「白白白」選評用スレッド
峯岸@管理者 / 2021-02-08 20:40:34 No.4
選評はページ下部にあるコメント用フォームから「返信」する形でご投稿ください。
https://churabbs.com/500letras2/39154...

空虹桜◆b9f21c / 2021-02-08 20:46:15 No.5
選評ですね。
今年もよろしくお願いします。
ご多分に洩れず、このタイトルで最初に思いついたのは
麻雀ネタだったのですけど、被るな。思って自重し、
次に思いついたのは最近流行りのVIO脱毛だったんですが、
これは受けてくれる人が
今の客層ではいないってことで自重したのでした。
しかし、書くならやっぱりVIO脱毛だなぁ。
真面目に客層なんぞ考えちゃいかんよ。反省。

おっ?httpsなったのに
投稿ボタン押したらセキュリティ警告出てきたよ。
さすがにこれはFC2の問題かな?
あと、編集画面はhttpのママですね。

○<白白白5>
> 二人のオヤジが居
「99年」を「永遠」と読み替えるテイで読み替えず香港を返却したように、
「白白白」と書いて「しろだくさん」と読むようで読みません(悪い人)
百とか臼とか入れなかったのを誠実と解するかどうかですね。
もろもろの消去法により正選。

○<白白白12>
> 積もりましたよとヘ
お馬鹿なので、百日紅が具体的にどの花を指しているのか、
実はちゃんとわかってなかったりするのですけど、
そんなアタシでも、リアリティラインがかなり現実寄りなのに、
仄かな幻想感が漂うあたり、巧いことまとめてるなぁ。
ってのは理解できました。

△<白白白14>
>ヒトの女性の中に一定数、四
この場でこんなこというの間違いなくアタシだけなのですが、
小沢健二が書きそうな文書だなぁと。
どこがどうと細かい説明もできるはできるですが、語弊を含むので省略。
まぁ、小沢健二を感じた時点で正選には推せない(笑)
話変わって、こないだ読んだ「ヒトの目、驚異の進化」によると、
顔色を見分けるために視覚は色を獲得したみたいなロジックだったので、
色数が増えるのは進化のベクトルなのかな?

×<白白白10>
>問 □□□ こ
ずっるっ!
普通にクチロロ読んだ直後に全否定。
後半の失速感は否めないし、それだったらタイトルは□□□だろ!
とも思うところだけど狙い撃ちされた感はあるので、潔く逆選を。

<白白白4>
> あと一歩でパ
あっ、ボーリングか。やっとわかった(何回か読み返した)

<白白白13>
>「ニャオー!ぼ
「おまわりさん」って言ったの、誰?

はやかつ◆b9f21c / 2021-02-08 20:48:28 No.6
タイトルからしてネタ合戦でもいいと思っていて、むしろそういうものに期待してた部分が大きかったのですが、意外とみなさん真面目……。でも、このお題をこなすには不真面目なほうがよかったかもしれないような気もします。まあ、自分が不真面目だったことへの言い訳ですが。
では。

△白白白2
> それは確かに大福なのだった。
最後の三人め(三つめ?)も白なのか、と考えるサスペンスがいいです。三つにつけた名前「ひぃ」「ふぅ」「みぃ」も好み。
あと、つまらないことと言えばそうかもしれないのですが、「日曜の夕暮れ時のことだった。」これが挿し入れられている意味がわからないのです。その前にも、その後にも全く生きていない。超短編というごく短い形式のなかではどうしても浮いて見えてしまいます。もしかしたら、これを足掛かりに飛ばしたい先があったけれど書かれずじまいだったのか……と想像したりもします。

白白白4
> あと一歩でパーフェクトだったのに、
謎解き希望。ボウリングでは、という空虹説もちょっと腑に落ちないところがあり。
百から一本引くと白、みたいには思うんですが…

△白白白5
> 二人のオヤジが居酒屋の暖簾をくぐる。
これだけ「白」という文字が3つ入る科白を集めただけで勲章ものです。

×白白白8
> 白ほど美しい色を私は知りません。
とてもとても高い美しい放物線を描く投擲を試みたのだけれども、原因不明の失速により思ったほど高くまで届かずに落下したような感じです。本当は、もっと毒を盛りたかったのではありませんか? という逆選。

