浦学OB倶楽部 BBS
新規
過去
ヘルプ
管理
戻る
ADVENBBSの過去ログを表示しています(閲覧専用)
笹川晃平 情報
管理人 /
2018-10-16 00:37:00
No.41946
笹川晃平 33期 現:東京ガス
センスと思考力を併せ持つ社会人No.1スラッガー・笹川晃平(東京ガス)
10月25日に行われるドラフト会議。社会人で注目度ナンバーワンの打者といえば、東京ガスの笹川晃平選手だ。
高校時代は、浦和学院の主砲として甲子園に3度出場し、U−18日本代表では大谷翔平や藤浪晋太郎らと共に世界の舞台を経験。大学時代も東洋大の主砲として活躍し、首位打者2回、ホームラン王1回という立派な成績を残した。
今回はそんな笹川選手にお話しを伺い、打撃理論や学生野球時代の練習、そしてプロ入りに向けての意気込みを伺った。
★社会人野球では7割や8割の力で打つことを覚えた
「すいません、バッティングの連続写真を撮ってもらったりできますか」
練習中の写真を撮影していると、ふと笹川選手が打撃フォームの連続写真を見たいとお願いしてきた。何枚か連続写真を撮影して、その写真を確認してもらうと笹川選手は真剣な眼差しで何度も写真を見返した。
一体、フォームのどこを確認していたのか。練習後に笹川選手に聞いてみた。
「左足が地面に着いた時に、グリップとの距離をちゃんと取れてるか、上体が前に行ってないかを見ていました。出来ていたんでよかったです」
礼儀も正しく、ルックスも爽やか。時折、チームメイトとじゃれあう姿も見せるなど、誰からも愛される好青年という印象の笹川選手。だが打撃に関する話しになると、人が変わったかのような真剣な眼差しを見せ、会話の内容も非常に理路整然としているところに驚かされる。
「今、バッティングで意識していることは左足をついたときに、トップとの距離をちゃんと取れるようにすることですね。真っすぐがきたら、そのまま振りにいって、変化球がきたらトップの位置と距離がある分、間を使ってバットを出していくことを意識してます。真っすぐを張った(狙った)状態で変化球を投げられると、振りにいけてないなと自分で思ったんで」
また大学時代と比べても、バッティングは洗練されていると笹川選手は話す。大学時代は、力でボールを飛ばそうという考えがあったが、社会人2年目の現在では、力を入れずにボールを飛ばすバッティングができているという。
「元々、腕に力が入るタイプでしたが、7割や8割の力で打つことで、バットのヘッドがちょうど走る感覚が身についたなと思います。大学時代も理解自体はしてたんですけど、頭と体とがマッチしてなくて、色んな力みでミスショットしたりしていましたね」
★高校、大学時代はウエイトトレーニングをやらなかった
そんな笹川選手だが、意外にも高校、大学時代はウエイトトレーニングは行っておらず、始めたのは東京ガスに入社してからだという。
「高校時代は、ランニングや体幹トレーニング、あとはタイヤを引いたり、とりあえずバットをたくさん振っていました。野球の中で負荷をどんどんかけていく感じですかね。大学時代も東洋大の高橋昭雄監督が、野球の筋肉は野球をやってつけていくという考えだったので、ウエイトはやらずに回転とか捻転で打球を飛ばすようにしていました」
また、もう一つ笹川選手を語る上で欠かすことが出来ないのが、迫力抜群の強肩だ。笹川選手によると、どこかのタイミングで一気に肩が強くなった訳ではなく、元々地肩が強くて、子どもの頃から強肩だったという。肩を強くするため、維持するための練習について、笹川選手は次のように語る。
「やっぱりキャッチボールから距離を投げた方がいいと思います。しっかり遠投をやっておかないとどんどん衰えて投げられなくなっていくと思うので。距離と強いボールを投げることは、常に意識してやってますね」
また社会人になり、ウエイトトレーニングを始めたことで、肩の可動域を維持することも心掛けていると笹川選手は明かした。
建築の世界では「神は細部に宿る」という言葉がよく使われているそうだが、笹川選手の肩力も普段の細やかな心掛けや、目に見えない努力によって維持されいるのだろう。
★目指すのは陽岱鋼選手のようなタイプの打者
社会人野球屈指のパワーに、迫力抜群の強肩。スケールの大きな長距離砲というイメージが強い笹川選手であるが、目標とする選手像を聞いたところ、意外な答えが返ってきた。
「巨人の陽岱鋼選手に近づいていきたいなと思っています。守れて走れて、ツボに入ったらしっかりホームランも打ててというのが、自分がイメージしている選手像です」
つまり笹川選手は、今は長距離を期待されるバッターであるが、上のレベルでは足や肩を活かした中距離ヒッターとして生きていくことをイメージしているというのだ。
「打って守って走れる、その中でこれまで期待されてきたロング(長打)も無くしたくないと思っています。三拍子の中に、ロングを打つということを忘れずに活躍していきたいですね」
中距離ヒッターへの変貌を目指して、ドラフト指名を心待ちにしている笹川選手。最後に、プロ入りに向けて意気込みを語ってもらった。
「10年、20年やれる選手になりたいなと思います。また、チームから必要とされる選手にまずなることが大事で、それが上の代表チーム(侍ジャパン)に選ばれることにも繋がると思います。まずは、自分を選んでもらったチームで、自分の役割があると思うので、そこでの役割をしっかり果たしていきたいなと思います」
三拍子揃った野球センスに爽やかなルックス、野球選手として非常に見どころの多い笹川選手であるが、最大の長所は「自分の立ち位置や能力を俯瞰して、冷静に分析できる」ところなのかもしれない。
「笹川選手の役割」があるのはどの球団なのか、今から楽しみでならない。
