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サバイヴ・アワー・ブラッド第1部第1章第4節
エマ / 2019-07-13 20:43:00 No.2433
一方のカムドたちは、フレスヴェルグから飛び降り、HALO降下の真っ最中だった。
かなりの圧力を全身に感じるが、防護服とヘルメットがそれらを防いでくれている。
地表まで残り数百メートルの低高度になるまで、しばらくは自由落下だ。

封冠通話のマルチキャスト通信で、アヴァロンが仲間に話しかけた。

「それにしてもさ、その暗号の中身ってなんだと思う?」
「知らん。任務に集中しろ」
「ああ、下手に知ってもろくなことにならんぞ。ウチの機密について知ることはとくにな」

カムドたちから少し離れたエリアで降下しているチームSILENのレオンからも注意が飛ぶ。
アヴァロンは不満そうだった。

「まー、レオンが言うと説得力あるよな」
「うるさい」

言葉をかわしているうちに地表が近づいてきた、地表の所々の森の隙間から爆発が見えるのは、カラミティとスフォールの交戦エリアだろう。
低高度をシステムが検知した。

『低高度に到達。パラシュートを展開します』

アヴァロンの防護服から一気にパラシュートが展開し、急速に減速しはじめた。カムドの視界から上方へ消え……残されたカムドは……。

「おい、開かねぇぞ。パラシュート。おい、システム」

システムが応答する。

『メインパラシュート、展開しています』

「してねぇよ!何開いたつもりになってんだオイ」

封冠通話でバカ笑いが聞こえる。

「え、なにお前パラシュート開かねぇの? ギャハハ!日頃の行いだよ死ね死ねwww」
「うっせ! こういうときのためにサブがあんだよ」

マニュアル操作でサブパラシュートを展開しようとするが、あろうことに、そちらもうまく動作しない。

「詰んだわ」
「まじかー」

わずかに流れた沈黙……を、外部からの攻撃が破った。シュン!という弾頭が自身の至近距離をかすめた音を、アヴァロンは聞いた。

「え、なに……もしかして」

スナイパーの狙撃だった。1発、2発と、ヒットこそしないもののかなりの精度で狙ってきていた。

「うわっ! 撃ってくるよ……狙ってやがる!」
「日頃の行いってヤツじゃね? 死ね死ねwww」
「うっせカムド! なんで俺なんだよ! やめてー!死ぬッ!死ぬッ!」

次の瞬間、地表から轟音が聞こえた。おそらくカムドが地表に激突したのだろう。気の毒な結果だが、それを気にしている余裕はアヴァロンにはなかった。

「くっそ、早く地表来い! 地表!」

地表まで残り2、30メートルになったところで、狙撃手から放たれた弾頭が次々とアヴァロンのパラシュートを貫いた。その影響で落下速度が再び上昇し、姿勢も不安定になる。

「うおおおお! アズマちゃーん!!」

愛する人(?) の名を叫びながら、アヴァロンは胴体から地面に激突した。





数分間の意識喪失。朦朧としていたアヴァロンの意識を現実に引き戻したのは、カムドだった。

「起きろや」

首根っこをひっつかまれ、そのまま持ち上げられる。

「なんで生きてんのお前……」
「俺が地表激突くらいで死ぬと思うか」
「アズマちゃんゲットが遠のいた気がする……」

カムドはあたりを見渡した。ジャングルから少し外れた草原だった。付近に敵はいない。カラミティ勢力内のようだが、すでに戦闘が終わったエリアのようだ。

「お前を撃ってきたの狙撃手はあっちの方角だな。……スフォールのやつらだろう」
「いいねぇ。やりかえしてやる。」
「忘れるな。奪還目標物を持っているのはカラミティ側だ。後方の狙撃に注意しながら、カラミティを追うぞ。アズマとも合流せねばならん」

戦闘は見晴らしの悪い密林地帯中心で、ゲリラ戦になっているようだ。二人は密林の生い茂る方向へと歩き出した。

「カラミティのアルファ個体を避けていくぞ。お前まで守れる気はないからな」
「どうでもいいけど。ここ数年でこんな無様な降下したの……天界じゃ俺たちが初めてだろうな……」

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サバイヴ・アワー・ブラッド第1部第1章第3節
エマ / 2019-06-08 20:08:00 No.2432
 中南米のあるジャングル地域一帯……そこは今、人の姿をした人ならざる者たちの戦争の場であった。その乱戦の状況に今、天使という第三勢力が介入しようとしている。

ビー!ビー!

 地表が近づくにつれて、急減速を始めた降下カプセル内に警報音が鳴り響きはじめ、アズマは離脱体制に入った。
 次の瞬間、カプセルのハッチが破裂音とともに弾け飛び、アズマは即座に空中に放り出される。
訓練通りに体勢をひねり、迫り来る地表到達点めがけ真っ逆さまに自由落下する。

着地まで5……4……3……2………

両脚が地表に付く寸前に、アズマは全エネルギーを逆展開して地表にぶつけた。

着地点一体に轟音が轟き、アズマの着地点付近があまりの衝撃で崩れ、半径2メートルほどの大穴が生じた。耳が自動で防護されるので音は聞こえないが、周りに敵がいたとするなら衝撃で消し飛んでいたはずだ。
 空中に放り出されてから、パラシュートを一切使わずに、自分の脚力と魔力エネルギーを地表にぶつけるエネルギー相殺だけで着地する。アズマだからこそできる芸当だった。

着地し、しゃがんだ体勢のまま、アズマは全身のセンサーを探索。周りに敵がいるなら、流石にこの轟音に気づいたはずだ。アズマの最初の任務は、潜入(気付かれないように侵入)するため、着地点付近にいる敵勢力を秒殺することだった。

「……動体検知……6体、敵勢力と認識。消去実行」

アズマに一番近い距離にいた呪詛悪魔は、突如の轟音に驚きおののいていた。肉眼でその現象を起こした人影、それがどうも女の姿をしている……それが何となくわかった瞬間に、アズマの両腕の刃で首を貫かれた。

「がっ……唖々!」

そのまま両刃を薙ぎ、アズマは呪詛悪魔の首を切断すると、次の目標へ猛烈な速度で距離を縮める。

「侵入者! 各自の判断で応戦しろ! ……バーナー! 本部へ連絡を……グッ!」

メンバーに命令を下している上官クラスを、次にアズマは真っ先に狙った。周りに4体の敵が彼を守っていることを承知で……彼女は突っ込んだ。

指揮をしていた、三十代位に見える呪詛悪魔は、敵勢力カラミティの階位ではいわば小隊長に相当する男だった。決して侮れる相手ではない。並の一級守護天使では何度挑んでも確実に捻り殺されるだろう。その相手が、初動で放った腰からのブレードの一撃を、アズマは恐るべき両腕の刃の連撃で弾き、圧倒的な手数でブレードの応戦を打ち負かしていく。

「クソ……お前ら、何をしている、撃て!」

周りの部下たちは我に返り、圧している謎の少女に4人がかりで自動小銃で銃撃するが、すべての銃撃が彼女の周りを覆う妖しい光によって阻まれてしまった。

「こいつ……!? まさか!」

周りの銃撃を物ともせず、小隊長を斬撃で攻め続けるアズマに、封冠通話でクリムが呼びかける。

『いいわよ。エクストリーム降下で生じたエネルギーがあなたの体を覆っている約15秒間、あなたはほぼ無敵よ。このまま全員押し切って確実に消去しなさい。』

教官の言葉を裏付けるかのごとく、次の瞬間にはアズマの腕についた両刃……マンティスブレードは、敵の小隊長の剣を持つ右腕を斬り落とした。驚愕に顔を歪める敵の命運はもはや尽きている。ガードを失った小隊長の体をアズマは何度も切り刻み、絶命を確信すると次の瞬間には武器をマシンピストルに持ち替え、四方を囲む敵の部下4人を、秒もかからず横撃ちして全員を撃ち殺した。

「ガッ……ば、ばけも……」

全員が地に崩れ落ちたのを確認すると、アズマは封冠通話に応答した。

「クリア。目撃された一帯の呪詛悪魔を消去しました。所要時間、6秒」

『いいわよ。これで両軍に侵入を気づかれずに済んだわね。ポイントがつくはずよ』

アズマのAR視界に、今回の評価ポイント6000Pが追加された。最近フェンリルに導入されたシステムで、評価の高い行動を行ったり成果を上げると、それに対してユグドラシルがはじき出した評価ポイントがメンバーに対して付与されるのだ。一種の『ゲーミフィケーション』であるが、実際にポイントが貯まるとそれを装備品や支援物資などにある程度反映できるので、高い評価ポイントを維持し続けることは実利的にも意味がある。

しばらくして、アズマの体を覆っていたエネルギーのオーラが色を薄め、失われていく。エクストリーム降下の副次効果である防護エネルギーが消失したのだ。先程のような無敵状態は失われ、これからが本番だ。

『さぁ、カラミティ本軍へ接近するわよ。さっきの小隊長なら通信機を持っているはず。それを拾って敵通信を傍受しなさい』

「はい」

アズマは通信機を手に取ると、上空を見上げた。第三勢力としての穴は開けた。あとは……後続として侵入する兄たちがうまく続くことを願いながら、密林の中へ歩を進めていった。

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サバイヴ・アワー・ブラッド第1部第1章第2節
エマ / 2019-04-14 13:21:00 No.2429
招集されたアズマとアヴァロンは即時出動を命じられ、今、天界から遥か離れた中南米の成層圏にいた。
乗っているのは、フェンリルが誇る空中作戦司令航空機『フレスヴェルグ』である。

フレスヴェルグは『生体機械種』と呼ばれ、有機生命体でありながら体のあちこちに金属機械を内蔵したキメラ生物である。オーナー組織の意向によって機械として扱われることも生命として扱われることもある、非常に素性のナイーブな存在なのだが、ことフェンリルでもっぱら軍事装備として扱いが徹底されている。
フレスヴェルグは航空機として見ると大型の部類で、降下チームによるパラシュート作戦や救出作戦、貨物・人員輸送作戦、攻撃作戦はもちろんのこと、重要メンバーが作戦立案をするための、作戦会議室としても機能することができる万能性を持つ。
いわば、空を飛ぶ、フェンリルのもう一つの小支部に近い機能を備えているのだ。

アズマとアヴァロンが乗り込んだフレスヴェルグの作戦司令室には、すでにリーダーのカムドが居た。全員、耐圧ヘルメットを含めた重い装備に身を包んでいる。

「遅えぞ。ブリーフィングが始まってる。早く入れ」

作戦机上には、現在地の地上三次元地図がホログラフィ映像として浮かび上がっていた。そのうち、大きく赤と青で明滅する勢力記号が互いにぶつかり合っている。

「で、説明し直すとだな、今我々のいる中南米エリアで、2つのS級クラスの呪詛悪魔勢力、「カラミティ」と「スフォール」が武力衝突を始めた。22分ほど前の話だ」

部屋の明かりが消され、ホログラフィ映像の光のみで薄っすらと浮かぶ、ブリーフィング説明を行っている20代後半の男の顔が浮かび上がった。彼は『伝書鳩のレオン』。フェンリルの中でも精鋭といわれる二人組チーム『SILEN』の一人である。

「我々の任務は、『奪還』。以前、呪詛悪魔に奪われた天界の機密情報が収められた記憶デバイスを、所持している「カラミティ」側から取り返すことだ。」

「機密情報ってなによ」

アヴァロンが口を挟んだ。レオンは顔だけアヴァロンに向けて答える。

「いつもの如く、『君たちの知る必要はない』との上からのお達しだ。気にはなるが、そもそもデバイスに掛かっている暗号が強すぎて、今の所呪詛悪魔たちはそれを解読できていないらしい」

「なぜわかる?」

次にカムドが疑問を呈した。それは、全員が思っていたことだった。レオンは両手を横に、肩をすくめる。

「それも『知る必要はない』か。解読できていれば、おそらく奴らが真っ先にやろうとすることがまだ行われていない。そんな理由による推測か?」

「……かもな。よほどの機密なんだろうぜ。で、奪還するにあたって必要なのが敵の情報だな。これをみてくれ」

レオンがホログラフィ映像を操作する。地図上の赤いカラミティ勢力の群体の中から、映像がもう一つ拡大表示され、大柄な怪物のような生物が現れた。

「でかいな。2.5メートルくらいあるんじゃねぇの。実物大か?」

「いや、これでも1/2スケールだ。実際の身長は5メートル。体重は推定20トン。呪詛悪魔組織カラミティのアルファ個体……つまり『ボス猿』ーー『クズリのゲルテガス』だ。」

「確かに、クズリを巨大化して無理やり二足歩行にしたような図体だな。こいつは『モンスター』か」

カムドのモンスターという言葉に、皆同じ思いを持ったようだ。呪詛悪魔に大きく2種類に大別される。通常は守護天使と同じで人間の姿をしている者が多いが、中には復讐の力を増すために、姿が醜くなるなるのを覚悟で、幾多の動物霊と同化することでより強大な力を得て、まさしく怪物のようになる者がいるのだ。

「だろうな。前世のクズリの獰猛な身体特徴をそのまま生かして、プラスアルファで色々なモノを取り込んだんだろう。まさに生ける闘魂……こいつと戦って今まで生還できたやつはいないらしい。あんた以上かもしれんぞ」

レオンの軽めの挑発に、フン、とカムドは鼻で笑って応える。

「だが、もう一方の長も気になるな。カラミティとまともにやろうとする奴らだ。ただの雑兵ではあるまい」

その言葉にレオンは応じ、今度は青く表示されているカラミティの相手方、「スフォール」と呼ばれる呪詛悪魔グループのアルファ個体を拡大表示した。

「『スフォール』のリーダー。『ヴェゼル』。2メートル超の体躯の筋肉質。前世は不明。こいつの情報はゲルテガスよりも少ないが……あの『ライオンのカーリー』が一目を置いて停戦調停を行っていたともいわれる相手だ。こいつも相当の実力者であることは間違いないな。」