白白白9
> やけに時代がかっていたので、夢であったろうと思う。
今回は逆選候補が多くてメンション過多になりがちです。でもメンションします。
悪夢としては最高です。ただ、タイトル競作としてはどう位置付けましょう、というそれだけなのですが。どれか一つが私、っての最高なのですが。

○白白白12
> 積もりましたよとヘルパーさんはカーテンを開けてくれた。
ああ、この暖かさと美意識に裏打ちされた作品を、今回の競作でどう位置付ければいいのか、めちゃくちゃ悩みます。正直、タイトルからは遠い。でも世界の映り方はパンフォーカスで凛として美しい。どうしようかな。えいっ、正選にしちゃいます。なんか基準がおかしい? そういうこともあります(キリッ)

はやかつ◆b9f21c / 2021-02-08 20:49:00 No.7
○白白白14
> ヒトの女性の中に一定数、四原色を見ている人がいるという。
読みたかったと無意識に思っていたものを読ませていただいて、感覚器が全開するような。これは、神林長平さんの「プリズム」を読んだときの感覚に近いです。人間と、いや自分と感覚器の機構が異なる誰かの感覚器で感知した世界。そういう見え方の世界を書きたい、とつねに思っていて果たせずにいる身としては、これは落ち着いてはいられません。ベルビアというリバーサルフィルムが第4の感光層(これは確かマイナスの感受性を持つという特殊なものだったと記憶してます)の実装で、より人間の感覚に近い鮮やかさを実現したという話も思い出しました。「白くない雲の下、白くない雪原を、白くない息を吐きながら。」……それです。見てみたい景色。

白白白15
> 目隠しされたメジロは木の枝の上でじっと考えている。
つまらぬツッコミで申し訳ないのですが、両隣もそのまた隣も、そもそもメジロではない可能性すごく高くないですか……?

磯村咲◆b9f21c / 2021-02-08 20:50:14 No.8
タイトル案として思いついたのは、対向車線を白い車が3台連なってきたのを見てでしたが、麻雀ネタだったり、漢字を視覚的に捉えたり、案外色々考えられるのではないかと思って上げました。しかし、書けないものですね。皆さんの作品を見て感心するばかりでした。

〇<白白白2>
> それは確かに大福なのだった。仲良く三つ並んでぴょこぴょこ跳ねている。

可愛らしい出だしも振り返ると背筋が寒くなる、絶妙なサイコホラーで、タイトルも生かされています。作品中で直接触れられている、期待を裏切る事態に恐怖を感じるという根源的な体験を、作品そのものから読み手自身も味わう素晴らしい構成に驚きました。しかもモチーフが大福。ふぅを躊躇なく割る場面は最高でした。


〇<白白白14>
>ヒトの女性の中に一定数、四原色を見ている人がいるという。可視帯域が異な

「白くない雲の下、白くない雪原を、白くない息を吐きながら。」
今後白を基調とする情景に出会う度にこの一文を思い出さずにはいられないと思います。


△<白白白5>
> 二人のオヤジが居酒屋の暖簾をくぐる。

白を3つ含んだセリフをこれだけ揃えたこともさながら、ひとつひとつの白のチョイスが味わい深くて素晴らしいです。
「白血病か白髪」の無理っぽさも面白いし、「明白に」とか「白白しい」もいい。さっきセリフを漢字に変換したら台詞が先に上がってきたことで驚きが増したのが締めの「科白」でした。


△<白白白9>
> やけに時代がかっていたので、夢であったろうと思う。

殊更、夢、夢、と言い募らなくても成立した話だと思うのです。「脈絡もない」「面白くもない」もどのような意図で挟まれているのか読み取りようがなく、不思議な白白とした話です。


×<白白白3>
> このファミレスを最後にこの町を出た。小5の時父の浮気相手が男を産んだ

たぶん、散らばった紙ナプキンのみでタイトルと結びついているわけではないと思うのですが、他の白が見えてこなかったです。あと、主人公が弟さんの連絡先を知っていて呼び出すことができた成り行きに納得がいきませんでした。

