上陸しました!
Shore / 2013-09-17 22:28:00 No.2542
台風に大雨と、みーばい亭周辺を含むエリアは大変だったのではないかとお察しいたしますが、皆さんご無事でいらっしゃいますでしょうか?

ご報告しようしようと思いつつ、このところバタバタしていて、すっかり遅くなってしまいましたが、我が家で育った房総ヤドが産卵・放幼し、地味ぃに大変な世話を続けてまいりましたが、この連休(台風と一緒に…)ついに上陸いたしました!
カメラが壊れてしまって日記にも写真が載せられていませんが、1ヶ月近く真夜中に水換えを続けた甲斐がありました。

今のところ、30匹くらいが無事に上陸している模様です。まだ十数匹が水中で、しかもときどき貝殻から出ていることもあり、海水容器の撤収に微妙に悩む感じですが、幸い仕事の多忙も一段落したし、海水のストックはたっぷりあるので、可能な限り上陸まで見守ってやりたいと思っています。

次の週末にはカメラが治って戻ってくる予定なので、以降はズボラながら写真付きの記録を残したいと思っています。


そうそう、房総ヤドは越冬個体も含めて全てムラサキオカヤドカリで間違いなさそうです。
何はともあれご報告と、みーばい亭の過去の克明な記録を参考にさせていただいたことが、無事上陸の何よりの要因と考えております。勝手に参考にさせていただいておりましたが、何よりもそのことを波風さんに深く御礼申し上げます。

波風 / 2013-09-20 21:42:00 No.2543
Shoreさん、こんにちは。
まずは、上陸おめでとうございます。
ちびヤド日記を拝見して密かに応援していたのですが、余裕たっぷりに楽々関門突破されているので、あまり応援し甲斐がなかったりして(^^:
拙サイトの記録が、ガイドラインとして、多少なりともお役に立ったのなら幸いでした。
まあ、いくつかのツボさえ押さえておけば放置気味でも結構育つものですが、加減の分からない頃は闇雲に右往左往してましたからね・・、手製の点滴セットなど今となっては懐かしい思い出です(笑)

>房総ヤドは越冬個体も含めて全てムラサキオカヤドカリで間違いなさそうです
私が南紀で採集した上陸個体はほとんどがナキでしたが、越冬個体の目撃報告はムラサキが圧倒的に多いですから、やっぱり、ナキはまだまだ本州で越冬できるだけの耐寒性を獲得していないようですね。
南西諸島ではナキの方が個体数が多いようですから、南紀辺りに上陸するのは南西諸島で放幼された個体、房総の上陸個体は南紀や伊豆などで放幼された個体とも考えられますが、裏付けがとれないのがもどかしいです。

>台風
おかげさまで、連休最終日は元々予定を入れていなかったので、我が家の被害はガジュマルの鉢が倒れたくらいですみましたが、JR、私鉄、名神はほぼ終日ストップ、国道もあちこち通行止めで陸の孤島と化していましたから、平日ならパニックになるところでした。
近くで土砂や水を被ったお宅もありましたから、今回は何かと運が良かったようです。
それにしても、近頃の天候は変ですね。
まだまだ台風シーズンも続きますので、そちらもお気をつけください。

Shore / 2013-10-02 00:02:00 No.2544
波風さん、こんばんは。

レスがすっかり遅くなってしまって申し訳ありません。カメラに続き、家のPCまで怪しいネットワーク断を繰り返し(原因はケーブルテレビ会社のルータでした…)、なかなか家からアクセスできず、失礼いたしました。

言い訳はさておき、上陸ちびたちは順調に育っております。砂有りケースに収容して以降は、例のごとくアリの巣状の穴居生活に入っているので、数は正確に数えられなくなりつつありますが、以降は彼ら自身の生命力でタフに生き延びてくれることを祈りたいと思います。


