らしげ 笑顔輝く
留守部隊 偉業に大興奮
「夢みたい」「さすが浦学!」―。県勢の45年ぶり2度目の全国制覇に、さいたま市緑区代山の浦和学院高校“留守部隊”も沸いた。初の決勝進出でさらに生徒を甲子園へ送り込み、食堂に集まった生徒は約60人。準決勝時140人の約半分だが、熱気は前日を大きく上回り、教職員と合わせた約130人が待ちに待った勝利の瞬間に歓喜した。
連日の留守応援となった3年の谷川有羽美さんは「超うれしい。最初失った流れを見事に奪い返した。最高」と満面の笑み。大量得点の初優勝に、同じく諏訪佑菜さんからは「さすが浦学!」と誇らしげな笑顔がはじけた。
1点を奪われた直後、「今の浦学なら大丈夫。高田涼太三塁手が打つ」と話していた3年の高橋広夢君は5回の7得点の猛攻に、「高田選手の打球はもう少しで本塁打。惜しかったけど、これだけ得点してくれれば期待通り」。3年の高橋啓之君は「もっともっと打ってほしかった」と興奮冷めやらない様子で、同じく徳竹洋介君は「この調子で夏も優勝してほしい」と期待を膨らませた。
準決勝も食堂で応援した3年の黒沢和貴君は「まさか17点も取るとは。得点後の盛り上がりが半端じゃない。楽しかった」とうれしそう。国語を担当する坂本恵里教諭(24)も「圧勝で全国制覇は一層うれしい」と選手の健闘をたたえた。
創部当時を知る増岡初味広報渉外部長は「夢みたい。鍛えた技術と、先制されても自信を失わない心の強さがあった」と会心の笑み。教職員らの後方で見守るように応援していた野球部初代監督の栗野拓哉教諭(57)は「すごいの一言。創部当時は市内大会でやっと優勝できるレベルだった。5回は一度好機を失ったかに見えたが、狙い球の指示の的確さと、忠実に結果を出す選手が光った。重圧もあったと思うが、すごいチームだ」と感慨深げだった。
2013年4月4日 埼玉新聞社会面掲載
Re: 野球部 情報4/4
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2013-04-05 12:37:00
No.25143
支え続け 迎えた歓喜 森監督の妻 志奈子さん
初優勝を果たし、「日本一」の監督となった浦和学院の森士監督(48)。その名将を陰で支えたのが、妻志奈子さん(52)だ。
監督生活22年目。グラウンドでは熱心に選手を指導する森監督。選手への愛情は強く、「親から預かった大切な選手。父親のように接していますね」と志奈子さんは話す。
グラウンドでは選手や野球と真剣に向き合う森監督も、家に帰るとほとんど野球の話はせず、洗濯をしたり、風呂洗いもする「普通の父親」という。2人の息子も立派に育てあげた。
チームは一時、甲子園に出ても勝てない時期が続いた。そんなときも、森監督は家で表情には出さず、愚痴や弱音もはかなかった。ひたすら耐える夫。妻は「野球の神様は、越えなきゃいけないことがあると言っているのでは」。そう言って励まし続けた。
決戦前夜、宿舎で会話を交わした森監督と志奈子さん。「ここまで来ることができた。ありがとう」。妻に感謝の気持ちを伝えた森監督。志奈子さんは「まだ一日早いわよ」。
この決勝をアルプススタンドで観戦した志奈子さん。選手の父母らと共にメガホンを振り、大きな声で声援を送った。そして迎えた歓喜の時。「おめでとう」の言葉と共に、目に熱いものが込み上げてきた。
「お疲れさま。家でゆっくり優勝をかみしめたいですね」と労をねぎらう。特別なことはあまりしないというが、魚などの和食料理が好きな夫のため、「タイでお祝いしようかな」と笑顔を見せる。
そして、前日に言うことのできなかった言葉を伝えるつもりだ。「声をからして声援をしてきたかいがあった。ここまで連れてきてくれてありがとう」。そして「夏もまた連れてきてね」と。
2013年4月4日 埼玉新聞社会面掲載
Re: 野球部 情報4/4
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2013-04-05 12:42:00
No.25145
「やり通す姿勢学んだ」
21年前4強の石附さん
「目頭が熱くなりましたね」。浦和学院が選抜高校野球大会で初めて4強入りした21年前、「5番、三塁手」として活躍した会社員石附篤彦さん(38)は、街頭のテレビ中継で優勝の瞬間を見届けた。母校が現役時代以来2度目の準決勝に臨んだ2日は、一人息子の龍陛さん(12)と2人で、甲子園球場のスタンドから応援。決勝は仕事の都合で行けなかったが、後輩たちが悲願を達成してくれた。