磯村咲◆b9f21c / 2021-02-08 20:50:45 No.9
<白白白1>
視覚的にもタイトルと合っていて、いいなと思ったのですが、「あくまで陽動的な撹乱であって本当のステートメントではなかったのだ。」「それこそが彼の最後の「言葉」だった。」というのは誰目線なのかが引っ掛かりました。

<白白白7>
「白白白」という表記の擬音がその虫を表現するのに適切であるというのを、虫の描写のみで表現して欲しかったです。というか、そこの説明を省いてもちゃんと成立していたのでは。

<白白白8>
「 世界のすべてが雪原となる終末を空想しながら、漂白されたシャツを畳み、漂白されたシャツを畳み、漂白されたシャツを畳んで、世界のすべてが雪原となる週末の空想を繰り返します。」というところが好きなあまり、その後の展開は失速に感じました。

<白白白11>
出だしに反して、中段から雑多でカラフル過ぎて、少しタイトルから離れた印象です。でも面白かったです。

<白白白15>
取り敢えずシンプルに黒白黒の場合、左隣りの左隣りはいないし右隣りの右隣りはいないので、枝を一周は杞憂ですね。

以上です。

つとむュー◆b9f21c / 2021-02-08 20:52:00 No.10
〇<白白白4>
> あと一歩でパーフェクトだったのに、
「白」がボーリングのピンなのですね。
実は自分も、カーリングネタで書こうと思っていたのですが、
ストーリーが思いつかなかったので断念しました(泣)

〇<白白白8>
> 白ほど美しい色を私は知りません。
これでもかと白推しが連続する作品。
他にも白を描写した作品はありましたが、突出していた印象です。
ここまで推されると、白白白という感じがしました。

△<白白白12 >
> 積もりましたよとヘルパーさんはカーテンを開けてくれた。
カーテンを開けた時の風景と心情が素晴らしい作品でした。
自分は雪のない地域に住んでいるので、雪のまぶしさを思い出しました。

△<白白白13 >
> 「ニャオー!ぼくではありません」
白が三つ並ぶことを、ごく自然に表現された作品と感じました。
黒猫が可愛かったです。

×<白白白10 >
> 問 □□□ これに振りがなを振りなさい。
「□」で白を表現するなんて、アイディアが素晴らしかったです。
とても印象に残った作品なのですが、個人的には白という感じがあまりしなかったので逆選でお願いします。

脳内亭◆97ae83 / 2021-02-08 21:36:05 No.11
 コンバンハ、脳内亭です。

 通常の掲示板がエラー出て投稿できなかったところ、管理人が応急的に対処してくれましたので、ようやく選評です。対応、ありがとうございました。今年最初の競作ですね。よろしくお願いします。


◎白白白12
> 積もりましたよとヘルパーさんはカーテンを開けてくれた。

 もっと相応しいタイトルが他にあるだろうなとおもいつつ、作品の良さには抗えないかなと。 


×白白白5
> 二人のオヤジが居酒屋の暖簾をくぐる。

 これだけ徹底して白を集めているだけに、顔面蒼白の“蒼”が惜しいなというところで逆選です。




 以上でっす。
 では、脳内亭でした。

たなか◆535f38 / 2021-02-08 21:36:31 No.12
たなかです。
選評掲示板が新しくなりましたね。
管理人の峯岸さんには、ご対応いただき、ありがとうございました。
〆切も延長されているようなので、ゆっくりと賑々しくまいりたいと思います。
よろしくお願いいたします。


○白白白2
>  それは確かに大福なのだった。仲良く三つ並んでぴょこぴょこ跳ねている。白い皮

ほのぼのとした可愛い雰囲気から始まって、あっという間に残酷さを醸し出すのがすごい。
大福を割って食べるだけなのだから、そのこと自体は残酷ではなく自然なことなのに。
名づけがそれだけで大福を命のある生き物にさせる。苺大福からのラストもよい。正選で。


