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野球部 情報
管理人 / 2018-08-13 20:24:00 No.41019
浦和学院 4人で完封

5年前に春夏連覇の夢を絶たれた仙台育英に対して雪辱に燃える浦和学院の森監督は、次々と投手を送り込んだ。「真価が問われる」。その執念に4投手が磐石の継投で応えた。

先発の渡邉は最速149キロの直球を軸に六回まで散発3安打で無失点。完封ペースだったがあっさりと七回から左腕の永島にスイッチした。「バテた渡邉よりも、元気のいい投手の方が役割を果たしてくれる」(森監督)。永島が緩急を生かして2回を無安打に封じて期待に応えると、九回は美又、河北の右腕2人でしのぎ、零封リレーを完成させた。

90球と余力を残し降板した渡邉が「後ろにいいピッチャーがたくさんいるから全力で飛ばした」と言えば、「中継ぎの役割は全うできた」と永島。仙台育英の須江監督は「後半勝負と思っていたが、スパッと代えられてしまった」と白旗を揚げた。

2013年夏の初戦では、選抜大会優勝に貢献した2年生エースが九回途中に足がつって降板。その直後にサヨナラ打を浴びた。「もっと他のチーム作りができたはず」。その反省から森監督は一人に頼らない投手陣を作り上げた。「みんなで抑える今年の形を見せることができた」と背番号1の河北。強力な投手陣が束になり、因縁の相手を打ち破った。

浦和学院・森監督「5年前(仙台育英にサヨナラで)負けて、この一戦にかける思いは強かった。選手たちはその重圧をモチベーションに変えてくれた」

★仙台育英主将 「相手が一枚上」

仙台育英の主将・阿部の役目はチームの特徴である3捕手で終盤を締めること。出番は4点を追う五回、2死二塁での代打。だが遊ゴロに倒れ好機を逸した。「逆転出来るようなリードを」とマスクをかぶるも、追加点を奪われ「相手が一枚上だった」と脱帽。

だが、不祥事で半年間、対外試合ができなかった中でつかんだ大舞台に「新たな1回目(出場)の気持ちで後輩たちは糧にしてほしい」と語った。

2018年8月13日 読売新聞夕刊掲載

Re: 野球部 情報
管理人 / 2018-08-13 21:50:00 No.41021
浦和学院、因縁の仙台育英にリベンジ 好投・渡辺、ドラ1候補に浮上

100回目の夏、出場56校が出そろった大トリに、大谷級を期待させる怪腕が登場した。5年ぶり出場の浦和学院(南埼玉)で先発した渡辺勇太朗投手(3年)が、6イニングを無失点、7奪三振の好投。春先の肘の不安から復調途上ながら、自己最速タイの149キロもマーク。スカウト陣は素材の高さをあらためて評価し、ドラフト1位候補に浮上した。試合も9−0で仙台育英(宮城)に完勝。5年前の初戦敗退の雪辱を果たした。

100回記念大会の出場56校の大トリを飾るのにふさわしい投球だった。埼玉の怪腕が、今秋ドラフト戦線の1位候補に浮上した。浦和学院の190センチ右腕・渡辺が自己最速タイの149キロを甲子園のスコアボードにたたき出し、6イニングを3安打無失点、7三振を奪った。「きょうはすごく球が走っていたし、緊張もなく、自分の投球ができました。甲子園で勝った喜びがあります」と声を弾ませた。

先発を告げられたのは前日。「自分かな、と予想していたし、いつでもいけるよう準備していた」。1回、2死球で1死一、三塁となるとエンジン全開。4、5番を、140キロ台後半の直球連発で追い込み、スライダーで連続三振。4万1000人をどよめかせた。各球団のスカウトもうならせ、中日の中田宗男アマスカウトディレクターは「スケールの大きさは大会ナンバーワン。大谷(エンゼルス)のような球を投げる可能性がある」と将来性を高く評価した。