当時は森士監督が就任した最初のシーズン。「年齢が近かっせいか、兄貴みたいな存在だった」と懐かしむ。石附さんは卒業後、三菱重工横浜で4年間プレーして引退。現在は東京都内の会社で働く。「先生(森監督)からは、何事にも集中して取り組むことを学んだ。校歌に『貫けひとつ わが道を』とあるけれど、自分が決めたことをやり通す姿勢は、今でも生きている」と感謝を忘れない。
毎年、同じ三塁手の後輩たちが最も気になるという。今大会は、4番の高田涼太選手が3試合連続本塁打を放つなど、大暴れした。石附さんは、「ものすごい選手ですね。バッティングも守備も超一流で、私はとてもかなわない」と手放しで誉めちぎる。
野球部のころの仲間や恩師は、石附さんにとっては掛け替えのない財産だ。今でも時々、グラウンドを訪問するなどしている。「今週末にでも、先生たちを祝福しに行きたい」と目元が緩む。チームは今後、全国のライバルから目標とされる。「埼玉のチームがまだ成し遂げていない、夏の甲子園優勝を実現してほしい」とエールを送った。
2013年4月4日 埼玉新聞社会面掲載
Re: 野球部 情報4/4
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2013-04-05 12:47:00
No.25146
白板に得点記入 手作りでエール
さいたま市緑区役所
浦和学院の地元、さいたま市緑区役所は、庁舎内にテレビを置いたパブリックビューイング(PV)実施を3日朝、急きょ決めた。試合中は、総務課職員がホワイトボードに得点を記入。勝敗が決まると庁舎入り口に浦和学院の優勝を祝うメッセージを掲示するなど、手作りでの応援体制となった。中川晴美区長は「本当にうれしい。チーム力が素晴らしい」と感心しきり。庁舎内での写真展の実施などに意欲を見せていた。
結果を知った市民は、大量得点に驚き、快挙を喜んだ。入籍の手続きに訪れていた会社員の長谷川大悟さん(27)は元高校球児。浦和学院とも練習試合の経験があるといい「優勝できて良かったです。記念になりますね」と妻理恵さん(27)と笑顔を交わした。
同校野球部の中村要コーチの娘真子ちゃんにバレエを教えているという小栗直子さんは「選手はもちろんえらいけれど、サポートする側も大変だったはず。帰ってきたら苦労をねぎらいたいですね」と監督、コーチ陣を気遣っていた。
★市役所本庁舎などに横断幕
浦和学院優勝を祝し、さいたま市役所本庁舎や埼玉高速鉄道(SR)の浦和美園駅、東川口駅で3日夕、横断幕が掲げられた。JR浦和駅と南浦和駅でも4日に掲示する予定。
さいたま市では長さ10メートルの横断幕を庁舎南側4階の手すりに設置。横断幕を急きょ発注したスポーツ振興課は「市民ぐるみで優勝を祝し、スポーツの街、さいたま市を盛り上げていきたい」と語った。
★「足元を固めて歩んでほしい」 元大宮工の品川さん
大宮工業高の選抜高校野球優勝メンバーの1人、品川和男さん(62)=さいたま市大宮区=は「45年ぶりにやっとやってくれた。県勢2校目の優勝という悲願がかなってうれしい。肩の荷が下りた気がする」と喜びを語った。45年前の優勝を伝える記念碑をOB会が昨年、同校に建てた矢先の優勝で「偶然にしても面白い縁を感じる」とも。
当時2年生の品川さんは控え捕手として背番号14を付けベンチ出場。「自分たちはワンチャンスを生かし1点差でやっと勝つ試合ばかりで、ハラハラし通しだった。浦学はすごい打力で素晴らしい」とたたえた。
当時、凱旋した同校野球部は、建ったばかりの真新しい大宮市役所(現大宮区役所)から県庁までパレード。「オープンカーに乗って天にも舞い上がる心持ちで、自分たちに何が起こったのか分からないくらいだった」と当時を振り返る。
品川さんはその後、1級建築士となり現在も建設業界で活躍。浦学ナインに対し「人生は長く、まだ一歩も踏み出していない段階。舞い上がらずに足元を固めてしっかり歩んでほしい」と激励した。
★打撃すごかった 半波和仁さん
(1986年、強打・浦和学院のスラッガーとして夏の甲子園4強)