×白白白4
>  あと一歩でパーフェクトだったのに、三本のこっちゃったか、あーあ。

ごめんなさい、いったい何のことを語られているのか、自分にはつかめなかった。
短い作品は、わかる人にわかればいい、という作風になりがちかなと思うけれども、
1 行作品だと、とっかかりすらなくなってしまうということなのかな。逆選で。


△白白白5
>  二人のオヤジが居酒屋の暖簾をくぐる。

台詞の 3 つめと 4 つめとで感嘆し、その後も自然な台詞がつなげられていくのが見事。
最後の 3 つめの台詞あたりから無理が見えて、ラストの失速の仕方が残念。
失速自体が故意なのだろうと思うけど、このネタでこのラストは肩すかしかなと。次点で。


○白白白8
>  白ほど美しい色を私は知りません。もっとも無垢で、清く、尊い。

こちらも白づくしですが、白の縛り自体は緩め。そして、語り手が白への愛を語るつど、
不穏さが隠しようもなく滲み出てくる感じがよい。白いバッグの中にいる「白色」が
何ものなのかの説明はないのだけど、語り手の依存性を描くには充分不穏。正選で。


△白白白14
> ヒトの女性の中に一定数、四原色を見ている人がいるという。可視帯域が異なってい

四原色のエピソードから始めて、鳥の視覚世界へと進む流れは、興味を惹かれて、
面白く読んだのだけど、最後の段落の 1 文目が、タイトルに引きずられすぎて、
読んでいて躓いてしまった。なぜ女性だけという設定にされたのかも知りたい。次点で。

胡乱舎猫支店◆4926c5 / 2021-02-11 12:59:13 No.13

◎白白白2
> それは確かに大福なのだった。
薄暗がりに浮かび上がる白(ここまでは墨絵)とそして唯一の色である赤で描かれた絵の様です。さらりとでは無くどこかねっとりとした日曜日の夕暮れから始まる物語のこの味わいが堪りません。みぃの眼は一体どんななのでしょうか?

△白白白12
> 積もりましたよとヘルパーさんは
窓の外の風景も語り手の心象風景も白白白。百日紅の花は赤系だと思っていましたが白もあったのですね。

△白白白13
> 「ニャオー!ぼくではありません」
カワイイのとテンポがいいのと「黒黒黒」だけどちゃんと「シロシロシロ」になっているのが良いです。

×白白白
> 手渡されたのは上等な絹
最後の最後で「黒」に塗り替えられる気がして一番お題から遠いかな?と思いました。

以上よろしくお願いします。

海音寺ジョー◆2819bb / 2021-02-14 22:18:11 No.14
○<白白白1>
>パイク、祖国ではペクと言ったかもしれないが

パイク、ペクは白の音読みなのか。境界をずらすことで、言葉が生まれるのかと、とゾクッとしました。

○白白白2
> それは確かに大福なのだった。

まんじゅう怖い!!白、白と圧力をかけられつつの、三つ目のラストの不穏な感じがとても良かったです。

△白白白5
>  二人のオヤジが居酒屋の暖簾をくぐる。

白白白づくしで、圧倒されました!!とても面白かったです。

△白白白12
> 積もりましたよとヘルパーさんは

最寄りの駅と交差する車道沿いに、百日紅が植えられてて、赤、白、赤、白と夏の終わりぐらいに咲くのです。そのことを思い出しつつ、語り手主体が眺めたであろう庭を想像しました。きっと部屋の天井も壁も白いのだと思いました。最後に出てくる百日紅は、冬に見た幻想なのだろうか。その余韻がせつなかったです。

×白白白4
>  あと一歩でパーフェクトだったのに、三本のこっちゃったか

これは最初ボーリングのピンのことだと想像したのですが、白という漢字を蠟燭に見立てて、バースデーケーキの蝋燭を一息で吹き消す叙景かもしれないとも後で思いました。ギミック賞という意味での逆選を。

