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野球部 情報8/11
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2013-08-11 05:11:00
No.26438
浦学 不屈の集中打
ありがとう、浦和学院 。第95回全国高校野球選手権記念大会1回戦で、浦和学院は仙台育英(宮城)に惜しくもサヨナラ負けを喫した。初回から5点リードされても誰一人あきらめず、猛攻撃で逆転に成功。エース小島は猛暑の下、180球を超える力投を見せた。最後まで気迫あふれるプレーを貫いた選手たち。2年連続の初戦突破はならなかったが、見る者の胸を熱くさせる素晴らしい戦いだった。
★5点差逆転もサヨナラ許す
「多分、打撃戦になる」。 浦和学院・森監督の悪い予感が的中した。
1回、幸先良く1点を先取した直後だった。エース小島が、先頭打者の右前安打を皮切りに無死満塁と追い込まれた。そこから、3四死球と2本の適時打で6点を失い、序盤の主導権を握られた。
埼玉大会7試合はいずれも早朝の第1試合。不慣れな夕刻開始だったという不運もあった。小島は夏の満員の甲子園の特有の雰囲気にのまれたのか、腕が振れず、球がうわずった。この回だけで5四死球を与えるなど、持ち前の制球力がみられなかった。
しかし、打線は不調の小島を援護しようと奮起。5点を追った3回には、コンパクトかつ力強いスイングで打者一巡の7長短打。そこに四死球や相手の暴投なども絡んで一挙8点を奪い、9―6と逆転に成功した。二塁走者が単打で迷いなく本塁を突くなど、積極的な走塁も目についた。
ところが、これで終わりではなかった。小島は得意の内角への制球が定まらず、6回にも集中打を浴びて4失点。10―10の同点にされ、振り出しに戻った。
その後、小島は8回無死満塁の場面を3者連続三振で切り抜け、力投を見せたが、足をつるアクシデントに見舞われた。9回2死から安打を浴び、182球で降板。救援の山口がサヨナラ打を浴びた。
ほんのわずかな差で敗れたが、打線の奮起でひっくり返すなど、選抜優勝校の地力を見せつけた。追いつ追われつした2時間59分。高校野球史に残る「好勝負」に4万2千人の観衆は大きな拍手を送った。
★勝てる試合を落とした 浦和学院・山根佑太主将
選抜の時は大量点を取った後も集中力が途切れなかったのに、今日は甘さがあったかも。勝てる試合を落としてしまった。小島の調子が戻ってくればいけると思って、相手投手に食らいついたのだが……。申し訳ない。
★苦しい展開よく頑張った 浦和学院・森士監督
小島は序盤から見たことがないほど不調だったが、それでもできれば彼に最後まで投げさせたい、という思いがあった。非常に苦しい展開の中、一度は逆転した打線のエネルギーはすごかった。本当によく頑張ってくれた。
★勝利をもぎとりたかった 仲間に感謝
(1)小島和哉投手(2年)
自分が壊した試合だからこそ最後まで投げたかった。来年も甲子園に戻る。
(2)西川元気選手(3年)
小島に一番近い捕手の自分が守って打って、何とか助けてやりたかった。
(3)木暮騎士選手(3年)
小島が踏ん張っていたので、3年生がなんとかしたかった。
(4)津田翔希選手(1年)
相手投手にねじ伏せられた。力不足だった。先輩たちに申し訳ない。
(5)高田涼太選手(3年)
小島が頑張って投げてくれたのに、安打を1本も出せず情けない。
(6)竹村春樹選手(3年)
最後、「間に合ってくれ」と西川のミットをめがけて投げたが遅かった。
(7)服部将光選手(3年)
守りきれず、すごく悔しい。絶対に勝利をもぎとりたかった。
(8)山根佑太選手(3年)
3年生中心のチームで投げてくれた2年の小島は頼もしい後輩だった。
(9)斎藤良介選手(3年)
甲子園で素晴らしい経験ができた。森先生や仲間たちに感謝したい。
(10)山口瑠偉投手(3年)
「俺が抑えるから」と小島に言い、マウンドにあがった。
2013年8月11日 朝日新聞埼玉版掲載
Re: 野球部 情報8/11
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2013-08-11 05:26:00
No.26439
浦学・小島一家、全国各地から集結もサヨナラ負け
春夏連覇を狙った浦和学院は、昨秋の明治神宮大会覇者の仙台育英(宮城)に10−11で9回サヨナラ負け。小島の父・浩行さん(52)は単身赴任先の富山から、母・美和子さん(52)は実家の愛知・弥富から、兄・雅行さん(19)はさいたま市からと、それぞれのルートで三塁側アルプス席に集まり、マウンド上の小島へ声援を送った。「次(2回戦)は15日の予定で、お休みもとれることになっているんです」と、春夏連覇を見据えた応援プランを明かしてくれたが、実現は 来年のセンバツまで持ち越しとなった。
2013年8月11日 サンケイスポーツ ネット配信
Re: 野球部 情報8/11
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2013-08-11 11:45:00
No.26440
浦学春夏連覇逃す