「優勝おめでとうございます。今回のチームの打撃は、僕らの時の打線とは比べものにならないくらいすごかった。夏もあるので、また一つ大きくなって頑張ってほしい」
★浦和など3駅で本紙が号外配付
埼玉新聞社は浦和学院優勝を受けて号外を発行、3日夕方、JR浦和、大宮、東川口の各駅で配布した。
さいたま市浦和区のJR浦和駅では午後4時半すぎ、「浦学初V」と見出しを付けた号外を社員が配った。号外を手にした駅利用者は喜びを分かち合っていた。
同区の70代の自営業女性は「最高にうれしい。チームワークの良いチームだった」。市内に住む女子中学生のグループも「家族で応援していた。浦和の誇りです」と盛り上がった。
2013年4月4日 埼玉新聞社会面掲載
Re: 野球部 情報4/4
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2013-04-05 12:55:00
No.25147
常勝チームに 勇気を与えた
知事・市長も観戦
決勝戦の大舞台を、上田清司知事と清水勇人さいたま市長もスタンドで観戦した。
上田知事は「埼玉の人口やほかのスポーツの力を考えると、初優勝はちょっと遅かったかな」としつつも、「これを機に常勝チームになってもらいたい。ほかのチームもそれに続いてもらえれば」と期待。学校側からパレードなどの要請があれば「県として支援したい」と話した。
また清水市長は「県代表としてひた向きに頑張ってくれた。さいたま市全体や子どもたちに勇気を与えてくれた」と褒めたたえた。
2013年4月4日 埼玉新聞社会面掲載
Re: 野球部 情報4/4
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2013-04-05 13:07:00
No.25148
さきたま抄
マウンド上で抱き合い、はじける笑顔。夢じゃない。浦和学院ナインが甲子園のてっぺんにたった。
優勝監督インタビューのお立ち台にたった森士監督。表情はグッときている。1992年に選抜大会初出場から21年、様々な思いがこみ上げてきたのだろう。「嬉しいのひと言です」という言葉に、全てを集約させた。
浦和学院は甲子園に出るたびに優勝を期待される。それだけの力を備えている。しかし、勝てなかった。その重圧に時にはナーバスになった時期もあった。
浦和学院が変わったなと思ったのは2年前の選抜大会だった。一歩引いて選手やコーチに練習を任せるようになった。うまい具合に肩の力が抜けてきたのだ。それが3季連続の甲子園出場につながり、昨年は春夏で4勝した。
今年のベンチの森監督はとにかく笑顔が多かった。初戦の前日練習で、「ここまで来たら選手たちが気持ちよく試合をすることが大事」と話していた。
そして、戦う選手が本当にたくましかった。初戦から決勝まで、敗戦に直結しそうなミスは必ずあった。しかし、誰もうつむかず、むしろ失敗をエネルギーに変えた。決勝のスコアボードに刻んだ17得点。偶然にも森監督が過去の甲子園で喫した敗戦の数だ。負けがあったからこそ、この日の栄冠があった。優勝おめでとう。浦和学院。
2013年4月4日 埼玉新聞1面掲載
Re: 野球部 情報4/4
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2013-04-05 13:13:00
No.25149
浦和学院が初制覇、17−1で済美を圧倒
第85回選抜高校野球大会最終日は3日、甲子園球場で決勝を行い、浦和学院(埼玉)が17−1で済美(愛媛)を下し、春夏通じて初優勝を飾った。埼玉勢の優勝は第40回大会の大宮工以来、45年ぶり2度目。
浦和学院は2回に1点を先制されたが、5回に済美の好投手安楽に8長短打を浴びせて打者12人の猛攻で一挙7点を奪って逆転。8回にも6安打を集めて8点を加えた。先発の小島が8安打1失点で完投した。
★甲子園がうれしい場所に 浦学の小島、トラウマ消えた
優勝が決まり、マウンドに駆け寄ってきた上級生から、2年生エースは言葉をかけられた。「よく頑張ってくれた」。小島には、このことが一番うれしかった。
準決勝の敦賀気比戦で115球投げた疲れからか、左肩が重かった。直球にキレや威力がなく、2回に先制点を奪われた。5回も2死二塁のピンチ。ここで4番安楽を三振にしとめ、珍しくガッツポーズ。「無意識のうちに出てしまった」。その気持ちが打線に火をつけた。その裏に自らも適時打を打ち、7点を奪い、試合を決めた。