> 余裕たっぷりに楽々関門突破…

とんでもありません。毎夜々々の水換え生活は、餌付け中のアサリしか食わない各種幼魚たちの世話に、録画してあった全米オープンテニスの観戦、ついでに仕事の多忙…と重なりまくり、睡眠時間を削る毎日でした(笑)。
必要な手間と金を惜しむ人間に、飼育=野生動物の自由を奪う資格はないと思っていますので、寝不足は「捕獲人」が当然負うべく責務ですが、小奇麗な理想を並べ立てても眠たいものは眠たいんですよねぇ…。

改めて波風さんの当初のご苦労を痛感いたしました。TV見ながらうたた寝してるお馬鹿さんと、ご苦労の質を同列に並べては失礼ですけどね(笑)。
とにもかくにも、楽か否かは別として無事に難関を突破できたのは、ひとえに『みーばい亭』の克明な記録と出し惜しみのない貴重なデータのお蔭だと心から感謝いたしております。


ナキとムラサキの耐寒性能は確かに興味深いですね。今年の初夏は、販売・遺棄個体と考えるには無理のある各世代をまとめて発見しましたし、彼の地で越冬していることは間違いないと思っていますが、2010年組から以降、越冬個体じゃない上陸したてのものも含めて見つかったのは全てムラサキオカヤドカリです。

南の島での分布状況も、私の知っている限りでは西表島と小笠原を別にすると、与那国から沖縄本島、奄美、喜界島までゴロゴロしているのはナキオカヤドカリの方が圧倒的に多いです(サイパン、グアムもそうでした)。
通りすがりの旅行者の乏しい観察事例なので、偶然ということはあろうかと思いますが、少なくとも2010年以降に訪れた島々では、それなりにじっくり見ているつもりなので、数の多少というレベルでの概況は大きく間違っていないと思います。
図鑑などではムラサキが圧倒的多数派のように書かれていることが多いんですが、実際に奄美や沖縄へ行くとその記述に???と首をかしげるくらいナキが多数派のように感じます(南の島では昆虫から淡水魚まで幅広く観察しているので、ビーチサイドの一隅だけを見た印象ではないつもりです)。

もし、ムラサキの方が耐寒性能が高いというのではなく、例え微妙な差異でもナキより高温に弱いという傾向なんだとしたら、温暖化などの影響で図鑑の書かれた古い研究記録の時代とは密かに種類の置換が進みつつあったりするのではないか?なーんて想像してしまいます。
ムラサキの北へ北へと進む分布拡大が、実はナキから逃げる形で進んでいる事象だとしたら、種の存続を賭けた大冒険の最前線を目撃していることになりますよね。

外来種問題ですぐに捕食者の立場の生き物が槍玉にあげられますが、分布の置換、片方からの駆逐ってもっと複雑ですよね。食う食われるの関係でなく、成体同士が平和に共存できる種であっても、若干の繁殖期間の長さ=遺す子孫の多さが長年月を掛ければ片方を駆逐していく結果にもつながりますから。

例えばムラサキの方が、ナキよりも放幼後の幼生たちの適水温が低めであったりとか、より微妙にでも気温の低い時期に繁殖活動を開始・終了するとかであったりすると、温暖化の影響で優位に立つのはナキの方…というようなこともあり得るのではないかと。

淡水魚でヒナモロコとカワバタモロコ、モツゴとシナイモツゴなどの関係がこんな感じなんですね。前者の組み合わせは、両種とも仲良く絶滅危惧の減少っぷりで、今となっては気象の影響以前に種の存続が危ぶまれる状態なので例えようもありませんが、後者の方は1ヶ月程度産卵期の長いモツゴが侵入することで、わずか3年でシナイモツゴが姿を消すんです。実際には交雑というファクターが拍車を掛けていますが、モツゴが優位に立っている最大理由は繁殖期の長さなのは間違いありません。

南西諸島の島々で長年平和に共存してきたムラサキとナキが、温暖化の影響で片方の圧倒的優勢に傾いていたりするんだとしたら、とても残念なことですね。
仮説の上の仮説に立った繰り言ではありますが、願わくば私の事実誤認で実際には平和な共存が続いていることを祈るばかりです。