「ごめん。カーリーって誰? サキちゃん、知ってる?」

レオンのとなりで、ずっと黙っていたSILENのもう一人の様子が気になっていたのか、アヴァロンは強引に話題を振った。そのサキという銀短髪の華奢な女性は、アヴァロンを一瞥するとすぐに目をそらした。
そんな様子をフォローするかのように、レオンが代わりに説明する。

「かつて、フェンリルと大規模な戦闘で潰し合いをした呪詛悪魔勢力があったのさ。かろうじて我々が勝ったが……こちらも、そのカーリーと相打ちという形で、レディ・サラという天才を失った」

エマ / 2019-04-14 13:22:00 No.2429
やや気まずい雰囲気が流れた。すでに鬼籍だが、レディ・サラと呼ばれる女性隊員は非の打ち所のない能力を持つ天才戦闘工作員として、フェンリルでは伝説と呼ばれていた人物だった。しかも、レオンはその愛弟子と言われていたのだ。

「レオン、本題に戻って」

「ああ、わるい」

相棒に軽く謝るレオンだったが、どうも辛い記憶を吐露したはずの彼よりも、サキの方が動揺していたような、それを紛らわすために不機嫌になっているように皆には見えた。気を取り直して、レオンが説明を続ける。

「『ゲルテガス』の特徴は、鉄のような耐久性と怪力だ。まぁ、わかりやすいよな。一方の『ヴェゼル』は謎が多い。奴に近づいた者は皆、一瞬で焼かれて死ぬとか。雷に打たれて絶命するとか、妙な噂というか、都市伝説みたいな情報しかない。逆に言えば、奴に遭遇して生きて帰れた者がそれだけ少ないということだ。いずれにしろ、こいつとも直接対決は避けたほうが良い」

「そもそも、奪還任務なんだからよ。両方の勢力とまともにやり合う必要はねーんだろ?」

「そのとおり。両勢力の衝突に便乗し、早期に目標物を見つけたら奪還。速やかに脱出だ。」

「あの……」

それまで一切発言していなかった、か細い声が初めて上がった。

「なんだ? アズマ」

のんびりしたペースで、彼女は疑問を口にした。

「潜入や脱出に……この基地局からのトランスポート(時空転送)は……使えないのでしょうか?」

ブリーフィングの質問としては基礎的過ぎる質問だが、彼女らしいとも思い、レオンは丁寧に答えた。

「良い質問だな。奴らの戦闘地帯のほとんどに、時空転送を妨害する信号が張られているのさ」

「だから、こんな分厚い装備つけて高い空から飛び降りなきゃいけねぇってワケね。まぁ俺らは普通のHALO降下だからいいけどさ。アズマちゃんのエクストリーム降下ってなんなの? 危険すぎない?」

※HALO降下:高度一万メートル以上の高高度から落下し、地表300メートル程度の低空度でパラシュートを開く降下方法。通常のパラシュート降下よりも高速落下時間が長く、敵に察知されにくいとされる。

「一斉に降下なんてしたら敵に気づかれるだろうが馬鹿が。まずアズマが超高速で単独降下、着地地点をクリーンにしてそこから偵察・後続を支援するんだよ」

馬鹿、とリーダーに言われたアヴァロンが反論した。アズマの安全について兄のカムドが無頓着に見えているようだ。

「いやだから、その超高速のマッハ3で降下する仕組みがマジで安全かって聞いてんだよ! そもそも必要なのか? 最大瞬間速度つっても10秒かそこらで地表激突じゃねーか」

「どちらかの勢力に高練度の対空要員がいるそうだ。HALO降下でも気づかれる恐れがある」

「マッハ超えって……そもそも衝撃波で気づかれないのかしら?」

サキが素朴な疑問を口にした。

「フェンリルとしての実戦投入は初だが……実地試験では何度も効果が確かめられた降下システムだ。衝撃波も発生しないそうだ」

「謎技術過ぎるw」

機内放送が流れた。

「こちらフェンリル本部、機械室のセリーナよ。作戦開始まで7分。各自降下準備を…‥」

アズマは一人、皆と離れ、専用の降下装置の中に潜り込んだ。人一人がやっとはいるような、細長い、皺のない寝袋のようなフォルムで、両脇に姿勢制御のための翼がせり出していた。
手順通り、両腕を胸の前で組んで、手の位置にちょうどくる取っ手を掴む。静かに目を閉じる。外から見れば、棺桶の中で両腕を合わせ、静かに横たわる死体のような姿勢だ。
間もなく数分後に、この翼のついた棺桶のようなカプセルは、最大マッハ3近くの超音速で地上めがけて落下する。その間にも、アズマは目を開けて機体を制御しなければならない。恐怖を感じず、常人離れした反射神経を持つ彼女だからこそできる専用の降下システムだった。

「アズマ……聞こえる? 封冠通話をしているわ」
「……クリム教官」

聞き覚えのある声が聞こえた。

「全体の作戦指揮はセリーナが。あなたの戦術サポートは私が担当するわ」
「ありがとうございます」

一呼吸おいて、教官が忠告した。

「いい?これからあなたが降下する場所は地獄よ。着地後、20秒以内に速やかに周りの敵を全滅させて安全を確保しなさい」
「はい」

別の封冠通話が割り込みしてきた。指揮官のセリーナだ。

「5.4.3.2.……定刻。『ブリーシンガメン作戦』開始します」

同時に、フレスヴェルグの降下装置の弁が一気に弾け飛び、アズマの体はそれを包むカプセルごと空中に落下した。
数秒も立たぬうちに、カプセルの4つの推進弁から炎が吹き、猛烈なジェット噴射は一気に機体を超音速域にまで加速し始め……アズマは機体の制御を開始した。

轟音と激しい振動の中、カプセルにある翼を操作し、軌道を着陸地点へ正確に誘導する。
突如警報がなった。地帯を支配する人間界の国軍機に捕捉されたようだ。しかし次の瞬間には、カプセルはマッハ3で一気に国軍機の警戒レーダー網を突きってしまった。エクストリーム降下の選択は正解だったようだ。

地表に近づいたら急減速の上、カプセルすら放棄して、本当に身一つの自由落下となる。
アズマは本能で悟った。教官の言ったとおり。

これは、地獄への降下なのだ。

エマ / 2019-04-17 21:45:00 No.2429
みなさん、こんにちは。エマです。

サバブラですが、いろいろ考えまして。じっくり構想やら文章を練ってリリースする感じだと10年以上かかりそうでそんなのやっていられないので、もう思い切って色々荒削りなのを覚悟でどんどん書いていくことにしました。

内容的に、今までよりもあらが目立つ感じが出るかも知れませんが、お許しください。

今回も、だいぶ荒がありますね汗。最初、降下についての考証をろくにやらずにいたんですが、流石にまずいだろうと思ってHALO降下とか入れてみた。キャラのセリフがだいぶ説明的になっちゃいましたね。ううむ…。

1話ですが、まだまだかかります。お楽しみに。

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サバイヴ・アワー・ブラッド第1部第1章
エマ / 2019-01-05 22:34:00 No.2424


ーー今夜が、きっとこの景色の見納めでしょう。
見下ろせば、幾度も滅びかけては、ようやく再生を始めた故郷の街。
宝石を散りばめたかのような星空を見上げ、わたしは最後の文章を綴ります。

嗚呼ーー今までに綴ってきた物語を、この幾夜ですべて反芻しても、この気持ちが静まることはありません。
未だに答えを知らない私を、どうかお許しください。
弱々しく、明日に怯え、生きる意志を持てなかった私に、生きてよいと、希望を持ってともに生きようと言ってくれた貴方。
その恩に報いる方法もわからずにいる私に、貴方はきっと明日も微笑んでくれるのでしょうね。
いつか、また……どこかで私達が、ともに生きることができたらーー。

その時、私は答えを見いだせるのでしょうか。






ーーシステムキドウ

新=起源歴0023年(「大破##*%&』ヨリ22年ト9ヶ月)。

本日 ハ 1≒月├4日 22時42^11ビョウ。

『脅威』 ノ シュウ来 は 明日 06時未明 ト 推定BW$

最%Q!+終タスE$$クh#$完了HL$!!!#シtttttク$@dS$#。

あた+らし>pいメッsージはあ#$Gりま%4。

文章 ヲ 再ヱ

冒?頭;カラ)。g再ix生 シ,,,,

......
...


エマ / 2019-01-05 22:35:00 No.2424
サバイヴ・アワー・ブラッド 第一部

第一章「過ちの追憶」



 薄暗がりで満たされた部屋の中で、煌々と一つの電球だけが光を放っている。
 電球を支える台は台下の無骨な2平方メートルほどの鉄製机に備え付けられ、その机を挟んで2人の人間……いや、人の姿をした人物同士が対面している。
 静かなる闇で満たされた宇宙に、ただひとり輝くパルサーのような電球のまばゆい光線は、その内の一人に……美しい顔を憂いで包んだ女性に、彼女を責め立てるように向けられていた。

「強情なお人だ」

 もう一方の人物、その男は利き腕につけた腕輪を撫でながら、拳をときおり握り音を鳴らした。その音に内心、敏感に反応して心がすくむのを、光を向けられた女性は自覚せざるをえない。

「これだけの証拠を前に、まだ現実を認められませんか」

 怜悧な男。手強かった。ここまで強固な論理と心理戦を織り交ぜ、相手を追い詰める男に、まだ若い彼女は会ったことがない。
 ここは、地球の大気圏よりもはるか上空にある、特殊な、人間たちが一切立ち入れぬ空間領域である。追及の光を向けられた女性は、その領域の長の一人であった。

「認めなさい。メガミ」

 メガミと呼ばれた女性は、うつむいていた顔をようやく上げた。薄暗闇の中、かすかに浮かぶ男の表情。礼節を保ちながらも、その態度にはいささかの威圧も含まれていた。
 これに対抗できそうなのは、世間をあれだけ騒がせた、かの特別諜報機関の主くらいのものだろう。しかし、その人物も今は……。

「イタチのカムドは死んだ」

 その言葉に、メガミと呼ばれた金色髪の女性はすかさず反論した。

「……死体は発見されていません」

 呆れた顔をして男は溜息を吐くと、鉄製の机……いや、正確には尋問机に両肘をついて手を組んだ。

「なぜそこまであの兄妹をかばう」

 暫くの沈黙……反論の整合性を考えていたのだろう。しかし、この時彼女はすでに、事実上の監禁を長期間強いられ、すでに疲労こんぱいだった。彼女ーーメガミは、もはやまともな論理の流れも頭に浮かばず、半ば感情に任せるように相手の非道を訴えることにした。この空間領域ーー『天界』の長として、声を荒げるのも無理はない。相手は天界史上、最大級ともいえる非道を要求している。

「イタチのアズマ、彼女まで殺せというのですか! 天界と人間界を救った最大の功労者を」

「違う! 数え切れないほどの守護天使と人間の命を奪った張本人だ!」

 上辺だけでも紳士を装っていた態度が一変、身を乗り出し、男は本性を表したかのように形相を強張らせた。その迫力は疲弊し切ったメガミの勢いを削ぐには十分に過ぎる。メガミは男から目を背け、救いを求めるかのように、こうこぼした。

「せめて、もうしばらくの審議を……」

 男はそれを無慈悲に打ち砕く。

「必要ない。知っての通り、高等評議会と天界裁判所……天界の中枢を担う上級守護天使たちの大半が死亡した。今、天界は事実上の機能停止状態だ。この期に及んで何を審議するというのだ」

 鈍く聞こえる歯ぎしり。加え、コツ……コツ……と、男の靴が、眼の前の女性を追い立てるように乾いた冷たい音を鳴らす。間違いなく、この男は尋問のために訓練されている人物のようだった。怒気を込め、しかし言葉はゆっくりと、目の前の女に嫌でもわからせようとするかのように、男は重い事実を述べる。

「良いか。天界は滅びかけたのだ」

 今日天界の誰が見ても、明らかな事実を再び、男はメガミに突きつけた。暗に、全てはお前たちが無能・無力だったからだ、と言わんばかりだ。男は感情を高じさせているようでいて、彼女たちの慚愧の念を巧みにつく術を知り尽くしていた。

「他には、もうあなた達しか残っていない。メガミ・メシア……。守護天使に対して死刑の執行を命令できる存在は」

 守護天使の死刑……。メガミ・メシアの職務として、最も忌むべき、誰でも一番避けたいと願う事……それを、この男は迫った。

「生き残ったメガミ・メシアたちはみな、この『提案』にサインした。残るは、あなただけだ」

 今まで必死に堪えてきた、この若いメガミのまぶたに、わずかながらうっすらと薄い涙が浮かぶ。もう、限界寸前だった。それに目もくれず、男はまくしたてる。

「あなた自身、認めているはずだ。『世界はもう彼女を制御できない』。今は静かになっているが、再び力を取り戻した時には……」

「そのための、イリノアの特殊封冠なのです! あの戦いの際に使われたものとは違う、今度は完璧な……」

 総じて冷静、温厚と言われるメガミとは思えぬ、救いを叫ぶような抵抗だった。男は、その抵抗をあざ笑うかのように、唇を歪め、切り返した。

「彼以外に、その封冠の完全性を証明できる者はいるのかね」

 苦し紛れに放った言葉の次を考える余裕すら無かった。完全性……証明……できようはずもない。天界のことにかけては全知に近い彼女たちにすら、知りえない事……その一つが、彼女ーーイタチのアズマの特殊封冠なのだ。

