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サバイヴ・アワー・ブラッド第1部第1章第4節
エマ
/
2019-07-13 20:43:00
No.2433
一方のカムドたちは、フレスヴェルグから飛び降り、HALO降下の真っ最中だった。
かなりの圧力を全身に感じるが、防護服とヘルメットがそれらを防いでくれている。
地表まで残り数百メートルの低高度になるまで、しばらくは自由落下だ。
封冠通話のマルチキャスト通信で、アヴァロンが仲間に話しかけた。
「それにしてもさ、その暗号の中身ってなんだと思う?」
「知らん。任務に集中しろ」
「ああ、下手に知ってもろくなことにならんぞ。ウチの機密について知ることはとくにな」
カムドたちから少し離れたエリアで降下しているチームSILENのレオンからも注意が飛ぶ。
アヴァロンは不満そうだった。
「まー、レオンが言うと説得力あるよな」
「うるさい」
言葉をかわしているうちに地表が近づいてきた、地表の所々の森の隙間から爆発が見えるのは、カラミティとスフォールの交戦エリアだろう。
低高度をシステムが検知した。
『低高度に到達。パラシュートを展開します』
アヴァロンの防護服から一気にパラシュートが展開し、急速に減速しはじめた。カムドの視界から上方へ消え……残されたカムドは……。
「おい、開かねぇぞ。パラシュート。おい、システム」
システムが応答する。
『メインパラシュート、展開しています』
「してねぇよ!何開いたつもりになってんだオイ」
封冠通話でバカ笑いが聞こえる。
「え、なにお前パラシュート開かねぇの? ギャハハ!日頃の行いだよ死ね死ねwww」
「うっせ! こういうときのためにサブがあんだよ」
マニュアル操作でサブパラシュートを展開しようとするが、あろうことに、そちらもうまく動作しない。
「詰んだわ」
「まじかー」
わずかに流れた沈黙……を、外部からの攻撃が破った。シュン!という弾頭が自身の至近距離をかすめた音を、アヴァロンは聞いた。
「え、なに……もしかして」
スナイパーの狙撃だった。1発、2発と、ヒットこそしないもののかなりの精度で狙ってきていた。
「うわっ! 撃ってくるよ……狙ってやがる!」
「日頃の行いってヤツじゃね? 死ね死ねwww」
「うっせカムド! なんで俺なんだよ! やめてー!死ぬッ!死ぬッ!」
次の瞬間、地表から轟音が聞こえた。おそらくカムドが地表に激突したのだろう。気の毒な結果だが、それを気にしている余裕はアヴァロンにはなかった。
「くっそ、早く地表来い! 地表!」
地表まで残り2、30メートルになったところで、狙撃手から放たれた弾頭が次々とアヴァロンのパラシュートを貫いた。その影響で落下速度が再び上昇し、姿勢も不安定になる。
「うおおおお! アズマちゃーん!!」
愛する人(?) の名を叫びながら、アヴァロンは胴体から地面に激突した。
数分間の意識喪失。朦朧としていたアヴァロンの意識を現実に引き戻したのは、カムドだった。
「起きろや」
首根っこをひっつかまれ、そのまま持ち上げられる。
「なんで生きてんのお前……」
「俺が地表激突くらいで死ぬと思うか」
「アズマちゃんゲットが遠のいた気がする……」
カムドはあたりを見渡した。ジャングルから少し外れた草原だった。付近に敵はいない。カラミティ勢力内のようだが、すでに戦闘が終わったエリアのようだ。
「お前を撃ってきたの狙撃手はあっちの方角だな。……スフォールのやつらだろう」
「いいねぇ。やりかえしてやる。」
「忘れるな。奪還目標物を持っているのはカラミティ側だ。後方の狙撃に注意しながら、カラミティを追うぞ。アズマとも合流せねばならん」
戦闘は見晴らしの悪い密林地帯中心で、ゲリラ戦になっているようだ。二人は密林の生い茂る方向へと歩き出した。
「カラミティのアルファ個体を避けていくぞ。お前まで守れる気はないからな」