天候の異常が温暖化のせいか否かは分かりませんが、またまた台風が接近中。皆様のご無事をお祈りしつつ、自分でできることからもっと温暖化防止に努力しなくちゃいかんなぁーと再認識する今日この頃でした。

波風 / 2013-10-04 21:45:00 No.2545
Shoreさん、こんにちは。

順調なご様子で何よりです。
グラウコトエからひと皮剥ければ、成体同様手が掛からなくなりますから、あとは餌付けに専念してくださいませ。
私はアナハゼの餌付けくらいしか経験がありませんが、 昔、ヤド研の掲示板で盛り上がっていたことを思い出します。
とろみをつける介護用食品とか・・・、皆さん、色々知恵をしぼってご苦労されていました(笑)

アリの巣状の穴居生活という表現は、よく分かります。確かに、このサイズだとヤドカリというより、アリ飼ってる感じですね。
いっそ、アリ飼育セットみたいに薄い容器に砂を入れて観察可能な脱皮槽にしたりして・・って、こういうことを書くと、本当に商品化してしまうアホ業者が今でも居るかもしれませんので要注意ですが(笑)
オカヤドカリ専用ポップコーンとかオカヤドカリ用石鹸とか珊瑚礁とか・・プチブームの頃はユニークな感性をお持ちの業者さんが活躍されてました。珊瑚礁をどうやって売るんだか(爆)

それはそうとして、ナキとムラサキの比率については、私も同感ですね。
特に八重山まで下ると、圧倒的にナキが多い印象があります。
私の見たところでは(主に慶良間諸島ですが)、ムラサキが集落深くまで入り込むのに対して、ナキは海岸近くにとどまることが多いようですし、昼間の隠れ場所も、かなりじめじめした感じですから、海水、あるいは湿度に対する要求がムラサキより高いのかもしれません。
体が小さい分、蓄水量が少なくて乾燥しやすいと考えれば、理にかなっているのではないかと思います。
この湿度と言う点も、本州における分布に影響しているのではないでしょうか?
私など、那覇空港のエアコンの効いたロビーから出た瞬間、温度より湿度に圧倒されますから(笑)
まあ、実証する術のない仮説を増やしても仕方がありませんが(^^;

>図鑑などではムラサキが圧倒的多数派のように書かれていることが多いんですが
明らかに誤同定の写真を掲載している図鑑がいくつもありますし、たしかにあまり参考にはなりませんね。
図鑑で云う所のムラサキオカヤドカリは、種名(標準和名)というより、「紫色のオカヤドカリ」と考えたほうがいいかもしれません。
もっとも、サキシマオカヤドカリのシノニム扱いだったムラサキオカヤドカリが正式に別種とされたのが1982年、オカヤドカリとコムラサキオカヤドカリが区別されたのが1985年から1986年に掛けて行われた生息調査以降のことですから、古い図鑑が適当なのは仕方がない部分もありますが、特例捕獲許可といい、国定天然記念物のわりには扱いが雑な生き物です。

>温暖化の影響で
温暖化による生態系の変化は憂うべき問題ですが、通常なら数千数万年単位で起こる変化を、数十年で目撃できる時代に生きているのですから、それはそれで幸運なことだと思うようにしています。
私は、子供の頃一番の友達だった琵琶湖のボテ(タナゴ類)やドリンコ(ヨシノボリ系)たちが、外来魚に「瞬殺」される状況を目の当たりにしてきましたから、免疫がついたというか、感情の中枢が麻痺している感覚があります。
幸い、古生物などにも興味があって、その手の本を結構読んだりしていますから、何千万、何億年という時間軸での考え方に救われている部分も大きいですが。
まずは、「今」をしっかりと「見る」ことが大切だと信じて、裏庭から日本海まで日々楽しんでいます。

最後になりますが、10月に入って、そろそろ水温も下がってくると思いますので、御身御自愛ください。
水が冷たくなると、脚がつって溺れかけたり怪我しても気付かず血ィダラダラ流したり・・、
ま、それは私だけかもしれませんが(^^;、お互い気をつけて遊びましょう!

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