左腕にとって甲子園は思い出したくない場所でもあった。昨夏、3回戦で登板した。しかし、打ち込まれて敗れ、先輩に迷惑をかけてしまった。その「トラウマ」を全国制覇が吹き払った。「優勝した実感がなく、夢をみているようですが、やっと甲子園がうれしい場所になりました」。小島は最高の笑みを浮かべた。
★プレーで浦和学院を引っ張った山根主将
今年1月から主将に就任した浦和学院のリーダーが「プレーで引っ張りたい」との思いを大会にぶつけた。3度目の甲子園、全試合で安打と打点を記録して24打数12安打10打点の大活躍。「ずっと日本一を目標にやってきた。監督に恩返しできた」と目尻を下げた。
親元を離れて広島から埼玉にやってきた。小学校時代からチーム仲間だった右腕伊藤と寮生活で励まし合い、厳しい練習を乗り越えてきた。広島弁を理解してもらえず、埼玉スタジアム近隣の学校前を通るJリーグ浦和のサポーターの大行列に驚いた。高校野球が注目される土地ではなかったが「埼玉に優勝旗を持ち帰る」という信念を持ち続け、現実に変えた。
昨春の準々決勝、大阪桐蔭の右腕藤浪から安打を放ったが、9回に逆転された。昨秋の明治神宮大会でも春江工(福井)に5点リードしながら逆転負け。1年前の屈辱から得た教訓は「勝ち急いではダメ」、「一つ一つのプレーを大事にする」。それを実践した。
東日本大震災で被災した宮城県石巻市を昨年12月、2年連続で訪問した。鹿妻(かづま)保育所の園児からもらったお守りはバッグ入れている。「野球をやれるのがうれしい。今の環境が幸せ。勇気を与えたい」。その思いを持って臨んだ大会、子供たちを喜ばせることができた。
★「何点あっても足りない」浦和学院、貪欲な強打線で頂点
済美の豪腕、安楽をものの見事に粉砕した。決勝で18安打17得点。浦和学院が強打線を前面に、甲子園の頂点に立った。
打線に火がついたのは5回だ。無死一塁で打席には7番の西川。「次打者は(投手の)小島。送っても点を取るのは難しい。西川にかけた」と森監督。強攻策。併殺打となる可能性もある。しかし西川は「思い切りやってやろう」。追い込まれながらも、変化球を振り抜き、中越えの二塁打を放ってみせた。
続く小島の左前打で同点にすると、とどめを刺したのは山根だ。マウンドの安楽を見ると「大丈夫」とつぶやいているように見え、「自信のある真っすぐがくる」。読み通り、甘く入った直球を中前へ運ぶ勝ち越し適時打。高田も2点適時打で続くと、もう大勢は決した。一挙7点。ため込んだエネルギーを一気に放出するかのような攻撃に、西川は「自信はあった」とうなずいた。
このチームの原点は昨秋の敗戦にある。関東王者として臨んだ明治神宮大会の春江工(福井)戦。5点を先取したが、逆転負けを喫した。その新聞記事を寮やグラウンドなど目につく場所に貼った。今大会は59安打47得点。「何点あっても足りない」という意識を高めてきた結果といえる。
森監督はさらに高みを望む。「これからが本番。精神的に未熟な場面もあり、たくさんの課題を残している」。夏に向け、さらなる成長を見据えた。
2013年4月4日 産経新聞埼玉版掲載
Re: 野球部 情報4/4
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2013-04-05 13:18:00
No.25150
浦和学院 輝きの春
第85回選抜高校野球大会13日目の3日、浦和学院は決勝で済美(愛媛)と対戦した。2回に先制を許したが、5回に一挙7点を奪って逆転。勢いの止まらない打線は6回に2点を追加すると、8回にも打者12人の猛攻で8点を挙げた。エース小島はこの日も1失点完投。浦和学院は17−1の圧勝劇で初優勝をもぎ取った。
1点を先制されて迎えた5回、これまで2安打に抑えられていた打線が爆発した。8番小島の適時打で追いつくと、2死満塁から3番山根の2点適時打で勝ち越しに成功。続く4番高田も2点適時二塁打を放つなど、この回打者12人、8安打の猛攻で一挙7点を奪った。小島の母、美和子さん(52)は「四回までヒヤヒヤしましたが、うれしいの一言」と喜びを爆発させた。
