『理不尽』シリーズ集大成
仮面ライダーG5‐R / 2013-02-16 15:49:00 No.2232
さて、ノベルツールの話も完成したし、いよいよ『理不尽』シリーズも佳境に入ってまいりました。
シリーズ最強最後のエピソードにして、我が陣営の誇る呪詛小悪党「イモリのネオト」の華々しい(?)デビュー作になりまする。
まあデビュー後の予定は何も考えてないがなwww


『理不尽』シリーズ エピソードファイナル
<やいこら待て ケース3:イモリのネオト>

彼は今、街を散策していた。否、しようとしていた。

だがその日、街は燃えていた。

街中に異形の影たちが群れをなし、人類が築き上げてきた文明の象徴を次々と破壊していった。
街中で火が燃え、建物が姿を消し、その跡に瓦礫の山が築かれ、周囲を廃墟に変えていった。

???「Σ( ̄□ ̄il| うっげげげ〜〜〜〜ッ!!!!!何んんんんじゃこりゃあああああああああ!!!!!!!」

彼、臆病者の呪詛小悪党「イモリのネオト」は、たまたま遊びに来た街の惨状に愕然としていた。
ただ、奇妙な事に人の気配がほとんどない。
運悪く襲われた人がいたら死んだり気絶したりしている人がいてもいいはずなのだが、
それすらもなく、とにかく街は無人であった。
否、正確には2人だけいた。不幸にも逃げ遅れたのか怪人達の群れに囲まれている。

「お姉ちゃん!お姉ちゃんッ!!!返事してええええッ!!!!!」

お姉ちゃんと呼ばれた若い女性が倒れ伏し、傍に幼い少女がすがりつく。
気を失っているだけなので息はあるが、このままでは姉妹共々すぐに息の根を止められてしまうだろう。
怪人「ちっ、今日の獲物はたった2人か。素早く急襲をかけたはずなのに何で街の住人がほとんどいねえんだ、クソッ!!!」
手下「おかしいですよね。でもまあ、せっかくだからこの美少女2人をじっくりたっぷり味わいましょうぜウケケケケ(゚∀゚)」
怪人「それもそうだなウケケケケ(゚∀゚)」
下卑た笑いと共に哀れな獲物を見つめる怪人達。
少女「あ……あ……あっ…………」
泣きながら怯える少女の命はまさに風前の灯である。周囲を取り囲んだ怪人達が徐々に迫ってきていた。


ネオト「( ̄□ ̄; うわ……何か襲われてるし!」
それを物陰から覗いていたヘタレな小物は完全に逃げ腰である。
ネオト「はっきしいって敵多すぎだし、俺ってアクシオンでも何でもないし、何の力もないし、
俺が行ったところで瞬殺されるのがオチだし、状況が変わるとも思えないし、つーかぶっちゃけ怖いし……」
自分に言い訳しながら周囲を見渡し、逃げ道を探すネオト。
ネオト「(-Д-;) 悪いけど、見捨てて逃げるぜ。」
抜き足差し足忍び足でその場から離れようと試みた。



目の前のおいしい獲物にありつこうとしていた怪人の群れ。
それを束ねるリーダーの怪人はふと周囲を見渡してみた。
特に邪魔者が来る様子はない。いたのはせいぜい、物陰でこそこそしてその場から逃げ出そうとしている臆病者ぐらいである。
そいつは冴えない感じの男であり、ターゲットとしている萌え系美少女では全くないので
そんな奴は放っておいてさっさと哀れな姉妹を嬲り殺しにすればいい。普段の彼なら迷わずそうしていただろう。

しかし…しかしである。その臆病者の姿を見た瞬間、なぜだかわからないが獲物に対するワクワク感はなりを潜め、
胸の奥底からどす黒い感情が湧き上がってくるのを感じた。
そいつには全く見覚えはなく、特に理由も根拠もないのだが、なぜかそいつから視線を離せない。
彼がその臆病者を見る目つきは、両親を殺し故郷を焼き払った憎き仇敵に対するそれに近くなっていた。

その結果……


怪人「やいこら待てえええええええええエエエエエエエエエエェェェェェェェェッ!!!!!!!!!!!!!!!!!」

ビックウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウッ!!!!!!!!!!!!!!!!

