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早大野球部 情報
管理人 /
2018-12-22 20:43:00
No.42326
野球で遊ぶって楽しい!日本ハム・斎藤佑樹ら早大野球部OB会が取り組む革新的試み
東京六大学リーグ・早大の野球部OB会「稲門倶楽部」が、野球人口の裾野拡大を目的とした野球振興・普及施策「野球あそびから始めようプロジェクト」を始動させた。9日には、西東京市内の早大安部球場でOBの日本ハム・斎藤佑樹投手(30)らも参加し、野球チームに所属していない小学3〜6年生を対象にしたイベント「現役のプロ・アマ選手と一緒に野球あそびをしよう!」を開催。現在の野球界が抱える問題にアプローチしたという、画期的なイベントの中身に迫った。
野球人気の低下、野球人口の減少が叫ばれるようになって久しい。この時期になると、全国各地でプロ野球選手が野球少年たちを対象にした野球教室を熱心に行っている。だが今回、それらとは明らかに一線を画した、革新的な野球の振興・普及イベントが早大安部球場で行われた。最大のポイントは、野球未経験者やさまざまな事情でチームを離れてしまった子供たちを対象にしていることだ。
仕掛け人は、早大OBで、日本ハムの敏腕スカウト部長としても知られる大渕隆氏(48=94年卒)。大渕氏は「従来の野球教室というのは、実際の野球界の課題にはアプローチできていない。だから、今回は野球チームに入っていない子を一般募集しました」と説明する。
では「野球界の課題」とは何を指すのだろう。大渕氏は言う。
「指導者に怒声、罵声を浴びせられ、子供たちが楽しく野球をやっていない。スカウトの仕事をしているとそういう光景をよく見かけます。それを見て『野球には興味があるけど、チームに入るにはハードルが高いな』と感じている親子がいっぱいいるはず。野球が遊びじゃなく、習い事の一つになってしまっている。それが日本の野球界が抱える本当の課題なんです」
野球チームに所属していないという子の中には、かつては所属していたけど、今はやめてしまった―というケースも存在する。実際、この日に参加した少年の保護者からは「中学受験の時期になったので、少し休むようになりますと言ったら、毎回出てこないならやめてください、と言われた」といった声も聞かれた。
さらに、大渕氏は「これは、その子たちにスポットを当てたらどれくらい集まるかという、社会実験的でもあるイベントです」とも言う。球場近郊の小学校にチラシを配布し、インターネットで告知をしたところ、120人の募集に対し、200人以上の応募が殺到。この日は163人の少年少女が参加したが、受け入れ態勢の問題もあって全員参加とはいかず、泣く泣く抽選で人数を絞ったという。
「社会実験的」というのにも理由がある。東農大応用生物科学部で野球のコーチングと発育発達などについて研究している勝亦陽一准教授(39=03年卒)と連携。参加した親子にアンケートを実施し、なぜ野球チームに入らないのかといったことを聞いている。勝亦氏は「野球をやりたいけどやれない子たちが集まっているということで、調査としてもすごくいい対象だと思ってます」と語る。
勝亦氏によると、こういった調査はほとんど行われていなかったという。「子供は果たしてチームに入りたいのか。入りたいけど、親が許してくれないのか。野球遊びをしたことがないから、野球が難しそうだと感じているのか。いろんなことを聞きました。なぜ野球離れが進んでいるのかがほとんど判明していないのが現状なんです」
このイベントでは「野球の楽しさを知ってもらうこと」をテーマに設定。参加者には、学年や野球歴などに応じ、素手でゴムボールを打ち返す「ベースボール5」など3種類の「野球あそび」を体験してもらった。勝利至上主義に陥りがちな少年野球とは対極にある、野球というスポーツが持つ本来の魅力を味わってもらうことが狙いだ。
また、その先には「中学校からチームに所属しても十分に楽しめる」というメッセージが込められている。この日参加した親子には、中1から野球を始めてわずか6年でプロ野球選手となり、今年11月の日米野球では侍ジャパン入りも果たした日本ハム・上沢直之投手(24)の例を出し、中学からの競技開始を後押しした。
イベント終了後、参加者全員に軟らかいボールがプレゼントされ、それぞれがうれしそうに家路に就いた。それを見届けた勝亦氏は「今日は野球を知らない、アウトの取り方すら知らない子たちも来てましたが、我々からの一番のプレゼントは野球の遊び方を持って帰ってもらうこと。それを、それぞれの公園なり学校で展開してもらえば、我々にとっても大きな財産になるんです。手打ち野球ならOK、という公園は多いですから」と話した。
今後については他競技と連携を図っていくプランもあるという。大渕氏は言う。「野球に限らず複合的な遊びを体験できる場を提供することで、子供の遊び場がない、スポーツが遊びじゃなくなっている―といった、子供の成長という社会的な問題にもアプローチできるんじゃないか。大学だからこそできる、という面もある」。大きな野望とともにワセダが野球界、スポーツ界、ひいては社会全体に一石を投じる試みをスタートさせた。
今回のイベントには、ロッテにドラフト3位で指名された小島和哉投手(4年)も参加した。スポーツ科学部に在籍し「野球人口を増加させるためには、子供たちにどうアプローチすべきか」をテーマに卒論を作成中とあって、積極的に子どもたちとふれあった。「ちっちゃい子に、野球って楽しいな、やってみたいなと思ってもらえるように行動していくことが、上の世界に行く人の使命だと思います」と高いプロ意識をのぞかせた。