以上です。よろしくお願いします。




まつじ◆811e69 / 2021-02-14 22:40:24 No.15
こんばんは、ぬきあしさしあし忍び足、まつじです。

⚪︎<白白白12>積もりましたよとヘルパーさんはカーテンを開けてくれた。
何がいいというと、前半が素敵。耳を傾けてから想像を経て、ようやく重い腰をあげて窓を開ける、心の少しずつが語り手の挙動で表現されていて、こういったふうに丁寧に私も書けたい。

⚪︎<白白白14>ヒトの女性の中に一定数、四原色を見ている人がいるという。
「シラサギの眼から見ればシラサギは白くない」は意地悪で好みです。こんな感想は違うのかもしれないけれど、冒頭から姿を変えて「シロシロシロ」と呟く可能性の幻想譚は、ふわりと宙に浮いたような感覚だから、進化してもきっと彼らの可視帯域は変わらないと信じたい。

△<白白白15>目隠しされたメジロは木の枝の上でじっと考えている。
本当に怖いことはそこじゃないんじゃないかと、ちょっと笑ってしまいましたが、目隠しされていることを問題にするのではなく別のことを考えているとすると、様子が異なる。そんな結構意地悪い話なんじゃないかと考えたい。

△<白白白5>二人のオヤジが居酒屋の暖簾をくぐる。
暖簾に白白白って書いてありそう。文中の「白」たちがぴょこぴょこ賑わっており、楽しいですね。個人的好みでいうと最初と最後がピーク、きれいに終わって、こういう終わらせ方してみたい。

×<白白白2>それは確かに大福なのだった。
大福どもの名前がかわいい。けれど、ただ確認のために割られたふぅの末路の虚しさよ。「赤く柔らかいそれ」って苺のことかしら。タイトルどおり、ぱくぱくぱくといくパターンを予想していました。苺大福たべたい。

以下、選外評です。

まつじ◆811e69 / 2021-02-14 22:41:21 No.16
<白白白1>パイク、祖国ではペク
あくまで「彼の最後の作品」の話なのに、作品が世界に干渉しているかのような語り口の不穏さは、作中の光の正体の不明さ不穏さが描かれていれば、もっと不穏でよかったかもとも思います。無の境地、会得したい。

<白白白3>このファミレスを最後にこの町を出た。
見知らぬ弟と連絡がとれる姉の状況、見知らぬ姉に会いに来た弟の心境など、ピンと来ないことも多かったのですが、姉なり弟なりどちらかの説明がもう少しあれば私の場合は助かります。クリームソーダのみたい。

<白白白4>あと一歩でパーフェクトだったのに、三本のこっちゃったか、あーあ。
ピンが3つ並んで残ったイメージでしょうか。最後だけ三本残るというなんともいえなさ、ですね。ボーリングはあまり得意ではなくて、すぐに指が痛くなります。たまにはストライクだしたい。

<白白白6>手渡されたのは上等な絹。
「愛しい人」と呟いた若主人の触れた髪は、染められた白い髪なのか、根元の黒い部分なのか、若主人の思惑が私に察せられれば、もっとドキドキした。いつかきれいな白髪になりたい。

<白白白7>その巨大鉤虫が発する音は、たしかに「白白白」
どうやら宿しながらピンセットで突いていると思われ、怖気が。気持ちは分かるけれど、せっかくだから「はくはくはく」の下りはなくてもよいか、と悩む。喰らい蠢く鉤虫を感じず、ふつうに生きたい。
 
<白白白8> 白ほど美しい色を私は知りません。
白好きが昂じて不穏。白に穏やかに狂っている歪つな雰囲気が、後半に薄れてしまったようにも思えますが、白は清いってイメージってたしかに何なんだろうか。とはいえ、白いシャツは一枚は持っていたい。

<白白白9> やけに時代がかっていたので、夢であったろうと思う。
ロボットの見ている夢。三つの生首から、三つの白い太陽、石臼へ転じ、という具合でしょうか。たしかに石臼っぽくも見えます。とはいえイメージが先行しすぎて、追いきれない。人間になりたい。

<白白白10>問 □□□ これに振りがなを振りなさい。
「勝手におあとをよろしくする」ところを見るに、似たような遊びを繰り返していそうだなと想像し微笑ましい。急に愚昧な宰相とか言い出すし。しかし、真っ暗も真っ白も、どっちも嫌ですね。別の問題にもチャレンジしたい。

