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てんゆび。新章第1話
K'SARS /
2005-09-05 20:55:00
No.688
天使とのゆびきり 新章 第1話
−天魔、大地に立ちて浩人と対峙す−
どうして、こんなことをしているのだろう。
そして俺は、なんでこんなところにいるのだろう。
様々な葛藤が、ここに来て一気に出てくる。
目の前には、小学生ぐらいの女の子。
広がる景色は、真っ白な世界。
音もない。
何もない。
なんか、全ての感覚が無くなっていくような感じ。
「では〜、いきます〜」
間延びした声とは裏腹に、その子はゆっくりとメガネを外して、腰を落とす。
「いや、まだ了解をしていないのだが…」
「問答〜無用ですぅ〜!」
聞く耳を持ちすりゃしないよ、この子は。
まあ、聞いたところでやめる雰囲気ではないよな。
「本気で〜戦って〜くれないと〜嫌〜です〜から、ね!」
まだ言葉を発しているうちに、不意打ち気味に仕掛けた来た攻撃をかわす。
って、この戦い方は…。
「やりますね〜」
「……お前、まさか……」
この戦術をするやつなんて、俺の知っている中では1人しかいない。
「やっぱり〜通じませんでしたか〜」
「他のやつならともかく、俺に通じると思っていたのか?」
「思いませんでした〜。というわけで〜一気に行かせていただきますね〜」
闘気が爆発的に上がった。
これは、ちょっと…。
「行きますよ〜エンジェルツール〜」
メガネを空高々にあげると、そのメガネが光を発して、大きなグローブに変わった。
そして、背中から身長に合わないぐらいの白い羽が現れた。
「ダーク〜アンド〜ホーリー〜」
小さな手にはめると、前で合わせた。
「しょ〜ぶぅ〜」
「……ならば」
俺も腰を低くし、右手を大きく後ろに引いて、意識を集中させる。
このときの俺の右手は、相手を破壊する凶器となる。
「俺に喧嘩を売ったこと、自身で後悔するがいい」
「それは〜こっちのセリフですぅ〜」
「……はあぁぁぁぁ!」
俺の雄たけびが合図となって、互いに駆けた。
そして、
力と力がぶつかった。
「ぐぬぬぬぬぬ」
「うにゅにゅにゅにゅ」
手ごたえとしては、互角。
あのメガネが変化したグローブを使っていることもあるけど、ここまでとは思わなかった。
こいつ、やっぱり…。
「や、やりますね〜」
「お前、こそ、な」
少しだけ力を加えて、女の子を仰け反らせる。
「うみゅみゅ」
「ほれ、早くやめないと、その可愛らしい身体に、俺の拳がめり込んじゃうぞ」
「そういうわけには〜行かないんですよぉ〜」
と、また押し返された。
その外見とは裏腹に、恐ろしいやつだ。
そして何より。
「にっこり」
この笑顔。
余裕でも馬鹿にしているわけでもないが、なんだ、この感じは。
「にっこり」
うっ、これでは…。
「今だよ〜」
「うん!」
突然、後ろに別の闘気を感じた。
目の前の女の子とは違ってあまり強大ではなかったが、それでも、この体制では…。
「ダークエンドホーリー」
両手に溜めた気を両手で合わせて、俺の背後に迫ってくる。
そして、
「ぐは!」
背中にモロに直撃してしまった。
「ウィィィィィィィィタ〜」
体制が仰け反ってしまったところで、女の子も一気に俺に迫り、鳩尾に直撃した。
意識が遠のいていく。
「このまま〜」
「とどめ、です」
女の子たちは、俺の身体をやすやすと持ち上げた。
もう感覚がなくなっていっているが、下の方から何か熱いものを感じた。
「ヒィィィィィィィト」
「エンド!」
「がは!」
ああ、頭の上で、今までの人生が……。
グッバイ。俺の寂しい人生…。
つんつんつん。
「起きないですね〜」
「やっぱり、やりすぎだったんだよ」
「ラナだって〜やっていたじゃないんですか〜」
「うっ、そ、それは…」
つんつんつん。
生きて、る?
「息はしているから、大丈夫だと思うけど…」
「安心は出来ませんよ〜。だって〜ヒロにぃ〜ですから〜」
身体は、まだ動く。
声からにして、左があいつで、右が後ろからふい打ちしてきた娘。
元凶はあいつだから、やるならこっち。
「でもさ、どうやって挨拶するの?」
「普通に挨拶すれば〜いいと〜思いますよ〜」
「……その前に」
がば!