第95回全国高校野球選手権大会第3日は10日、甲子園球場で1回戦4試合を行い、春夏連覇を狙った浦和学院は、仙台育英(宮城)に10−11でサヨナラ負けした。
仙台育英は昨秋の明治神宮大会優勝で、選抜8強の強豪。試合は1回戦屈指の好カードの名に違わぬ激戦となった。浦和学院はエース小島がまさかの乱調で1回に6失点。それでも打線が3回に爆発し、8点を奪って逆転に成功した。
しかし、4点リードの6回に失策などが絡み同点に追い付かれ、試合は振り出しに。8回には1死三塁の好機に、山根が三振、高田が一飛に倒れた。その裏無死満塁の大ピンチを招いたが、小島が三者連続三振で切り抜けた。
9回、小島が足を痛め2死から安打を許し降板。急きょマウンドに立った山口がサヨナラ打を許した。
2013年8月11日 埼玉新聞1面掲載
Re: 野球部 情報8/11
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2013-08-11 12:05:00
No.26441
浦学初戦敗退
▽1回戦 仙台育英―浦和学院(4万2000人)
浦和学院は10―10の9回2死一塁、2番手山口が仙台育英・熊谷に左越え二塁打を浴びサヨナラ負けした。左腕小島がまさかの乱調。1回に5四死球などで6失点。4点リードの六回には4短長打などで4失点した。9回に足を故障し2死から安打を許したところで降板した。 打線は3回に8得点するなど地力を発揮した。ただ、相手2番手馬場を攻略できず、8回1死三塁の勝ち越し機では、山根、高田が凡退した。
★泣くな小島 2時間59分 熱投182球
泣くな、小島!君にはまだ来年がある。選抜大会優勝の浦和学院は、昨秋の明治神宮大会覇者で選抜8強の仙台育英(宮城)に10−11で9回サヨナラ負け。1回戦屈指の好カードの名にたがわぬ2時間59分の激闘を演じたが、史上8校目の春夏連覇への挑戦は初戦で終わった。2年生エース小島は本来の調子ではなくまさかの11失点。それでも随所に日本一左腕の片りんを見せ、182球の熱投だった。
★まさかの光景
10−10で迎えた9回2死一塁、足がつって限界を超えた小島をリリーフした山口が投じた144キロの直球が、左翼手服部の頭上を越える。一塁走者が生還し、優勝したかのように喜びを爆発させる仙台育英ナインとは対照的に浦和学院ナインはがっくりと崩れ落ちた。
埼玉県勢初の優勝、史上8校目の春夏連覇への期待が高かった浦和学院の挑戦は、初戦で終わりを告げた。
1回に先制したが、その裏に信じられない光景が繰り広げられた。
全国屈指の安定感を誇るはずの小島が、8連続ボールを含む5四死球と3安打でいきなりの6失点。53球も費やした。春以降に2失点以上を喫したことも初。これだけ球が高めに浮くエースの姿も見たことがない。
それでも「これまでは小島におんぶに抱っこ。最後くらいは助けてあげたい」と竹村。選手たちの闘志に火がついた。
3回、1年生津田の二塁打を皮切りに、4本の二塁打と3本の単打で一挙8得点で鮮やかな大逆転。3回にも1点を追加し、10−6とした。
だが小島が立ち直ってきた6回の守備。2安打と失策で1死二・三塁を築かれると、右中間に高々と上がった打球を中堅手の山根が落球し、2点。さらに連打を浴び、計4点を与え、同点に追い付かれた。セーフティーリードになったことで、山根は「どこかに気持ちの隙があったのかもしれない」と肩を落とした。
8回に無死満塁を3者連続三振で切り抜けた小島も9回に力尽き、「自分が試合を壊してしまった。10点も取ってくれたのに…。自分のせい」と涙も混じった消え入りそうな声で責任を負った。
森監督は「選手はいろいろな重圧がある中でも頑張ってくれた。チームの将来を考えれば収穫だったと思う」と語った。だが小島頼みからの脱却へ、今後のさらなる成長が期待できただけに、絶対に勝たなければいけない一戦を落としたことは悔やまれて仕方ない。
2013年8月11日 埼玉新聞掲載
Re: 野球部 情報8/11
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2013-08-11 12:11:00
No.26442
★痛恨2失策 自責の主将
主将で中堅手の山根が6回に痛恨の2失策。4点リードから同点とされたことに「勝てる試合を負けにしてしまった。申し訳ない」とぼうぜんと立ち尽くした。
6回無死一塁。中前の当たりを捕球した山根からの返球は捕手の頭を大きく越えて二、三塁にピンチを広げた。さらに、1死二、三塁からの中飛を捕り損ね「あれで流れが相手にいってしまった。自分がリズムを崩した」。力投した後輩の足を引っ張る失態の連続に、自らを責め続けていた。
★厳しい球に手出した 高田三塁手
(先発メンバーでただ一人無安打)「こういう苦しい展開の時こそ小島を助けてあげないといけなかった。厳しい球に手を出してしまった」
★何もできなかった 山口投手
(サヨナラ打を浴びる)「思ったより高めにいってしまった。何もできなかった」
★チーム1イニング最多二塁打4の大会タイ
浦和学院が1回戦の仙台育英戦の3回に記録。第93回大会の光星学院以来で8度目。
2013年8月11日 埼玉新聞掲載
★12度目挑戦、攻守で輝く 竹村
