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ss:魅力亡き者―ぷろろーぐ?―
なたでゆる /
2005-10-02 06:34:00
No.725
――私は、「女神」の名を持つ最高の天使だった――
※:「黒山椒魚のむに。あなたに守護天使最高位階級の称号『女神』を与えます」
※:「例を見ない結果ではあったが、試練をこなしたのは事実。
見事に『女神』を掴み取りおって。立派じゃのう!」
…
……
………
――そして、大切なあの人の下で一緒に暮らせる――
主:「俺の天使…っていうかメイド?
んー、いきなりは信じられないけど、確かにむにだ。これからよろしく」
…
……
………
――最善を尽くしていた「つもり」だったのに――
むに:(ちょっ!? そ、その傷どうしたのですか!?
? 声が遠い? 出ていないとか聴こえないとかじゃないのに?)
主:「・・・・・・」
むに:(それより符術でかいふ…)
主:「・・・」
むに:(…あ、き、救急車を優先にっ…)
…
……
………
――何故?――
むに:(? 新しいパートナー?)
主:「あの娘は、俺とどこか似ている境遇があるんだ。
むに:「(・・・・・・)」
――どうして!?――
主:「もう、うんざりです。」
むに:(ぇ?)
主:「あなたと付き合ってるのは、もうウンザリなんです」
むに:(どうしてです!?私が何をしたのです!?)
主:「あなたのそういう所がもう嫌なんです。一緒にいたくない…」
主:「それに、俺は……あの娘を裏切れない。守ってやりたい」
むに:(――――!)
主:「そうかもしれない…。いや、そうですよ」
? さっきの聞こえない…。聞き逃した…?
…
……
――あ…――
※:「むに。あなたは故意に、主に致命傷を負わせ。主の苦しみを
理解しなかったそうですね。あなたの主は、あなたとのパートナーを拒否、
そして完全な否定を致しました。よって、あなたが持っている「女神」の
称号を剥奪、及び呪詛悪魔への堕落を考慮し、暫く謹慎して頂きます。
宜しいですね?」
――ああぁ…――
※:「むにさん!これ以上逃げないで大人しく捕まって下さい。
仮にも一度「女神」の称号を手に入れたあなたに尊敬している
天使達もいるんですよ?その天使達の為にも大人しく戻って…」
むに:(だ…駄目です!今戻ったとしても呪詛悪魔として確定され、
最悪粛清もされかねません。それに、結果堕落していなかったと
しても呪詛悪魔になりつつあるとの会話を聞いた以上、このままでは
済まされない筈です)
※:そんな事は…
むに:(混乱を防ぐ為に知らされていないだけです。
私……まだ、死にたくありません!)
――…っ!――
むに:(どうしよう…。大人しく戻っても待っているのは…。
このまま逃げ続けていても追っ手の勢いはそう簡単に止められない。
ううん、本気になって攻撃すれば止められるかもしれない。
でも、それは……)
…
……
――………――
むに:(ううん、もうどうでも良いの。私はもう、今は…)
――存在する意味が無いのだから――
――存在する意味が無いのだから…?――
兆しですよ ―寝そべった巫女さんは好きですか?―
なたでゆる /
2005-10-02 06:36:00
No.726
?:「ん…んん? んぅうーん…。
なんだぁ…。夢でしたのね」
畳に横たわるあたしは、暮れなずむ目覚めに絡まれながら、周りの景色を見渡し
現実に引き戻された事に気づいた。
彼女の名は「秘鏡 無二右」それ以上でもそれ以下でもない。
人間?守護天使? 女神の域か?はたまた堕天であるのだろうか?
おそらく、彼女に言わせてみればそのどれでもないであろう。
問うならば、彼女…無二右はこう答える筈だ。
無二右:「あたしは巫女兼司書よ」
無二右:「んーん…。なんだかなぁ…?」
そう言いつつあたしは起き上がるも、視線はどことなくまだあさってな方向だ。
時計を見やれば既に午後9時半。もう夜になっている。寝たのは…んー………
午後、5時?よくも天界でこう、堂々と悠々自適に暮らせるものだと、あたしながら
少し呆れていたりもして。巫女も司書も忙しい時は忙しいけど、普段はのんびりと
していられるのであたしにはぴったりだ。
ふと、自分を見ると巫女装束を着ているままだ。尤も普段から着ているけど。
着るのにちょっとめどい感じもするけど、動き易い上にゆたーりしているので
結構気に入っている。このまま寝る事も珍しくはない。普段着兼寝巻き。便利ー。
それよりも、何故か元の姿に戻っている事が気になった。永遠の19歳のす…って
いゃ、そういうんじゃないけど要は肉体年齢が齢19歳くらいの美少女って事。
まだまだ若いのよ〜ん。10代よ、10代!リンクはこれね。
http://www.pekkomi.com/cgi-bin/Origin...