まつじ◆811e69 / 2021-02-14 22:42:27 No.17
<白白白11> 夜。円をわずかに欠いた月が浮かぶ。
四神が全部出てくるかなあと待っていたのですけれど、読み落としかしら…。山と、雪かな。新たな言で語ることの難しさを、ちょっと考えてしまいます。でも私たまには明るい夜を遊びたい。

<白白白13>「ニャオー!ぼくではありません」
この軽々しさでなければこのテンポは出せませんよね。おもわりさんの疑いのなさが気持ちよい。こんなに素直なおまわりさんにボケてみせるこの方、冷静になってみると「おまわりさん」と言ってるだけに何者なのか知りたい。

水池亘◆239b8b / 2021-02-15 02:10:55 No.18
こんばんは。遅刻しており、すみません。最近は言葉遊びや詩的表現よりも、そこに面白い物語があること、物語の目を感じることに強い興味があります。選評は好き勝手言っておりとても恐縮ですが、何卒よろしくお願いします。

○白白白7
>その巨大鉤虫が発する音は、
タイトルを鳴き声と解釈し、それを重厚に押し出しつつ虫の生態を語る口調には硬派な迫力がありました。端的に、格好いいと思います。生態そのものがベタで想像の範囲内に納まっているところが少し残念です。

○白白白8
>白ほど美しい色を私は知りません。
タイトルの、白をあえて三つも重ねるところに表れている変質的な感情・空気感をうまくすくい取って作品に落とし込んでいる点が解釈一致でした。二人称の「あなた」が唐突に現れすぐに退場する流れも意外性があり、楽しいです。全体的にベタに過ぎるきらいはありますが、語り手の背後にあるものを想像させる余地の絶妙な深さに正選を。

△白白白14
>ヒトの女性の中に一定数、四原色を
理系的知識・思考の積み重ねが最終的にロマンのある世界観へと着地するその構造が見事で、論理展開にも描写にも基本、不自然さがありません。手練の仕事だな、と。惜しむらくは、タイトルと結びつけるべく、かなり強引に展開を操作してしまったように見えるところです。このタイトルでなければ違う帰結になったのでは?

×白白白10
>問 □□□ これに振りがなを振りなさい。
クチロロは最近声優に曲提供してたりして面白いですね。しかし正直メジャーとは言えないクチロロをド頭に持ってきてそのまま話が進むということは、クチロロを知らない大多数の人お断りという態度にも見えるわけで、このサイトの、超短編の、競作、という観点からするとちょっと食い合わせが悪すぎるな、と。

水池亘◆239b8b / 2021-02-15 02:11:22 No.19
白白白1
>パイク、祖国ではペクと言ったかもしれないが、
ビデオモニターが積み重なるビジュアルイメージがベタながら魅力的です。ただそこから後半につながるロジックに無理矢理感があるのと、最後に結論的に断言されることに、違和感を感じてしまいました。

白白白2
>それは確かに大福なのだった。
みぃが黒餡だったとして、そんなに恐いか? と思ってしまいました。語り手の思考のロジックについていけない面があります。最後の締め方は不穏さがあり、良かったです。

白白白3
>このファミレスを最後にこの町を出た。
妹は捨てられず主人公だけが捨てられたことに理由がなさ過ぎて、冒頭から躓いてしまいました。展開の密度の高さが良いですが、どういう話なのかわかりにくい部分が多々あります。

白白白4
>あと一歩でパーフェクトだったのに、
考えオチ的な言葉遊びで、そういうものとしては良くできていると思いました。個人的には少しでも世界や物語の広がりが感じられた方が好きです。

白白白5
>二人のオヤジが居酒屋の暖簾をくぐる。
趣向作ですが、もう少し会話の内容そのものに面白みが欲しかったな、と。白モツの白味噌和えって、美味しそうですね。どんな料理なのでしょうか。