勢いよく起き出して、ターゲットをロックする。
「はふぅん?」
「うりゃ」
すばやくターゲットを引き寄せて、後ろから羽交い絞めをするような格好になり、両手をぐーの状態にして、頭にセットする。
そして、力の限り回転させる。
「はふぅ〜ん!」
「あ・や・ま・る・の・が・さ・き・だ・ろ・う・が!」
「いたたたたた〜。や〜め〜てぇ〜」
ふふふ。それは痛いであろう。
これは、かつてのお前が泣いて降参した技だからな。
窪田の白い悪魔の唯一の弱点を知っている俺だから出来るのだ。
「はう〜」
一緒にいた女の子は、何も出来ないでオロオロしている。
なら、余計に力を込めないといけないな。
「ほれほれ、謝罪の言葉はどうしたのかな?」
「はふぅ〜ん。あ、謝るから〜離してぇ〜」
「今しなさい」
「ご、ごめんなさ〜い」
「うむ」
最後に逆回転を加えて、女の子を解放する。
「だ、大丈夫?」
「う、うん〜。ったく、ひどいよ〜」
「ひどくない! マジで一瞬、走馬灯が走ったんだぞ」
「ありゃりゃ〜」
「……もっかいしてやろうか?」
「はふぅ〜ん。もう勘弁だよ〜」
女の子はもう1人の女の子の後ろに隠れて、怯えていた。
ったく、これじゃ俺が悪人みたいじゃないか。
「モモちゃん。新しいご主人様を、悪人みたいにしちゃだめだよ。悪いは、こっちなんだから」
「はふぅ〜ん」
「……声に出てた?」
「あっ、いえ。その……」
「…とにかく、ここから移動しようか? 寒いし」
「そ、そうですね」
「賛成〜」
…悪びれている様子なし。
まあ、あとでじっくり尋問をしてやるから、そのときに改めておしおきしてやる。
とりあえず、雪国の河川敷はひどく冷えるので、俺たちは近くの喫茶店に移動……の前に、医者に行くことにした。
<続>
後書き♪
K'SARS「さて、ようやく新章を開始することが出来たぜよ」
サキミ「えぅ〜。私の出番〜」
ミナト「あらあら。サキミちゃん。泣かないで」
K'SARS「贅沢は敵だぞ」
サキミ「別に贅沢じゃないですよぉ〜」
ミナト「まあ、それは置いときまして」
サキミ「置いとかれてしまいました〜」
ミナト「なんか、カナトくんの姿が見えませんけど…」
K'SARS「ああ、あいつは本編に出ることになったから、後書きメンバーから外れてもらった」
ミナト「あらあら。あの子が出たからですか?」
K'SARS「もちろん」
サキミ「えぅ〜。守護天使が恋人を作るなんて、前代未聞ですぅ〜」
K'SARS「ふっ、俺の世界観を侮辱するなんていい度胸だ。浩人に代わって、これからは俺が天誅を下してやろう」
サキミ「えぅ〜!!」
K'SARS「な〜に、そんなに怯えることはない。ただ、ちょっと痛いことがあるだけだ」
サキミ「余計に嫌ですぅ〜」
ミナト「まあ、何かとごちゃごちゃしていますが、これからも、てんゆびをごひいきにお願いしますね」
K'SARS「でははん!!」
Re: てんゆび。新章第1話
エマ /
2005-10-07 01:08:00
No.733
こんばんはー。
てんゆび、新シナリオですね。サキミちゃんと分かれた後のお話なんでしょうけれども。どうもこれは夢の中からのスタートでしょうか? いきなり新キャラから攻撃食らってますけども(笑)
問答無用とか言って攻めてくる身も蓋も無さがサキミちゃんとはまた違った性格で面白いです。でもこの子・・・守護天使ですよね? え、違う? しかも本気出せとか、会ってそうそう主人(或いは大切な人)にんなことしちゃっていいんでしょうか(^^;
「俺の知っている奴で一人」、というのは、やはり桃華ちゃんなわけですよね。でも、一応キャラとしては別人にはなっているんでしょうか。そこら辺が謎なので、第2話以降を見守る次第ですが・・・。
浩人さんにしても、エンジェルツールとかダークアンドホーリーとか、恐らく転生後に獲得したであろう不思議パワーとタメをはれるという所がもう、さすが桃華ちゃんのお兄ちゃんといいますか、一般人の域を超えていますって。最後はラナちゃんの援護攻撃でやられてしまいはしましたが・・・。
それにしても、なんて言うんですか・・・この新しい子。メガネかけてて小学生位の年齢で延ばし延ばし口調でって・・・なんか非常にアレ系の匂いを感じるのですが・・・(笑)
イジられるのが取り柄だったサキミちゃんと違い、浩人さんにとっては今度は手強い子が転生した事になるんでしょうね。
