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2014-08-03 12:51:00
No.29319
なぜプロ注目の選手たちは今夏の甲子園に届かなかったのか
安楽智大、高橋光成、小島和哉……県大会で散った注目選手たち
8月9日に第96回の夏の甲子園が開幕する。昨夏は2年生エースの高橋光成の活躍で群馬の前橋育英高が優勝。3回戦で敗退したが済美高の安楽智大投手のスピード(155キロ)にもしびれた。浅間大基、高濱祐仁ら2年生主体のチームで3年生はスタメンにたった1人と若いチームで神奈川を勝ち抜いてきた横浜高なども注目された。
今年も春夏連続出場や2年連続出場を果たしたチームもある中で、上記の注目選手たちは甲子園には届かなかった。昨年のセンバツを2年生ながら主戦投手で制した浦和学院の左腕・小島和哉投手、今年のセンバツで奪三振ショーを披露した栃木・佐野日大の左腕・田嶋大樹投手の姿もない。昨年2年生で活躍した選手が早々に地方予選で消えてしまったケースも少なくない。今センバツの出場校も、あと一歩のところで逃している。
なぜ、そのようなことが起こってしまったのか。プロ野球のスカウトの言葉から要因の一部を挙げてみたい。
あるスカウトは言う。
「今の時代、対戦高校のデータや映像があふれているというのもあるのかもしれない」
動画サイトに名前を入れて検索すれば、その投手の映像はすぐに出てくる。甲子園に出場したり、全国レベルの投手になればなるほど、その選手の映像は多く確保できる。スマートフォンを片手に、通学途中にだって相手の分析が可能だ。そのスカウトの話す通り、映像の氾濫が、選手を丸裸にしてしまっているのかもしれない。
強豪を撃破したある投手の中には「昨年、打たれて負けたのがすごく悔しかった。その後もずっとそれを忘れないように映像を見て、毎日ノートに(分析など)を書いていた」と特定の選手に対する悔しさを1日も忘れずに努力し、最後の夏に勝利した者もいた。携帯やパソコンでの分析も欠かさなかった。
また別のスカウトは言う。
「(動画サイトでの)映像からの情報が増えているというのもあるかもしれないが、もっと言えるのは、そういうデータを基に相手チームが束になって戦っている。その成果だと思う」
そのスカウトはプロ注目の大物たちが敗れたゲームを見て、そう感じたという。
個人の能力だけで勝ち抜けるほど甘くない
「群馬や愛媛の選手たちは『この選手を倒さないと俺たちは甲子園にはいけないんだ』と思い、立ち向かっていた。だから、その(大物)選手への対策をチームで束になってやってきたのが、よくわかった」
つまり、ピッチャー1人に対して、打者9人、ベンチ、監督が一枚岩になり対策を講じ、相手を攻略するという構図になっている。プロ注目の選手といえども、個人の高い能力だけで勝ち抜けるほど、甲子園は甘くないということだ。
一昨年も振り返ってほしい。2年生の夏に切れのあるスライダーを武器に甲子園で22奪三振の記録を作った神奈川・桐光学園の松井裕樹(楽天)も3年夏には甲子園に出場できなかった。
準々決勝で桐光学園を破った横浜高は打撃練習で松井のスライダーを打つため、打撃マシーンをマウンドより前に置き、スライダーを投げるように設定。低めを見逃す練習など、球を見極める特訓をしていたことも選手たちは明かしていた。全員で松井を倒しにいった結果だった。
逆に今回、春夏連続出場する沖縄尚学や青森の八戸学院光星、京都・龍谷大平安、高知・明徳義塾、奈良・智弁学園などは相手の厳しいマークをはねのけて、一段と強くなって戻ってきたことになる。昨夏優勝の前橋育英を破り、群馬の頂点に立った健大高崎がどんなチーム力を見せるのか。センバツ準優勝の履正社を倒した大阪桐蔭、4強の豊川と佐野日大を倒した愛知の東邦と栃木の作新学院の飛躍も期待される。
開幕まであと1週間。プロ注目の選手だけでなく、チームの総合力に注目してみるのもこの夏を楽しむポイントと言えるかもしれない。
