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高校野球News
管理人 / 2015-07-03 09:11:00 No.32409
第97回高校野球 埼玉大会
『STOP THEウラガク2015』5

理想求め緻密さ磨く
花咲徳栄 昨夏の涙も貴重な経験

「一球集中」−。花咲徳栄ナインの掛け声が屋内練習場に響き渡る。昨夏の開幕戦で山村国際に1−2で敗れ、創部2年目の1983年以来となる初戦敗退を喫した。岩井監督就任後は初の経験だった。最も短い夏となったが、最も早く始動したチームでもある。

昨秋の県大会では関東大会の切符を懸けた準決勝で浦和学院と激突。5併殺の拙攻が響いて1−3と競り負けたが、どちらに転んでもおかしくない好試合だった。主将の米沢は「勝ちたい気持ちだけになってしまって、自分たちがやらなければいけないことを忘れてしまった」と振り返る。

聖望学園に敗れた春の準々決勝では外角球の打ち損じが目立った。「打ち合わせと違うんじゃないか」。違和感を感じた指揮官がナインと敗因を摺り合わせると、春先の練習試合で積み上げてきた自信が裏目に出ていたことが分かった。「データや指示に従うだけのチームでは困るけど、そうなるには早過ぎる」。

夏を前に、伝統の緻密な野球にさらなる磨きをかけているが、岩井監督によれば「理想には程遠い。俺の理想が高いのかもしれないけど、変えるわけにもいかない。すごいメンツがいるわけじゃないから弱くなっちゃうよ」。選手たちは指揮官の指導をかみしめながら練習に励んでいる。

浦和学院との再戦が実現するとすれば、甲子園出場権を争う決勝の舞台。岩井監督は「手の内は分かっている。変に対策を練るよりその時々に合わせた方がいい」とライバルとの大一番をイメージしながらも、「去年のことがあるからね。まずは13日の初戦です」と気を引き締める。

打線の主軸を担う大滝は「夏は全員で1つになって目の前の試合を勝っていきたい」とナインの思いを代弁する。人目をはばからず一塁側ベンチで泣き崩れた昨夏の苦い経験から1年。先輩たちと流した涙を無駄にするわけにはいかない。

2015年7月3日 埼玉新聞掲載

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