スーパーライセンス論争について
GPDA声明文 / 2009-02-09 08:04:00 No.18
一部マスコミにおいて,スーパーライセンス料金に関する
FIAとドライバーの問題に関して誤った報道があり,
またモズレー氏の最近のコメントに対して,
ドライバーは以下の事項を明確にする.

2008年1月,FIAはF-1ドライバーのスーパーライセンス料を一方的に値上げした.
2008年シーズンのスーパーライセンス料は,2007年の1,690ユーロ(日本円約20万円)から
ほぼ5倍の10,000ユーロ(約119万円)に増額された.
更に基本的スーパーライセンス料と同時に支払われるポイント料も,
2007年のポイントあたり447ユーロ(約5万円)から,3.5倍近く値上げされ
2008年は2,000ユーロ(約24万円)となった.

この値上げはドライバーへ事前相談なしに行われ,
ドライバーは,2008年1月に其々のチームが請求書を受け取り,
またマスコミを通じ,この値上げを知った.
提案された値上げは,その導入方法および
ドライバーに対する影響において,本質的に不公平である.

この値上げはFIAによって導入されたものであるが,
ドライバーは不合理かつ不公平であるとして,
全員一致でこの値上げに反対している.
GPDAは,GPDAメンバー以外のドライバーを含め,
スーパーライセンスを所有する全ドライバーの代理として,
2008年シーズンを通じ,この問題を適切かつ専門的に
解決する方法をFIAと内密に探ってきた.
そして昨年9月,イタリアGPでのモズレー氏との会談で,
更なる交渉の道を開いた.

その中で,ドライバーの総収入開示を求めるFIAの要請も含まれていた.
しかしドライバーからの回答を受け取っていないというマスコミに対する
モズレー氏の主張は誤っている.
GPDAは12月にドライバーの総収入はスーパーライセンス料の
適正価格の判断とは無関係なので,
その要請を却下するという書簡を送っている.
更にドライバーの総収入(及び純利益)は
ドライバー,マネージメント,財務アドバイザー,税務当局などにとって部外秘である.

実際,モズレー氏はGPDAとの最近の連絡において,
これが機密事項であることを仄めかしている.
スーパーライセンス料を払うのはチーム或いは個人かという問題は,
モズレー氏は,ドライバーとチームとの私的契約問題で,
FIAとは無関係であると結論を出した.

ドライバーは,スーパーライセンス料の合理的値上げに反対するものではない.
この料金には,ライセンス発行に関わる事務手続き及び
その他のコストが含まれる筈である.
従ってドライバーは2008年シーズンは,2007年のスーパーライセンスを
インフレによって調整した金額を支払い,
2009年もそれに応じた金額にすることを提案した.

更にドライバーは,モズレー氏がモンツァで言及した
2008年FIA運営に必要な資金の不足分170万ユーロ(約2億円),
更に2009年の運営費の不足分300万ユーロ(約3.5億円)
に見合う資金調達において,
FIAに協力する公正な方法を探ることを提案した.

ドライバーは,スーパーライセンス料がFIAにとって
収入源となるべきではないと主張するものであり,
この様な変更は,過去のスーパーライセンス料や
他のドライバー・ライセンス料にとって原理的に大きく逸脱する.
FIAは商業権を活用して十分な資金を調達するべきである.

原則として,ドライバーは,ドライバーに対する法的義務を満たす他者のコストに
資金を提供する場合は負担されるべきではない.
ドライバーに安全なマシンを提供するのはチームの義務であり,
安全なサーキットを提供するのはサーキット所有者の義務であり,
安全性に適合したヘルメット,耐火オーバーオールなどを提供するのは
メーカーの義務である.
FIAは統括団体として,安全規約を課し,
サーキットへのライセンス発行など,
ライセンス認可を通じて関係者の義務遂行を監督する.
ドライバーに対するライセンス発行は,
ドライバーがF1で必要なレベルで戦う能力があることを保証することである.

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