無二右:「それよりも体を少し小さくしないと」
あたしは瞬時に集中して底に沈む法力を起こし、湧き上がらせる。
その湧き上がったあたしの法力を放出。そして、体を覆うように絡めていく…
変形完りょ―…
無二右:「あれ?」
おかしい。体に覆い絡めた法力が全て溶け出して元の姿のままだ。
こんな事は未だかつて一度もない。
無二右:「んー?もう一度…」
再び同じ事を繰り返す。しかし何度やっても結果は同じだった。
無二右:「ェー。おかしいなぁ…?暫くはこの姿のままでいろって事なのかしら?
そぃぁさっき夢見てて何か………夢?どんな夢だっけ?」
法力は自身の体調や思念に大きく左右する。それが原因で失敗する事もある。
夢はさっぱり忘れてしまったので何か悪い夢でも見たのかと思い出そうとする。
刹那!
無二右:「――…?」
突如、強烈な眠気に襲われ、寝てしまう所…いや、気を失う所だった。
急いで意識をはっきりとさせ、頭の中を空にする。
無二右:「うっそー…。まさか持病?」
このような「持病」を持つようになったのは、あの時以来だ。
それからも本当に思い出したくない事は忘れていくようにしている…。
無二右:「まぁ…仕方無いわねん、時期に治るでしょ」
あまり気にする事でも無い…いや、気にしちゃ駄目と思い、眠気覚ましの
散歩でもして、ついでに行きつけの茶店に行く事にした。
と、その前に少し身支度しないとね。いくら顔馴染みでも寝起き頭ぼっさ
ぼさーでは「このモデル」の面子が丸潰れ。髪くらいは梳かして行こう。
あたしは鏡の前で櫛を髪に当てる。この、つややかで腰ほどまである黒髪は
ちょっとした自慢だったりする。
………その自慢の髪も、今はもう誰かを魅せる力を失い、あたし自身魅せる事も
ないし、それで良いと思ってる。一部を除いてだけど…ね。
無二右:「うーん。ツーテールもライアーテールも良いんだけどなぁ…
どうしようかしらん?」
髪型で悩むのは長い髪を持つ者の贅沢な所。色々いじくり回して遊んだりも。
悩んだ末、結局ストレートにして巫女装束の着崩れを直す。
準備が整い玄関を開ければすっかり夜。午後10時近ければ当然なんだけど…
無二右:「あっ…と、箒持っていかないと」
あたしはお掃除兼移動用の箒を持ち出し、外の社にある円陣の前に立って
赤い札を一枚取り出し、移動先を決める。
無二右:「んーと、場所は『茶店 袴神宮〜憩之宮〜』」
場所を決めると円陣の中心から白煙のような薄い光が噴き出し、同時に赤い札が
一枚、瞬時に真っ白になる。あたしが円陣の中心に乗ると、光は強くなって
あたしを覆い、僅か二秒程で光が消え、そこは指定した場所だった。
無二右:「移動(トランスファー)って便利だけどあんまり好きじゃ
ないのよねぇ…」
かいはつしつ
なたでゆる /
2005-10-02 06:42:00
No.727
ようやっと兆しが出来上がりましたね。果たしてどうなる事やら。
ちなみに、各タイトルには何か余計なものが入ります。
今回は寝そべった巫女さん好き?と。
突っ込み、質問受け付けあり升。
Re: ss:魅力亡き者―ぷろろーぐ?―
ダイダロス /
2005-10-04 23:30:00
No.731
ども。
むにさん、「未だ見ぬ此方の物語」で見せた、おちゃらけた雰囲気から想像も付かない程の悲惨な過去を持ってそうですね。
このむにさんの過去の悪夢とそれに引き続く不調が、第一話からの事件(?)の幕開けになるのでしょうか?