白白白6
>手渡されたのは上等な絹。
国が3つも出てくるので少し混乱しました。物語が広がりそうで広がらず、この場に留まるのみになってしまっているところが残念に思いました。あとタイトルとしては「白」の方がふさわしいかな、と。

白白白9
>やけに時代がかっていたので、
この文体で最後にロボットという単語が出てくる意外性にユーモアを感じました。夢の描写としてあまりにも無軌道で理屈のないものを描くと逆に夢らしくない、という落とし穴があります。

白白白11
>夜。円をわずかに欠いた月が浮かぶ。
魅力的なイメージでありそうな気配は感じつつも、正直、何を描写しているのかわからないまま終わってしまいました。私としては、もっと一般的なレベルまでかみ砕かれたわかりやすい表現のものでなければ、そもそも判断が出来ず、スルーしてしまうことが多いです。

水池亘◆239b8b / 2021-02-15 02:11:41 No.20
白白白12
>積もりましたよとヘルパーさんは
冬の雪という情景に、淡々と進む語り口がよく似合っています。描写は達者ながら「ここから何が始まるのか」と考えると首を捻らざるを得ませんでした。細かいことですが「不思議なもので」という表現が連続してしまっているところがもったいなかったです。

白白白13
>「ニャオー!ぼくではありません」
欲張りな気もしますが、もう一つロジックのツイストがあったらな、と。猫の台詞は、三者三様で区別できる形にした方が良かったかもしれません。

白白白15
>目隠しされたメジロは木の枝の上で
ラスト一行のインパクトに比重を置いた作りですが、そこまでの効果を発揮してはいないかな、と。ぐるり一周してたとして、何が怖いのか、良くわからなかったので。

雪雪◆b770fe / 2021-02-17 08:24:22 No.21
延長された締め切りには間に合わせようと、せっせと書いていたとき、地震がきて、崩れた本とCDとDVDに半身埋まってしまった。
やっと書ける状態になりました。遅れてすみません。

△<白白白5> 二人のオヤジが居酒屋の暖簾をくぐる。
舞台を居酒屋とし、話題を歴史としたことで、日常語ではないが難解ではない語彙を獲得。たんに歴史談義とせず歴史ドラマとしたことで、必ずしも史実にフィットしなくともよい、という自由度を得る。
これで楽になったせいか、作者の持つ文体のリズムが活き、会話もスムース。とても読み心地がよい。
するする読み進める読者の行く手、最後から二番目のセリフに、二語で白みっつという変則があらわれ、一瞬とまどってすこしだけ速度が落ちる。沿道にめずらしいファサードの店を見つけてアクセルが緩むみたいに。その少し遊びが生じた意識に、「白湯」があらわれて、その湯気と温みと味わいが、読後感を潤し、前段までに反射するように作品の臨場感を高める。
この作品を知った上で別の語彙で真似てみても、容易には達しない完成度だと思う。

雪雪◆b770fe / 2021-02-17 08:26:55 No.22
◎<白白白9> やけに時代がかっていたので、夢であったろうと思う。
一行目の「夢であったろうと思う」で、今は醒めて夢を回想しているのかな、と思うが、「ますます夢である」で、あれれまだ夢の中にいるぞ、ということは回想ではない。ならば一行目は「これは夢かなと思う」とでもしないと、思考の時系列がおかしいのでは。
そう思いつつ読み進むと、視点は「私」から離れている表現があって、作者はどうあれ作品は、「心は私から離れて存在することができる」ことを主張しているとわかる。加えて、なくても成立する「ロボット」という一語がわざわざ置かれていることで、作品は、よりアグレッシヴに「形而上一般は形而下を離れて存在することができる」ということを主張しているとわかる。
視点が身体を離れているとすれば、現在からも離れているだろう。そう思って一行目にもどってみると、そもそも「夢であったと思う」「夢であったろう」という言い方は成立しても、「夢であったろうと思う」という言い方は、私からも夢からも離れていなければ成立しない。なにげなく読まされるが、なにげなくは絶対書かれない一行である。
絶妙。
作者が、自分がなにを書こうとしているのか自覚しているとは限らない。常識的に読むと間違っている一行目を、推敲させなかった作品か、推敲しなかった作者か、いずれかに正選を。