6回にも5番木暮の中堅への2点適時打で得点を重ねると、8回に再び打線が火を噴いた。打者12人、6長短打などでたたみかけ、だめ押しの8点を挙げた。点差が開いても、「とにかく集中してプレーしてほしい」。勝利を祈る野球部OBで西川の父、孝さん(41)は興奮を隠せなかった。
2年生エース小島の左腕はこの日も健在。走者を背負う場面が何度もあったが、粘りの投球で2回の1失点にとどめた。県勢では45年ぶり2校目となる優勝を決めた瞬間、アルプススタンドからは球場を揺るがすような大歓声が沸き上がった。主将の山根の母、詠子さん(46)は「こんな経験をさせてもらえて幸せ。本当に感激です」と感極まった。
森士監督「選手全員が本当によくやってくれた。みんな甲子園という大舞台で大きく成長してくれたと思う」
山根佑太主将「優勝できてうれしい。勝とう、と全員が同じ気持ちでつながった。よく投げていた小島を助けることができた」
小島和哉投手「先輩を信じて粘りの投球ができた。夢みたいです」
西川元気捕手「力まずに、目の前の相手との勝負に勝つことだけを意識した」
木暮騎士一塁手「今まで支えてくれた両親に恩返しができてうれしい」
贄隼斗二塁手「チームを助けられるように、もっと成長したい」
高田涼太三塁手「夏までにもっと力をつけて、また甲子園に戻ってきたい」
竹村春樹遊撃手「みんなで1つのアウトを取る野球のおもしろさを改めて感じた」
服部将光左翼手「日本一を目指してやってきた。夏にまた戻ってきたい」
斎藤良介右翼手「夏に向け、チームのためにつなげる力を鍛えたい」
山口瑠偉選手「夏こそはチームを背負える選手になってみせる」
涌本亮太選手「夏のマウンドに立てるように成長したい」
田畑瑛仁選手「試合を重ねる度に、勝ちたい気持ちが強まっていった」
伊藤祐貴選手「この瞬間から夏に向け、気持ちを切り替えていく」
川井俊希選手「レギュラーを目指し、帰ってすぐに練習をしたい」
久保和輝選手「甲子園という舞台に立てて、優勝できてうれしい」
渡辺剛選手「一戦必勝の気持ちで最後まで戦えた」
前田優作選手「冬の練習を励まし合って乗り越えた結果が出た」
酒井恭選手「優勝を目指す緊張感で、みんな集中できていた」
2013年4月4日 産経新聞埼玉版掲載
Re: 野球部 情報4/4
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2013-04-05 13:20:00
No.25151
浦和学院の竹村春樹遊撃手(3年)
5回、同点とし、なおも2死二塁の好機で迎えた打席。一塁へゴロを打ち、「しまった」という思いがよぎったが、足をゆるめることなく全力で一塁を駆け抜けた。これが相手一塁手の失策を誘い、その後の猛攻への足がかりとなった。
「全力で走らずにアウトになることほど、恥ずかしいプレーはない」。高校球児だった父、達矢さん(49)から受けた教えが、決勝の舞台で存分に生かされた。
父の影響で幼稚園のころから野球を始め、家の倉庫に張ったネットの前で毎日バットを振っていた。小中学生で所属した野球チームの監督、コーチも父が務め、ずっと二人三脚で練習に励んできた。
2回2死二塁のピンチで打球がグラブをはじき、先制の走者が
還した場面。記録は安打だったが、「球際の弱さが出てしまった。自分のエラーだ」と申し訳ない気持ちでいっぱいになった。しかし、下を向くことはなかった。ここでも「失敗しても引きずるな」という父の教えが生きた。7回無死一、二塁の場面ではゴロを鮮やかにさばき、「常に狙っていた」という併殺に仕留めた。
「父が踏めなかった舞台。絶対に連れてきて優勝したいと思っていた」。父の薫陶を受けてきた1番打者。思い描いていた結果を仲間全員と現実にし、満面の笑みを浮かべた。
2013年4月5日 産経新聞埼玉版掲載
Re: 野球部 情報4/4
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2013-04-05 13:21:00
No.25152
「郷土の誇り。浦和の誇り」 県勢の快挙に地元も感動
およそ半世紀ぶり、2度目の県勢優勝に地元も沸いた。浦和学院(さいたま市緑区)では準決勝に続き、校内の大型スクリーンで運動部員や教職員ら約130人が観戦。地鳴りのような歓声があがった。
「一つのボールに向かう姿に元気をもらった。自分も負けられない」。ソフトボール部2年の藤原慶裕さん(16)は両腕を高く突き上げ、仲間とともに大声で校歌を熱唱した。