今チームで山根と並ぶ甲子園最多の12試合目に臨んだ竹村。打っては、3回の右前タイムリーを含む2安打、守っても磨いてきた鋭い一歩目で再三の好守備を見せた。それでもチームは一歩及ばず、「こういう苦しいゲームで勝つために、小さなことも放置しないでやってきた。けど最後に逆転されてしまった」と大粒の涙を流した。 この日も無失策を貫き甲子園ではわずかに1失策。浦和学院を2年間支えた堅守の遊撃手は、輝かしい記録を残して聖地を去ることとなった。
埼玉新聞 ネットのみ掲載
Re: 野球部 情報8/11
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2013-08-11 13:42:00
No.26443
エースの力投に涙 浦和学院敗れる
★スタンドも全力尽くす
真っ赤に燃えたスタンドも全力を出し尽くした。10日、第95回全国高校野球選手権大会で2年連続12度目出場の浦和学院が第4試合に登場。昨秋の明治神宮覇者の仙台育英と3時間に迫る激投の末、10−11でサヨナラ負けした。
待ちに待った初戦には埼玉からバス15台を含む約1200人の大応援団が三塁側アルプスに押し寄せた。
高田涼太三塁手の朝霞三中野球部時代の仲間も3人が駆け付けた。埼玉大会で8強入りした市川越高で主将を務めていた群司健人さん(3年)は「あいつの本塁打が見たい」。朝霞高の元主将の高橋和也さん(3年)も「春のように打ってチームを勇気づけてほしい」。中学3年の時、同じクラスだった伊奈学園高の元副主将だった小林春輝さんも「豪快なプレーに期待」と共にエールを送った。
浦和学院野球部のOBで父母会会長を務める西川元気捕手の父・孝さんは再び聖地にチームが戻ってこれ「周わりの方々の支えがあって今がある。ありがたい気持ちでいっぱい」と話し、「選手と一緒に戦っている気持ちで応援します」と気合いを入れる。
試合は1回に1点を先制するも、その裏に小島和哉投手が6失点するまさかの展開。それでも打線が3回に一挙8点を奪うなど5回を終えて10−6とリード。だが6回に2失策などで4点を失い、追い付かれると9回には小島投手をリリーフした山口瑠偉投手が左超え二塁打を浴び、春夏甲子園連覇の夢はついえた。
敗戦の瞬間は静まりかえったスタンドだが、浦和学院ナインが挨拶に来ると「泣くな」「よくやった」と奮闘をたたえる拍手へと変わった。
★小島投手の地元・鴻巣 まさかの結末 ぼうぜん
春夏連覇を懸けた浦和学院が仙台育英(宮城)に10−11で敗れた。小島和哉投手の地元・鴻巣市の本町にあるこうのすシネマの「多目的ホールA」でパブリックビューイング(PV)が開かれ、来場者は一球一打に固唾(かたず)をのみ、声援を送り、手に汗握った。試合時間2時間59分のまさかの結末に、現実を受け止め切れない姿もあった。
選抜大会王者の初戦を見ようと試合開始時には128席全席が満席に。7月の埼玉大会準々決勝〜決勝に続く4回目のPVには、中学時代に小島投手がプレーした行田シニアから50人を超える選手たちも会場に駆け付けた。
庄司敏希主将(14)が「野球以外もしっかりやる見本になる先輩」と尊敬する小島投手が先発したが一回に6失点。制球に苦しむ左腕に勇気を届けようと、会場では1ストライク1アウトごとに拍手が起こった。
小島投手が卒業した鴻巣市立赤見台中学校に通う飯塚悠喜君(14)は「投球に集中してください。打線がフォローしてくれる」と祈るように話すと、打線は三回に7安打と畳み掛けた。西川元気捕手、小島投手の連続適時打で勝ち越すと大歓声が上がった。
10−10の九回、小島投手の左脚にアクシデントが発生した。誰もが心配そうに視線を送り、祈った。182球目を安打されて降板すると、直後にサヨナラ負け。小島投手の姿に、会場では目頭を押さえ、うつむき、席を立てない人もいた。
家族3人で視聴した鴻巣市の会社員藤村亮さん(31)は「今日がヤマだと思っていた。連覇を期待していた」。同市の飛田堅太郎さん(75)は「高校野球は分からない。初戦で波に乗れればと思っていたが…」と話していた。
最前列で試合を見守った行田シニアの望月和義監督(50)は「本人は投げたかったと思うが仕方ない。小島は春と夏で天国と地獄を味わったと思う。この負けを生かすためにも、また頑張ってほしい」と教え子に言葉を掛けた。
2013年8月11日 埼玉新聞社会面掲載
Re: 野球部 情報8/11
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2013-08-11 14:18:00
No.26444
背中で仲間引っ張った 山根佑太主将
9回2死一塁。甲高い金属音を残した白球が、左翼線へスーッと伸びた。浦和学院の春夏連覇の夢を絶つサヨナラの二塁打。
「終わったな…」
山根佑太主将(3年)は歩を緩めた。ほおを涙が伝った。
埼玉大会では7安打1打点と物足りなかったが、甲子園に調子を合わせてきた。1回1死二塁の第1打席。相手右腕の甘い直球を見逃さず、左中間への二塁打とし、チームに貴重な先制点をもたらした。
背中で仲間を引っ張る主将だった。部員を代表し、監督やコーチにしかられ続けた。チームがまとまりを欠いた冬や埼玉大会直前、主将を外された。だが、「逃げたくなったことなんて1度もない。恥ずかしくて地元広島に帰れない」。
