今年も房総に上陸!
Shore / 2012-08-15 22:14:00 No.2481
大変ご無沙汰いたしております。季節労働者のShoreです。
久方ぶりに拝見しましたら、なんと海水魚飼育では密かに敬服している放蕩息子さんまでこちらにお見えと分かって感激しました。私も海水魚では白点バージンなんですが、我が家に白点病が出現していないのは放蕩息子さんのサイトで勉強させていただいたところが非常に大きいのでした。

ところで、目撃談の詳細は拙サイトの日記の方に譲りますが、昨年一昨年と違い、今年は上陸真っ最中には遭遇できませんでした。
どうも数日〜1週間くらい前に上陸が終わっていたようで、すでにグラウコトエから稚ヤドカリ(…と呼ぶんで良いですよね?)に変身済みの個体ばかりでした。
ただ今年の驚きは、どう見ても3年以上経っているように思われる大きな個体も発見できたことです。殻長で4cm近いイボニシの殻に入った大きな個体で、我が家で2度の冬を過ごした2010年個体(まだ30匹育ってます)よりも遥かに大きな個体でした。

※ちなみに只今爆竹の鳴り響く長崎に出張中で、これを書きながら拙サイトの日記を何気なく見てみたところ、肝心の越冬個体の写真が上手くアップできていませんでした…。帰京出来次第貼り直します…。

しかし、あのサイズの個体が海岸をウロウロしているということですと、房総ではかなり安定して越冬している個体群が居ると考えても良いのかも知れません。上陸地の背後にそびえる崖とその上に広がる森は、人が立ち入ることが難しいため、今回の発見で実はかなりの数が暮らしているのではないかと思い至りました。
今回は捜索の手(足)を広げ、2010年上陸遭遇地の海岸線をかなりの歩き回ってきましたが、まだまだ続く素潜りシーズンの間、他の海岸も含めてリサーチを続け、新たな発見がありましたら、改めてご報告させていただきたいと思います。

長々と失礼いたしました。

波風 / 2012-08-16 21:26:00 No.2483
Shoreさん、ごぶさたです。

今年も上陸していましたか!
3年連続となると、恒常的に上陸していると考えた方がよさそうですね。
貴重な情報をありがとうございました。
それにしても成体までいるとは、驚きました。
情況から越冬個体の可能性が高いようですが、オカヤドカリの場合、どうしても遺棄個体の可能性が残るのが、なんとも歯痒い限りです。
とはいっても、オカヤドカリ類が思った以上に広く生息しているのは確かなようですから、近い将来何らかの形で分布図が書き換えられることになるでしょうね。
しかし、これほどオカヤドカリ類の本土定着がはっきりしてくると、先住の赤手さんや弁慶さんの去就が気になるところですV(^^)V

放蕩息子さんはヤド研時代から存じ上げておりますが、ぶれのない主張や丁寧なレスには、私も常々敬服しています。
めったに顔を出しませんので、あちらでは日暮熟睡男とか呼ばれておりますが(爆)

Shore / 2012-08-22 23:23:00 No.2486
上陸個体発見の翌週に、再び同じ場所を訪ねてみました。
やはり数匹のちび達を見つけることができましたが、今回は全て観察のみです。このまま越冬してくれるかも知れませんもんね。
ちなみに、上陸地点ドンピシャの場所ではあまり見かけませんが、少し離れた湧水の落ち口にはアカテガニもたくさん棲んでいます。河口ではなく、山と言えるくらいの崖から滴る湧水なので、アシハラガニやベンケイガニは見かけません。昨年の上陸地点は小さな、けれど周年一定水量の流れの途絶えない川が流れ込んでいる近くなので、夜懐中電灯を持って近づくと、地面を埋め尽くすほど各種カニさん達が出迎えてくれます(アシハラガニは少数派です)。川の中から流れ込んだ先の海の中にはモクズガニもたくさん居ます。

オカヤド達が今より越冬数を増やしたとしても、越冬できる場所の地形をした海岸は非常に限られているので、生息数が注ぐ淡水の質と量に左右されているように見受けられる在来カニ達には、あまり脅威にならないんじゃないかという気がします。

実は、今回潜っていてふと気づいたことがあるんですが、そちらは改めてご報告させていただきます(ちょっと既存スレに書き込むには重たいものですから…)。
一度、件のポイントに波風さんをお連れして仮説を検討してみたい気がするくらいです。う〜む…。

波風 / 2012-08-23 20:36:00 No.2487
こんにちは。
さすがに周辺の環境もよく観察しておられますね。
陸生甲殻類には、パラダイスのような環境が目に浮かびますが、人間が分け入るには苦労しそうな気が(笑)
確かに南洋ではオカヤドカリ類とオカガニ類はきっちり棲み分けていますから、本土への上陸個体が増えても、直接カニさんのニッチを侵害することはなさそうで・・、というより元々オカヤドカリの為のニッチが用意されていたようにも思えます。
海岸近くなら海水温の影響で地温が極端に下がることはないでしょうし、腐食が厚く積もった土壌があれば発酵熱で何とか一冬持ちこたえる個体もいそうです。
実際、越年個体が存在するわけですから、そういった越冬環境の整ったポイントがあるは確かですね。

そうなると上陸した稚ヤドの素性も気になります。
多くの個体が、毎年同じ場所に上陸しているということは、南西諸島辺りから黒潮に乗って偶発的に流れ着いたと考えるより、もっと近くに繁殖ポイントがあるのではないかと考える方が自然です。
昨年、ようやく南紀での放幼が研究者によって確認されましたが、本土の夏の気温と海水温は繁殖行動を起こすのには充分ですから、伊豆や三浦半島、そして房総半島でも放幼している可能性は決して低くないと思います。

オカヤドカリの幼生は、大潮の引き潮で一気に沖まで運ばれて広く分散する・・、というイメージで語られることが多いですが、すべてが外洋に出るのはなくて、多くの個体は放幼ポイントの近くで、群れて暮らしているのではないかと思っています。(磯の岩陰などで群れているアミのようなイメージですね)
そうすると、shoreさんが3年連続で観察されている状況も、すっきり腑に落ちる気がします。

変な話になりますが、オカヤドカリ類が認識されていなかっただけで、実は房総半島以南の太平洋岸に細々と「自然分布」している生き物だとすると、愛好家の間で苦笑混じりに語られる例の「国定天然記念物」の指定がぐっと重みを増してきますね(笑)

最大1000文字まで(残り1000文字)。省略不可。日本語必須。HTMLタグ不可。誹謗中傷や個人情報、宣伝URLは即削除されます。
最大10文字まで。省略可能。
半角英数字(8文字まで)を入れることで、書き込みの削除ができるほか、名前の後ろに任意のコードが付きなりすましを防止できます。省略可能。