「ただただ、すごい」。昭和53年の野球部創立から7年間、初代監督を務めた保健体育教諭、栗野拓哉さん(57)は目を潤ませた。「練習量は日本一。結果でも日本一になってくれた」。かつては学校に専用グラウンドもなく、校庭の片隅で素振りばかりの練習もあった。
浦和駅前の商業施設「浦和コルソ」では急遽、パブリック・ビューイング会場を設営。詰めかけた観客が試合を見守った。会場を準備し、最前列で応援した商店会の羽部隆さん(72)は「郷土の誇り、浦和の誇りがまた一つ増えた」と興奮。万歳三唱の音頭をとり会場を盛り上げた。
幼稚園児の息子と観戦した川原井美智さん(29)は「地元で頑張る子供たちの活躍に元気をもらった。地元でも競い合い、夏も埼玉から甲子園を盛り上げて」と期待を込めた。
さいたま市の清水勇人市長は「選手のプレーは魂が震えるようだった。春夏連覇を目指し、さらに頑張っていただきたい」と祝福のコメントを寄せた。
2013年4月4日 産経新聞埼玉版掲載
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2013-04-05 13:32:00
No.25153
浦和学院初V 17点大勝
浦和学院(埼玉)が済美(愛媛)を圧倒し、春夏通じて初優勝した。
2回に1点の先制を許したが、5回に看板の打線が相手エース安楽智大(2年)をつかまえた。8本の長短打を浴びせ、大量7点を奪取。6回にも木暮騎士(きぐれ・ないと)内野手(3年)の適時打で2点を追加した。エース小島和哉(2年)は1失点完投。試合前に「相手の安楽君のような好投手と投げ合えることが幸せ」と声を弾ませていた2年生エースが頂点に立った。
★森監督「うれしいのひと言」
初優勝した浦和学院(埼玉)森監督のコメント。
「うれしいのひと言。この試合を一分一秒でも長く楽しみたかった。選手たちがよくやってくれた。(安楽は)いい投手だからこそ積極的に振っていけと指示した。小島は大会の中で本当に成長してくれた。選手を信じて思い切った采配ができた。また夏に戻ってきたい」。
★浦学・小島「夏もう1回来る」
浦和学院(埼玉)が済美(愛媛)を下し、初優勝を果たした。埼玉県勢では大宮工以来45年ぶりの悲願を達成した。
全5戦で先発したエース左腕小島和哉投手(2年)は「甲子園の舞台でこれだけのお客さんを前にして、あのマウンドに立てて幸せです。夏、もう1回来られるように練習してきます」と笑顔で話した。
★浦学打線が怪腕安楽攻略
浦和学院(埼玉)が、18安打17得点の大勝で初優勝を飾った。済美(愛媛)の怪腕、安楽智大投手(2年)を攻略し、春の頂点に立った。
1点を追う5回、同点に追い付いた直後に3番山根佑太投手(3年)が中前に勝ち越し2点適時打を放った。この回一気に7点を奪い、試合を決めた。
森士監督(48)は「本当にうれしいのひと言です。選手がよくやってくれました」とねぎらった。
★浦学・小島V腕!防御率0.64
浦和学院(埼玉)の2年生左腕小島和哉が、左手を空に突き上げた。「夢みたい」という初優勝で2年生エース対決を制した。8安打を浴びるなど「今日の試合の立ち上がりが甲子園で一番大変だった」と振り返った。序盤は疲労から球が高めに浮いた。2回に1失点したが、粘り強く投げ抜いた。大会通算3失点で防御率は0・64と驚異的な数字を残した。
全5試合すべてで先発し、3完投。580球を投げ抜いた。昨夏の甲子園では「気持ちが逃げてしまう部分があった」と精神的な弱さがあった。しかし、新チームから背番号1を託され、変わった。2試合で途中交代した際は悔しさを見せるなど「マウンドにいる間は堂々としてないといけない。だから全試合に投げ抜きたいんです」。次は春夏連覇が目標だ。「球速を上げて、体力をつけたい。夏は全試合投げ抜きたいです」と、先を見すえた。
◆2年生の優勝投手 最近のセンバツでは04年福井優也(済美)以来。他に57年王貞治(早実)63年池永正明(下関商)73年永川英植(横浜)らがいる。戦前では松井栄造(岐阜商)が33、35年に下級生ながら2度優勝。
★浦学初V 埼玉に45年ぶり大旗