甲子園優勝を夢見て、親元を離れて暮らす山根選手のひたむきさは、森士監督もしっかり見抜いていた。選抜大会に続き、この全国選手権でも、「最後は山根に」と大役が回ってきた。
そんな主将が「すべて自分のせい。勝てる試合を落としてしまった」と悔やんだのは、4点リードで迎えた6回の守り。1死二・三塁で右中間へのフライを落球。不慣れなナイター照明の下で、遠近をつかみそこねた。このプレーで相手を勢いづかせ、この回、一気に同点に追いつかれた。
「選抜の時は大量点を取った後も集中力が途切れなかったのに、今日は甘さがあったかも。みんなに助けられてばかりで、主将らしいことは何一つできなかった」と言葉に詰まった。
右中間を一緒に守る右翼手の斎藤良介選手(3年)は「いつも頼ってばかりだった。この試合も、凡打して帰ってくる仲間に声をかけることに一生懸命だった。もっと自分のために集中できる環境をつくってあげたかった」と主将を思いやった。
★巧みな配球で小島支える 西川元気捕手
「悔しい」。試合後、西川元気捕手(3年)は一言だけ絞り出すようにつぶやいた。
父親も浦和学院野球部。その姿に憧れ、迷わずに入学を決めた。厳しいポジション争いの中で、今春の県大会では先発マスクをかぶれないときもあった。それでも「夏はレギュラーを取り返す」と誓い、練習を重ねてきた。
エース小島和哉投手は2年生。捕手として後輩を引っ張った。序盤、制球が定まらないとみると、試合前に想定していたスライダーやフォークを織り交ぜる配球をやめ、大胆に直球中心に変えた。
「俺がしっかり受け止めるから、腕を振って思い切り投げてこい」。ピンチを迎える度に小島投手に声をかけ、奮起を促した。
同点で迎えた7回無死一・二塁のピンチ。一打で一気に試合の流れが傾く場面。高めのボール球を相手打者が見送ると、二塁走者が飛び出した。すかさず矢のような送球で走者を挟殺。一塁手もアウトになり、ピンチを切り抜けた。
一戦必勝を掲げ、挑んだ夏の選手権大会。「後輩には秋からまた甲子園を目指して欲しい」。そう言い残して球場を後にした。
★1200人が大応援 バス15台で駆けつける
浦和学院の応援団は生徒や教員ら学校関係者だけで1200人。昨夜、バス15台に分乗してさいたま市緑区の学校を出発し、甲子園入りした。球場には卒業生らも駆けつけ、応援席は試合前から盛り上がった。
1年生でベンチ入りした西野真也選手は大阪府岸和田市出身。地元が近いこともあり、3月まで所属していたリトルリーグの選手ら約200人が応援に駆けつけ、西野選手の名前入りうちわを手に観戦した。後任のキャプテンを務める中学3年の近藤将一君は「西野さんは優しく後輩を引っ張ってくれた。1年目でベンチ入りなんてすごい」と感激していた。
★「次は僕が頑張るぞ」高田選手の弟も応援
応援席では4番打者の高田涼太選手の弟、圭悟君(2年)が声援を送っていた。神奈川県内の高校で野球部員。チームはこの夏、県予選で敗退しており、兄の応援で来たという。
日頃はあまり会う機会はないが、県予選の前には「お互い頑張ろう」とメール。試合前、「チームのために頑張れ」と送ったところ、返信は「おう」と一言だけ。圭悟君は「兄らしい」と笑った。
試合は惜しくもサヨナラ負け。憧れの舞台で奮闘した兄をみて「負けていられない。次は僕が頑張ります」と力強く話した。
2013年8月11日 朝日新聞埼玉版掲載
★選抜の覇者 浦学が敗退
2年生左腕、全員で支えた
182球の熱投は、報われなかった。今春の選抜大会覇者の浦和学院が10日、1回戦の仙台育英戦で10−11でサヨナラ負けした。2年生左腕の小島和哉君は再三のピンチを凌いだが、9回2死で無念の降板。史上8校目となる春夏連覇の夢はかなえられなかった。
ポーカーフェイスの小島君がほえた。同点の8回裏無死満塁から、プロ注目の4番上林誠知君(3年)以降3者連続で三振に。130キロ台後半の速球を続け、残る力を振り絞った。
だが、代償は大きかった。9回1死で足がつる。2死で3年生投手に交代した。
控えの贄隼斗君(3年)はベンチで涙を流す小島君に「打ち返してやるからな」と誓ったが、直後に相手が適時二塁打を放ち、敗退が決まった。小島君は試合後のインタビューは座ったまま、「全部自分の責任です」と繰り返した。
選抜大会では全5試合で先発し、3試合で完投。この夏の埼玉大会では準々決勝で完全試合を達成した。そんな小島君が、立ち上がりで6失点。でも、味方は取り返してくれた。3回に7長短打を集めて8点を奪い、逆転に成功。山根佑太主将(3年)は「これまで小島に頼っていた分、火がついた」と語った。
だが、5回以降は仙台育英の2番手投手をとらえきれず、無得点。捕手の西川元気君(3年)は「自分は何も助けてあげられなかった」と悔やんだ。
小島君はインタビューの最後、「鍛え直し、またここに来たい」と話した。山根主将は「とても頼もしい後輩だった。新チームのリーダーとして戻ってくると信じています」と語った。
2013年8月11日 朝日新聞社会面掲載
Re: 野球部 情報8/11
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2013-08-11 14:20:00