いちおー、「耳ぐりぐり(?)」という最終手段はあるらしーもののw
で、多分・・・二人のモモシリーズだけでなくついにてんゆびまで新しいシリーズが加わって、さらには桃華ちゃんを改造したようなキャラまで出て、みなさん間違いなく混乱の極みに達していると思われますので、第二話あたりでですね。どういう状況になっているのかを十分に説明してくださるとありがたいです。
第2話の舞台は病院になりそうな勢いっぽいですが、次も楽しみにしてますねーw
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天使とのゆびきり 新章 第1話
−天魔、大地に立ちて浩人と対峙す−
どうして、こんなことをしているのだろう。
そして俺は、なんでこんなところにいるのだろう。
様々な葛藤が、ここに来て一気に出てくる。
目の前には、小学生ぐらいの女の子。
広がる景色は、真っ白な世界。
音もない。
何もない。
なんか、全ての感覚が無くなっていくような感じ。
「では〜、いきます〜」
間延びした声とは裏腹に、その子はゆっくりとメガネを外して、腰を落とす。
「いや、まだ了解をしていないのだが…」
「問答〜無用ですぅ〜!」
聞く耳を持ちすりゃしないよ、この子は。
まあ、聞いたところでやめる雰囲気ではないよな。
「本気で〜戦って〜くれないと〜嫌〜です〜から、ね!」
まだ言葉を発しているうちに、不意打ち気味に仕掛けた来た攻撃をかわす。
って、この戦い方は…。
「やりますね〜」
「……お前、まさか……」
この戦術をするやつなんて、俺の知っている中では1人しかいない。
「やっぱり〜通じませんでしたか〜」
「他のやつならともかく、俺に通じると思っていたのか?」
「思いませんでした〜。というわけで〜一気に行かせていただきますね〜」
闘気が爆発的に上がった。
これは、ちょっと…。
「行きますよ〜エンジェルツール〜」
メガネを空高々にあげると、そのメガネが光を発して、大きなグローブに変わった。
そして、背中から身長に合わないぐらいの白い羽が現れた。
「ダーク〜アンド〜ホーリー〜」
小さな手にはめると、前で合わせた。
「しょ〜ぶぅ〜」
「……ならば」
俺も腰を低くし、右手を大きく後ろに引いて、意識を集中させる。
このときの俺の右手は、相手を破壊する凶器となる。
「俺に喧嘩を売ったこと、自身で後悔するがいい」
「それは〜こっちのセリフですぅ〜」
「……はあぁぁぁぁ!」
俺の雄たけびが合図となって、互いに駆けた。
そして、
力と力がぶつかった。
「ぐぬぬぬぬぬ」
「うにゅにゅにゅにゅ」
手ごたえとしては、互角。
あのメガネが変化したグローブを使っていることもあるけど、ここまでとは思わなかった。
こいつ、やっぱり…。
「や、やりますね〜」
「お前、こそ、な」
少しだけ力を加えて、女の子を仰け反らせる。
「うみゅみゅ」
「ほれ、早くやめないと、その可愛らしい身体に、俺の拳がめり込んじゃうぞ」
「そういうわけには〜行かないんですよぉ〜」
と、また押し返された。
その外見とは裏腹に、恐ろしいやつだ。
そして何より。
「にっこり」
この笑顔。
余裕でも馬鹿にしているわけでもないが、なんだ、この感じは。
「にっこり」
うっ、これでは…。
「今だよ〜」
「うん!」
突然、後ろに別の闘気を感じた。
目の前の女の子とは違ってあまり強大ではなかったが、それでも、この体制では…。
「ダークエンドホーリー」
両手に溜めた気を両手で合わせて、俺の背後に迫ってくる。
そして、
「ぐは!」
背中にモロに直撃してしまった。
「ウィィィィィィィィタ〜」
体制が仰け反ってしまったところで、女の子も一気に俺に迫り、鳩尾に直撃した。
意識が遠のいていく。
「このまま〜」
「とどめ、です」
女の子たちは、俺の身体をやすやすと持ち上げた。
もう感覚がなくなっていっているが、下の方から何か熱いものを感じた。
「ヒィィィィィィィト」
「エンド!」
「がは!」
ああ、頭の上で、今までの人生が……。
グッバイ。俺の寂しい人生…。
つんつんつん。
「起きないですね〜」
「やっぱり、やりすぎだったんだよ」
「ラナだって〜やっていたじゃないんですか〜」
「うっ、そ、それは…」
つんつんつん。
生きて、る?