 男は両腕を組み、メガミからわざと目をそらしてもったいぶったそぶりを見せる。

「彼にしか理解できない代物など……」

「そう、彼も……囚われているのですね」

 わずかに生き残った戦友たちも、次々と落ちていく。自分も、あとどれほど抵抗できるのだろうか。

「貴方が我々の要求を飲まない限りーーリーラ殿。あなたも彼と同じ運命をたどる」

 否、ここで負けるわけにはいかなかった。自分には、この事態を回復する責務がある。時ならぬ死を遂げた者たち、そして、生き残った者たちへの責任が。
 リーラ、と本名を呼ばれたその女性は、わずかに残された最後の威厳を持って、抵抗した。

「屈しません。何度でも言います。彼女は……イタチのアズマは、全世界を救ったのです。彼女は幸せをつかむ権利がある。たった一人の守護天使の幸せを保証できずして、なにが……」

 男の声のトーンと音量が変化した。それまでの凄むような気配が消え、まるで過去を悔いるような、嘆くような声に。

「あの二人の守護天使は、そもそも、はじめから存在してはならなかった」

「……なんですって」

 奇妙な男の声は続いた。

「全ての間違いの発端です。取るに足らぬはずだった小さな二匹の動物が……あの呪われた血筋の、そのうちの最も濃い者たちと接触した。それが悪夢の始まりだ」

 メガミ……リーラは、何かを悟った。この審問官はやはり。

「あなた……守護天使ではありませんね。何者です? あなたは」

 彼女の問いに、もちろんこの男は答えなかった。男は、その底知れぬ肺奥から声を絞り出し、被疑者であるメガミの顔に向かって吹きつけた。

「メガミ。もう一度聞きます。『世界は彼女を制御することができますか?』」

 メガミは、もはや抵抗する気を完全に失い、力なくうつむいた。

 この男の言っていることは正しい。
 悔しいが、正しいのだ。『彼女』はもはや、誰が見ても制御不能だった。
 確実に起こりつつある厄災をこの世に具現させないためには、もう器を壊すしかない。

「速やかなる『イタチのアズマの処刑』を。手遅れに、なる前に。」

 無力感で鈍る神経を動かし、リーラと呼ばれたメガミは立ち上がった。生気あふれる最年少のメガミだった彼女も、力の大半を失った今となっては……。

 その打ち拉がれたメガミの様子を満足そうに見上げ、男は椅子の背もたれに仰け反る。 持っていたペンですらすらと何か台帳にすばやく書き入れると、そのペン先をドアに向けた。

「理解が早くて助かります。さすがはメガミ様だ。ああ、出口はそちらです。刑は貴方に執行していただく」

 ようやく長い尋問から開放され、解錠されたドアを開けてリーラは尋問部屋を出た。
 力のない足取りで螺旋階段を登り、幽閉された『彼女』へ近づいていく。

 どこで、間違えたのだろう。

 私達は、どこで……。

 あの無敵を誇った最強の男は、もう居ない。

 願わくば、この時を知りえた、誰か。

 あの時をどうか巻き戻し、今一度やり直してくれんことを。

エマ / 2019-01-05 22:37:00 No.2424
ーー。
警告。未確認の動体を検知。
ハイバーネーションから復帰します。

10%……20%……。

オーグメント機能接続。サードアイ・ビジョン、オンライン。
意識水準、睡眠から覚醒。モード3状況下につき、興奮剤L2を投与します。

50%……70%……。スマートスキン活性。各部チェック……異常なし。

サードアイで未確認動体を視認してください。リキッドアーマー・ロック解除。四肢を動かせます。
安全を確保してください。クローク・システムによる擬装を推奨……。

残弾数15。未装填です。

ーー。







「おっと、そこまで!」

 アズマが銃口を向けた先に、男の笑顔があった。

「訓練は終わったよ。アズマちゃん。君が寝ている間に」

 未確認動体の正体がわかり、アズマと防護スーツの支援システムは警戒を解いた。
 手慣れた動作で拳銃の薬室から弾丸を吐き出し、彼女はアーマーのホールドに銃をしまう。いつもの訓練相手の、長い銀髪をした男がおどけた調子で続けた。

「いやー、今日も絶好調って感じ? 最初の訓練風景が嘘みたいだよ。もうこのレベルレンジでアズマちゃんに勝てるやつ、居ないんじゃないかな」

「昨日の成績表によると、このレベルでは居ないみたいです」

 男は、余裕と悪戯好きを混ぜたような笑顔を浮かべる。挨拶代わりの問いかけをそのまま受け取り応答するアズマの様子を、彼は眺めて楽しんでいるようだった。
 そんな男の態度に眉一つ動かさず、この防護服に身を固めた少女ーーアズマは口を開いた。

「アヴァロンさまは、スコアはいくつですか?」

 無表情のまま淡々と聞く様子から、彼女が男に対する対抗心から問いかけたわけではないことは伺える。少女の単純な好奇心に、アヴァロンとやや仰々しい名で呼ばれた男は、踵を返し、訓練室の装置まで寄ると、卓上の制御パネルを操作し始めた。

「俺は563点。君より高いけど、まぁ俺は中距離戦F-30Bばっかやってたし。あれスコア高めに出るんだよ。敵もわんさか出るしね」

 見渡せば、二人がいる場所は異様な光景だった。中東の砂漠地帯のような景色が無限遠方まで広がる中、大きな岩や倒れて朽ちた巨木、様々な障害物が視界の一部を隠している。敵が待ち伏せするには十分な死角が点在しているのだ。
 それどころか、ところどころの中距離、遠距離に、この世のものともしれぬ怪物のような、人間と同等の大きさのおぞましいクリーチャーたちが、蠢き、跳ね、闊歩している。

 はたから軽い気持ちで見れば、人間界で作られた何かのオンラインゲームのフィールドマップのようにも思えるが、蠢く怪物たちのスケールの桁が違っていた。近づいてくればアズマの背丈と同じ、またはそれ以上の体躯の獣たちが、不快な呼吸音や動作音、そして異臭を散らして、存在を訴えている。

 こうした状況下で二人が平然としていられるのには、理由があった。

「もうルーム抜けちゃおうぜ。中東砂漠地帯第8、シーン退出……と」

 辺りの景色が、視界の端から急に溶け始めた。それまで現実と思っていたものが、実は半円球上に張り巡らされたスクリーンに投影された映像で、デジタルの制御が離れて形を加速度的に崩しているのだ。わずか2,3秒で、中東の光景、風、匂い……そしてそこに群れていた異形たちも、あっという間に姿を消してしまった。

 二人の所属組織が有する、最新の戦闘訓練施設『ファントムルーム』が作り出したバーチャルリアリティ(VR:仮想現実)であった。VR技術といっても、天界が独占するテクノロジーによって、その仮想体験は人間界のものを遥かに駕いでいた。
 体験者の行動範囲は部屋の広さに制限されず、参加者全てのVR体験を、全員でリアルタイムに『同時共有』することもできる。
 敵の攻撃や事故による衝撃は、軽いノック程度から致命傷レベルまで、現実の肉体ダメージとして体験が可能。天界で最も危険かつ高難度の任務を率先して引き受ける、かの『秘密局』が、二人のような隊員たちの任務成功率を引き上げるために肝いりで開発・建造した訓練施設だった。

 アズマとアヴァロン、そして今ここには居ない、アズマの実の兄……この3人は、天界が極秘裏に創設した、守護天使にとっての外敵排除のための捜査機関、天界特別諜報秘密局ーー通称『特諜フェンリル』のメンバーである。フェンリルはチーム制を取っており、各種任務には通常、チーム単位で当たるのが普通だ。
 アズマ、アヴァロン、そしてアズマの兄にあたる『カムド』、この三人はチーム『神風』を名乗っていた。構成員の能力の多様性から各チームの特徴は様々……この『神風』は、その名からも想像がつく通り、フェンリルの中でも最も苛烈な攻撃力・殲滅力を備えていた。しかし毎回のようにトラブルを作り出しては持ち帰る『問題児』な彼らを、局内のスタッフたちは密かに『リーサルウエポン』などとあだ名している。
 

エマ / 2019-01-05 22:39:00 No.2424
 ファントムルームのエントランスドアへの通い際に、アズマとアヴァロンは他の人物と鉢合わせした。

「あら、アズマじゃないの」

 その派手なシルエットから、その人物が何者か気づかぬはずもない。西洋人らしい高身長に引き締まったモデル級のボディライン。その上半身の丘の上には双峰の……頂きが本人の歩みのテンポとともに上下する。相当の女好きで名を通ったアヴァロンはもちろんのこと、アズマと呼ばれた無垢な少女の視線がしげしげとそこに集中した。

「ふうん。相変わらず無遠慮な視線ね」

 その声の主は、彼女は2つの視線を一蹴すると、一見ドレスのようにも見える薄い防護服の襟を少し整え、そして赤い燃えるような自身の長髪に手を添えた。
 
「お疲れ様です。クリム教官」

 この人物は蠍のクリムゾン。アズマとアヴァロンとは別のチーム『プアゾン』に所属するリーダー格の女性局員であり、またアズマの実技指導教官の一人である。

「ごきげんよう。アズマ。調子はどう?」

「今のところ問題ありません」

アヴァロンがすかさず、間に入ってきた。

「おークリムじゃん。久しぶりに模擬戦やんの? データ吸われるよ?」

「あなた達もとっくに吸われてるでしょう。今日は伝令があってきたのよ」

 『データを吸われる』とは、このファントムルームを始め、フェンリルの訓練施設で行われたトレーニング実績はすべてフェンリルのコンピュータールームで解析され、上層部の知るところになる、という意味だ。しかし自分たちのパフォーマンス成績が赤裸になるとしても、ここフェンリルの訓練施設ほど、能力向上に役立つ場所も天界では少なかった。半ばあきらめ、事実上看過しながらも利用を続けている局員が大半だ。

「伝令?」

「奪還任務よ。あなた達の得意分野の一つ、でしょう?」

「そうだけど……これって……おい、敵陣営……2つも相手にすんの!?」

 クリムから手渡された伝令書を読んで、アヴァロンは仰天した。確かに、そこには今回の敵対陣営の勢力名が2つ、記されていた。高練度で名高いフェンリルの任務でも、通常はターゲットはせいぜい数名から、たとえ徒党を組んだ組織が相手の場合でも、同時に相手するのは敵勢力一つのみに留めるのが普通だ。それも組織戦であれば、こちらも数チームで連携して望むことが原則となっている。つまり、このような指令は通常あることではなかった。

「もちろん、まともに二面同時戦闘しなくていいのよ。そこの工作はアヴァロン、貴方の得意分野って聞いたケド……。同時に一陣営ならなんとかなるでしょ?」

「つっても…この2陣営……ちょ、アズマちゃんも見てよ。これ相手はあの『カラミティ』と『スフォール』って書いてあるよ? どっちもSクラスじゃねーか! こんなん無理ゲーだよ無理ゲー。一対一でも無理ゲー!」

「掃討任務じゃないわ。奪還って言ったでしょう」

「奪還?」

「そう、まともに戦って潰しあわなくたっていいの。むしろ無用な戦闘は極力回避してほしいわ」

「デ、デスヨネー♪」

 アヴァロンが、本来女性と見紛うほどの美形のはずの顔を極端に崩し、猫のように胡麻をすった。調子よく相手に合わせるときの彼の常套句なのだが、これは専ら相手が女性のときにしか使わない。

「それなら、できるわよね?」

「デスヨネー♪」

「……聞いてんのよ。わたしが」

 脳天気な受け答えに、チーム『プアゾン』のリーダーは思わずため息を漏らした。この顔で、もっと態度が誠実ならば、女性への受けも万人にさぞかし良いだろうに。
 異性関係にとにかく節操のない自由奔放な彼への評価は、女性の性格により真っ二つに分かれる。最近の彼のご執心は、隣ですました顔をしているアズマのようなのだが。アズマの場合、彼女の性質からいって特に心配は不要だろう。しかしもう一人、彼を蛇蝎のごとく嫌っている、今回彼らに協力する別チームの女性局員のことが、クリムはいささか気がかりだった。

「S級組織だって、あなた達なら殲滅できるって聞いたわよ」

「いや、それは俺じゃなくって、アズマちゃんやカムドが本気出した時ですから。俺基本力抜いてやるタイプなんで…‥」

 いい加減面倒くさくなったのか、アヴァロンを無視して、クリムは教え子に向き直り、諭すように言った。

「アズマ、あなた。あれから訓練データを大量に入れ込んで、昔に比べたら随分多くの状況に対応できるようになっているみたいだけど……」

「はい」

 アズマは教官を見上げ、クリムもまた、アズマの顔を凝視した。無垢な顔をして……これからまた、この子は大量の敵を殺めていくことになるのだろう。その意味も重みも理解しないままで……。クリムは、感情はおろか、自意識すら欠落してしまったという、この特殊な精神事情を持つアズマという少女の行き先を以前から心配していた。

「イリノアによれば、あなたは脳の状態からして、事前に訓練できていない状況下には弱いわ。序盤調子が良いからって、独断専行は駄目よ」

「はい。独断専行しません」

「良い返事。私はもう戻るわ。アズマ、セリーナによろしくね。あ、そうそう」

クリムは去り際に二人に向き直ると、彼らに追加情報を伝えた。

「今回はSILENとの合同任務だから、彼らと仲良くね」

 彼女を見送って暫し……アヴァロンは深呼吸のあと、両腕を一気にピンと天に伸ばして、快哉を叫んだ。

「チーム『SILEN』と合同! 久しぶりにあの子に会える!」

 殺し合いも辞さない危険な任務にもかかわらず、どこか感覚のおかしい仲間に対し、アズマが無意識に水を指した。

「サキ様ですか? 以前、あまり協力をしていただけなかった気がするのですが……」

「ははー気のせい気のせい。彼女の戦闘力も加われば言うことなしだろ。斥候や撹乱工作だって、相棒のレオンのヤツがいればなおさらやりやすいしな」

「そうですね」

「あ、まて。そういえば呪詛悪魔の野郎どもから一体何を奪還するんだ? ま、ブリーフィングの時に聞けばいいか。ここんとこ重めの任務もなかったし。ルーチンな訓練ばかりだったし。たまにはこういうのも刺激があっていいよ、ねぇ? アズマちゃん」