No.26445
甲子園 浦学、9回力尽きる
夏の全国高校野球大会第3日の10日、浦和学院は第4試合で仙台育英と対戦した。エース小島和哉は初回に6失点と乱れ、9回に継投した山口瑠偉が打たれてサヨナラ負けした。今春の選抜の覇者は初戦で姿を消した。
浦和学院は初回に1点を先制。逆転を許した後、3回に打者13人の猛攻で8点を奪って再逆転したが、5回以降は本塁を踏めなかった。小島は初回に四死球や暴投などもあって6点を失った。
森士監督は「小島は終盤フラフラだったが、交代させなかった責任は私にある」とエースをかばった。
2013年8月11日 読売新聞埼玉版掲載
Re: 野球部 情報8/11
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2013-08-11 14:25:00
No.26446
浦学、春夏V逃す 白熱の好ゲーム、応援団から拍手
第95回全国高校野球選手権記念大会(日本高校野球連盟など主催)第3日の10日、県代表の浦和学院は第4試合で仙台育英(宮城)と対戦し、10−11でサヨナラ負けした。浦和学院は5点差をはね返して一時リードしたが、最後は仙台育英の粘りに屈した。史上8校目の春夏連覇は果たせなかったが、白熱した好ゲームを繰り広げたナインに、スタンドの大応援団から惜しみない拍手が送られた。
春の「王者」が初戦で夢舞台を後にした。
先制したのは浦和学院だった。1回表1死二塁、山根佑太主将(3年)が適時二塁打を放つ。幸先のいいスタートに、母詠子さん(46)は「(打球が)目の前を通っていくのが見えて鳥肌が立った」と飛び上がって喜ぶ。
しかし、県大会からほぼ完璧な投球を見せていたエースの小島和哉投手(2年)の制球が定まらない。1回裏、5四死球などで一挙6点を奪われる。「頑張れ! 小島!」。三塁側アルプススタンドの応援団は祈るように、マウンドの小島投手を見つめる。
調子の上がらないエースを打線が援護する。3回表、津田翔希選手(1年)の二塁打を皮切りに、強打の浦学打線が爆発する。小島投手の右前適時打で逆転すると、スタンドからは割れるような大歓声が起きる。本多祐馬選手(3年)は「一度は負けるんじゃないかと心配してたが、絶対逆転してくれると信じていた。気分は最高です」と興奮気味に話す。
そして同点で迎えた8回裏、小島投手がセンバツ優勝投手の力を発揮する。無死満塁の大ピンチで、全力の直球がさえわたる。プロ注目の強打者、上林誠知選手(3年)ら3人をすべて直球で三振に打ち取る。小島投手はマウンドで大きな声を上げる。
9回裏。182球を投げたエースの体にアクシデントが起きる。左足がつり、無念の降板を告げられる。「自分が試合を壊してすみません」。小島投手の言葉に、後を継いだ山口瑠偉投手(3年)は「よく頑張ってくれた」と後輩をねぎらう。
しかし山口投手が投じた7球目の直球が、相手打者にはじきかえされる。一塁走者がホームインした瞬間、スタンドは静まりかえり、グラウンドの選手たちは膝をついた。ベンチで見守っていた小島投手の目から大粒の涙がこぼれた。
★浦学、春夏V逃す 両監督、主将の話
◇3回の勢い維持できず 浦和学院・森士監督
小島は今まで見たことのない大乱調だった。終盤ふらふらだった小島を交代しきれなかった私にも責任がある。打線は気の緩みがあったのか、3回に逆転した勢いを最後まで維持できなかった。
◇仲間と野球できて幸せ 浦和学院・山根佑太主将
小島は強力打線相手に粘り強く投げた。3回には打線もつながったが、5回以降集中力が途切れた。追加点を取り2年生の小島を援護すべきだった。ここで仲間と野球ができて幸せだった。
◇一球一球粘った 仙台育英・佐々木順一朗監督
センバツを制した小島君が相手で硬くなるのは仕方なかったが、相手も気負っていたと思う。サヨナラ勝ちは一球一球粘って諦めずにやった結果。
◇諦めずに戦った 仙台育英・上林誠知主将
小島投手はスピード以上の伸びを感じた。最後まで諦めなかったことがサヨナラ勝ちにつながった。初戦が決勝戦だと思っていたので、あとは一戦一戦、勝ち上がっていくだけ。
2013年8月11日 毎日新聞埼玉版掲載
Re: 野球部 情報8/11
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2013-08-11 14:28:00
No.26447
浦学 強力打線“健在”10点もあと1点届かず…
浦和学院は11安打10点と強力打線は健在だったが、あと1点が遠かった。
今春センバツで3試合連続本塁打を放った4番・高田は3打数無安打で「やっぱり悔しいです。勝ちたかった」と大粒の涙を流した。3番の主将・山根は10―10の8回1死三塁の勝ち越し機で空振り三振。6回に中堅で落球したミスを取り返すことができず「小島が一生懸命投げているのに申し訳ない」と目を腫らした。
★浦学2年エース小島 182球力尽く 9回2死、左足痙攣で強制降板
投げたかった。最後まで投げようと思った。でも、体が言うことを聞いてくれない。森士監督から交代を告げられると、浦和学院の小島はよろめきながら三塁ベンチへ戻っていった。涙は止まらない。数分後、カクテル光線に照らされたグラウンドで、無情の幕切れに崩れ落ちる先輩たちの姿が浮かび上がった。