2018年12月22日 スポーツ報知 ネット配信
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東京六大学リーグ・早大の野球部OB会「稲門倶楽部」が、野球人口の裾野拡大を目的とした野球振興・普及施策「野球あそびから始めようプロジェクト」を始動させた。9日には、西東京市内の早大安部球場でOBの日本ハム・斎藤佑樹投手(30)らも参加し、野球チームに所属していない小学3〜6年生を対象にしたイベント「現役のプロ・アマ選手と一緒に野球あそびをしよう!」を開催。現在の野球界が抱える問題にアプローチしたという、画期的なイベントの中身に迫った。
野球人気の低下、野球人口の減少が叫ばれるようになって久しい。この時期になると、全国各地でプロ野球選手が野球少年たちを対象にした野球教室を熱心に行っている。だが今回、それらとは明らかに一線を画した、革新的な野球の振興・普及イベントが早大安部球場で行われた。最大のポイントは、野球未経験者やさまざまな事情でチームを離れてしまった子供たちを対象にしていることだ。
仕掛け人は、早大OBで、日本ハムの敏腕スカウト部長としても知られる大渕隆氏(48=94年卒)。大渕氏は「従来の野球教室というのは、実際の野球界の課題にはアプローチできていない。だから、今回は野球チームに入っていない子を一般募集しました」と説明する。
では「野球界の課題」とは何を指すのだろう。大渕氏は言う。
「指導者に怒声、罵声を浴びせられ、子供たちが楽しく野球をやっていない。スカウトの仕事をしているとそういう光景をよく見かけます。それを見て『野球には興味があるけど、チームに入るにはハードルが高いな』と感じている親子がいっぱいいるはず。野球が遊びじゃなく、習い事の一つになってしまっている。それが日本の野球界が抱える本当の課題なんです」
野球チームに所属していないという子の中には、かつては所属していたけど、今はやめてしまった―というケースも存在する。実際、この日に参加した少年の保護者からは「中学受験の時期になったので、少し休むようになりますと言ったら、毎回出てこないならやめてください、と言われた」といった声も聞かれた。
さらに、大渕氏は「これは、その子たちにスポットを当てたらどれくらい集まるかという、社会実験的でもあるイベントです」とも言う。球場近郊の小学校にチラシを配布し、インターネットで告知をしたところ、120人の募集に対し、200人以上の応募が殺到。この日は163人の少年少女が参加したが、受け入れ態勢の問題もあって全員参加とはいかず、泣く泣く抽選で人数を絞ったという。
「社会実験的」というのにも理由がある。東農大応用生物科学部で野球のコーチングと発育発達などについて研究している勝亦陽一准教授(39=03年卒)と連携。参加した親子にアンケートを実施し、なぜ野球チームに入らないのかといったことを聞いている。勝亦氏は「野球をやりたいけどやれない子たちが集まっているということで、調査としてもすごくいい対象だと思ってます」と語る。
勝亦氏によると、こういった調査はほとんど行われていなかったという。「子供は果たしてチームに入りたいのか。入りたいけど、親が許してくれないのか。野球遊びをしたことがないから、野球が難しそうだと感じているのか。いろんなことを聞きました。なぜ野球離れが進んでいるのかがほとんど判明していないのが現状なんです」
このイベントでは「野球の楽しさを知ってもらうこと」をテーマに設定。参加者には、学年や野球歴などに応じ、素手でゴムボールを打ち返す「ベースボール5」など3種類の「野球あそび」を体験してもらった。勝利至上主義に陥りがちな少年野球とは対極にある、野球というスポーツが持つ本来の魅力を味わってもらうことが狙いだ。
また、その先には「中学校からチームに所属しても十分に楽しめる」というメッセージが込められている。この日参加した親子には、中1から野球を始めてわずか6年でプロ野球選手となり、今年11月の日米野球では侍ジャパン入りも果たした日本ハム・上沢直之投手(24)の例を出し、中学からの競技開始を後押しした。
イベント終了後、参加者全員に軟らかいボールがプレゼントされ、それぞれがうれしそうに家路に就いた。それを見届けた勝亦氏は「今日は野球を知らない、アウトの取り方すら知らない子たちも来てましたが、我々からの一番のプレゼントは野球の遊び方を持って帰ってもらうこと。それを、それぞれの公園なり学校で展開してもらえば、我々にとっても大きな財産になるんです。手打ち野球ならOK、という公園は多いですから」と話した。
今後については他競技と連携を図っていくプランもあるという。大渕氏は言う。「野球に限らず複合的な遊びを体験できる場を提供することで、子供の遊び場がない、スポーツが遊びじゃなくなっている―といった、子供の成長という社会的な問題にもアプローチできるんじゃないか。大学だからこそできる、という面もある」。大きな野望とともにワセダが野球界、スポーツ界、ひいては社会全体に一石を投じる試みをスタートさせた。
今回のイベントには、ロッテにドラフト3位で指名された小島和哉投手(4年)も参加した。スポーツ科学部に在籍し「野球人口を増加させるためには、子供たちにどうアプローチすべきか」をテーマに卒論を作成中とあって、積極的に子どもたちとふれあった。「ちっちゃい子に、野球って楽しいな、やってみたいなと思ってもらえるように行動していくことが、上の世界に行く人の使命だと思います」と高いプロ意識をのぞかせた。
2018年12月22日 スポーツ報知 ネット配信