「はい」

 フェンリルの訓練施設を出ると、天界に降り注ぐ太陽の日差しが、眩いばかりにアズマたちを照らす。空間的には分断されている人間界と天界だが、この照りつける太陽だけは共通の存在だった。

「いやー、いー天気だ。今日も天界は平和だ!平和!」

「平和ですね」

 このところ、天界には呪詛悪魔の目立った攻撃もない。ごく一部の区域によっては武力衝突があるにはあるが、それはアズマがフェンリルとは別に元から所属している、天神会という名の守護天使組織が侵攻を防いでいる。それはもう数千年前からの恒例行事のようなものだ。

 かつて起きた、特諜フェンリル創設のきっかけともなった、十数年前の天界軍と呪詛悪魔たちの大戦の終結以来……。甚大な被害を被るような事態は、もう天界に一度も起きていない。
 確かに天界では平和が続いていた。アヴァロンという男の言う通り。
 アズマは、天界を覆う、地上に比べた大気の薄さから、より青の際立った、透けるような空を、何気なく見上げた。

 そしておそらく、これからも……ここに平穏が続けばいい。

 他の者よりも、精神の働きが極めて制限されているアズマですら、それはなんとなく思っていたことだった。



……つづく

ライオンのみさき / 2019-04-14 00:41:00 No.2424
 こんにちは、ライオンのみさきです。
 また、とても遅くなってしまいましたけれど、お話の感想を。

 そうは申しましても、初めの導入部とそれに続く場面は正直よく分からないことが多いので、的外れなことを申し上げてしまうかもしれませんが、そこはどうかご容赦を。

 まず、冒頭の語りの「わたし」という方がいったいどういう方なのか……それすら判然とはしないのですが、その方のいる世界が何か“破滅”に瀕しているらしい――それも、これまでにも幾度もそれに類した危機があったらしい――ということは、うかがい知れます。壮大な物語のプロローグなのでしょう。

 それに続く場面。冒頭の世界とはまた、離れているようですが、初登場のリーラというメガミさま。そして、その方を尋問(?)している男性。お名前も明かされず、こちらも初登場の方のようですが、お若くて、また、何かの事情で苦しいお立場にいらっしゃるらしいとは言え、仮にもメガミさまにこんな強圧的に態度を取られるなんて、どういう方なのかと思いましたが、ロイ司令のように特別な権限をお持ちというようなことだけではなくて、何と、そもそも守護天使でもないようですね、この方は。では、どういう存在なのかとか、天界や人間界とどう関わっているのかとか、そういうことは語られないので、いろいろ想像してみるしかないのですが、重要なことはこの場面でも、「天界が滅びかけた」といわれるほどの大事件が起こって、それにアズマさんが深く関わっていたらしいということ。
 一方で、リーラメガミさまが「世界を救った」のだと訴えられていたので、複雑な事情がありそうですが、おそらくアズマさんが自身制御不能な強大な力を得て、そのために世界を救いもしたけれど、天界にも人間界にも多くの犠牲も出してしまい、罪を問われて今は囚われの身となってしまっている、というところでしょうか。
 それにしても、精神的に追いつめられて心が折れてしまったということなのではありましょうが、抵抗していたリーラメガミさまが最後は呆気なく屈してしまわれたのは残念なことでしたし、疑問にも感じます。そのくらい、アズマさんの犯した罪の方も深刻だったのかもしれませんけれど、相手の男性が守護天使ではない、つまり、正体がわからないと悟った直後のことでしたから、同じ天界の方でしたら、たとえ不本意であっても、理が向こうにあると思えば従わざるをえないというのは分かりますけれども、素性の分からない相手では警戒するのが当然ですし、その言うことを黙って聞くというのは少々腑に落ちない感じがしました。
 でもそれより、もっと気になるのは、やっぱりアズマさん以外のお馴染みの他の方たちがどうなってしまわれたのか、ということです。
 果たして、カムドさんは本当に死んでしまったのか、どうか。それに、アヴァロンさんは。リンちゃんは――それに、あのロイ司令まですでにどうにかなってしまわれているかのように仄めかされていましたけれど、まさか……。エマステのいろいろなお話のファンとしましては、とても気になるところです。

 さて、それで、次のシーン。読むと何だかほっといたしました。やっとわたしの知っている方たちが知っている形で登場されて――いつものエマステのお話の世界にやっと戻ってきたような……前の場面では、おなじみの方たちもお名前だけで、直接登場はされませんでしたし。それに、世界と共にそういった皆さまも、だいぶ変わってしまわれたようでしたし。
 時間的には、この場面が最も古くて、これからいろいろなことがあって、前の場面に続いて、またさらに、もっと時間が経って冒頭の語りの世界に繋がる――つまり、時間的にはだんだん遡っている構成なのでしょうね。

 ……ちょっと、だいぶ長くなってしまいましたし、このシーンにつきましては、また改めて感想を述べさせていただきたいと思います。

返信
Dr.イリノア診察室・燕のマーク編
エマ / 2018-07-07 21:40:00 No.2419
ここはDr.イリノア診察室。天界屈指の名精神科医である夢魔イリノアが、その経験を駆使して相談者の悩みを解決していく物語……え、ちがうの?

……進行が乱れ、失礼いたしました。
どうやら、そうは問屋が卸さないそうです。

今回の相談者は、なかなかのお相手だそうで……。

イリノア「さて、今回の相談者さんは……と」

???「失礼しまーす」

と、至極気楽な雰囲気の声とともに、入室してきたのは……。

若い男性「やぁ」

おお、これはみなさま知る人ぞ知る、フェンリルの早業チーム「ソニック」の一角、燕のマークさんではありませんか。

イリノア「ああ、今回の相談者は、君なんだね」
マーク「そうだよ。よろしくね!」
イリノア「(なんか……何も悩み事とかなさそうな気が、つい、してしまうのだが……)この診察室に来たということは、君も何かで困ったり、悩んでいたりすることがあるのかな?」
マーク「えっとねー」
イリノア「うん」
マーク「まぁ、あんまりないんだけど」
イリノア「(やっぱり)ないんかい!」
マーク「いやぁ、まぁ最近重たい任務もあんまないし、少し暇してたから。久しぶりに先生と話でもしようかなって。エマステ的に出番も増やしたいし」
イリノア「いや、あのね……もちろん、『エマステ的に自分の出番を増やしたい』というのは、エマステキャラたるもの、どうしても持ってしまう欲求であって、それは私もわかるのだよ。とはいうものの……こちらも仕事で診察をしているのだし。何も悩みがないけど、診てくれっていうのは、ちょっと……」

っていうか、メタ発言やめなさいよ。あんたら……。

マーク「あ、そうだね。悩みといえば、まぁないわけでもないよ」
イリノア「(むっ? エマステ的に出番を増やしたいからと、無理やり悩みを作ろうとしているな?)」

イリノア先生の疑惑はつのります。だからメタ発言やめろw

マーク「実はさー。最近僕、フェンリルに内緒で、ちょっと副業をしているんだ」
イリノア「副業?」
マーク「うん。最初はちょっとした手助けだったんだけど、楽しくなっちゃって、つい本格的に、ね」
イリノア「どんな仕事なんだい?」
マーク「えっとね。名づけ屋さんだよ」
イリノア「名づけ・・・って、名前をつけてあげる、あの名づけ、かい?」
マーク「うん。クライアントさんの悩みを聞いて、僕が適当に名前つけてあげるの」
イリノア「適当!?
マーク「あ、いや適当違った」
イリノア「え!?」
マーク「真面目に名前つけてあげるの」
イリノア「・・・そうなんだね」
マーク「今のところはBtoBだね。つまり、法人向け事業。新設会社の名前とか、マスコットキャラクターの人気が振るわないから、リニューアルで新しい名前つけてくれ、とか。企業さんが相手だから結構実入りはいいよ」
イリノア「実入りがいい・・・名前づけだけで? 差し支えない範囲でいいんだけど、だいたい?」
マーク「うん、ざっと○○から○○くらいの範囲かな」
イリノア(!!! それ僕の診察報酬単価の○○倍じゃないか!)
マーク「もうちょっと値段上げてもいいかなぁ・・・って最近、ね」
イリノア(いや、僕の単価だって同業では高い方なんだけど・・・名前を考えるだけで、一体どれだけ取るつもりだ・・・汗)
マーク「個人向けサービスも始めたいんだけど、ほら、ペットの名前とか、生まれてくる赤ちゃんの名前とか。個人的にはそっちの方がずっとやりがいがあるんだけど、正直単価も法人向けに劣るし、体制を考えないといけないから、そっちはまだ当分先かなって」
イリノア「そうか・・・それは、まだ幸いだね。僕もその顧客層は慎重に考えた方がいいと思う
マーク「だって、ヒアリングにそんな時間かけてたら利益率下がっちゃう」
イリノア「いや・・・そういう問題ではなく・・・」
マーク「おかげさまで、今のBtoB営業利益率はほぼ100%だよ」
イリノア「(ありえない数字を目の当たりにしてしまった・・・)」
マーク「で、エマステ銀行ってところに売上金を預けるようにしたんだけど、出費することあまりないのに入金だけ続くから、もうお金が膨れちゃって膨れちゃって」
イリノア「いやしかし・・・そんなに収入があっては・・・税金もすごいだろう?」
マーク「うん?」
イリノア「いや、ほら、所得税だよ。あと法人税とかも」
マーク「・・・なにそれ?」
イリノア「いや、税金!!
マーク「ああ、あれか」
イリノア「あれかって・・・」
マーク「チップの知り合いに良い人がいてさぁ。その人も海外にすごいネットワークがあるらしくて「他所さんではありえないくらい節税してあげるから、全部俺に任せてくれ」って言うから、全部お任せしてるんだよね。いやぁ、おかげさまでほとんど税金はかからないよ。たまに海外のよくわからない孤島のエマニエルなんとか会計事務所ってところから報告書が来るけど・・・まぁ面倒くさいからほとんど中身とか読んでなくて」
イリノア「それタッ○スヘイブンやないかーい!
マーク「お金の使い道、どうしたらいいかなー。ほら、僕あんまりお金のかかる趣味ってないじゃない? ゲームソフト買うくらいしかないから」
イリノア「(少し前のニュースでパ○マ文書がどうとかあったが・・・まさかあれに載ってたりしてないだろうな・・・汗)」

その後も、名づけコンサルタント・マーク氏の天然だけど驚愕の事業内容が続き、イリノア医師はマーク氏のビジネスセンスと発想力の自由さに舌を巻いたという。

エマ / 2018-07-07 21:41:00 No.2419
気がつくと、すでに日は沈み始めていた。
作者が面倒くさくなって無理やり夕方にしたわけではない。

マーク「いやーありがとう。色々話せて楽しかったよ。これがイリノア先生の診察かぁ・・・雑談をしているようでいてちゃんと問診するところはさりげなく聞いて診察する。素晴らしいね。」
イリノア「いや、全く礼には及ばないよ。むしろ、どちらかというと僕の方が診察を受けていたような気すらするよ」
マーク「そうだ! お礼に、今回だけ無料で先生の持ち物に何か名前をつけてあげるよ!」
イリノア「え、いいのかい?」
マーク「うん。みんなには内緒だよ♪」
イリノア「じゃあ、試しに例えば・・・私のこれ(聴診器)に名前をつけてもらってもいいかな」
マーク「いいよ。○○○ってのはどう?」
イリノア「はやっ!!!
マーク「うん?」
イリノア「いや君・・・今、全く考えてなかったんじゃないだろうか!? 脊髄反射のレベルですっと出てきたよ。名前が!」
マーク「いつもこんな感じだけど?」
イリノア「今、名付け回答に正直1秒かかってないよね。利益率100%の意味がようやく解ったよ!! それに、肝心の今考えてくれた名前だけど。その「○○○(読者の皆様のご想像にお任せします)」ってのは、正直どうなのかな。この製品がどう言う経緯で、製作者がどういう思いを込めて作ってきたかとか、もうそういうのガン無視な名前のような気がするのだが」
マーク「うん。顧客の皆さんも、大抵最初の反応は「その発想はなかった」だよ。でも、だから新しい名前をつけてあげた会社は市場で成功するんだよ」
イリノア「そ、そうなのか・・・」
マーク「うん。みんな短期的な売上や利益ばかり求めるから、市場における本質を忘れてしまって、いつのまにかそういう大事なものから離れていっちゃうんだよね・・・」
イリノア「本質・・・とは・・・」
マーク「いいかい、この2018年の世界市場において、ネーミング効果というものは・・・」
イリノア「本質・・・」
マーク「キャッチーなネームをつけてあげることで、エグゼクティヴ(経営)層はオフコース(もちろんのこと)、ストックホルダー(株主)、ベンチャーキャピタルといった各種ステークホルダー(利害関係者)が普段アウェアして(気づいて)いなかった自社プロダクトのコンシューマアプローチのためのオポテューニティ・・・」
イリノア「ルー〇柴・・・」