2014年8月3日 スポーツナビ配信
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安楽智大、高橋光成、小島和哉……県大会で散った注目選手たち
8月9日に第96回の夏の甲子園が開幕する。昨夏は2年生エースの高橋光成の活躍で群馬の前橋育英高が優勝。3回戦で敗退したが済美高の安楽智大投手のスピード(155キロ)にもしびれた。浅間大基、高濱祐仁ら2年生主体のチームで3年生はスタメンにたった1人と若いチームで神奈川を勝ち抜いてきた横浜高なども注目された。
今年も春夏連続出場や2年連続出場を果たしたチームもある中で、上記の注目選手たちは甲子園には届かなかった。昨年のセンバツを2年生ながら主戦投手で制した浦和学院の左腕・小島和哉投手、今年のセンバツで奪三振ショーを披露した栃木・佐野日大の左腕・田嶋大樹投手の姿もない。昨年2年生で活躍した選手が早々に地方予選で消えてしまったケースも少なくない。今センバツの出場校も、あと一歩のところで逃している。
なぜ、そのようなことが起こってしまったのか。プロ野球のスカウトの言葉から要因の一部を挙げてみたい。
あるスカウトは言う。
「今の時代、対戦高校のデータや映像があふれているというのもあるのかもしれない」
動画サイトに名前を入れて検索すれば、その投手の映像はすぐに出てくる。甲子園に出場したり、全国レベルの投手になればなるほど、その選手の映像は多く確保できる。スマートフォンを片手に、通学途中にだって相手の分析が可能だ。そのスカウトの話す通り、映像の氾濫が、選手を丸裸にしてしまっているのかもしれない。
強豪を撃破したある投手の中には「昨年、打たれて負けたのがすごく悔しかった。その後もずっとそれを忘れないように映像を見て、毎日ノートに(分析など)を書いていた」と特定の選手に対する悔しさを1日も忘れずに努力し、最後の夏に勝利した者もいた。携帯やパソコンでの分析も欠かさなかった。
また別のスカウトは言う。
「(動画サイトでの)映像からの情報が増えているというのもあるかもしれないが、もっと言えるのは、そういうデータを基に相手チームが束になって戦っている。その成果だと思う」
そのスカウトはプロ注目の大物たちが敗れたゲームを見て、そう感じたという。
個人の能力だけで勝ち抜けるほど甘くない
「群馬や愛媛の選手たちは『この選手を倒さないと俺たちは甲子園にはいけないんだ』と思い、立ち向かっていた。だから、その(大物)選手への対策をチームで束になってやってきたのが、よくわかった」
つまり、ピッチャー1人に対して、打者9人、ベンチ、監督が一枚岩になり対策を講じ、相手を攻略するという構図になっている。プロ注目の選手といえども、個人の高い能力だけで勝ち抜けるほど、甲子園は甘くないということだ。
一昨年も振り返ってほしい。2年生の夏に切れのあるスライダーを武器に甲子園で22奪三振の記録を作った神奈川・桐光学園の松井裕樹(楽天)も3年夏には甲子園に出場できなかった。
準々決勝で桐光学園を破った横浜高は打撃練習で松井のスライダーを打つため、打撃マシーンをマウンドより前に置き、スライダーを投げるように設定。低めを見逃す練習など、球を見極める特訓をしていたことも選手たちは明かしていた。全員で松井を倒しにいった結果だった。
逆に今回、春夏連続出場する沖縄尚学や青森の八戸学院光星、京都・龍谷大平安、高知・明徳義塾、奈良・智弁学園などは相手の厳しいマークをはねのけて、一段と強くなって戻ってきたことになる。昨夏優勝の前橋育英を破り、群馬の頂点に立った健大高崎がどんなチーム力を見せるのか。センバツ準優勝の履正社を倒した大阪桐蔭、4強の豊川と佐野日大を倒した愛知の東邦と栃木の作新学院の飛躍も期待される。
開幕まであと1週間。プロ注目の選手だけでなく、チームの総合力に注目してみるのもこの夏を楽しむポイントと言えるかもしれない。
2014年8月3日 スポーツナビ配信