浦和学院(埼玉)が、18安打17得点の猛攻で、春夏通じて初の頂点に立った。1点を追う5回、3番山根佑太主将(3年)4番高田涼太内野手(3年)の適時打などで、3連投だった済美(愛媛)の「怪物」右腕安楽智大投手(2年)から7点を奪って攻略。投げてはエース左腕、小島和哉投手(2年)が8安打1失点で完投し、17−1と大勝した。埼玉県勢の優勝は68年大宮工以来、45年ぶり。春の王者として、今夏は史上8校目の春夏連覇に挑む。
3番山根は、済美の怪腕が見せたわずかな口元の動きを見逃さなかった。同点に追い付いた直後の5回2死満塁。「安楽がマウンドで『大丈夫』って、独り言言っていたのが見えたんです」。最速152キロ右腕がピンチで信じるボールは何か。
初球、狙い通り、外角に139キロ直球が来た。コンパクトに振り抜く。打球が中堅に抜け、2者がかえった。続く4番高田は、131キロの力ない直球を、左越えに運んだ。もう止まらない。木暮、斎藤、西川とさらに3連打。連投の疲れでボールに力がない安楽から一気に7点を奪い、試合を決めた。
怪腕を打ち砕き、エースが完投。78年創部以来、春夏通算20度目にして初めて決勝に進出し、頂点に立った。ウイニングボールをポケットにしまった森士(おさむ)監督(48)は「夢のようですね」と言った。県では勝てても、甲子園では勝てない−。05年春から、11年春まで甲子園で5季連続初戦敗退の屈辱を味わった。内弁慶と揶揄された。何かを変えないと全国では勝てない。
森監督は「ポテンシャルの高いチームは(過去)もっとあった」と言う。それでも勝てなかった。技術だけではなく、生活から変えた。自己責任をテーマに、大会前に初めてレギュラーを選手間選挙で決めた。自分以外の選手を1番から10番まで投票。エース小島は「周りから認められて1番になった」と自覚する。
夜遅くまで行っていた練習は午後9時に打ち切り、午前5時からの早朝練習に変えた。グラウンドで浴びる太陽の光に希望を感じた。決勝当日の朝も午前5時起床。安楽対策に、150キロ近い打撃マシンをマウンドの3〜4メートル前に設置し、振り込んできた。
昨年12月には2泊3日で2年連続宮城・石巻市にボランティアで出向いた。選手たちが炊き出しを行い、小中学生と野球で交流した。山根主将は「ずっとパワーをもらってます」と言う。東北絆枠が新設された記念大会。最後に笑ったのは、強くなった浦和学院だった。
★森監督「感謝」21年かけ頂点
27歳で強豪を率いるようになった浦和学院(埼玉)森監督が、21年かけて頂にたどり着いた。「感謝、感謝、感謝です」と言った。上尾高(埼玉)、東洋大では背番号をもらったことがない。アンダースローの変則右腕で、高2年時に右肘の手術を経験した。「プレーヤーとしては失敗作」が原点だ。
指導者への道を開いてくれたのは、上尾高監督だった恩師で元近鉄の野本喜一郎氏(享年64)。84年に浦和学院監督に就任した野本氏からコーチの打診を受けたのは東洋大4年の86年だった。しかしその年、夏の県大会直前に倒れた野本氏は甲子園開会式当日に亡くなり、初出場したチームの晴れ姿を見ることはできなかった。「教育の原点は生徒と1分1秒一緒にいてあげること」が教えだった。
一緒にいる選手を褒めることはめったにない。私生活にも厳しい規律を求める。主将は昨秋までの高田から、山根に代えた。「高校野球の3年間は、男の子として世の中に出ていく、最後の三つ子の魂」。礼儀、自主性、思いやり。自分がそうだったように、厳しい3年間が、社会に出てからの礎になると信じている。
◆森士(もり・おさむ)1964年(昭39)6月23日生まれ。上尾高、東洋大では投手。浦和学院投手コーチをへて、91年8月に同校監督に就任。今回が春夏通算18度目の甲子園。家族は夫人と2男。長男、次男とも浦和学院野球部に所属し、親子鷹として一緒に甲子園出場。社会科教諭。趣味はゴルフ。
★浦和学院「寝て覚めて、夢じゃなかった」
第85回選抜高校野球大会で初優勝した浦和学院(埼玉)が4日、決勝から一夜明け、宿泊先の大阪市内のホテルから、地元埼玉に出発した。
森士監督(48)は「寝て覚めて、夢じゃなかった。そういう感じです。成果を挙げた実感はまだない」と心境を語った。今後は春季埼玉大会、春夏連覇に挑む夏と戦いは続く。「試合に出ていない選手もいる。底上げ、ステップアップをしていきたい」と言った。