診察を終え、マークを(半ば無理やりに)帰らせたイリノアは、椅子に身を預けて天井を仰いだ。
そういえば、フェンリルへの入隊志望者に立ちはだかる、かの超難関面接試験「恐怖のロイ面接」。
彼はあの場でも、常人の及ばぬ機転をことあるごとに利かせ、ロイ司令からかなりの高評価を叩き出したらしい。

戦いにおいても、呪詛悪魔たちを時によってはその得意の話術で懐柔し、戦わずして場を収めてしまうこともあると聞く。
相手を傷つけて魔封瓶でむりやり捕まえるより、
「ずっと人道的で、俺たちの恨みつらみもちゃんと聞いてくれて、胸のつかえが取れました。マークさんにはマジで感謝してます!」
と呪詛悪魔たちからも大変好評・・・彼らは自ら魔封瓶の中に入っていくらしい。ほんとかよ。いったい何者ですか貴方は。

イリノア「それで、さらに副業も儲かってウハウハで仕方ないって、一体なんなんだろう・・・。僕はいつもこんなに気苦労しながら働いているというのに・・・」

マークが名付けてくれた○○○、もとい、聴診器をまじまじと見つめながら、イリノアはぼそっとつぶやいた。

イリノア「なぁ・・・僕も転職してみようかな。どうしたらいいと思う?」

イリノア「教えてくれ・・・サラ」

「サバイヴ・アワー・ブラッド第0話」において、エマステ史上屈指のキメシーン(※作者の見解です)として輝いた、この想い人への問いかけのセリフも・・・このSSではやはりどこか滑稽に映ってしまうのであった。


つづく・・・かも♪

ダイダロス / 2018-07-12 21:14:00 No.2419
ども、かなり久々なダイダロスです。

イリノアをSSで使っていただきましてありがとうございます。


しかしマーク氏、相手を口車に乗せるのが上手いというか、はたまた物事の本質を見極める感覚が鋭いというべきか……
これでほとんど素で行っているというのが恐ろしいですね(笑)

おまけに協力者にも恵まれているようですし(苦笑)
多分、真っ直ぐ過ぎて危なっかしいマーク氏を放っておけないチップ氏が裏で色々と手を尽くしているのでしょうね。

あと、イリノアよ、お前はツッコミキャラじゃないんだから(本来は相槌を入れながら相手の話を促すタイプ)律義に総ツッコミを入れるという慣れない事はしなくてもいいんだぞ(親心)

エマ / 2018-07-17 10:48:00 No.2419
>ダイダロスさん

コメントありがとうございます♪

マークさんの手腕、少しやりすぎてしまったかもしれません。
考えようによってはすごい無責任すぎるビジネスなわけですが、そこはギャグSSの雰囲気に包んで軽く流していただければと思います。

チップさんが裏でぶつくさ言いながら、ひそかにマークさんのビジネスで散らかった物事の後始末をつけてあげてたりするシチュエーションは確かにあるのかも・・・? それはそれで良いチーム(?)だな、と思います。

リン「生みの親でも無いのに勝手に言っているぞこいつ・・・」

あ、えーと(汗)

リン「お二人のマスターでいらっしゃるみさき様が読まれたら、どう思われるでしょうねー?(チラ」

大変、申し訳・・・orz



>あと、イリノアよ、お前はツッコミキャラじゃないんだから

それにつきましても、大変申し訳・・・orz

リン(この人、いつも謝ってばっかだなぁ・・・汗)

>本来は相槌を入れながら相手の話を促すタイプ

確かに、それがイリノアさんのイメージにしっくりきますね。

でもでも、舞台はギャグSSで、しかもエマステ的に常識人キャラは意外と少ないのではという思いが個人的にありまして、イリノアさんに少々ご無理をお願いした次第です^^;

リン「『たおやかな鋼』のギャグパロディでも、ご無理をお願いしてなかったか?」

え、えっと・・・

リン「みさき様に無断でメティファ様のキャラも勝手にいじくりまわしたり、しなかったか?」

し、しました・・・。

リン「どう、総括されるおつもりでしょうか」

大変、大変、申し訳ございません・・・or2<=====(スライディング土下座)

リン(謝罪の神様っぽくなってきた・・・^^;)

ライオンのみさき / 2018-11-03 23:42:00 No.2419
 こんにちは。ライオンのみさきです。
 お話はもうだいぶ以前に拝見していたのですけど、感想をおつけするのはこんなに遅れてしまいました。
 ……気がついたら、もう4ヶ月も経ってしまっていますものね。まことに、申し訳ありません ・ ・ ・ ・ (汗)。

 それにしましても、自分の考えたキャラクターの人を他の方にお話で使っていただくのは、やはりうれしく、楽しいものですね。そうした気持ちを久しぶりに思い出しました。エマさま、本当にありがとうございます。とても幸せな気分を味わわせていただきました。

 さて、それで肝心のお話の内容についてなのですが、最初にわたしの考えた設定には特になかったはずなのに、いつの間にかマークさんはネーミングセンスが独特だということになって……しかも、いつしかそれがマークさんのいちばんの特徴のようになっていて……。
 でも、それはそれで、キャラが立って、皆さまの印象にも残って、楽しんでもいただけましたし、わたし自身もその後はその線に沿ってマークさんのお話をいろいろ考えたりしたのですが……。
 ですけれど、それはあくまでマークさんのネーミングセンスは“独特”なのだということで――言葉を選んでいます(笑)――決して、他の方から感心されたり、まして、それで、大変なお金もうけができるほどの需要があるようなものとは思えないのですが……しかしまあ、もしかしましたら、今の世の中、わたしが思うよりこうしたものが受けたりするのかもしれないですね。ですが、たとえば聴診器などに、何か新しい名前が必要なものなのかどうか……まったく、何て名づけたのでしょう。
 それから、守護天使の皆さんでも特に地上で活動なさるときですとかお金は必要でしょうし、そうでなくても、普段の生活でもお金を使っているでしょうから、天界には独自の通貨でもあるのだろうと想像いたしますが、でも、税金は――どうなのでしょうね?
 貨幣経済が成立しているぐらいだとしたら、普通に税制があってもおかしくはないような気もしてきましたが……でも、守護天使の天界って一応天国のたぐいでしょう? そうしたところでまで税金とか取られるというのは、世知辛くていやだなあと思ってしまいました(笑)。
――だいたい、どこに納めることになるのでしょうか?

 それはともかく、マークさんがそうしたことにはぴんときていなくて鷹揚で、チップさんが抜け目なくフォローしてあげているというのは、いかにも二人らしい感じがします。実際にもそうしたことはきっと、あったでしょう。マークさんのせりふが最後、ルー〇柴さんのような口調になってしまったのは、どういうわけか分かりませんけれど……。
 でも、この頃ちっともお話を書いていない作者のわたしに代わって、久しぶりにマークさんを動かして下さって、とてもありがたいです。エマさまにはあらためて感謝申し上げます。

返信
P.E.T.S.[AS] 第8話「堕ちた天使」
エマ / 2018-04-22 18:31:00 No.2416
体に染み入る冷気で、彼女は目を覚ました。

ゆっくりと焦点が合う視界。目に入るものすべてが、嫌悪感をもたらす。
わずかに天窓から光が差し込み、あの悪夢のような夜は終わり、朝という日常が戻ったことを知る。

真純は、おそるおそる自身の背筋に冷たい手を伸ばし、傷跡をなぞろうとした。
しかし、毎回感じる違和感がこの日も彼女を大いに戸惑わせる。

「また、消えてる……」

昨夜、無慈悲にあれだけ背中に付けられた切り傷、刺し傷が、きれいさっぱりなくなっている。
すべては、ただ悪い夢であったかのようだ。

だが、真純は確信していた。

夢なんかじゃない。あんなに気を失うほどの激痛が、夢であるはずがない。

そう確信するも、傷がいつの間にかすべて『なかったこと』になっているこの現実を、理解することもできない。

堂々巡りの思考を放棄し、真純はベッドから起き上がって、あたりを見回した。

昨夜のままに、荒れた父親の部屋。その主は今いない。

ふと、上半身裸でいることに気づき、あわてて脇にあった下着を纏い、真純は部屋の外へ出た。

哲は、どこかへ外出しているようだった。

自分の部屋に戻り、私服に着替える。

今日一日、何をしようか。
あんな夢は、早く何かで塗りつぶしたい。できるなら、思い切り楽しいことで。

「また、あそこに行ってみようかな」

いい加減、迷惑がられるかもしれない。それでも構わなかった。
とにかく、あの父親からできるだけ遠くに……。

いつか、逃げてやろう。真純は固く自分に誓った。
逃げて逃げて、そして自分の力で、いつか本当の幸せをつかむんだ。

でも、そのためには、何が必要なんだろう……。

お金もない。頼るあてもない。
今のところ、彼女が持ち合わせているものは、ひな鳥のような芸術の覚えだけだった。
そして、そのすべてが、あの父親の作品を見て触れて体得したものだという事実が、
彼女の心をまたひどく嫌悪感で蝕むのだった。

エマ / 2018-04-22 18:32:00 No.2416
「そんなものはダメだ」

否定。

「忘れなさい。お前のためにならん」

また、否定。

重い沈黙……発言の許可が与えられるまで、それはずっと続く。

もう、耐えられない……。

「飼ってはならん。いいな美月」

恐れていた審判の言葉まで下された。美月の小さな心と心臓はもう限界間近だった。

心の中は様々な激流で荒れ狂っていて、考えが全くまとまらない。何か、言おうとしても……言葉のかけらすら浮かんでこない。

どうして自分は今、こんなことに……。





事の発端は、美月の大きな友人、健介からの相談・お願いだった。彼女はびっくりした。

今朝、彼は開口するや一番「ウチ、引っ越すことになった」と言ってきたのだ。それは、幼い美月にも意味がわかることだった。つまり、この人とはもう、お別れなのだ。

「でさ、今度引っ越すところが、ペットダメなんだってさ」

「そうなの……」

「参ったぜ……悩んだ挙句、いろんなところに譲ろうとしたんだけどな、引き取り手いなくて……」

健介は、普段見せない沈痛な面持ちで、自分の相棒を見下ろした。視線を投げられた彼ーーーロックは、その意図も分からずに、散歩の続きをせがんで主人に体をすり寄せている。

「やばいぜ、保健所には絶対行かせたくねーし」

「ホケンジョ・・・? そこは飼ってくれないの?」

「飼っちゃくれないな・・・それどころか、こいつら動物にとっちゃ、最悪の場所だよ。もう永遠におさらばになっちまう」

その言葉の正確な意味までは、さすがにこの時の美月には分からなかった。だが、永遠にお別れ、という言葉だけでも、彼女には相当な衝撃だった。

「もう二度と会えなくなっちゃうの? そこにいっちゃうと、たまに会わせてくれたりとかも、できないの?」

「できねぇんだよ……永遠におさらばって言ったろ」

健介は、大きな両手で顔を覆った。きっと、美月に表情を見せたくなかったのだろう。彼は今にも泣きそうだった。

「いや……嫌だ! わたし、ロックとお友達になれたのに……お別れなんて、絶対にいや!」

「そうだよな……」

「どうしたら、ロックとお別れしないで済むの!」

美月は、その「お別れ」を何が何でも阻止したかった。

「俺もそれで嬢ちゃんに相談にきたんだよ。早い話がさ、もういっそ、嬢ちゃんとこがこいつを飼ってくれれば全部話が収まるんだよな」

「それって……わたしが、ロックのご主人様になるの?」

「そうさ」

美月は、心が躍った。願ってもないーーなんという幸運だろう。
永遠のお別れを回避できるどころか……自分の最高の友達にできるのだ。それも、ずっと。いつも一緒に居られる。
心淋しい時も、落ち込んだ時も、楽しい時もすべてを分かち合って……。
であれば、やるべきことは一つだった。

「いいよ! 飼うよ! お兄ちゃん、わたしのお家でロックの面倒みる!」

「まじか!? ありがと嬢ちゃん! でも……お父さん、そこらへんめちゃくちゃ厳しくねぇ?」

「大丈夫! 大丈夫よ!」

本当のところ、うまくいくかなんて何も分からない。
でも、ロックと一緒にいれる。自分が主人になれる。
その「特別オファー」は美月の心を完全に魅了し、少なくともこの時だけは、父親への恐れの気持ちすらかき消していたのだった。





それが……今まさに、微塵に打ち砕かれんとしていた。

これからも、ずっと一緒に居られるはずの、友との運命が。

「解ったら、部屋に戻りなさい」

「でも……でも……おとうさん」

「なんだ!」

苛ついた父親の口調が、美月をさらに怯えさせた。

だが、今日の美月は今までと違った。背負っているものが違うのだ。彼女の口は、いつもと違って、動いてくれた。

「うちで飼えないと、もうずっとお別れなんです」

「我慢しなさい」

「……もう、あの子とずっと会えなくなっちゃう。ずっとずっとお別れになっちゃう……わたし……わた……」

涙がぽろぽろ溢れてきて、もう言葉を紡げなくなった。終いに美月は完全に泣きじゃくるようになってしまった。

そんな娘を見下ろす父は、憮然とした表情を変えなかった。
幼い愛娘が望む、ささやかな希望・幸せの何がそんなに許せないのか……飼育のお金だって、場所だって、
この家に足りないものは何一つないのだ。
父親の思考を満たす、不寛容さ……誰を持ってしても、それを理解することはできなかった。彼を最も愛する者でさえ……。

一部始終をずっと見ていた、美月の母親が、見かねて近寄り、娘の手をとった。
彼女は、娘の最後の音節を聞いて、何かを察したようだった。

「美月を部屋に戻します。さ、美月……後で暖かいスープを持っていってあげるわね」

手を引かれ、泣きはらした目をゴシゴシしながら父の部屋を立ち去る美月だったが、この優しい母は常に娘の味方だった。

小声で、母は娘にそっと言うのだった。

「お母さんに任せて」

ライオンのみさき / 2018-06-10 21:58:00 No.2416
 こちらでは本当にごぶさたしておりました。
 たいへん遅くなってしまいましたが、感想を書き込ませていただきたいと思います。