「どうでもいいけど。ここ数年でこんな無様な降下したの……天界じゃ俺たちが初めてだろうな……」
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かなりの圧力を全身に感じるが、防護服とヘルメットがそれらを防いでくれている。
地表まで残り数百メートルの低高度になるまで、しばらくは自由落下だ。
封冠通話のマルチキャスト通信で、アヴァロンが仲間に話しかけた。
「それにしてもさ、その暗号の中身ってなんだと思う?」
「知らん。任務に集中しろ」
「ああ、下手に知ってもろくなことにならんぞ。ウチの機密について知ることはとくにな」
カムドたちから少し離れたエリアで降下しているチームSILENのレオンからも注意が飛ぶ。
アヴァロンは不満そうだった。
「まー、レオンが言うと説得力あるよな」
「うるさい」
言葉をかわしているうちに地表が近づいてきた、地表の所々の森の隙間から爆発が見えるのは、カラミティとスフォールの交戦エリアだろう。
低高度をシステムが検知した。
『低高度に到達。パラシュートを展開します』
アヴァロンの防護服から一気にパラシュートが展開し、急速に減速しはじめた。カムドの視界から上方へ消え……残されたカムドは……。
「おい、開かねぇぞ。パラシュート。おい、システム」
システムが応答する。
『メインパラシュート、展開しています』
「してねぇよ!何開いたつもりになってんだオイ」
封冠通話でバカ笑いが聞こえる。
「え、なにお前パラシュート開かねぇの? ギャハハ!日頃の行いだよ死ね死ねwww」
「うっせ! こういうときのためにサブがあんだよ」
マニュアル操作でサブパラシュートを展開しようとするが、あろうことに、そちらもうまく動作しない。
「詰んだわ」
「まじかー」
わずかに流れた沈黙……を、外部からの攻撃が破った。シュン!という弾頭が自身の至近距離をかすめた音を、アヴァロンは聞いた。
「え、なに……もしかして」
スナイパーの狙撃だった。1発、2発と、ヒットこそしないもののかなりの精度で狙ってきていた。
「うわっ! 撃ってくるよ……狙ってやがる!」
「日頃の行いってヤツじゃね? 死ね死ねwww」
「うっせカムド! なんで俺なんだよ! やめてー!死ぬッ!死ぬッ!」
次の瞬間、地表から轟音が聞こえた。おそらくカムドが地表に激突したのだろう。気の毒な結果だが、それを気にしている余裕はアヴァロンにはなかった。
「くっそ、早く地表来い! 地表!」
地表まで残り2、30メートルになったところで、狙撃手から放たれた弾頭が次々とアヴァロンのパラシュートを貫いた。その影響で落下速度が再び上昇し、姿勢も不安定になる。
「うおおおお! アズマちゃーん!!」
愛する人(?) の名を叫びながら、アヴァロンは胴体から地面に激突した。
数分間の意識喪失。朦朧としていたアヴァロンの意識を現実に引き戻したのは、カムドだった。
「起きろや」
首根っこをひっつかまれ、そのまま持ち上げられる。
「なんで生きてんのお前……」
「俺が地表激突くらいで死ぬと思うか」
「アズマちゃんゲットが遠のいた気がする……」
カムドはあたりを見渡した。ジャングルから少し外れた草原だった。付近に敵はいない。カラミティ勢力内のようだが、すでに戦闘が終わったエリアのようだ。
「お前を撃ってきたの狙撃手はあっちの方角だな。……スフォールのやつらだろう」
「いいねぇ。やりかえしてやる。」
「忘れるな。奪還目標物を持っているのはカラミティ側だ。後方の狙撃に注意しながら、カラミティを追うぞ。アズマとも合流せねばならん」
戦闘は見晴らしの悪い密林地帯中心で、ゲリラ戦になっているようだ。二人は密林の生い茂る方向へと歩き出した。
「カラミティのアルファ個体を避けていくぞ。お前まで守れる気はないからな」
「どうでもいいけど。ここ数年でこんな無様な降下したの……天界じゃ俺たちが初めてだろうな……」