「自分が…、初回から試合を壊して…。自分の責任。試合を壊してしまって申し訳ない…」
おえつと無念の言葉が交差する。試合後のインタビューエリア。立っていられない。ふらつく足取りで関係者の用意した椅子に座り込んだ。氷嚢で後頭部を冷やし声を絞り出した。「絶対にチームを勝たせるんだと強い気持ちで最後まで投げようと…」。4カ月前、春に輝いた優勝左腕の面影はない。春夏連覇の夢は初戦で散り、2年生エースは敗戦の全てを背負い込んだ。
異変は初回からだ。直球が全て浮く。3つの押し出し四死球など53球も投じて6失点。下半身が安定せず、なかなか修正できない。3回に自らのタイムリーなどで逆転したが、6回に軸足(左足)に違和感を覚えた。4失点で同点。水分摂取をしながら、8回無死満塁は3者連続空振り三振に斬った。全12球全て直球だった。だが、力を使い果たしたのか、9回に左足が痙攣(けいれん)。ストレッチを繰り返し、スポーツドリンクを飲んでも回復はしない。2死後、小野寺に左前打されたところが限界だった。
悪夢の11失点。182球で強制降板。「代われるなら私が代わってやれれば…。最後までいかせたかった」。森監督は小島の苦労を知るから、そう言った。埼玉大会準々決勝では埼玉平成を相手に完全試合を達成。同大会を制した翌日から毎朝5時起きで5キロを走り込んだ。順調に見えた春夏連覇への道。だが、見えない重圧と猛暑が小島の体を追い込んでいた。
すっかり日の暮れた甲子園。小島ははっきりと言った。「自分を鍛え直して、また絶対ここに戻ってきます」。来年の春と夏、あと2度の雪辱チャンスが残っている。
≪182球≫浦和学院の先発・小島が8回2/3で182球を投げた。夏に延長試合以外で180球以上を投げたのは、02年に玉野光南・田中が鳴門工との3回戦で、8回2/3で同じく182球を投げて以来。
2013年8月11日 スポーツニッポン掲載
Re: 野球部 情報8/11
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2013-08-11 14:30:00
No.26448
春王者・浦学まさか初戦敗退!小島11失点
センバツ優勝校の浦和学院(埼玉)が仙台育英(宮城)に10―11でサヨナラ負けを喫し、史上8校目となる春夏連覇の夢が初戦で途絶えた。一度は5点差を逆転したが6回に追いつかれ、9回に2年生エース左腕・小島和哉が左足をつって降板するアクシデント。直後に仙台育英の熊谷敬宥(たかひろ)遊撃手(3年)がサヨナラ二塁打を放ち両軍2ケタ得点の激戦に終止符が打たれた。
小島の体は、もう限界だった。10―10で迎えた9回1死、初球を投げ終えた直後。左太もも裏がつった。脱水症状だった。それでも給水し、再度マウンドに上がった。1人は打ち取り、延長戦まであと1死。だが、182球目を左前安打された。2番手・山口瑠偉がブルペンから駆け寄ったのが、視界に入った。
「誰にも譲りたくなかった」。もうろうとする意識の中で、はっきりと首を横に振った。しかし「彼をここで潰したくなかった」と森士監督。「試合を壊してすみません」と先輩に言い残してベンチに戻ると、普段はクールな男が、泣き崩れた。直後に山口がサヨナラ打を浴びて、史上8校目の春夏連覇の夢は初戦で途絶えた。
試合後、うつろな目をしたまま、お立ち台に上がった。「自分が初回から足を引っ張った。自分のせい。試合を壊してしまって、先輩たちに申し訳ない」。何度も自らを責める言葉を繰り返した。
死闘だった。1点を先取した初回。5四死球の大乱調で6失点。「直球が全部抜けてしまった」。味方が3、4回に計9点を奪い逆転。すでに体に異変を感じていた4点リードの6回、味方の2失策が絡んで同点に追いつかれた。それでも、8回は圧巻だった。初回に続く無死満塁のピンチに「小細工じゃダメだと思った」。4番・上林誠知からオール直球勝負で3者連続三振。182球すべてにエースの魂が、こもっていた。
埼玉大会後、元巨人の三浦貴氏(35)が学生野球資格を回復し、7月30日にコーチに就任。“助っ人”が加入し「新生浦学」として挑んだが、早すぎる終戦となった。小島は「仙台育英はボールへの食いつきが違った。自分の力不足でした」と泣きやまない。だが、17歳がしゃく熱の甲子園で見せた闘志と執念には胸を張っていい。
2013年8月11日 スポーツ報知掲載
Re: 野球部 情報8/11
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2013-08-11 14:33:00
No.26449
泣くな小島!浦和学院、春夏連覇の夢散る
センバツ王者、浦学が消えた。春夏連覇を狙った浦和学院(埼玉)は、昨秋の明治神宮大会覇者の仙台育英(宮城)に10−11で9回サヨナラ負け。エース左腕・小島和哉投手(2年)は一回に6失点するなど、九回途中11失点という乱調だった。小島は左脚をつって9回途中、182球で降板。ベンチからサヨナラ負けを見届け「自分のせいです」と泣き崩れた。
目を真っ赤にし、嗚咽が止まらない。センバツ優勝投手がまさかの11失点。小島は、春夏連覇の夢が消えた責任をひとりで背負ったかのように泣いた。