 とは申しましても、 P.E.T.S.[AS]を拝見するのもずい分お久しぶりのことですので、正直申し上げて、この前の部分のお話をかなり忘れてしまっておりました ・ ・ ・ ・ (汗)。
 この前のASの 第7話と言えば、こちらの過去編ではなくて、現在編の方がいろいろ記憶に残っていました。ティコさんとロックさんの本格的な戦闘シーンですとか、祐一さんの正体ですとか、ティコさんの特殊な立場と活動ですとか……。――ああ、あともちろん、ティコさんと美月さんのキスシーンも。残念ながら、キスシーンではあっても、ラヴシーンとは呼べないもので、それどころか、誰一人にとっても幸せなものではありませんでしたけれど……。
 そんなわけで、過去編の方はどんなお話だったか、確認するためにもう一度読み直してみました。
 そうしましたら、読んでいるうちにこちらもなかなか衝撃的な内容だったことが次第に思い出されてきました。
 何か理由があるのでしょうけど、だとしても、児童虐待としか言えない真純先生のお父さまの幼い娘への残酷な行為……そのお父さまの彫刻の怪談のような噂話……そして、ペンダントを巡るユーイチお兄ちゃんとの対峙……さらに、お造りになった天使像の意識の覚醒……とこうして、振り返ってみますと、真純先生のお父さまはお話の中でも重要人物だったことに気づかされました。
 今回のお話でも、直接登場はされませんでしたけれど、その存在感の大きさが幼い真純先生の様子を通して伝わってきます。中でも、背中に付けられたはずの傷がきれいに消えてしまっているという不思議には、もちろん何か重要な意味があるのでしょう。これは7話の過去編で真純先生が美月さんに背中を見せて確認してもらっていたことから、もう何度となく繰り返されていたことだったのですね。
 そして、今回のお話の後半は、ロックさんが美月さんに飼われることになるかもしれないという内容で――真純先生のお父さまのことほど、インパクトはないはずですが、実はわたしは結構驚きました。飼い主とペットというのは、ご主人さまと守護天使の前生での関係としては最も普通で一般的であるはずのものですが、このASではティコさんもロックさんも、お二人のオリジナルで、幼い美月さんにとっての二人の「お兄ちゃん」である方達が本来の飼い主であって、美月さんは飼い主だったことはないけれど、前生での縁が深かったことによって、お二人のご主人さまになったのたと勝手に思いこんでいましたので――そういうパターンのご主人さまと守護天使の前生の関係もよくありますものね。
 でも、美月さんのお父さまによって、今のところまだ予断を許さない状況でした。前回もケンスケお兄ちゃんとのおつき合いを禁止されたりして、ひどく厳しいところをみせていらっしゃいましたが、今回はその「不寛容さ」は不自然なまでのものであるように強調されていましたから、このお父さまにももしかしたら、何かあるのかもしれませんね。
 それにしましても、タイプとそれと意味も異なるとは思いますが、怖いお父さまばかりで、いやになってしまいます……まだ、年端もいかない時代の真純先生と美月さんへ同情を禁じ得ません。どうか、お二人が救われますように。

 続きもまた楽しみにしております。

返信
エマステリニューアル版の見通しとアンケート
エマ / 2016-07-24 19:57:00 No.2413
みなさんこんばんは。この掲示板もちょくちょくまた使っていかないとですね♪

で、いつぞや、新チャットシステムについてのアンケートをしましたが、今度はエマステそのもののリニューアルについての、計画のご報告とアンケートです。

今の所、エマステリニューアル版の特徴です。

【まず、必ず実現を目指している機能】
・今稼動している新チャットと同じ技術で作ります。

・ログイン制のサイトになります。未ログインでも大半のページは閲覧可能ですが。ログインユーザーはさらに以下のことができます。
 ・ログインユーザー限定のコンテンツが見れます。
 ・自分で作ったオリジナルコンテンツを投稿できます。

・画像投稿掲示板も自作して作ります。既存の業者から借りているものよりも、より高機能になります(ただし、投稿はできますがWeb上でのお絵描き機能はありません^^;)

・今まで、私が掲載作業していたため、コンテンツの更新・掲載が遅れていましたが…。今後は、各ログインユーザーが、自分で自作の文章を流し込んで、自分のコンテンツページを作れるようになります!

・エマステチャットにおいて、希望する人は、他の人が入室した時に、メールなどで知らせてくれる機能をつけます。逆に、自分が入室するときに、他の人に通知を送られないようにこっそり入室することも可能です。

【以下、優先度は低いものの、上記を終えたら対応していきたい機能】
(上のものから優先し、下に行くほど優先度が低くなります)

・iOS/Android向けに、エマステ専用アプリを開発。App Store/Google Playで無料配布します。これをインストールすると、スマホなどでエマステで起きるいろんな更新情報やイベント(他の人がチャットに入室したなど)の通知を受け取ることができるようになります。

・エマステキャラの3D化計画を徐々にやっていきます。そうして3D化したキャラは、↓のゲームなどで動かせるようになります!

・エマステ上で動作する、マインクラフト的ゲームを開発・設置します。私たちが作っていくのは、もちろん天界。3D空間を掘ったり部品を積み上げたりして、いろんな建物や施設を作ることができます。みんなで一緒に天界を作っていきましょう!


という感じ、どうでしょう? まぁ計画ブチあげるだけなら誰でもできるので、有言実行が大事ですが。まぁ自分を背水の陣に追い込むためにも、あえて告知しました。

アンケートとしてましては…。

・上の他に、欲しい機能はありますか?

・リニューアルする上で、ここ気をつけて欲しいな、ということはありますか?

・他、アイデアがあれば自由にコメントください。

という感じです。皆さんの反応を、エマさんは待ってるぞ♪

土斑猫 / 2016-07-25 19:02:00 No.2413
こんばんは〜。相変わらず、野望に燃えておりますね。無理して体壊さない様にね。
で、自分の望む事はただ一つ。
絵版、もっと大きい容量の絵でも載せれる様にお願いしやす!!
今だと容量をかなり削らないといけないんで、画質がががが・・・。
それと、掲示板系統では、自分の上げた絵や文章の削除や上げ直しが出来るようになると嬉しいです。
詳しい事分からないんで、とりあえずそちらの手間とかは考えずに言いました。
可能な範囲で考慮していただけたら嬉しいです。
それでは。

エマ / 2016-07-25 23:46:00 No.2413
>土斑猫さん

早速のリクエストどもども♪

>絵版、もっと大きい容量の絵でも載せれる様にお願いしやす!!

それ! ですよね!
もちろん、でかい絵を載せられるようにします。後、上げ直しとかももできるようにします。

うむ、やはりそういう意味での利便性は重要すな。

後は、私が無理せん程度に順調に開発を進めなければ…。

返信
久しぶりにサバブラSS(ギャグ)後編
エマ / 2016-04-05 01:04:00 No.2406
(下の前編のスレッドから読んでね♪)


後手:アヴァロン

作品「係長アヴァ耕作」

リン「……orz」

アヴァロン「どうしたのリンちゃん?(゚∀゚)」

リン「いや……もうちょっとタイトル、どうにか……」

アヴァロン「ふ。日本の偉大な名作に敬意を表して、インスパイアされつつもオリジナルを超える神作に仕上がった!!」

リン「オリジナル超えるとか言うな! 神作言うな! 『弘○』先生と『○ーニング』誌に全力で土下座してこいッッッッ!!」

アヴァロン「で、主人公誰だと思う?(゚∀゚)」

リン「……もう、聞くまでもないんで、さっさと内容見せてください……」




世界に名だたる大手家電メーカー、「西芝電器産業」に勤めるサラリーマン、アヴァ耕作。
敏腕な営業マンとして、つい最近係長に昇進したばかりだった。

西芝電器営業課長「うーむ。ドミニオ商事からの約100億の巨額案件、ライバルの魔狼電器産業にとられそうか…‥」
営業マンA「はい。まさかこの段階になって、やつらあんな価格を提示してくるなんて……」
営業マンB「ドミニオ商事のY女史も、この入札。魔狼電器の方に乗り気なんです…このままでは…」
営業課長「しかし、コスト的にウチとしてこれ以上値引くわけにはいかん。なんとかならんものか…」

と、そこへ。それまで業界紙を広げて顔を隠していた一人の男が、営業課長の方を向いた。

アヴァ耕作「課長。その案件、オレに任せてはもらえませんかね」

営業マンA「先輩……無理っすよ。価格差がありすぎます」
営業マンB「そうです。いくら先輩の腕でも、この状況では…」
営業課長「まぁ、聞こうじゃないか。アヴァ君。そこまで言うからには、何か秘策があるのかね?」
アヴァ耕作「まぁ、あるといえばある。ないといえばない、ですかね」
営業マンA&B「???」




場所は変わって、ドミニオ商事。乗り付けた営業車の中で、アヴァと営業マンAはこの本社ビルを見上げていた。

営業マンA「で、先輩。どう攻めるつもりです? 相手方のY女史は、手強いですよ」
アヴァ耕作「まぁ見てなって。彼女には久しぶりに挨拶もしたいんでね。お前はそこで待ってな」
営業マンA「久しぶりに挨拶って、先輩って一体…」




ドミニオ商事、Y女史の部屋。

Y女史「アラ。久しぶりね。アヴァクン。この段階になって、まだ何かあるというのかしら?」

アヴァ耕作「ハハハ……相変わらずですね。Yセンパイ。学生時代から、そこが可愛いんですけどね」

Y女史「フン……いくら元後輩のアナタが相手でも、そううまくは行かなくてヨ! 品質は同等でこれだけの提示額の差。もう勝敗は魔狼電器で決まっているンだから!」

アヴァ耕作「それはそうと……。Yセンパイ。見たところ随分とご無沙汰なんじゃないの?」

Y女史「い、いきなり……何を言っているの?」

アヴァ耕作は、素早くY女史の背後に回り込んだ!

アヴァ耕作「知ってるんだぜ。旦那が最近冷たいんだって?」

Y女史「ど、どうしてそんなこと……ああっ」

アヴァ耕作「ふっ、久しぶりに、あの頃を思い出させてあげようと思ってね」

Y女史「ダ、ダメよ……アナタのその手には乗らな……ッ……」


(以下、…所変わって、某所、某密室)


アヴァ耕作「奥さん! コレが欲しかったんだろ!?(・∀・)」
Y女史「反則よ……こんなの……反則よ……ああっ!」

(ビー!ビー! 重大なエマ倫違反が検知されました。重大なエマ倫違反が検知されまし…(ry)

(3時間後…)

Y女史「負けたワ……。アヴァクン。あの時と同じで、いつもアナタは私をリードしてしまうのネ☆」
アヴァ「いいのかい? 俺は誰彼構わず、ハートだけを奪っていっちまうような男なんだぜw」
Y女史「そこがアナタの素敵なト・コ・ロ☆ これ…約束のモノよ」



(次の日)

営業マンA「課長! 大ニュースです! Y女史から連絡が! 例の案件、ウチの製品に急遽ゴーサインが決まったそうです!」
課長「なんだって!? そうか…アヴァ君。またしてもやってくれたか!」
アヴァ耕作「いえ、オレはお客様の期待に、競合他社よりも少しだけ多く応えられただけですヨw」
課長「君は100億の売り上げを1日にして我が社にもたらしてくれた。今日から君が課長になりたまえ!」
アヴァ耕作「ありがとうございます」
営業マンA「それにしても、すごいですね。先輩。一体あのY女史相手に、どんな技を…?」
アヴァ耕作「フフフ……」



課長アヴァ耕作の快進撃は続く。

(チャッチャッチャッチャ〜〜〜〜〜〜♪)

エマ / 2016-04-05 01:05:00 No.2406
リン「…………………………」
アヴァロン「リンちゃん。どしたの? まるでアクシオンに遭遇した『西住みほ』みたいな顔しちゃってw つーか、どこらへんで泣いた?ww」
http://livedoor.3.blogimg.jp/otaku_bl...