×<白白白8> 白ほど美しい色を私は知りません。
色彩の力は種にローカルなもので、自然の中で一般的に作用せず、各個体の内面にしか生じない。特に白は「なにが白いか」も「そもそも白いのか」も、可視帯域と色彩分解能に大きく左右され、色として立場はとても危うい。
そういうわけで、白信仰に逆らってみたく。


いつもは、「これが最高だ」と思った作品と、甲乙つけ難い作品がもうひとつあったりはしないので、たいてい○を分けることはなく、迷わず◎をつけるのだが、今回は5と9のあいだでとても迷った。完成度は明らかに5が上である。しかし迷った末、より奇跡的な9を採った。

永子◆46f5c4 / 2021-02-17 10:26:12 No.23
〆切が延びたのに遅刻です。申しわけありません。票数には入らなくてもかまいません。

×白白白1
>パイク、祖国ではペクと言ったかもしれないが、

不立文字的なことを書こうとしながら、やっぱり言葉が優越している感じがする。うまく言えないけど。最後の言葉、という言い回しとか。
文章を書く人はここから出られないんじゃないかと思います、わたしを含めて。

○白白白8
>白ほど美しい色を私は知りません。

白骨って、実はそんなに白くないですよね。
ただ概念的には完全な白。喧しい色彩の内側にはそんな白があるはずで、その白だけを見ることにした人なのかな、と。
漂白されたシャツは、たぶん「あなた」のシャツで。わたしは「あなた」の純白な花嫁になるはずだったのに、「あなた」はそれを汚した。だから私は「あなた」を漂白して、真っ白にして白いバッグに入れて持ち歩いている。そういうお話かと思いました。

○白白白2
>それは確かに大福なのだった。

なんだろう、この取り返しのつかない感じ。みぃに見つめられながら苺大福を食べるいたたまれなさ。そして同時にそうしなくてはいられない感じ。
不合理が怖い、は自分についた嘘のように感じました。

△白白白14
>ヒトの女性の中に一定数、四原色を見ている人がいるという。

シラサギの眼からみればシラサギは白くない。うん、なるほど面白い。だから「シロシロシロ」と呟きながら、白くないものしかない世界で「白」を探し続ける(たぶん手に入らないんだ)。
「白」から意味が抜け落ちていって「シロ」という音になっている感じが好きです。
ただ、他の目から見れば自分がそれであるかもしれず、けれど手に入らない稀少なものとして探し求めているのは、人間なら「カネ」ではなく「アイ」なのでは、と。

白白白7
>その巨大鉤虫が発する音は、たしかに「白白白」と表記するのを適切に感じた。

構成も含めて、硬質でとてもよくできていると思います。
でも、虫はね。虫はねぇ……個人的にダメ

白白白9
>やけに時代がかっていたので、夢であったろうと思う。

始まりの口調から「夢十夜」を連想しました。読み進めてもわりとそうなんですけど。
ロボットの首である必然って何だろう。

永子◆46f5c4 / 2021-02-17 10:26:57 No.24
つづきです。
白白白11
>夜。 円をわずかに欠いた月が浮かぶ。

すみません。わかりません。アルベドもミー散乱も調べてみたんですけど。
気象変動による白夜? もしそうならお題の「白」は四方の4つの方がいいかな。

白白白12
>積もりましたよとヘルパーさんはカーテンを開けてくれた。

雪にたとえるなら、梅か花吹雪の桜が定番なんですけど、百日紅という夏の花を持ってきたのが発明。
「不思議なもので」の重なりは引っかかるんですが、引っかけようとしたなら、「何もかもが夢のようだ」で結ぶのは弱い気がします。

最大1000文字まで(残り1000文字)。省略不可。日本語必須。HTMLタグ不可。誹謗中傷や個人情報、宣伝URLは即削除されます。
最大10文字まで。省略可能。
半角英数字(8文字まで)を入れることで、書き込みの削除ができるほか、名前の後ろに任意のコードが付きなりすましを防止できます。省略可能。