今回はプロローグとの事ですので、次回からの本編、楽しみにしています。
簡単なレスですみませんが、今回はこれにて失礼します。
ではまた。
Re: ss:魅力亡き者―ぷろろーぐ?―
エマ /
2005-11-16 03:02:00
No.756
どもー。レス遅れてごめんなさい。
むにたんの知られざる過去が明らかとなる、「魅力亡き者」ついに始まりですね。
冒頭の夢、むにたんの過去回想なのでしょうから、多分事実なのでしょうけど……だいぶ深刻で、辛い過去を持っていたんですね。ご主人様の大けが、拒絶、そして迫害……。
あ、でも現在はちゃんとのほほんとメガミ職やっているわけで……。なんとか疑惑を晴らす事に成功したんでしょうか。あるいは……。
過去の夢と、現在とで名前が微妙に違うというのがポイントのような気がします。
普段のちびモードに変身できなかったり、一瞬重い眠気に襲われたりと、現在においても微妙な兆候が現れているような気もしますし。
それでも、夢から覚めてからのむにたん、雰囲気としては普段通りの様子で、安心しますね。それにしても……巫女装束、そして永遠の19歳……。初めて(?)服装や髪の毛の描写が細かくなされているし……。うーん、普段ギャグSSでなたでさんに「いなつるび」でお仕置きばっかりしているから気づきにくいが、よく考えてみるとむにたんってやっぱり大きいモードはかなりの美少女なんじゃ……(笑)
さて、次回は「茶店 袴神宮〜憩之宮〜」が舞台みたいですね。Kちんの「玉手箱」といい、最近こういうお店を営むのがエマステでの流行なのでしょうかw
私も今度何か店を経営してみよう♪
では第2話も楽しみにしています♪ 茶店の店員さん、どんな子がいるだろーw
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――私は、「女神」の名を持つ最高の天使だった――
※:「黒山椒魚のむに。あなたに守護天使最高位階級の称号『女神』を与えます」
※:「例を見ない結果ではあったが、試練をこなしたのは事実。
見事に『女神』を掴み取りおって。立派じゃのう!」
…
……
………
――そして、大切なあの人の下で一緒に暮らせる――
主:「俺の天使…っていうかメイド?
んー、いきなりは信じられないけど、確かにむにだ。これからよろしく」
…
……
………
――最善を尽くしていた「つもり」だったのに――
むに:(ちょっ!? そ、その傷どうしたのですか!?
? 声が遠い? 出ていないとか聴こえないとかじゃないのに?)
主:「・・・・・・」
むに:(それより符術でかいふ…)
主:「・・・」
むに:(…あ、き、救急車を優先にっ…)
…
……
………
――何故?――
むに:(? 新しいパートナー?)
主:「あの娘は、俺とどこか似ている境遇があるんだ。
むに:「(・・・・・・)」
――どうして!?――
主:「もう、うんざりです。」
むに:(ぇ?)
主:「あなたと付き合ってるのは、もうウンザリなんです」
むに:(どうしてです!?私が何をしたのです!?)
主:「あなたのそういう所がもう嫌なんです。一緒にいたくない…」
主:「それに、俺は……あの娘を裏切れない。守ってやりたい」
むに:(――――!)
主:「そうかもしれない…。いや、そうですよ」
? さっきの聞こえない…。聞き逃した…?
…
……
――あ…――
※:「むに。あなたは故意に、主に致命傷を負わせ。主の苦しみを
理解しなかったそうですね。あなたの主は、あなたとのパートナーを拒否、
そして完全な否定を致しました。よって、あなたが持っている「女神」の
称号を剥奪、及び呪詛悪魔への堕落を考慮し、暫く謹慎して頂きます。
宜しいですね?」
――ああぁ…――
※:「むにさん!これ以上逃げないで大人しく捕まって下さい。
仮にも一度「女神」の称号を手に入れたあなたに尊敬している
天使達もいるんですよ?その天使達の為にも大人しく戻って…」
むに:(だ…駄目です!今戻ったとしても呪詛悪魔として確定され、
最悪粛清もされかねません。それに、結果堕落していなかったと
しても呪詛悪魔になりつつあるとの会話を聞いた以上、このままでは
済まされない筈です)
※:そんな事は…
むに:(混乱を防ぐ為に知らされていないだけです。
私……まだ、死にたくありません!)
――…っ!――
むに:(どうしよう…。大人しく戻っても待っているのは…。
このまま逃げ続けていても追っ手の勢いはそう簡単に止められない。
ううん、本気になって攻撃すれば止められるかもしれない。
でも、それは……)
…
……
――………――
むに:(ううん、もうどうでも良いの。私はもう、今は…)
――存在する意味が無いのだから――
――存在する意味が無いのだから…?――