リン「泣くとこなんてあるのか……これ……」
アヴァロン「カッコいいだろ? このアヴァ耕作ってやつ!(゚∀゚)」
リン「馬鹿すぎますね! このアヴァ耕作ってやつ!!」
アヴァロン「惚れるだろ?(゚∀゚)」
リン「惚れませんッ!!」

アヴァロン「え〜〜〜〜〜〜?」
リン「え〜ってね、あんた……だいたい。16歳の私にこんなモノ読ませるな……
アヴァロン「これでリンちゃんもオトナになれたね(゚∀゚)」
リン「なりたくない……こんなモノで……orz」








アヴァロン「評定! 評定!」
カムド「負・け・ろ! 負・け・ろ!」
リン「(なんかもう色々めんどくさくなってきた……)はい。じゃあいきますよ。ほれ」



画力:エ○い
キャラクター性:チャラい
ストーリー:ゲスい

総合点:救いようがない




アヴァロン「……リンちゃん。あのさ、これ……点数ですらなくね?」
リン「点数化したくもないわボケ」
アヴァロン「オリジナル超えt…」
リン「超えてるわけないだろ痴れ者がぁ!!! だいたい、主人公チャラすぎるわ!! 私が一番嫌いなタイプだコノー!!!!」
アヴァロン「そ、そうだったの……ショック。俺の理想像を具現化したのにorz」
リン「理想っていうか、これまんま貴方ですよね……」
アヴァロン「アズマちゃんは、このアヴァ耕作の凄さわかってくれるよね!?」
アズマ「え? あ、はい。凄いですね」
リン(まぁ、あんなんで100億案件奪えるってんだから、凄いというのは間違ってないが……こんなしょーもないコトがあちこちで起こりえるなら、それこそ、世界終わるわ……
アヴァロン「ほら! リンちゃん聞いた!? アズマちゃんはわかってくれたし!!」
リン「(無視)いいですか? アズマ様。今日は新しい知識を覚えましょう。『アヴァロン様はいやらしい』。はいっ!」
アズマ「はい、『アヴァロン様はいやらしい』。覚えました。」
アヴァロン「あがっ! いきなり何教えてんのリンちゃん!?( ̄□ ̄;)」
リン「もう、私に抵抗する手段はこれしか……」
アヴァロン「これしかって……。ダメだよアズマちゃん、こんな嘘情報信じちゃ!」
アズマ「うそ……情報?」
リン「ふふふ、アズマ様は素直ですからね。ひな鳥の刷り込みのように、一度覚えたことは忘れませんよ」
アヴァロン「ええい、くそ、よし。なら記憶を上書きすればいいんだ。いいかいアズマちゃん。俺が真の情報を教えちゃる! 『アヴァロン様はカッコいい!』。さんはいっ!」
アズマ「『アヴァロン様はいやらしくて、カッコいい』。覚えました。」
アヴァロン「上書きじゃなくて、追記型かよーーーーーーー!!orz」
リン「フッ……」(嘲)


エマ / 2016-04-05 01:06:00 No.2406
(で…)

カムド「で、勝敗は?」
アヴァロン「勝敗は?」
リン(下せというのか……私にこんなマリアナ海溝クラスの低レベル勝負の勝敗を……orz)
カムド「どーせ俺の勝ちなんだろ?」
アヴァロン「んなわけねーだろ。このマイナス男」
カムド「うっせ! いやらしくてカッコいいアヴァの助はすっこんでな!」
アヴァロン「て、てめー!! そこまで俺をコケにッ! この温厚な俺が許してもアズマちゃんがなんて言うか!」
アズマ「ええと……リン……次は『救いようがない』で合っていましたでしょうか?」
リン「はいはい。合っていますよ。アヴァ耕作、本当に破廉恥ですよねー?(チラ」
アヴァロン「……orz」
カムド「で、結局どっちが勝ちなんだよ」
リン「あーなんかもう正直、ここまでお二人のレベルが低いと、判定不可能のような……(面倒臭いなぁ……)あ、そうだ! あの人に投げちゃおう!」







(と、いうことで。場所はエマの自室に戻る)

リン「と、いうことなんですよ」
エマ「なんでキミはさ。そんなモノをボクに振るかなー」
リン「いいから。ここまではやりましたから。あとはお願いします。私はもう疲れました」
エマ「んなこと言ってもだよ。話だけ聞いてるとその二人の作品、マジでどーでもいーように……ふむふむ、ほう…」(←それぞれの作品を読み込んでいる)

リン「どうしました?」
エマ「ふむふむ!」
リン「???」
エマ「……けるよ」
リン「はい?」
エマ「イケるよ。やたらとイケるよ! むやみにイケるよ! この2作品!」
リン「はぁ!?」


(この時のリンの顔は、まるでアクシオンに遭遇した『西住みほ』のような顔をしていたというw)


エマ「いやー、二人とも。豪語するだけあって才能あるねー。いや、ここまでオモロイとは思わなかったよ」
アヴァロン「ま、ヨユー? ラクショー? 美女囲む? 俺を?ww」
カムド「まぁ、俺の実力なら当然だな。まぁ左腕しか使ってないがなwww」
エマ「画力よし! キャラクター性よし! ストーリーよし! 総合的に言ってもどちらも申し分ないね! これなら○ーニング連載もいけるんじゃねww」
リン「行けるわけないだろ!! どんな神経してんだバカ作者ーーーー!!!!」

エマ「いやー、今回の二人の勝敗は正直。甲乙つけがたいよ。ぜひ次回作で決着つけて欲しいな」
カムド「その一言を待ってたぜw」
アヴァロン「なぁ、今度どっか少年誌に正式に投稿しようぜ」
カムド「望むところだ。お前落ちて俺が載るぜw」
アヴァロン「んなわけねーだろ。すでに漫画の神様は俺に微笑みかけとんじゃい!」
エマ「よし、これから各出版社を回っていこー!」
カムド&アヴァロン「オオーーーーーー!!!!!」

こうして、一行は漫画界の覇道を目指して突き進むのであった。


(もういいや…(´д`)by リン)

G5‐R / 2016-04-11 20:12:00 No.2406
で、こっちはアヴァロンのターンだな。
係長アヴァ耕作ってまんまなタイトルにまず激ワロタwwwww

で、案件の勝ち取り方がwwwww
一体どこの昼メロだwww
たしかに主人公チャらすぎだなw
ラグルだったら「ヽ(゚∀゚ )ノ 俺もやるぜ☆」とか言って真似しようとして玉砕する事だろうw
Y女史って誰かモデルいるのかね。

評価はもはや点数ですらないとかもうねw
あとは『アヴァロン様はいやらしくて、カッコいい』ってのはある意味的確かもw

勝敗は予想通りうやむやかw
もし審査員がラグルだったら嫉妬しつつも羨望と願望を込めてアヴァロンに軍配を上げていただろう。
今度漫画対決するんならもっとわかりやすい題材にしてくれ。
今度があればの話だがw

エマ / 2016-04-11 21:23:00 No.2406
どうやらこちらの方がツボにはまったようで、ヨシャーw

このまんまなタイトルには、のっけからリンちゃんも腰砕けになったようですよ。フフフw

で、案件の勝ち取り方のバカっぷりもそうですが、このY女史の独特なキャラにもこだわりました。
が、エマステに元ネタ・モデルとなるキャラはいないのですよねー。
いや、無理やりモデルにしたらそれこそそのモデルのキャラに失礼が^^;


>あとは『アヴァロン様はいやらしくて、カッコいい』ってのはある意味的確かもw

アヴァロン「俺的には冴羽○ょう的ポジションを狙ってるんで、ヨロシク!(゚∀゚)」
リン「(また美味しいポジションを狙いやがって……!)いえ、冴羽○ょう氏は真剣時ともっこり時のメリハリがちゃんと効いているのが人気の秘訣なのです。あなたは常時もっこりしているではありませんか」
アヴァロン「リ、リンちゃん……それ結構マジで傷つく……orz」


>今度があればの話だがw
リン「あるんですか!?(泣)」
エマ「ウヒョヒョヒョヒョヒョヒョw」
リン「知らないぞ! あっても私はもう絶対進行役なんてやらないからなー!!!(怒)」
アヴァロン「『激おこプンプン』なリンちゃんかわゆす(゚∀゚)」
カムド「かわゆすwwww」
リン「ンガー!!!」

返信
久しぶりにサバブラSS(ギャグ)前編
エマ / 2016-04-05 00:59:00 No.2401
とある町のとある家。
の、とある自室……。

ひたすらウンウンとうなり続けている男がいた。

エマ「うう〜〜〜〜んorz」

リン「作者殿。一体何をそんなに悩んでいるのですか?」

エマ「う、うわっ! リンタソ! お、俺の妄想の中からキャラが具現化した! これは夢!? 夢なら覚めるなキタコレ!」

リン「まぁ、貴方一人ではSSとして間が持ちそうにないですからね。特別に来てあげました。エイプリルフールですし(←執筆時点)。っていうかタソとかつけるな」

エマ「いや、実はね。最近iPad Pro買ったんよ」

リン「へぇ、あんなに高額なものをよく。まぁ、作者殿はパソコンや技術書以外無駄使いしませんものね。そこだけは認めます」

エマ「でね。なんでアレ買ったのかというと、iPad Proって、Appleペンシルっていう専用ペンがついてるのよ。それで漫画描こうと思ってさ!」

リン「はぁ…漫画ですか。でも作者殿、たしかイラストもビミョーな技量だったのでは…」

エマ「チッチッチ、甘いなー。リンちゃん。上手くないから練習するんだよ? そうやって人類は進歩を遂げてきたんだよ。わかんないかなー♪」

リン「(自分を棚に上げての上から目線ムカツク…)はぁ、で。その漫画の進み具合はどうなんですか?」

エマ「ん? 進捗について聞いてる?」

リン「はい」

エマ「ないよ」

リン「は?」

エマ「いや、ネタがないんよ〜w だから描けないんよ〜ww」

(プルプル…)リン「それは言い訳だ! お前に根性がないだけだ! だからASの執筆もサバブラの執筆も 一向に進んでないし、エマステ自体の更新も滞りまくりで皆様に迷惑ばっかりかけてて、だからバレンタインのお祝いだって基本ゼロで、不憫に思ったみさき様からの温情お祝いカード(←リン的にノーカウント)で辛うじて首が繋がってるだけなんだ! この甲斐性なしめ!!」

エマ「ひどい! あ、あと、最後関係な…!」

リン「その根性の無さ叩き直してやるー!!」

エマ「うわ、リンちゃんやめてーーーーー!! ヒデグガ阿部氏!orz」

(そこへ、通りかかった二人の男)

アヴァロン「ヤフー、リンちゃんじゃん!」

カムド「うっせぇと思ったらお前ら何やってんだ?」

エマ「あ、二人ともいいところへ! 実はね(しかじか…)」

エマ / 2016-04-05 01:00:00 No.2401
リン「もう、お二人からも何か言ってやってください」

アヴァロン「マンガ? あんなの楽勝じゃん」

カムド「相変わらずくだらねぇレベルでくすぶってんなオイ」

エマ「そ、そういうお前らは、描けるのかよマンガ! けっこー難しいんだぞ!」

リン(ネタすら思い浮かばない人が、何を…)

アヴァロン「難しくねーよww まぁー、俺の才能にかかれば? ヨユー? ラクショー? 美女惚れる? 俺に?」

カムド「フン。マンガなんぞ俺の敵ではないわ。葉巻3本吸い終わる前に倒せるっつーのwww」

リン「ほう、そこまでおっしゃるからには、相当な実力をお持ちということでよろしいですか」

アヴァロン&カムド「ロンモチ!」(モチロン、の意味らしい)

エマ「くっ……そこまで言うなら、二人に描いてもらおうじゃないのぉ!!」

リン「(まぁ、SSとしては盛り上がってはきましたね…)さて、どちらのマンガがより面白いか…勝負と行きましょうか」

カムド「フン。アヴァロン、貴様なんぞマンガでも瞬殺だぞ」

アヴァロン「ケッ、テメーこそ。アズマちゃんの婿としてふさわしい男が俺だと今度こそ認めざるをえないだろうよケケケケケ(゚∀゚)」


(続く)

エマ / 2016-04-05 01:02:00 No.2401
先手:カムド

カムド「フッ。まぁ俺の手にかかればだな…」

リン「そもそも、カムド様。漫画なんて描かれたことあるのですか?」

カムド「ないけど?」

リン「『ないけど?』じゃないだろッ!!」

カムド「ンなもん、なんとかなんだろ。大事なのは気合だよ気合」

リン「……頭痛くなってきました。そんなことだと、手先だけは器用なアヴァロン様に負けますよ?」

カムド「リンよ。勝敗を左右するのは技量だけではない。最後に状況を動かすもの、それは己の心であるということを忘れるな」(←背中を見せてキメている)

リン「はぁ、なんかそれっぽくカッコつけている感じですが、私としましてはそちらも心配です…

カムド「で、お題は」

リン「ええとですね。近年、人間界では経済情勢が大きく動いているようですから、その流れを捉えた『ビジネスマン』物でお願いします。カムド様、アヴァロン様、ともにそのお題です」

カムド「任せろ!!!!!!!!!」


(カムド、執筆中)

カムド「ウォォォォォオォォォォオオォォ!!!」
カムド「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!!」
カムド「俺が時を止めた!!!」

リン「(どこが執筆中の音なんだよ…)あ〜、音響さん。ここどうでもいいですから飛ばして次行ってください」


(で…)


カムド「できたぞ」

リン「ほんとかよ…」

カムド「嘘言ってどうすんだよ。まぁ、見てみいや。俺の力作を」

リン「あー、その前に。今回の評定のアシスタントとして、アズマ様にもご支援いただきます」

アズマ「こんにちは。皆様…」

カムド「おう、アズマよ。見ておけ。俺の力作を」

アヴァロン「アズマチャーン! 会いたかったよ! 見ててね!待っててね! 俺の神作が勝つのを!」

カムド「ケッ、何が神作だ。まだ出来てもねぇだろ、てめーのは神作じゃなくて珍作に決まってる」

アヴァロン「うっせ! てめーこそ公開した瞬間にTwitterとFacebook炎上してニュース出るに決まってる!」

リン「あ゛ー五月蝿い! とにかくカムド作、お披露目行くぞ!」


(続く)

エマ / 2016-04-05 01:02:00 No.2401
カムド作「〜〜〜〜(タイトル現時点まだ未定)〜〜〜〜」

ここはとある東京の県境。山の中にある、人里離れた宿泊施設。
人材派遣業において、近年、低価格と柔軟なサービスを売りに急速に業績を伸ばしている
ある企業があった。
その企業の名は「ザ・ムカドコンサルティング」。同社は、あまりにも早すぎるその成長スピードから、「あの企業は何かがある」という、様々な憶測と噂がまことしやかに囁かれていた。

その企業が、この数週間。この宿泊施設を丸ごと貸し切って、新人研修をしていたのだ。

ムカド社長「オラオラオラァァァァァァア!!!!気合が足りんぞォォォッォォォオ!」

新人達「ヒィィィィ!」

新人A「しゃ、社長。もう無理っす…」

その新人社員Aの首根っこを掴むムカド社長

ムカド社長「何イィッィイッィ!? 貴様そんな体たらくで数字取れると思ってんのかぁぁぁぁ!!」

新人B「しゃ…社長…入社面接の時と話が違います! 『基本的に軽作業だけの手軽なお仕事です』って書いてあった、アレは…」

ムカド社長「どれもこれも軽作業だろうがよぉぉぉぉぉ! 俺から見たらな☆(てへぺろ」

新人達(あんたが基準かよぉぉぉぉ!!!!)


