「私は、家がすぐ近くだから。こう言う時、会社の近くに部屋借りておくと楽だよね」 ひょっとして、家に泊めて欲しいと言えば泊めてくれるのではないか?との考えが沸いた。そして、あわよくば・・・と不埒な考えがよぎる。 しかし、僕は、雑談するばかりで、結局、泊めて欲しいの一言が言えなかった。 そして、タクシーで帰るよと彼女に告げて、ATMでタクシー代金を下ろした。 「あ、そう?気を付けてね。また呑もうね」 と、僕は小さく手を振る美人子に見送られてタクシーに乗った。 僕は何を怖がっていたのだろう?ダメモトで泊めて欲しいと言えばよかったのに。僕はタクシーの中で大きく後悔をした。 それから、半年くらい経った頃、声掛けをした男と地味子の方が、何と結婚をした。 あの日の夜、終電を乗り過ごした男を、地味子が部屋に泊めたことがきっかけとなり、それから交際を積み重ねてきたらしい。 「私も、あの日は部屋をいつもよりきれいにしていたんだけどなあ」 その披露宴で隣に座っていた美人子が、意味ありげに僕を見ながらつぶやいた。 割り切り JCと割り切り