2018年10月16日 高校野球ドットコム掲載
ADVENBBSの過去ログを表示しています。削除は管理者のみが可能です。
センスと思考力を併せ持つ社会人No.1スラッガー・笹川晃平(東京ガス)
10月25日に行われるドラフト会議。社会人で注目度ナンバーワンの打者といえば、東京ガスの笹川晃平選手だ。
高校時代は、浦和学院の主砲として甲子園に3度出場し、U−18日本代表では大谷翔平や藤浪晋太郎らと共に世界の舞台を経験。大学時代も東洋大の主砲として活躍し、首位打者2回、ホームラン王1回という立派な成績を残した。
今回はそんな笹川選手にお話しを伺い、打撃理論や学生野球時代の練習、そしてプロ入りに向けての意気込みを伺った。
★社会人野球では7割や8割の力で打つことを覚えた
「すいません、バッティングの連続写真を撮ってもらったりできますか」
練習中の写真を撮影していると、ふと笹川選手が打撃フォームの連続写真を見たいとお願いしてきた。何枚か連続写真を撮影して、その写真を確認してもらうと笹川選手は真剣な眼差しで何度も写真を見返した。
一体、フォームのどこを確認していたのか。練習後に笹川選手に聞いてみた。
「左足が地面に着いた時に、グリップとの距離をちゃんと取れてるか、上体が前に行ってないかを見ていました。出来ていたんでよかったです」
礼儀も正しく、ルックスも爽やか。時折、チームメイトとじゃれあう姿も見せるなど、誰からも愛される好青年という印象の笹川選手。だが打撃に関する話しになると、人が変わったかのような真剣な眼差しを見せ、会話の内容も非常に理路整然としているところに驚かされる。
「今、バッティングで意識していることは左足をついたときに、トップとの距離をちゃんと取れるようにすることですね。真っすぐがきたら、そのまま振りにいって、変化球がきたらトップの位置と距離がある分、間を使ってバットを出していくことを意識してます。真っすぐを張った(狙った)状態で変化球を投げられると、振りにいけてないなと自分で思ったんで」
また大学時代と比べても、バッティングは洗練されていると笹川選手は話す。大学時代は、力でボールを飛ばそうという考えがあったが、社会人2年目の現在では、力を入れずにボールを飛ばすバッティングができているという。
「元々、腕に力が入るタイプでしたが、7割や8割の力で打つことで、バットのヘッドがちょうど走る感覚が身についたなと思います。大学時代も理解自体はしてたんですけど、頭と体とがマッチしてなくて、色んな力みでミスショットしたりしていましたね」
★高校、大学時代はウエイトトレーニングをやらなかった
そんな笹川選手だが、意外にも高校、大学時代はウエイトトレーニングは行っておらず、始めたのは東京ガスに入社してからだという。
「高校時代は、ランニングや体幹トレーニング、あとはタイヤを引いたり、とりあえずバットをたくさん振っていました。野球の中で負荷をどんどんかけていく感じですかね。大学時代も東洋大の高橋昭雄監督が、野球の筋肉は野球をやってつけていくという考えだったので、ウエイトはやらずに回転とか捻転で打球を飛ばすようにしていました」
また、もう一つ笹川選手を語る上で欠かすことが出来ないのが、迫力抜群の強肩だ。笹川選手によると、どこかのタイミングで一気に肩が強くなった訳ではなく、元々地肩が強くて、子どもの頃から強肩だったという。肩を強くするため、維持するための練習について、笹川選手は次のように語る。
「やっぱりキャッチボールから距離を投げた方がいいと思います。しっかり遠投をやっておかないとどんどん衰えて投げられなくなっていくと思うので。距離と強いボールを投げることは、常に意識してやってますね」
また社会人になり、ウエイトトレーニングを始めたことで、肩の可動域を維持することも心掛けていると笹川選手は明かした。
建築の世界では「神は細部に宿る」という言葉がよく使われているそうだが、笹川選手の肩力も普段の細やかな心掛けや、目に見えない努力によって維持されいるのだろう。
★目指すのは陽岱鋼選手のようなタイプの打者
社会人野球屈指のパワーに、迫力抜群の強肩。スケールの大きな長距離砲というイメージが強い笹川選手であるが、目標とする選手像を聞いたところ、意外な答えが返ってきた。
「巨人の陽岱鋼選手に近づいていきたいなと思っています。守れて走れて、ツボに入ったらしっかりホームランも打ててというのが、自分がイメージしている選手像です」
つまり笹川選手は、今は長距離を期待されるバッターであるが、上のレベルでは足や肩を活かした中距離ヒッターとして生きていくことをイメージしているというのだ。
「打って守って走れる、その中でこれまで期待されてきたロング(長打)も無くしたくないと思っています。三拍子の中に、ロングを打つということを忘れずに活躍していきたいですね」
中距離ヒッターへの変貌を目指して、ドラフト指名を心待ちにしている笹川選手。最後に、プロ入りに向けて意気込みを語ってもらった。
「10年、20年やれる選手になりたいなと思います。また、チームから必要とされる選手にまずなることが大事で、それが上の代表チーム(侍ジャパン)に選ばれることにも繋がると思います。まずは、自分を選んでもらったチームで、自分の役割があると思うので、そこでの役割をしっかり果たしていきたいなと思います」
三拍子揃った野球センスに爽やかなルックス、野球選手として非常に見どころの多い笹川選手であるが、最大の長所は「自分の立ち位置や能力を俯瞰して、冷静に分析できる」ところなのかもしれない。
「笹川選手の役割」があるのはどの球団なのか、今から楽しみでならない。
2018年10月16日 高校野球ドットコム掲載