そうして新人研修の合宿が、2週目、3週目と続くうちに、最初に500人居た新人達はみるみる脱落していき、残ったのはわずか10名。

新人ZZY「ハァ・・・ヒィ・・・ヒィ・・・『お客様、それは…仕様…です…』」

新人ZZZ「ゲホ・・・ゲホ・・・ゼイゼイ・・・『おばあちゃん…年金口座……こっちの投資商品に……変えておいたからね…』」


ムカド社長「ウム、まぁいいだろう。合格だ!」

残った新人10人「ハァァァァァァアアア・・・・・」(脱力して倒れ込む)

ムカド社長「お前ら、立て」

そうして、ムカド社長は残った10人を一人一人立たせると、なんと! 急に涙を見せて、一人一人抱きしめ始めた!

ムカド社長「お前たち・・・この一ヶ月間、辛い思いをさせてすまなかった! だがな…俺は…俺は…! お前たちを早く一人前の社員にしてやりたくて…その一心だったんだよ!」

新人10人「しゃ、社長…」

ついには男泣きするムカド社長。

ムカド社長「よく、よくぞ…この訓練に耐えてくれた。正直、苦しんでいるお前たちを見て、俺も辛かった。だが・・・これで・・・これで俺たち、本当の仲間(戦友)になれたな!!!!!

新人10人「社長!!」

新人たちも、それぞれ、涙を流していた。

新人ZZY「社長! 俺! 今まで社長を誤解していました!! 本当はここまで俺たちのことを!!」

新人ZZZ「俺、社長についていきます! ムカドさんは俺たちの人生の鏡です! 一生ついていきます!!」

ムカド社長「お前らぁぁぁぁ!!!!」

新人10人「社長ぉぉぉぉぉぉ!!!」

抱き合うムカド社長と、訓練を乗り越えた新人たち。
しかし、新人達は気がつかなかった。ムカド社長の口元が密かに歪んでいたことに。

ムカド社長「(チョロい・・・www)」


「ザ・ムカドコンサルティング」は半年後、業界としては異例の速さで、東証一部に上場を果たす。時代の寵児ともてはやされたムカド社長は、その勢いに乗って、国政に出馬。
圧倒的多数の票を獲得し、衆議院議員となる。
もはや、とどまるところを知らぬムカド・サクセスストーリー。
彼を止められるものは、もはや誰もいないのかもしれない・・・。

エマ / 2016-04-05 01:03:00 No.2401
カムド「どうよ?」

リン「…………………………」

カムド「おい、どうした。まるでアクシオンに遭遇した『西住みほ』みたいな顔しおってw」
http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/...

リン「いや……なんというか……」

カムド「まぁ、なんというかホ○エモン超えたなwwww」

リン「超えてるわけないだろっ!! ○○ミもビックリのどブラックだー!!」

カムド「だってよぉ。『人間界の経済情勢の流れを捉えた作品を』って言ったのお前だろぉ〜?」

リン「目のつけどころがシャー○すぎだ、このバカー!!」

カムド「そうかなぁ……? アズマよ。どう思う?」

アズマ「うーん……。皆さんで涙を流して……良いお話なのでしょうか?」

リン「(ダメだ……本作、早くもアズマ様の判断能力の上限を超えた……)良い話なわけないじゃありませんか。こんなどっかで見たような話…って、うわ。タイトルこれ!」

アズマ「(本作のタイトルをのぞき見て)ええと、『マンガでわかる、ブラック企業のブラック企業によるブラック企業のためのレッツ奴隷社員育成マニュアル』……黒い色の会社は、皆このようなことをするものなのでしょうか? となりますと、あの黒いロゴマークで有名な〇〇株式会社さんや、XX株式会社さんも……」

カムド「アズマよ。今日も深く学んだな」

アズマ「はい」

リン「んなわけ……ないだろ……orz」









カムド「で、評定は?」

リン「評定って、あんた……」

カムド「もうよぉ。アヴァの助の作品なんて見んでも俺の勝ちで決まりだろ。な?な?」

リン「(無視)……評定、5段階でつけます。以下ご覧ください」


画力:−5点 (「なんですか。この園児級の抽象絵は…」 by リン)
キャラクター性: −256点  (「このムカドってやつ最低」 byリン)
ストーリー:ー1000兆点   (「反社会的漫画!!」 by リン)

総合点:マイナス 10の350乗点!!   (「つまり逝ってよし b」 by リン)



カムド「……おい、どこが5段階なんだよ。なんで全部マイナスなんだよ…」

リン「おかしいですか? 極めて的確に判断したつもりですが」

カムド「マイナス10のなんとか乗って、なんか底なし沼って感じだよなぁ…」

リン「何言ってるんです? 実際、底が無いんですよ

G5‐R / 2016-04-11 20:02:00 No.2401
おお、久々に来てみりゃ何かあるw
とりあえず、リンとやらをビジュアル化から始めようかw
んで、園児級の抽象絵とはいえカムドが漫画を描けるという事実に軽く驚愕w
これがゼクシアだったらもはや絵ですらない、ピ○ソもびっくりの前衛芸術となるであろうwww
まあ生前のG3‐XXもパソコンを使えたりしたから、意外なスキルってのもありだろう。
漫画の内容はよくわからんが何か元ネタでもあるのかね。
ビジネスものはよくわからん┐(・_・)┌

俺のネタってこれかw
アクシオンに遭遇した西住みほ、誰に遭遇したのやらw
クゥエル、ラグル、ゼクシア、どいつも呆れるほどのイカレポンチだからなw

エマ / 2016-04-11 21:11:00 No.2401
どもども、感想ありがとうですよ〜♪

リンちゃんはですね。そのうちイラスト書きますが、
とりあえず今の所は雰囲気的に『ああっ女神さまっ!』のスクルドをイメージしていただければOKですよb

漫画の内容は、カムドの方は特に元ネタの漫画はありません。まぁオリジナル言うたらオリジナルかな・・・。
ただ、体育会系のブラック企業では、この手の地獄の新人研修が本当にあるとかないとか…そんな話を聞いたことがあったものだから、強いて言えばそんな話をネタにはしていますかの。

>まあ生前のG3‐XXもパソコンを使えたりしたから、
な・・・んと!
何のために使ってたのか気になります。ロリ画像検索とか?(爆)


>アクシオンに遭遇した西住みほ、誰に遭遇したのやらw
おそらく、クゥエルさん、ラグルさん、ゼクシアさん、それぞれに遭遇したと思われますw

返信
功坂さんとのチャットで生まれた話
ノエルザブレイヴ / 2016-03-06 00:46:00 No.2399
2005年5月に功坂さんがチャットで書いて下さった話をこの度10年の時を経てリメイクしていただきましたので、私の方から公開させていただきます。

むか〜し昔ある所に ひとみ というそれは美しい少女がおりました。

しかし少女はいつも義姉や継母たちに虐められ、家事を無理やり押し付けられ、綺麗な服も着せてもらえず虐げられた生活を送っている可哀想な少女だったのです。

まゆり(継母)「ひとみちゃん、あとは私やっておきますから、休んでいて下さい」

あすか(義姉)「うん・・今日は・・ひとみがんばったもんね・・」

みゆう(義姉)「うん!そうだよ!!あとはあたしたちに任せて」

ひとみ「いえ、もう少しなので最後までさせて下さい」

・・・とても可哀想な少女です。


そんなある日、お城が開く舞踏会があるとの情報を聞いた継母まゆりは娘たちを呼んでこの事を話しました。

まゆり「ねえ、これみんなで参加しませんか?」

あすか「・・・いい、ですね」

みゆう「うん!さんせー!!」

ひとみ「あ、でも・・お庭のお掃除と、洗濯物があるんであたしはいいですよ」

まゆり「そんなぁ、一緒に出ましょうよ」

ひとみ「いえ、洗濯物がたまってしまってはいけませんし、当番は私の番ですんで」

まゆり「でも・・・」

ひとみだけは意地悪な継母に家事をおしつけられ、連れて行ってもらえませんでした。

おお〜なんてかわいそうなひとみ、毎日毎日継母たちにこき使われ辛い日々を送っていました。

ひとみ「よし、お掃除完了♪つぎはおせんたくぅ〜♪」

そんなかわいそうなひとみの前に一人の謎の魔法使いが現れました。

ハエの人(魔法使い)「ひっとみちゃ〜ん♪ねぇねぇ、これきなよぉ〜きっと似合うよ?げへへ〜」(ジュルリ)

その魔法使いは(舌なめずりをしながら)ひとみの前に現れ綺麗なドレス(スク水)を差し出しました。

ひとみ「え、え??で、でも・・お洗濯が・・」

ハエの人「そんなのあとでいいじゃ〜ん・・ほらぁほらぁ〜」(ずずいっ!)

そして魔法使いの魔法(超能力)によってドレス(スク水)姿に早変わりし(無理やり着替えさせられ)ました。

そして、そのドレス姿(スク水)にひとみは喜び(驚愕し)ました。

そして謎の魔法使いは優しくこう言いました。

ハエの人「それは12時になるまで絶対に脱げないんだよぉ〜でも、12時になったら勝手に脱げちゃって真っ裸・・げへへへへへ〜俺のダチに頼んで作ってもらった特注品さ〜w」

そんな優しい魔法使いにひとみは喜びに震えこう叫びました。

ひとみ「そんな・・・ひどい!!いやぁあああああ〜」

そしてひとみは一目散にお城に向かって走って(逃げて)いきました。

ハエの人「あ、ひとみちゃ〜ん待ってぇ〜〜!!』

ひとみの足は意外に速く、あっと言う間にお城に到着したので、それはもうナレーションの挟む隙もないほどでした。


お城ではすでに舞踏会が始まっており、会場はとても賑やかでした。

そんな所に綺麗なドレス(スク水)を身に纏った少女が現れました。

みゆう「あ、ひとみちゃんだ〜」

あすか「・・・そう、ですね」

まゆり「あんな格好でどうしたんでしょう」

しかし、その綺麗なドレスを身に纏ったひとみを誰一人として、ひとみだと分かる者はおりませんでした。

そして、上から眺めているだけだった王子様がそれを見た瞬間、重い腰をあげました。

光彦(王子)「わ、すくみずの女性じゃないか!どうしたんだ!?」

それを見た瞬間王子は胸を打たれ(正義感に駆り立てられ)その女性の前に向かいました。

光彦「どうしたんだい?その・・・それはいったい・・・」

王子様はその女性をダンスに誘いました。

ひとみ「実は悪い魔法使いに・・」

そのハンサムな王子様に胸を射抜かれたひとみはその申し出を受けました。

光彦「それはひどい・・すぐに別のドレスを用意させよう」

って!こら!!ナレーションと会話がかみ合ってないだろ!!ちゃんとやれ!!

ひとみ「そんなこと言ったって、こんな格好じゃ踊れません!」

ではナレーション権限!中略!!!

ボーンボーン

11時55分の鐘がなりました。

ひとみ「あの、王子様・・なんでこんな中途半端な時間に鐘が鳴るんですか?」

光彦「5分ごとに鐘が鳴るのさ」

ひとみ「そ、それは随分うるさいですね・・・」

約束の時間までに戻らなければ魔法が解けて(真っ裸になって)しまいます。

ひとみ「あの・・あたし、そろそろ帰ります」

光彦「え?そんな、どうして・・・」

ひとみ「じ、実は・・11時58分に待ち合わせをしてるんです!1分でも遅れてはいけないんです」

光彦「ず、随分中途半端な時間に待ち合わせしてるんだね・・・」

少女はついとっさに嘘をついてしまいました。

ひとみ「で、ですから・・さようなら!!」

そして少女は駆け出しました。

慌てて王子はその後を追いました。

が、少女はやはりに足が速く、到底王子様は追いつけません。

ふと王子は足元を見ると、何かが落ちています。

おそらく少女が慌てて落としていったものでしょう。


少女は真っ裸で家に向かって走りました。

帰る途中に酔っ払いのおっさんに絡まれましたが持ち前の腕力でなぎ倒し、なんとか家までたどり着きました。


そして次の日・・・

光彦「このスクール水着を着れる者はいないか!?」

すっかりそのドレスはみんなの注目の的になり(変態扱いされ)ました

そしてそんな中、ダッシュで現れた少女は・・・

ひとみ「は、はずかしいから私の来たスクール水着なんてみんなの前で見せないで下さい!!」

王子は喜びました、あの日の女性が現れたのです。

まゆり、あすか、みゆう「あ!ひとみ(ちゃん)!」

おっさん「あ!昨日の全裸女!」

その顔にも見覚えがありました。

光彦「俺と・・・結婚してくれ!」

ひとみ「え!?あ、はい!!・・・・え??」

こうして二人は幸せに暮らしましたとさ・・・

おしまい

エマ / 2016-03-24 09:03:00 No.2399
ひとみちゃん、どこがいじめられてるんだwww
というのはお約束のツッコミですな。

亮たんのSS作品は勢いとか笑いのツボがですな。センスが良いのですよとにかく。

酔っ払いのおっさんとか、どうでもいいキャラも良い味出してるしw

光彦「このスクール水着を着れる者はいないか!?」

という原作台無しのセリフもおもろいw

まぁ、ひとみちゃんと光彦王子、仲良くスクール水着プレイでもしながら末長くお幸せに(←殴