選手たちは、ホテル従業員らに見送られてバスに乗り込んだ。山根佑太主将(3年)は「また夏ここに戻ってきて、優勝旗を手にできるように頑張ります」と誓った。
午後は同校に到着次第、報告会を予定している。
2013年4月4日 日刊スポーツ掲載
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2013-04-05 13:33:00
No.25154
18U世界選手権代表候補26人発表
日本高野連は3日、第26回IBAF18U世界選手権(8月30日から台湾・台中市)に派遣する高校日本代表チームの第1次候補選手26人を発表した。選抜大会で優勝した浦和学院・小島和哉投手(2年)準優勝の済美・安楽智大投手(同)大阪桐蔭・森友哉捕手(3年)らが選ばれた。今後は夏の第95回選手権大会出場選手や全国大会に出場していない選手も対象とし、20人を最終決定する。大阪桐蔭・西谷浩一監督(43)が代表監督を務める。
<第26回IBAF18U世界野球選手権高校日本代表1次候補>
【投手】
小島和哉(浦和学院)2年左左
岸本淳希(敦賀気比)3年右右
藤田凌司(県岐阜商)3年左左
乾 陽平(報徳学園)3年右右
児山祐斗(関西)3年左左
下石涼太(広陵)3年右左
安楽智大(済美)2年右左
坂本優太(高知)3年右右
大竹耕太郎(済々黌)3年左左
【捕手】
内田靖人(常総学院)3年右右
若月健矢(花咲徳栄)3年右右
喜多亮太(敦賀気比)3年右右
森 友哉(大阪桐蔭)3年右左
【内野手】
熊谷敬宥(仙台育英)3年右右
園部 聡(聖光学院)3年右右
高田涼太(浦和学院)3年右右
竹村春樹(浦和学院)3年右左
遠藤康平(常葉学園菊川)3年右右
米満一聖(敦賀気比)3年右左
笠松悠哉(大阪桐蔭)3年右右
水谷友生也(大阪桐蔭)3年右右
和田 恋(高知)3年右右
【外野手】
吉田雄人(北照)3年右左
長谷川寛(仙台育英)3年右左
上林誠知(仙台育英)3年右左
勝岡静也(報徳学園)3年右左
2013年4月4日 日刊スポーツ掲載
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第85回記念選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)第13日の3日、決勝があり、浦和学院が済美(愛媛)を17−1で降し、春夏通じて初の優勝を飾った。県勢のセンバツ優勝は、68年の第40回選抜大会の県立大宮工以来45年ぶり。浦学は五回に一挙7点を挙げて逆転。その後も大量得点を挙げ、済美を突き放した。エースの小島和哉投手(2年)はこの日も好投し、相手打線を1点に抑えた。創部35年目で悲願の「日本一」を勝ち取り、一塁側アルプススタンドの応援団は喜びを爆発させた。
優勝経験のある済美を投打に圧倒し、埼玉の地に45年ぶりに紫紺の大優勝旗をもたらした。
「自分たちのチームは、一人一人がつなげていくのが持ち味」(山根佑太主将)。集中打が魅力の「浦学打線」が、大一番で機能する。
1点を追う五回裏、先頭打者の斎藤良介選手(3年)と西川元気捕手(3年)の連打でチャンスをつくる。「先輩たちがつないでくれたので、今度は自分がつなぐことだけを考えた」。打席に入った小島和哉投手(2年)が変化球にバットを合わせると、打球は三遊間を抜ける。同点の一打に、父浩行さん(52)は「自分が取られた点を責任を持って取り返してくれた」と話す。
さらに、竹村春樹選手(3年)と贄隼斗選手(3年)が続いて2死満塁。「全員がつないでくれたチャンスだったので、絶対に小島を助けたかった」。気合を入れ直して右打席に入った山根主将が初球の外角直球をとらえ、2人の走者を迎え入れる。勝ち越しに成功し、母詠子さん(46)は「一番打たなきゃいけない時にクリーンアップの仕事をしてくれた。打つと信じていた」。
猛攻は続く。2死二、三塁の好機で迎えるのは、今大会3試合連続本塁打を放った高田涼太選手(3年)。思い切りのよいスイングで真ん中高めの直球を振り抜くと、打球は左翼手の頭を越える。父昭人さん(48)は「仲間を信じて、よくつないでくれた」。木暮騎士選手(3年)と斎藤選手の長短打でさらに2点を追加。今大会を象徴するような集中打で一挙7点を挙げ、スタンドの応援団は笑顔で赤いメガホンを互いに打ち合う。
2013年4月4日 毎日新聞埼玉版掲載