「自分の力不足です。情けないです」
5試合をほぼ一人で投げ抜き、計3失点と抜群の安定感を誇ったセンバツでの姿はなかった。立ち上がりから直球が高めに抜け、1回に3つの押し出し四死球を与えるなど、5四死球3安打で6点を失った。
6回にも4安打に失策が絡み4失点。8回に無死満塁のピンチを3者連続三振で切り抜け、立ち直るかに見えた直後には、アクシデントに見舞われた。
左脚をつって9回二死で降板。交代を断りいったんは続投。「自分が試合を壊した。最後まで投げなきゃ」とエースの意地を貫こうとしたが、その後右腕の山口瑠偉投手(3年)に交代。先輩がサヨナラ打を許すのをベンチで見届けた。
1回戦屈指の好カードとなった“秋の日本一”仙台育英との対戦。「最初から変化球を振ってはくれないので、真っすぐでいった。小細工はダメだったと思った」と対策を立てていたが、この日は力み、球が上ずり四球を連発。小島は「ブルペンでは普通だった」と振り返り、女房役の西川元気捕手(3年)も「顔つきでは、ずっといけると思った」と心配していなかったが、森士監督は、182球の続投を悔やんだ。
「最終的に投手を代える決断の責任は私にある。小島は終始フラフラだった。守備に気の緩み、ミスがあって投手を見殺しにしてしまった」
チームの春夏連覇の夢はついえ「3年生に申し訳ない」と2年生左腕は座り込んだが、この日の敗戦も成長の糧になるはずだ。
2013年8月11日 サンケイスポーツ掲載
Re: 野球部 情報8/11
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2013-08-11 14:37:00
No.26450
浦学・小島が号泣…熱投182球実らず
史上8校目となる春夏連覇を目指した浦和学院(埼玉)がサヨナラ負け。初戦で姿を消した。秋の明治神宮大会王者の仙台育英に対し、2年生エースの小島和哉投手(2年)は9回2死、182球で力尽きた。2番手・山口瑠偉投手(3年)が熊谷にサヨナラ打を浴びた。V候補の壮絶な戦いに4万2000人の観衆は試合終了の瞬間まで熱い声援を送り続けた。
涙が止まらなかった。浦和学院・小島は、森士監督に寄りかかるようにして頭を下げた。「自分が全部ぶち壊してしまった。自分の責任」。試合後の取材はもう立っていられなかった。首の後ろに氷のうを当て、ペットボトルを持つ手はわなわなと震えた。9安打9四死球11失点。しかし、魂を削った182球の熱投は、聖地の記憶に深く刻み込まれた。
まさかの立ち上がりだった。制球が定まらず、直球が浮いた。初回に押し出し3つを含む5四死球などで6失点。ここで費やした球数が最後に響いた。「6回か7回の投球練習で少し感じた」という左足の異変。同点の9回1死、加藤への1球でつった左足を何度も伸ばした。水分を補給しながら、ベンチでの治療の打診には首を振った。
「治療している場合じゃない。誰にも譲らないで、自分でぶち壊したから、最後まで投げきりたかった」。顔には幼さが残る17歳が見せた背番号1の意地。しかし、2死後に左前打を打たれて降板。直後にサヨナラ打をベンチで見届けた。
大量失点にも、森監督はエースを責めなかった。「最終的にはピッチャーを見殺しにしてしまった感じ。終盤、フラフラの状態の小島を代えられなかった私に責任がある。できることなら最後まで小島で、と思っていた」と唇をかみしめた。
センバツの優勝後も、小島におごりはなかった。投球フォームの改良に着手。下半身主導の形を追い求めた。ダッシュも増やし、酷暑の投球に備えてきた。この日も8回無死満塁とされながら、すべて138キロの直球を決め球に、ドラフト上位候補の上林らを3者連続三振。「小細工ではダメだと思った。気持ちで行くしかないと思った」という直球勝負で、成長を証明した。
壮絶に散った春夏連覇の夢。しかし、小島の戦いにはまだ続きがある。「鍛え直して、絶対にまた戻ってきます」。誰にも負けない左腕になって、今度こそ夏の日本一をつかみ取ってみせる。
2013年8月11日 デイリースポーツ掲載
Re: 野球部 情報8/11
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2013-08-11 14:40:00
No.26451
浦学無念 初戦で涙 打撃戦 最後に力尽く
「春夏連覇」の夢は初戦でついえた。第95回全国高校野球選手権大会3日目の10日、今春の選抜大会で初優勝した浦和学院は仙台育英(宮城)と1回戦を戦い、10−11で惜しくもサヨナラ負けした。5点差から一時は逆転し、先発の小島和哉投手(2年)が180球超の力投をするなど、ナインは最後まで力を振り絞った。ひたむきなプレーの数々に、三塁側アルプス席を埋めた1200人の応援団は涙を流しながら拍手を送った。
初戦から優勝候補同士の対決とあって、球場にはこの日1番となる4万2000人の観客が集まった。初回、山根佑太主将(3年)の適時二塁打で先制し、赤く染まったアルプススタンドはいきなり大熱狂。このまま波に乗るかと思えたが、その裏に悪夢が待っていた。
先発の小島投手は、埼玉大会で6試合50回を投げてわずか3失点、防御率0・54を誇った。だがこの回、5四死球を与え、押し出しと適時打などでまさかの6失点を喫し、スタンドは静けさに包まれた。