「息はしているから、大丈夫だと思うけど…」
「安心は出来ませんよ〜。だって〜ヒロにぃ〜ですから〜」
身体は、まだ動く。
声からにして、左があいつで、右が後ろからふい打ちしてきた娘。
元凶はあいつだから、やるならこっち。
「でもさ、どうやって挨拶するの?」
「普通に挨拶すれば〜いいと〜思いますよ〜」
「……その前に」
がば!
勢いよく起き出して、ターゲットをロックする。
「はふぅん?」
「うりゃ」
すばやくターゲットを引き寄せて、後ろから羽交い絞めをするような格好になり、両手をぐーの状態にして、頭にセットする。
そして、力の限り回転させる。
「はふぅ〜ん!」
「あ・や・ま・る・の・が・さ・き・だ・ろ・う・が!」
「いたたたたた〜。や〜め〜てぇ〜」
ふふふ。それは痛いであろう。
これは、かつてのお前が泣いて降参した技だからな。
窪田の白い悪魔の唯一の弱点を知っている俺だから出来るのだ。
「はう〜」
一緒にいた女の子は、何も出来ないでオロオロしている。
なら、余計に力を込めないといけないな。
「ほれほれ、謝罪の言葉はどうしたのかな?」
「はふぅ〜ん。あ、謝るから〜離してぇ〜」
「今しなさい」
「ご、ごめんなさ〜い」
「うむ」
最後に逆回転を加えて、女の子を解放する。
「だ、大丈夫?」
「う、うん〜。ったく、ひどいよ〜」
「ひどくない! マジで一瞬、走馬灯が走ったんだぞ」
「ありゃりゃ〜」
「……もっかいしてやろうか?」
「はふぅ〜ん。もう勘弁だよ〜」
女の子はもう1人の女の子の後ろに隠れて、怯えていた。
ったく、これじゃ俺が悪人みたいじゃないか。
「モモちゃん。新しいご主人様を、悪人みたいにしちゃだめだよ。悪いは、こっちなんだから」
「はふぅ〜ん」
「……声に出てた?」
「あっ、いえ。その……」
「…とにかく、ここから移動しようか? 寒いし」
「そ、そうですね」
「賛成〜」
…悪びれている様子なし。
まあ、あとでじっくり尋問をしてやるから、そのときに改めておしおきしてやる。
とりあえず、雪国の河川敷はひどく冷えるので、俺たちは近くの喫茶店に移動……の前に、医者に行くことにした。
<続>
後書き♪
K'SARS「さて、ようやく新章を開始することが出来たぜよ」
サキミ「えぅ〜。私の出番〜」
ミナト「あらあら。サキミちゃん。泣かないで」
K'SARS「贅沢は敵だぞ」
サキミ「別に贅沢じゃないですよぉ〜」
ミナト「まあ、それは置いときまして」
サキミ「置いとかれてしまいました〜」
ミナト「なんか、カナトくんの姿が見えませんけど…」
K'SARS「ああ、あいつは本編に出ることになったから、後書きメンバーから外れてもらった」
ミナト「あらあら。あの子が出たからですか?」
K'SARS「もちろん」
サキミ「えぅ〜。守護天使が恋人を作るなんて、前代未聞ですぅ〜」
K'SARS「ふっ、俺の世界観を侮辱するなんていい度胸だ。浩人に代わって、これからは俺が天誅を下してやろう」
サキミ「えぅ〜!!」
K'SARS「な〜に、そんなに怯えることはない。ただ、ちょっと痛いことがあるだけだ」
サキミ「余計に嫌ですぅ〜」
ミナト「まあ、何かとごちゃごちゃしていますが、これからも、てんゆびをごひいきにお願いしますね」
K'SARS「でははん!!」