突然の大声に驚くネオト。カートゥーンアニメの如くつま先から頭のてっぺんにかけてギザギザのような震えが走る。
ネオトは、怯えながら声のした方を振り向いた。
油の切れたからくりのように、ギギギギ…という擬音でもつきそうなぐらい恐怖でガッチガチに震え固まりながら。
見ると、とても凄味のある目つきと筋骨隆々とした強靭そうな体つきの異形の怪人が
目を釣り上げ苦虫を噛み潰したように歯を食い縛りながらこちらを鋭く睨みつけていた。
ネオト「((((;゚Д゚)))) な…な…なななな何でございませう………???????」
怪人「貴っ様ああぁぁぁ〜〜〜、ここで何をしてやがる!!!!!」
ネオト「((((;゚Д゚)))) い、いえ、わたくしめはただの通りすがりのヘタレな小物にございます……」
怪人「んな事言って、本当はまさか俺たちの邪魔をしようってえんじゃあねえだろうなアアアアアアッ!!!???」
ネオト「((((;゚Д゚)))) いいえ、めめめ滅相もございませぬ!そんなアクシオンじゃあるまいし…」
怪人「ああぁぁ〜、アクシオンだあぁ〜〜!!!???」
ネオト「((((;>Д<)))) だ、だ、だから違いますってばあああぁぁぁ〜〜〜!!!」
怪人「見て見ぬ振りってか。だがな、てめえのそのすましたようなツラがどうにも気に食わねえなあ。」
ネオト「((((;゚Д゚)))) そ…そのヨウな事をモウされマシテも………」
怪人「おう、お前ら。こいつってどーよ?」
怪人は、手下に向かって聞く。泣きじゃくる少女の襟首を掴み上げていた手下が振り向いた。
手下「(^Д^) どうしました、頭?」
幼い獲物を目の前にしてすっかりにやけ顔の手下だったが、ネオトの姿を見た途端に顔のにやけが消え失せた。
手下「( ゚Д゚) ……………」
少女を掴んでいた手を思わず放してしまったため、少女が尻もちをつく。
手下「なぜだか知らんが、こいつの顔を見てると妙にイラッと来ますねえ……」
目を細め眉を釣り上げながら答える。また、別の手下は、
「いかにも『人生楽しんでます』っていう雰囲気が鼻につくというか何というか…」
「まるで今までにあった悪い事が、全部こいつのせいのような気がしてくるぜ。昨日財布を落としたのも、
3日前にド○クエのセーブデータが消えたのも、先月隣のじいさんが死んだのも、部屋の椅子がギーギーうるさいのも、もしかしてこいつの仕業なんじゃねえのか?」
ネオト「((((;゚Д゚)))) え、えーと皆さん……?イッタイ何を………?????」
手下「頭!こいつ殺しましょう!士気高揚と開運のために!!!」
手下「殺りましょう!今こそ決断を!!!」
「かっしらッ!!!かっしらッ!!!かっしらッ!!!」
ネオト「Σ( ̄□ ̄ え…ちょ…な、な、何を……???」
頭コールとともに手下達が怪人にネオト殺害を提案、怪人はしばらく考え込んだ末に…
怪人「よし!殺そう!!!」
ネオト「Σ( ̄□ ̄; な、な、なななな何ですとおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉッ???????!!!!!!!」
怪人の決断に手下達は大喜びで歓声を上げる。
手下「よくぞ決断してくださいました!」
手下「2年前以来の大英断だ!」
手下「俺、もう一生頭についていきます!」
頭の英断にやんややんやと沸き立つ手下達。なぜかはわからないが、とにかく生命の危機を感じたネオトは、

ネオト「(;゚Д゚) はっきり言って、俺は逃げます。」

怪人「殺せええええええええええええええエエエエエエエエエエエエエエエエェェェェェェェッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
手下「おおおおおおおおおおおおおおおおオオオオオオオオオオオオオッ!!!!!!!!!!!!!!!!」
ドドドドドドドドドドドドドドドド……………
手下達全員が群れをなしてネオトに向かって殺到する。鋭い目に憎悪と殺意を漲らせながら…

ネオト「┗(>Д<;)┓三三3 ひえええええっ!!!お助けええええええっ!!!!!!!」

逃げるネオト。それを怪人の手下達が追っていく。頭である怪人をドカドカと踏みつけながら。



ネオトと手下達が走り去った後、踏まれてボロボロになった怪人の頭がよろよろと立ちあがる。
その脇のすぐ目の前で、先程まで襲われていた少女が見ていた。
が、この時既に怪人の頭の中から少女に関する情報は綺麗さっぱり忘れ去られ、
踏ん付けられた事に至ってはそもそも記憶すらされていない。

怪人「捕まえろおおおッ!!!殺せええええええッ!!!!!八つ裂きにしろおおおおおおおおおおおッ!!!!!!!!!!!」

と叫びながら手下達の後を追う。

通りすがりのヘタレな小物に対する、理由も根拠もない憎悪と殺意。
今の彼にとっては、それが全てであった……


END

仮面ライダーG5‐R / 2013-02-16 16:21:00 No.2233
『理不尽』シリーズはひとまずこれで終了。いかがでしたでせうかw
ノベルツールの方にも話を上げておいたのでそちらも合わせてどうぞ。
但し閲覧は、守護天使に対する罵詈雑言の嵐に耐えられる方に限らせていただきます。

(=^ω^)ノシ でわわん

エマ / 2013-02-26 02:50:00 No.2236
何の説明も無く、町が破戒されている……。
もう、のっけから理不尽展開ですね(笑)

唯一残された少女二人、それを取り囲む怪人たち。

この時点で、G5ファミリー出動の気配がするんですが、今回は理不尽のターゲットは怪人たちでなく、この記念すべき初登場のネオトくんですか。
いやなんか……弱そうですねw
度胸もなさそうだし……^^; 饗介とかに比べてもまだずっと善良そうな気もするw
呪詛小悪党ということですが、普段一体どんな悪さをしているのでしょう?

しかし、顔がむかつくとか、ホントどうでもいい理由でインネンつけられましたねw しかも「アクシオン」とかよけいなこといって一層怒らせてるしww
怪人たちよ。ドラ○エやってるなら、人を愛そうぜ……ww

さんざんおいかけられたネオト、果たして生還できるんでしょうか。逃げ足は速そうですが……w

さてさて、理不尽シリーズ、お疲れさまでした。
次なるシリーズもあるとしたら、楽しみにしております^^

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