スムーズな体重移動やリリースまでのゆったりとした動きなど、大谷のフォームを研究して取り入れている。昨秋にキャッチボールでまねをしてみると、投げやすく感じたのがきっかけ。コーチにも体の軸の使い方が大谷と同じタイプであることを指摘され、「こういう投手にならないと」と言い聞かされてきた。昨秋からつけている背番号11は、日本ハム時代の大谷と同じで「選べるわけじゃなくて偶然ですけど、気に入っています」と話した。

春夏連覇がかかった5年前の夏は仙台育英に初戦敗退した。その雪辱をしたかった。1年冬に厳しい練習がつらくなり、寮を離れて約1カ月、実家から通学していた時期もあったが、温かく見守ってくれたチームメートやスタッフのおかげで戻れた。今春は肘の不安もあって出遅れたが、南埼玉大会で復活。県勢初の夏優勝は昨年の花咲徳栄に先を越されたが、目標はチーム初の夏の頂点。「そのためなら自分は完投しなくてもいい。これからも1球目から全力で飛ばしていきたい」。力強くチームを引っ張る覚悟を込めた。

◆メジャースカウトも絶賛「数少ないメジャー候補」

浦和学院の渡辺の評価は上昇。広島の苑田スカウト統括部長は「ものが違う。この大会のナンバーワン投手。投げ方に無理がない」と絶賛。ヤクルトの橿渕スカウトグループデスクは「強いストレートを投げる。カウント、打者を見ながら投げている。ドラフト上位もあるでしょう」と評価した。メジャーのスカウトも注目。アストロズの大慈弥環太平洋担当部長は「ボールを動かせるのはメジャー向き。毎年3、4人しかいない数少ないメジャー候補」とほれ直した。

<渡辺勇太朗(わたなべ・ゆうたろう)>
2000(平成12)年9月21日生まれ、埼玉県羽生市出身の17歳。190センチ、90キロ、右投げ右打ち。小学1年時に軟式の手子林ブラックスで野球を始め、羽生東中では軟式野球部に所属。浦和学院入学後は1年秋からベンチ入り。最速149キロ。

◆森監督感涙「OB含めこの戦いにかける思いは強かった」

因縁の仙台育英に完勝した浦和学院の森士(おさむ)監督(54)は「選手が頑張ってくれた。OBを含め、この戦いにかける思いは強かった」と感涙にむせんだ。左腕エース小島(現早大)を擁して春夏連覇を狙った5年前の夏、1回戦で10−11でサヨナラ負けした。あれ以来の夏に、同じ初戦で雪辱できた。

大阪入りしてから練習場に向かうバスの中で“あの試合”の映像を選手に見せた。「組み合わせが決まって、あの代から信じてますというLINEがあった」と森監督。先輩たちの思いを伝えたかった。8回にソロ本塁打の蛭間主将は「森先生は5年前の戦いは関係ないと言っていた。リベンジの気持ちはありましたが、意識しつつも目の前の試合に集中しました」と胸を張った。

5年前は、奮闘していた小島が9回に左足がつって限界に達し、降板となってチームも力尽きた。「ボクシングに例えると、タオルを投げたセコンド」と森監督。この夏は、エース渡辺を6回までで降板させて4投手で継投した。5年の間に変わったチームに手応えも感じたに違いない。

<5年前の浦和学院−仙台育英> 
2013年春のセンバツを制した浦和学院は、春夏連覇を目指した同年夏の甲子園1回戦で仙台育英と対戦。1回表に1点を先制するも、センバツV投手の2年生左腕・小島和哉がその裏、6点を取られ逆転を許す。打線は3回に8点奪い逆転し、4回に1点追加するも、小島は足がつるようになった6回に4点取られ10−10の同点に。その後両チーム無得点で迎えた9回裏、小島はまた足がつり、限界に。9回2死一塁で降板し、リリーフした3年生の山口がサヨナラ二塁打を打たれ、10−11で敗戦。小島の182球熱投は実らなかった。

2018年8月13日 東京中日スポーツ掲載

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