しかし3回、先頭打者の津田翔希選手(1年)の左越え二塁打を皮切りに6安打を集め、打者一巡の猛攻。一挙8点を奪い逆転した。
だが、10−6で迎えた6回、4点を奪われ同点に。7回にも無死一、二塁のピンチを迎えたが、西川元気捕手の好送球で2走者を挟殺するなどしてしのいだ。8回無死満塁の場面は、小島投手が気迫の直球勝負で三者三振に仕留めた。応援団長の池ノ上大貴さん(3年)は「小島は追い込まれてからの練習をずっとしていた」と喜び、スタンドは反撃ムードに沸いた。
だが、10−10で迎えた9回2死一塁、途中交代した山口瑠偉投手(3年)が左越え二塁打を浴び、サヨナラの走者が生還。崩れ落ちそうになりながらも応援団にあいさつをしたナインに、スタンドからは長く温かい拍手が送られていた。
◆監督・主将談話
浦和学院・森士監督
序盤から苦しい展開になった。3回によく取り返してくれたが、最後に一瞬の気のゆるみがあった。選手は重圧の中で目の前の一戦に集中し、頑張ってくれたことはチームの将来につながる。
同・山根佑太主将
甲子園に来られたことで舞い上がって気が抜け、後半は集中力が切れてしまった。後輩には自分たちの負けを生かして甲子園で優勝できるチームになり、一年後にここへ戻ってきてほしい。
2013年8月11日 東京新聞埼玉版掲載
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ありがとう、浦和学院 。第95回全国高校野球選手権記念大会1回戦で、浦和学院は仙台育英(宮城)に惜しくもサヨナラ負けを喫した。初回から5点リードされても誰一人あきらめず、猛攻撃で逆転に成功。エース小島は猛暑の下、180球を超える力投を見せた。最後まで気迫あふれるプレーを貫いた選手たち。2年連続の初戦突破はならなかったが、見る者の胸を熱くさせる素晴らしい戦いだった。
★5点差逆転もサヨナラ許す
「多分、打撃戦になる」。 浦和学院・森監督の悪い予感が的中した。
1回、幸先良く1点を先取した直後だった。エース小島が、先頭打者の右前安打を皮切りに無死満塁と追い込まれた。そこから、3四死球と2本の適時打で6点を失い、序盤の主導権を握られた。
埼玉大会7試合はいずれも早朝の第1試合。不慣れな夕刻開始だったという不運もあった。小島は夏の満員の甲子園の特有の雰囲気にのまれたのか、腕が振れず、球がうわずった。この回だけで5四死球を与えるなど、持ち前の制球力がみられなかった。
しかし、打線は不調の小島を援護しようと奮起。5点を追った3回には、コンパクトかつ力強いスイングで打者一巡の7長短打。そこに四死球や相手の暴投なども絡んで一挙8点を奪い、9―6と逆転に成功した。二塁走者が単打で迷いなく本塁を突くなど、積極的な走塁も目についた。
ところが、これで終わりではなかった。小島は得意の内角への制球が定まらず、6回にも集中打を浴びて4失点。10―10の同点にされ、振り出しに戻った。
その後、小島は8回無死満塁の場面を3者連続三振で切り抜け、力投を見せたが、足をつるアクシデントに見舞われた。9回2死から安打を浴び、182球で降板。救援の山口がサヨナラ打を浴びた。
ほんのわずかな差で敗れたが、打線の奮起でひっくり返すなど、選抜優勝校の地力を見せつけた。追いつ追われつした2時間59分。高校野球史に残る「好勝負」に4万2千人の観衆は大きな拍手を送った。
★勝てる試合を落とした 浦和学院・山根佑太主将
選抜の時は大量点を取った後も集中力が途切れなかったのに、今日は甘さがあったかも。勝てる試合を落としてしまった。小島の調子が戻ってくればいけると思って、相手投手に食らいついたのだが……。申し訳ない。
★苦しい展開よく頑張った 浦和学院・森士監督
小島は序盤から見たことがないほど不調だったが、それでもできれば彼に最後まで投げさせたい、という思いがあった。非常に苦しい展開の中、一度は逆転した打線のエネルギーはすごかった。本当によく頑張ってくれた。
★勝利をもぎとりたかった 仲間に感謝
(1)小島和哉投手(2年)
自分が壊した試合だからこそ最後まで投げたかった。来年も甲子園に戻る。
(2)西川元気選手(3年)
小島に一番近い捕手の自分が守って打って、何とか助けてやりたかった。
(3)木暮騎士選手(3年)
小島が踏ん張っていたので、3年生がなんとかしたかった。
(4)津田翔希選手(1年)
相手投手にねじ伏せられた。力不足だった。先輩たちに申し訳ない。
(5)高田涼太選手(3年)
小島が頑張って投げてくれたのに、安打を1本も出せず情けない。
(6)竹村春樹選手(3年)
最後、「間に合ってくれ」と西川のミットをめがけて投げたが遅かった。
(7)服部将光選手(3年)
守りきれず、すごく悔しい。絶対に勝利をもぎとりたかった。
(8)山根佑太選手(3年)
3年生中心のチームで投げてくれた2年の小島は頼もしい後輩だった。
(9)斎藤良介選手(3年)
甲子園で素晴らしい経験ができた。森先生や仲間たちに感謝したい。
(10)山口瑠偉投手(3年)
「俺が抑えるから」と小島に言い、マウンドにあがった。
2013年8月11日 朝日新聞埼玉版掲載